jpcconf host hostname
形式
jpcconf host hostname [-lhost 論理ホスト名] -newhost 新ホスト名 -d バックアップディレクトリ名 [-dbconvert {convert|delete}]
機能
jpcconf host hostnameコマンドは,Performance Managementシステムの監視ホスト名を変更するコマンドです。実ホスト名を変更する場合,このコマンドで監視ホスト名を変更してから,実ホスト名を変更します。物理ホストおよび論理ホストの監視ホスト名を変更できます。
このコマンドでは,監視ホスト名の取得方法は変更されません。なお,このコマンドを実行する場合,定義情報や性能情報などはすべて引き継がれます。
コマンドを実行できるホスト
-
PFM - Manager
-
PFM - Agent
-
PFM - Base
-
PFM - RM
実行権限
- Windowsの場合
-
Administrators権限を持つユーザー(WindowsのUAC機能が有効な場合は管理者コンソールから実行)
- UNIXの場合
-
rootユーザー権限を持つユーザー
格納先ディレクトリ
- Windowsの場合
-
インストール先フォルダ\tools\
- UNIXの場合
-
/opt/jp1pc/tools/
引数
-lhost 論理ホスト名
変更したい論理ホスト名を指定します。1〜32バイトの半角英数字で指定します。空白文字は,指定できません。指定を省略した場合,物理ホストが仮定されます。ワイルドカード文字は使用できません。
-newhost 新ホスト名
新しいホスト名を指定します。条件ごとに,指定するホスト名の種別と入力値の注意事項を次の表に示します。
条件 |
指定するホスト名の種別 |
入力値の注意事項 |
|
---|---|---|---|
-lhostオプションの指定 |
監視ホスト名の取得方法※1 |
||
なし |
hostname |
物理ホスト名(hostnameコマンドで表示される値) |
|
uname -n |
物理ホスト名(uname -nコマンドで表示される値) |
||
alias |
エイリアス名(任意のホスト名)※2 |
|
|
あり |
− |
論理ホスト名 |
|
- (凡例)
-
−:該当しない
- 注※1
-
監視ホスト名の取得方法は,jpcconf host hostmodeコマンドで設定します。
監視ホスト名の取得方法の現在の状態は,jpcconf host hostmode -displayコマンドで確認できます。
- 注※2
-
エイリアス名については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
-d バックアップディレクトリ名
バックアップ先のディレクトリ名を指定します。存在するディレクトリを指定してください。Agent StoreまたはRM StoreのStoreデータベースの格納先ディレクトリ以下のディレクトリは指定できません。1〜130バイトの半角英数字,半角記号,または半角空白文字で指定します。ただし,次の記号は指定できません。
; , * ? ' " < > |
空白文字を含む場合," "で囲んでください。
ディレクトリ名として,配下にファイルまたはディレクトリのない空のディレクトリを指定してください。
-dbconvert {convert|delete}
パフォーマンスデータの引き継ぎ方法を指定します。指定を省略した場合,convertが設定されます。
convertを指定すると,Storeデータベースのホスト名情報を新しいホスト名に変換して,データを引き継ぎます。
deleteを指定すると,Storeデータベースを削除し,データを引き継ぎません。ただし,PFM - Managerで管理しているイベントデータの情報は削除されないで引き継がれます。
注意事項
-
jpcconf host hostnameコマンドを実行する場合は,実行ホスト上のPFM - ManagerまたはPFM - Baseのバージョンが09-00以降である必要があります。
-
jpcconf host hostnameコマンドを実行する場合は,指定したホストのサービスがすべて停止している必要があります。
-
jpcconf host hostnameコマンドの-dオプションに指定するディレクトリには,目安として,指定したホストにあるPFM - AgentおよびPFM - RMのStoreデータベース容量およびインポートディレクトリにあるデータベース容量の合計と同量の空きディスク容量が必要です。ただし,Storeデータベースの格納先ディレクトリおよびインポートディレクトリを変更している場合,変更後のディレクトリのデータベース容量を基に,必要なディスク容量を算出してください。
-
jpcconf host hostnameコマンドの実行中に他コマンドを実行しないでください。ほかのコマンドを実行した場合,jpcconf host hostnameコマンドまたは他コマンドの実行に失敗するおそれがあります。
-
jpcconf host hostnameコマンドの実行に失敗し,KAVE05181-EまたはKAVE05182-Eメッセージが出力された場合,次の手順に従って回復してください。
-
直前のメッセージを確認しエラーの要因を取り除いてください。
-
コマンド失敗時にKAVE05172-Iメッセージが出力されているかどうか確認してください。
出力されている場合は,バックアップディレクトリにバックアップしたデータを,バックアップ元にリストアしてください。
バックアップデータには,次の表に示すデータがバックアップされているので,それぞれバックアップ先からバックアップ元にリストアしてください。なお,Windows環境では,次の表の"/"は,"\"と読み替えてください。
物理ホスト名変更が失敗した場合
分類
バックアップ元
バックアップ先
Storeデータベース
各エージェントのStoreディレクトリ
- マルチインスタンスエージェントの場合:
-
バックアップディレクトリ/agtX※1/インスタンス/store
- シングルインスタンスエージェントの場合:
-
バックアップディレクトリ/agtX※1/store
定義ファイル
インストール先ディレクトリ/jpcns.ini
バックアップディレクトリ/jpcns.ini
インストール先ディレクトリ/jpcns_backup.ini
バックアップディレクトリ/jpcns_backup.ini
インストール先ディレクトリ/jpccomm.ini
バックアップディレクトリ/jpccomm.ini
インストール先ディレクトリ/agtX※1/agent/agtlist.ini※2
バックアップディレクトリ/agtX※1/agent/agtlist.ini※2
インストール先ディレクトリ/agtX※1/store/stolist.ini※2
バックアップディレクトリ/agtX※1/store/stolist.ini※2
インストール先ディレクトリ/bin/statsvr/restart.ini
バックアップディレクトリ/bin/statsvr/restart.ini
インストール先ディレクトリ/sys/jp1sysEvent.ini
バックアップディレクトリ/sys/jp1sysEvent.ini
注※1 agtXは,エージェントのサービスキーです。各エージェントのサービスキーについては,各エージェントのマニュアルを参照してください。
注※2 マルチインスタンスエージェントの場合だけです。
論理ホスト名変更が失敗した場合
分類
バックアップ元
バックアップ先
Storeデータベース
各エージェントのStoreディレクトリ
- マルチインスタンスエージェントの場合:
-
バックアップディレクトリ/agtX※1/インスタンス/store
- シングルインスタンスエージェントの場合:
-
バックアップディレクトリ/agtX※1/store
定義ファイル
環境ディレクトリ/jp1pc/jpcns.ini
バックアップディレクトリ/jpcns.ini
環境ディレクトリ/jp1pc/jpcns_backup.ini
バックアップディレクトリ/jpcns_backup.ini
環境ディレクトリ/jp1pc/jpccomm.ini
バックアップディレクトリ/jpccomm.ini
環境ディレクトリ/jp1pc/agtX※1/agent/agtlist.ini※2
バックアップディレクトリ/agtX※1/agent/agtlist.ini※2
環境ディレクトリ/jp1pc/agtX※1/store/stolist.ini※2
バックアップディレクトリ/agtX※1/store/stolist.ini※2
環境ディレクトリ/jp1pc/bin/statsvr/restart.ini
バックアップディレクトリ/bin/statsvr/restart.ini
環境ディレクトリ/jp1pc/sys/jp1sysEvent.ini
バックアップディレクトリ/sys/jp1sysEvent.ini
注※1 agtXは,エージェントのサービスキーです。各エージェントのサービスキーについては,各エージェントのマニュアルを参照してください。
注※2 マルチインスタンスエージェントの場合だけです。
-
コマンドを再実行してください。
-
戻り値
0 |
正常終了した。 |
1 |
引数の指定に誤りがある。 |
2 |
コマンドの実行権限がない。 |
4 |
実行ホスト上のPerformance Managementサービスが起動している。 |
10 |
コマンドが実行中である。 |
11 |
ユーザーまたはシステムによって処理が中断された。 |
100 |
Performance Managementの環境が不正である。 |
102 |
指定された論理ホスト名はセットアップされていない。 |
200 |
メモリーが不足している。 |
210 |
ディスク容量が不足している。 |
211 |
ファイルまたはディレクトリにアクセスできない。 |
220 |
サービス構成情報ファイルに指定しているホスト名が不正である。 |
222 |
通信処理でエラーが発生した。 |
223 |
通信処理でタイムアウトが発生した。 |
255 |
予期しないエラーが発生した。 |
使用例1
物理ホスト名をhostBに変更する場合のコマンド実行例を次に示します。
jpcconf host hostname -newhost hostB -d d:\backup
使用例2
論理ホスト名をlhostAからlhostBに変更する場合のコマンド実行例を次に示します。
jpcconf host hostname -lhost lhostA -newhost lhostB -d d:\backup -dbconvert delete
出力例
バックアップの削除に成功した場合の標準出力の出力例を次に示します。
標準出力の出力例
KAVE05166-I ホスト名の変更を開始します KAVE05172-I ホスト情報のバックアップに成功しました KAVE05174-I ホスト情報のバックアップの削除に成功しました KAVE05167-I ホスト名の変更は正常に終了しました
バックアップの削除に失敗した場合の標準出力の出力例を次に示します。
標準出力の出力例
KAVE05166-I ホスト名の変更を開始します KAVE05172-I ホスト情報のバックアップに成功しました KAVE05175-W ホスト情報のバックアップの削除に失敗しました KAVE05167-I ホスト名の変更は正常に終了しました