4.1.2 エージェント階層で監視対象を設定する
エージェント階層で監視対象を設定する流れを次に示します。
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アプリケーションを作成する
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監視エージェントにアラームテーブルをバインドする
プロセス単位またはサービス単位で稼働・非稼働情報を収集する場合,アプリケーション作成時に,アプリケーションにプロセスまたはサービスを1つだけ設定します。アプリケーション単位で稼働・非稼働情報を収集する場合,アプリケーション作成時に,アプリケーションにプロセスまたはサービスを複数設定します。
監視対象の設定方法の詳細を次に示します。
(1) アプリケーションを作成する
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監視コンソールのWebブラウザからPFM - Web Consoleにログインする。
[メイン]画面が表示されます。
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[メイン]画面のナビゲーションフレームで[エージェント階層]タブを選択する。
[エージェント階層]画面が表示されます。
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ナビゲーションフレームのエージェント階層で,リモートエージェント(デバイスID<プロダクト名>)を選択する。
選択したリモートエージェントにチェックマークが表示されます。
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メソッドフレームの[プロセス監視の設定]メソッドを選択する。
[プロセス監視の設定]画面が表示されます。
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新規に設定する場合は,[作成]ボタンをクリックする。設定を変更する場合は,[アプリケーション定義]から変更したいアプリケーション定義を選択し,[編集]ボタンをクリックする。
アプリケーション定義は,複数選択できません。
[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の新規作成]画面または[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の編集]画面が表示されます。
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新規作成の場合,[アプリケーション定義名]にアプリケーション定義名を指定する。
アプリケーション定義名,および指定する文字列については,次の規則に従ってください。
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ユーザーが任意のアプリケーション定義名を指定できます。指定したアプリケーション定義名は,PD_APP2レコード,PD_APPCレコード,およびPD_APPDレコードの「Application Name」フィールドに格納され,アプリケーションを特定するための識別子として利用されます。そのため,アプリケーション定義名は,ユニークな名称を指定してください。
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指定できる文字は,次の文字を除く半角英数字および半角記号です。1〜63バイトの範囲で指定できます。
タブ文字(\t) \ : ; , * ? " ' <> |
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設定できるアプリケーションの数は,64個までです。
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仮想化システムで運用している場合,[仮想化環境の識別子]に仮想化環境の識別子を指定する。
仮想化システムで運用している場合,仮想化環境を特定するための識別子を入力します。指定した場合,監視対象を特定環境のプロセスだけに限定できます。
指定できる文字は,タブ文字(\t)を除く半角英数字および半角記号です。1〜63バイトの範囲で指定できます。PD_APSレコードの「Virtual Env ID」フィールドの値で評価します。
- 注意
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[仮想化環境の識別子]には,PD_APSレコードの「Virtual Env ID」フィールドを確認して,このフィールドと同じ文字列を入力する必要があります。
取得元の情報にASCIIコードの文字(0x20〜0x7E)以外が含まれる場合,PD_APSレコードの「Virtual Env ID」フィールドには,「#(0x23)」に変換された値が格納されます。1バイト単位で変換されるため,例えば,マルチバイト文字の「A」(全角)は次のように変換されます。
取得元の情報
変換後の情報
文字コードの種類
バイナリ
バイナリ
文字列
Shift-JISコード
8260
2360
#`
EUCコード
A3C1
2323
##
UTF-8コード
EFBCA1
232323
###
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アプリケーションの詳細情報を設定する。
[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の新規作成]画面または[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の編集]画面で設定できる詳細情報を次の表に示します。
表4‒1 設定できるアプリケーションの詳細情報 設定項目名
設定内容
対応するレコードのフィールド名
名称※1
監視対象を特定するための条件を入力します。
指定できる文字はタブ文字(\t)を除く半角英数字および半角記号です。4,096バイト以内で指定できます。
PD_APPDレコードの「Monitoring Condition」フィールド
ラベル
監視条件を特定するためのラベルを指定します。
指定できる文字はタブ文字(\t)を除く半角英数字および半角記号です。31バイト以内で指定できます。
デフォルトは「MonitoringXX※2」です。
何も入力しない場合は,デフォルトの「MonitoringXX※2」が設定されます。
監視ラベルは,ユニークな名称を指定してください。
PD_APPC,PD_APPDレコードの「Monitoring Label」フィールド
種別
「プログラム」,「コマンドライン」,「サービス」,「選択なし」のどれかを選択します。
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プログラム
PD_APSレコードの「Program Name」フィールドの値を使用して評価します。
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コマンドライン
PD_APSレコードの「Command Line」フィールドの値を使用して評価します。
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サービス
PD_ASVCレコードの「Service Name」フィールドの値を使用して評価します。
-
選択なし
評価しません。
PD_APPDレコードの「Monitoring Field」フィールド
下限※3
監視数のしきい値の下限値を入力します。
設定できる値は0〜65535です。デフォルトは「0」です。
PD_APPDレコードの「Monitoring Min」フィールド
上限
監視数のしきい値の上限値を入力します。
設定できる値は0〜65535です。ただし,[下限]の指定値以上の値を指定する必要があります。デフォルトは「0」です。
PD_APPDレコードの「Monitoring Max」フィールド
注※1
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ワイルドカード(「*」と「?」)を使用して指定できます。
「*」は0個以上の任意の文字,「?」は任意の1文字を意味します。
ただし,監視対象プロセスのコマンドライン自体に「*」,「?」などが含まれる場合は,完全一致による監視条件は指定できません。
例えば,次の3つのプロセスが存在する場合,監視条件に「/bin/sample "*"」と入力すると,監視条件の「*」がワイルドカードとして扱われるため,次のすべてが該当することになります。
・/bin/sample "*"
・/bin/sample "abc"
・/bin/sample "def"
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プロセスの稼働・非稼働情報収集の設定で,監視条件として[名称]に128バイト以上の文字を設定した場合でも,PD_APPDレコードの「Monitoring Condition」フィールドには,設定された監視条件の先頭から127バイトまでしか表示されません。ただし,設定された監視条件で監視します。
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監視対象ホストがWindowsの場合,[名称]で指定した監視条件から監視対象を特定するときに,デフォルトでは,大文字と小文字は区別されません。監視対象ホストがUNIXの場合,[名称]で指定した監視条件から監視対象を特定するときに,デフォルトでは,大文字と小文字は区別されます。監視条件から監視対象を特定するときに,大文字と小文字を区別するかどうかの設定を変更する方法については,「4.1.12 監視対象となるプロセス名またはサービス名の大文字と小文字の区別を設定する」を参照してください。
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監視対象ホストが Windowsの場合,[種別]に「プログラム」を指定したときは,[名称]にWindowsのプログラムの拡張子(.exeなど)を指定してください。
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[名称]には,PD_APSレコードの「Program Name」フィールド,PD_APSレコードの「Command Line」フィールド,およびPD_ASVCレコードの「Service Name」フィールドを確認して,これらのフィールドと同じ文字列を入力する必要があります。
取得元の情報にASCIIコードの文字(0x20〜0x7E)以外が含まれる場合,PD_APSレコードの「Program Name」フィールド,PD_APSレコードの「Command Line」フィールド,またはPD_ASVCレコードの「Service Name」フィールドには,「#(0x23)」に変換された値が格納されます。1バイト単位で変換されるため,例えば,マルチバイト文字の「A」(全角)は次のように変換されます。
取得元の情報
変換後の情報
文字コードの種類
バイナリ
バイナリ
文字列
Shift-JISコード
8260
2360
#`
EUCコード
A3C1
2323
##
UTF-8コード
EFBCA1
232323
###
- 注※2
-
「XX」には01〜15までの数値が入ります。PD_APPCレコードおよびPD_APPDレコードの「Monitoring Number」フィールドに対応した数値が設定されます。
- 注※3
-
子プロセスを生成するプロセスを監視する場合は,「9.2.5(4) プロセス監視に関するアラームが意図したとおりに通知されない」を参照して,数値を指定してください。
- 参考
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[入力支援機能]の[エージェント]プルダウンメニューから監視対象ホストのリモートエージェントを選択し,[実行]ボタンをクリックすると,[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の新規作成 > 監視対象種別一覧から追加]画面※または[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の編集 > 監視対象種別一覧から追加]画面※が表示されて,プロセスを選択してプロパティを設定できます。
- 注※
-
監視対象種別には,[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の新規作成]画面または[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の編集]画面の[種別]の指定内容によって,「稼働中のプログラム」,「稼働中のコマンドライン」,または「サービス」が表示されます。
[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の新規作成]画面または[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の編集]画面の[種別]に「プログラム」を指定した場合は「稼働中のプログラム」,「コマンドライン」を指定した場合は「稼働中のコマンドライン」,「サービス」を指定した場合は「サービス」が表示されます。デフォルトでは「稼働中のプログラム」が表示されます。
-
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[OK]ボタンをクリックする。
設定内容が有効になります。
なお,「(1) アプリケーションを作成する」の操作手順8以降で,[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の新規作成 > 監視対象種別一覧から追加]画面※または[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の編集 > 監視対象種別一覧から追加]画面※からプロパティを設定する場合の手順を次に示します。
- 注※
-
監視対象種別には,[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の新規作成]画面または[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の編集]画面の[種別]の指定内容によって,「稼働中のプログラム」,「稼働中のコマンドライン」,または「サービス」が表示されます。
[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の新規作成]画面または[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の編集]画面の[種別]に「プログラム」を指定した場合は「稼働中のプログラム」,「コマンドライン」を指定した場合は「稼働中のコマンドライン」,「サービス」を指定した場合は「サービス」が表示されます。デフォルトでは「稼働中のプログラム」が表示されます。
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「(1) アプリケーションを作成する」の操作手順1〜7を実行する。
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[入力支援機能]の[エージェント]プルダウンメニューから監視対象ホストのリモートエージェントを選択し,[実行]ボタンをクリックする。
[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の新規作成 > 監視対象種別一覧から追加]画面または[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の編集 > 監視対象種別一覧から追加]画面が表示されます。
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[一覧]の左側のプルダウンメニューから監視対象の種別(「稼働中のプログラム」,「稼働中のコマンドライン」,「サービス」のどれか)を選択し,[選択]ボタンをクリックする。
[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の新規作成 > 監視対象種別一覧から追加]画面または[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の編集 > 監視対象種別一覧から追加]画面の下部にプロセスの一覧が表示されます。
プロセスの一覧で,[絞り込み]にキーワードを指定して[実行]ボタンをクリックすると,プロセス名にキーワードを含むプロセスだけを表示できます。[解除]ボタンをクリックすると,元のプロセスの一覧に戻ります。
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プロセスの一覧から監視したいプロセスを選択し,[OK]ボタンをクリックする。
[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の新規作成 > 監視対象種別一覧から追加]画面または[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の編集 > 監視対象種別一覧から追加]画面が閉じて,[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の新規作成]画面または[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の編集]画面に戻ります。
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[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の新規作成]画面または[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の編集]画面で,必要な設定項目を変更する。
設定項目については,「表4-1」を参照してください。
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[OK]ボタンをクリックする。
設定内容が有効になります。
(2) 監視エージェントにアラームテーブルをバインドする
監視エージェントに,稼働・非稼働情報を監視するためのアラームテーブルをバインドします。稼働・非稼働情報を監視するためのアラームは,Application Statusアラームです。必要に応じて編集してください。Application Statusアラームについては,「6. 監視テンプレート」の「Application Status」を参照してください。子プロセスを生成するプロセスを監視する場合は,「9.2.5(4) プロセス監視に関するアラームが意図したとおりに通知されない」を参照して,アラームの通知方法を設定してください。
アラームテーブルをバインドする場合,次の方法があります。
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PFM RM Platform Template Alarms [APP] 09.10のアラームテーブルをバインドする
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ユーザーが作成したアラームテーブルをバインドする
PFM RM Platform Template Alarms [APP] 09.10のアラームテーブルをバインドする方法
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監視コンソールのWebブラウザからPFM - Web Consoleにログインする。
[メイン]画面が表示されます。
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[メイン]画面のナビゲーションフレームで[エージェント階層]タブを選択する。
[エージェント階層]画面が表示されます。
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ナビゲーションフレームのエージェント階層で,リモートエージェント(デバイスID<プロダクト名>)を選択する。
選択したリモートエージェントにチェックマークが表示されます。
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メソッドフレームの[プロセス監視の設定]メソッドを選択する。
[プロセス監視の設定]画面が表示されます。
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[プロセス監視用アラームでの監視の設定]の[開始]ボタンをクリックする。
監視エージェントに,アラームテーブルがバインドされます。
ユーザーが作成したアラームテーブルをバインドする方法
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監視コンソールのWebブラウザからPFM - Web Consoleにログインする。
[メイン]画面が表示されます。
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[メイン]画面のナビゲーションフレームで[エージェント階層]タブを選択する。
[エージェント階層]画面が表示されます。
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ナビゲーションフレームのエージェント階層で,リモートエージェント(デバイスID<プロダクト名>)を選択する。
選択したリモートエージェントにチェックマークが表示されます。
-
メソッドフレームから[アラームテーブルのバインド]を選択する。
[アラームテーブルのバインド[アラームテーブル選択]]画面が表示されます。
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[RM Platform]フォルダの下位に表示されるアラームテーブルを選択し,[OK]ボタンをクリックする。
監視エージェントに,アラームテーブルがバインドされます。
特定のプロセスの状態だけを監視する場合は,次の条件式のアラームを作成して,監視できます。
設定項目 |
条件式 |
---|---|
レコード |
Application Process Count (PD_APPC) |
フィールド |
Application Name Monitoring Label Monitoring Status |
異常条件および警告条件※1 |
Application Name = Name※2 AND Monitoring Label = Label※2 AND Monitoring Status = ABNORMAL |
- 注※1
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異常条件と警告条件には,同じ条件を指定します。
- 注※2
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監視したいアプリケーション名と監視ラベルを指定します。