4.1.6 サービス階層で監視対象を設定する
サービス階層で監視対象を設定する流れを次に示します。
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アプリケーションを作成する
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アプリケーションのプロパティ(監視するアプリケーション名やしきい値)を設定する
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監視エージェントにアラームテーブルをバインドする※
- 注※
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アラームテーブルのバインドは,PFM - Web Consoleの[エージェント階層]画面で実行します。
プロセス単位またはサービス単位で稼働・非稼働情報を収集する場合,アプリケーション作成時に,アプリケーションにプロセスまたはサービスを1つだけ設定します。アプリケーション単位で稼働・非稼働情報を収集する場合,アプリケーション作成時に,アプリケーションにプロセスまたはサービスを複数設定します。
監視対象の設定方法の詳細を次に示します。
(1) アプリケーションを作成する
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監視コンソールのWebブラウザからPFM - Web Consoleにログインする。
[メイン]画面が表示されます。
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[メイン]画面のナビゲーションフレームで[サービス階層]タブを選択する。
[サービス階層]画面が表示されます。
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ナビゲーションフレームから[Machines]フォルダの下位の階層を展開する。
Performance Managementのサービスがインストールされているホストの名前が付いたフォルダが表示されます。また,ホスト名が付いたフォルダを展開すると,そのホストにインストールされているサービスが表示されます。
各サービスの名前は,サービスIDで表示されます。サービスIDの詳細については「付録B 識別子一覧」,およびマニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録の,サービスの命名規則について説明している個所を参照してください。
サービスIDの形式は,プロダクト名表示機能が有効か無効かによって異なります。プロダクト名表示機能の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のPerformance Managementの機能について説明している章を参照してください。
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監視エージェントホストのフォルダの下位にある階層を展開し,リモートエージェント(デバイスID<プロダクト名>)を選択する。
選択したリモートエージェントにチェックマークが表示されます。
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メソッドフレームの[プロパティ]メソッドを選択する。
[サービスのプロパティ]画面が表示されます。
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[Remote Monitor Configuration]ツリー配下の[ADDITION OR DELETION A SETTING]ツリーを選択する。
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インフォメーションフレームの下部の[ADD AN APPLICATION MONITORING SETTING]にアプリケーション名を指定する。
アプリケーション名,および指定する文字列については,次の規則に従ってください。
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ユーザーが任意のアプリケーション名を指定できます。指定したアプリケーション名は,PD_APP2レコード,PD_APPCレコード,およびPD_APPDレコードの「Application Name」フィールドに格納され,アプリケーションを特定するための識別子として利用されます。そのため,アプリケーション名は,ユニークな名称を指定してください。
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指定できる文字は,次の文字を除く半角英数字および半角記号です。1〜63バイトの範囲で指定できます。
タブ文字(\t) \ : ; , * ? " ' <> |
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設定できるアプリケーションの数は,64個までです。
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[OK]ボタンをクリックする。
[サービスのプロパティ]画面の[Remote Monitor Configuration]−[Application monitoring setting]ツリーの下位に,アプリケーション名のツリーが生成されます。
(2) アプリケーションのプロパティを設定する
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「(1) アプリケーションを作成する」の手順を実行したあと,再び[サービスのプロパティ]画面を表示し,[Remote Monitor Configuration]−[Application monitoring setting]ツリーの下位に生成されたアプリケーション名のツリーを選択する。
インフォメーションフレームの下部に,プロパティ情報の入力画面が表示されます。
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プロパティを設定する。
仮想化環境の識別子,監視ラベル,監視フィールド,監視条件,および監視対象数のしきい値の下限値と上限値を設定します。複数のプロセス情報を設定できます。プロパティを次の表に示します。
表4‒3 アプリケーションのプロパティの設定項目 設定項目
プロパティ名
設定内容
対応するレコードのフィールド名
仮想化環境の識別子
Virtual Environment ID※1
仮想化システムで運用している場合,仮想化環境を特定するための識別子を入力します。指定した場合,特定環境のプロセスだけに限定できます。
指定できる文字は,タブ文字(\t)を除く半角英数字および半角記号です。1〜63バイトの範囲で指定できます。PD_APSレコードの「Virtual Env ID」フィールドの値で評価します。
PD_APP2レコードの「Virtual Env ID」フィールド
監視ラベル
MonitoringXX Label
監視条件を特定するためのラベルを指定します。
指定できる文字はタブ文字(\t)を除く半角英数字および半角記号です。31バイト以内で指定できます。
デフォルトは「MonitoringXX※2」です。
何も入力しない場合は,デフォルトの「MonitoringXX※2」が設定されます。
監視ラベルは,ユニークな名称を指定してください。
PD_APPC,PD_APPDレコードの「Monitoring Label」フィールド
監視フィールド
MonitoringXX Field
「Program Name」,「Command Line」,「Service Name」,「None」のどれかを選択します。
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Program Name
PD_APSレコードの「Program Name」フィールドの値を使用して評価します。
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Command Line
PD_APSレコードの「Command Line」フィールドの値を使用して評価します。
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Service Name
PD_ASVCレコードの「Service Name」フィールドの値を使用して評価します。
-
None
評価しません。
デフォルトは「None」です。
PD_APPDレコードの「Monitoring Field」フィールド
監視条件※3
MonitoringXX Condition
監視対象を特定するための条件を入力します。
指定できる文字はタブ文字(\t)を除く半角英数字および半角記号です。4,096バイト以内で指定できます。
デフォルトは空白です。
PD_APPDレコードの「Monitoring Condition」フィールド
監視対象数のしきい値の下限値と上限値※4
MonitoringXX Range
監視数のしきい値の下限値と上限値を,「1-2」のようにハイフン(-)でつないで入力します。
設定できる値は0〜65535です。
デフォルトは「0-0」です。
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下限値
PD_APPDレコードの「Monitoring Min」フィールド
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上限値
PD_APPDレコードの「Monitoring Max」フィールド
- 注※1
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Virtual Environment IDプロパティには,PD_APSレコードの「Virtual Env ID」フィールドを確認して,このフィールドと同じ文字列を入力する必要があります。
- 注※2
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「XX」には01〜15までの数値が入ります。PD_APPCレコードおよびPD_APPDレコードの「Monitoring Number」フィールドに対応した数値が設定されます。
注※3
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ワイルドカード(「*」と「?」)を使用して指定できます。
「*」は0個以上の任意の文字,「?」は任意の1文字を意味します。
ただし,監視対象プロセスのコマンドライン自体に「*」,「?」などが含まれる場合は,完全一致による監視条件は指定できません。
例えば,次の3つのプロセスが存在する場合,監視条件に「/bin/sample "*"」と入力すると,監視条件の「*」がワイルドカードとして扱われるため,次のすべてが該当することになります。
・/bin/sample "*"
・/bin/sample "abc"
・/bin/sample "def"
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プロセスの稼働・非稼働情報収集の設定で,監視条件(MonitoringXX Condition)に128バイト以上の文字を設定した場合でも,PD_APPDレコードの「Monitoring Condition」フィールドには,設定された監視条件の先頭から127バイトまでしか表示されません。ただし,設定された監視条件で監視します。
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監視対象ホストがWindowsの場合,監視条件から監視対象を特定するときに,デフォルトでは,大文字と小文字は区別されません。監視対象ホストがUNIXの場合,監視条件から監視対象を特定するときに,デフォルトでは,大文字と小文字は区別されます。監視条件から監視対象を特定するときに,大文字と小文字を区別するかどうかの設定を変更する方法については,「4.1.12 監視対象となるプロセス名またはサービス名の大文字と小文字の区別を設定する」を参照してください。
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監視対象ホストがWindowsの場合,[MonitoringXX Field]プロパティに「Program Name」を指定したときは,[MonitoringXX Condition]プロパティにWindowsのプログラムの拡張子(.exeなど)を指定してください。
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MonitoringXX Conditionプロパティには,PD_APSレコードの「Program Name」フィールド,PD_APSレコードの「Command Line」フィールド,およびPD_ASVCレコードの「Service Name」フィールドを確認して,これらのフィールドと同じ文字列を入力する必要があります。
取得元の情報にASCIIコードの文字(0x20〜0x7E)以外が含まれる場合,PD_APSレコードの「Program Name」フィールド,PD_APSレコードの「Command Line」フィールド,PD_ASVCレコードの「Service Name」フィールド,およびPD_APSレコードの「Virtual Env ID」フィールドには,「#(0x23)」に変換された値が格納されます。1バイト単位で変換されるため,例えば,マルチバイト文字の「A」(全角)は次のように変換されます。
取得元の情報
変換後の情報
文字コードの種類
バイナリ
バイナリ
文字列
Shift-JISコード
8260
2360
#`
EUCコード
A3C1
2323
##
UTF-8コード
EFBCA1
232323
###
- 注※4
-
子プロセスを生成するプロセスを監視する場合は,「9.2.5(4) プロセス監視に関するアラームが意図したとおりに通知されない」を参照して,上限値を指定してください。
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[OK]ボタンをクリックする。
設定内容が有効になります。
(3) 監視エージェントにアラームテーブルをバインドする
監視エージェントに,稼働・非稼働情報を監視するためのアラームテーブルをバインドします。
稼働・非稼働情報を監視するためのアラームは,Application Statusアラームです。必要に応じて編集してください。
Application Statusアラームの詳細については,「6. 監視テンプレート」の「Application Status」を参照してください。
子プロセスを生成するプロセスを監視する場合は,「9.2.5(4) プロセス監視に関するアラームが意図したとおりに通知されない」を参照して,アラームの通知方法を設定してください。
アラームテーブルをバインドする方法を次に示します。
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監視コンソールのWebブラウザからPFM - Web Consoleにログインする。
[メイン]画面が表示されます。
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[メイン]画面のナビゲーションフレームで[エージェント階層]タブを選択する。
[エージェント階層]画面が表示されます。
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ナビゲーションフレームのエージェント階層で,リモートエージェント(デバイスID<プロダクト名>)を選択する。
選択したリモートエージェントにチェックマークが表示されます。
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メソッドフレームから[アラームテーブルのバインド]を選択する。
[アラームテーブルのバインド[アラームテーブル選択]]画面が表示されます。
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[RM Platform]フォルダの下位に表示されるアラームテーブルを選択し,[OK]ボタンをクリックする
特定のプロセスの状態だけを監視する場合は,次の条件式のアラームを作成して,監視できます。
設定項目 |
条件式 |
---|---|
レコード |
Application Process Count (PD_APPC) |
フィールド |
Application Name Monitoring Label Monitoring Status |
異常条件および警告条件※1 |
Application Name = Name※2 AND Monitoring Label = Label※2 AND Monitoring Status = ABNORMAL |
- 注※1
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異常条件と警告条件には,同じ条件を指定します。
- 注※2
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監視したいアプリケーション名と監視ラベルを指定します。