17.4.2 ログ情報の詳細について
ここでは,Performance Managementから出力されるログ情報について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) 共通メッセージログおよび稼働状況ログ
Performance Managementのログ情報のうち,共通メッセージログおよび稼働状況ログについて,ログの出力元であるサービス名または制御名,ログファイル名,およびディスク使用量を,OSごとに次の表に示します。なお,稼働状況ログはラップアラウンドファイル方式で書き込まれます。
- 注※1
-
( )内の数字は,1つのサービスに対して作成されるログファイルの数を示します。例えば,「256(×2)」の場合,ディスク使用量が256キロバイトのログファイルが最大で2つ作成されることを示します。この場合,ディスク使用量は合計で512キロバイトとなります。
- 注※2
-
共通メッセージログのログファイル名には,末尾に「01」または「02」が付けられます。
- シーケンシャルファイル(jpclog)方式の場合
-
末尾が「01」のファイルjpclog01へ常に最新ログが書き込まれる方式です。
ログファイルのサイズが設定値に達すると,jpclog01のファイル名をjpclog02に変更して保存し,新規に作成したjpclog01のファイルに最新のログを書き込む。
- ラップアラウンドファイル(jpclogw)方式の場合
-
ログファイルのサイズが設定値に達すると,次のログファイルの内容をクリアし,次のログファイルに最新ログが書き込まれます。jpclogw01の次はjpclogw02のファイルへ,jpclogw02の次はjpclogw01のファイルへと最新ログが書き込まれます。
- 注※3
-
環境ディレクトリは,論理ホスト作成時に指定した共有ディスク上のフォルダです。
- 注※1
-
( )内の数字は,1つのサービスに対して作成されるログファイルの数を示します。例えば,「256(×2)」の場合,ディスク使用量が256キロバイトのログファイルが最大で2つ作成されることを示します。この場合,ディスク使用量は合計で512キロバイトとなります。
- 注※2
-
ログファイル番号は,「1」から始まるログファイルの出力数となります。
- 稼働状況ログの出力
-
jpcrptコマンド以外の稼働状況ログの出力サイズは,初期設定ファイル(config.xml)の「logFileSize」×「logFileNumber」で設定できます。
- 注※3
-
jpcrptコマンドのログ出力形式については,「17.4.2(1)(a) jpcrptコマンドのログ出力形式」を参照してください。
ログ情報の種類 |
出力元 |
ファイル名 |
ディスク使用量※1(キロバイト) |
---|---|---|---|
共通メッセージログ |
Performance Management |
/opt/jp1pc/log/jpclog{01|02}※2 |
8,192(×2)(デフォルトの場合) |
/opt/jp1pc/log/jpclogw{01|02}※2 |
8,192(×2)(デフォルトの場合) |
||
共通メッセージログ(論理ホスト運用の場合) |
論理ホスト運用のPerformance Management |
環境ディレクトリ※3/jp1pc/log/jpclog{01|02}※2 |
8,192(×2)(デフォルトの場合) |
環境ディレクトリ※3/jp1pc/log/jpclogw{01|02}※2 |
8,192(×2)(デフォルトの場合) |
- 注※1
-
( )内の数字は,1つのサービスに対して作成されるログファイルの数を示します。例えば,「256(×2)」の場合,ディスク使用量が256キロバイトのログファイルが最大で2つ作成されることを示します。この場合,ディスク使用量は合計で512キロバイトとなります。
- 注※2
-
共通メッセージログのログファイル名には,末尾に「01」または「02」が付けられます。
- シーケンシャルファイル(jpclog)方式の場合
-
末尾が「01」のファイルjpclog01へ常に最新ログが書き込まれる方式です。
ログファイルのサイズが設定値に達すると,jpclog01のファイル名をjpclog02に変更して保存し,新規に作成したjpclog01のファイルに最新のログを書き込む。
- ラップアラウンドファイル(jpclogw)方式の場合
-
ログファイルのサイズが設定値に達すると,次のログファイルの内容をクリアし,次のログファイルに最新ログが書き込まれます。jpclogw01の次はjpclogw02のファイルへ,jpclogw02の次はjpclogw01のファイルへと最新ログが書き込まれます。
- 注※3
-
環境ディレクトリは,論理ホスト作成時に指定した共有ディスク上のディレクトリです。
- 注※1
-
( )内の数字は,1つのサービスに対して作成されるログファイルの数を示します。例えば,「256(×2)」の場合,ディスク使用量が256キロバイトのログファイルが最大で2つ作成されることを示します。この場合,ディスク使用量は合計で512キロバイトとなります。
- 注※2
-
ログファイル番号は,「1」から始まるログファイルの出力数となります。
- 稼働状況ログの出力
-
jpcrptコマンド以外の稼働状況ログの出力サイズは,初期設定ファイル(config.xml)の「logFileSize」×「logFileNumber」で設定できます。
- 注※3
-
jpcrptコマンドのログ出力形式については,「17.4.2(1)(a) jpcrptコマンドのログ出力形式」を参照してください。
(a) jpcrptコマンドのログ出力形式
jpcrptコマンドのログ出力形式は,次の形式を選択できます。
-
1プロセス1ログ出力形式
-
複数プロセス1ログ出力形式
出力形式の変更は,初期設定ファイル(config.xml)の「outputMulitiProcessForJpcrpt」で設定できます。
出力形式を変更した場合,それ以前の出力ログは自動的に削除されません。以前のログを削除したい場合は,手動で削除してください。
それぞれのログ出力形式について説明します。
■ 1プロセス1ログ出力形式
jpcrptコマンド1プロセスにつき1つのログファイルへ出力します。
HNTRLibのシングルプロセス対応トレース機能を利用して出力します。
この出力形式でjpcrptコマンドを1か月に1,500回(1日平均50回)以上実行する場合,上表のディスク使用量以内に抑えるには,ログファイルの保持期間を短くする必要があります。
次に設定例を示します。
-
3,000回/月(平均100回/日)実行する場合
ログファイルの保持期間を15日以内に設定してください。
-
6,000回/月(平均200回/日)実行する場合
ログファイルの保持期間を7日以内に設定してください。
ただし,1プロセス1ログ出力形式のjpcrptコマンドのログファイルの保持期間については,次に示す条件があるため,設定例は目安です。
jpcrptコマンドは,jpcrptコマンドのログをすべて合算したファイルサイズが,初期設定ファイル(config.xml)で指定した“[logFileNumber]×[logFileSize]”の値よりも大きい場合に,jpcrptコマンドのログをすべて合算したファイルサイズのほうが小さくなるまで,ログファイルを削除します。
また,削除対象になるのは,初期設定ファイル(config.xml)のlogFileRetentionで指定された日数より前に更新されたファイルだけです。
次に保持期間の計算例を示します。
- 例1
-
logFileRetentionを3日=72時間と指定していて,以下の6ファイルが残っている場合
jpcrpt_3509_log1.log 9MB 100時間前 jpcrpt_3510_log1.log 9MB 80時間前 ------<基準時刻(=72時間前)>------ jpcrpt_3511_log1.log 9MB 60時間前 jpcrpt_3512_log1.log 9MB 40時間前 jpcrpt_3513_log1.log 9MB 20時間前 jpcrpt_3514_log1.log 9MB 数分前
ここで新しくコマンドを実行すると,現在までのログ(6ファイル)の合計サイズが54メガバイトあり,54メガバイト > 40メガバイトとなるため,基準時刻より古いファイルが,合計サイズが40メガバイトを下回るまで,古い順に削除されます。
この場合,jpcrpt_3509_log1.logとjpcrpt_3510_log1.logを削除した時点で,合計36メガバイトとなり,4ファイルが残ります。
- 例2
-
logFileRetentionを3日=72時間と指定していて,以下の6ファイルが残っている場合
jpcrpt_3509_log1.log 7MB 100時間前 jpcrpt_3510_log1.log 7MB 80時間前 ------<基準時刻(=72時間前)>------ jpcrpt_3511_log1.log 7MB 60時間前 jpcrpt_3512_log1.log 7MB 40時間前 jpcrpt_3513_log1.log 7MB 20時間前 jpcrpt_3514_log1.log 7MB 数分前
ここで新しくコマンドを実行すると,現在までのログ(6ファイル)の合計サイズが42メガバイトあり,42メガバイト > 40メガバイトとなるため,基準時刻より古いファイルが,合計サイズが40メガバイトを下回るまで,古い順に削除されます。
この場合,jpcrpt_3509_log1.logを削除した時点で,合計35メガバイトとなり,基準時刻より古いjpcrpt_3510_log1.logも含め,5ファイルが残ります。
- 例3
-
logFileRetentionを3日=72時間と指定していて,以下の6ファイルが残っている場合
jpcrpt_3509_log1.log 1MB 100時間前 jpcrpt_3510_log1.log 1MB 80時間前 ------<基準時刻(=72時間前)>------ jpcrpt_3511_log1.log 1MB 60時間前 jpcrpt_3512_log1.log 1MB 40時間前 jpcrpt_3513_log1.log 1MB 20時間前 jpcrpt_3514_log1.log 1MB 数分前
ここで新しくコマンドを実行しても,ログファイルの合計サイズが6メガバイト < 40メガバイトであるため,基準時刻以前のファイルも含めすべてのファイルが残ります。
- 例4
-
logFileRetentionを30日=720時間と指定していて,以下の6ファイルが残っている場合
------<基準時刻(=720時間前)>------ jpcrpt_3509_log1.log 9MB 100時間前 jpcrpt_3510_log1.log 9MB 80時間前 jpcrpt_3511_log1.log 9MB 60時間前 jpcrpt_3512_log1.log 9MB 40時間前 jpcrpt_3513_log1.log 9MB 20時間前 jpcrpt_3514_log1.log 9MB 数分前
ここで新しくコマンドを実行すると,現在までのログ(6ファイル)の合計が54メガバイトあり,54メガバイト > 40メガバイトとなります。しかし,どのファイルも保存後にlogFileRetentionの30日=720時間を経過していないため,すべてのファイルが残ります。
■ 複数プロセス1ログ出力形式
jpcrptコマンドプロセスをすべて1つのログファイルへ出力します。
HNTRLibのマルチプロセス対応トレース機能を利用して出力します。
ログファイルを出力するファイル面数およびログファイル1面のファイルサイズ最大値の設定値は稼働状況ログの設定値(logFileSize,logFileNumber)とは別に設定できます。
複数プロセス1ログ出力形式では,ラップアラウンド方式でログが書き込まれるため,このファイルサイズを超える場合,自動的に上書きされます。
そのため,1プロセス1ログ出力形式のようにログファイルの保持期間を短くし,ディスク使用量を抑える設計は必要ありません。
また,複数プロセス1ログ出力方式では「logFileRetention」の設定の影響を受けないため,ファイルは削除されません。
ログを出力する際の仕様を説明します。
-
ロックの獲得に失敗するとトレースを出力しません。
-
トレースファイルのサイズは固定です。トレースデータの終端はEOF文字が表示されます。
-
トレースファイル以外に管理用のファイルが作成されます。
-
ログメッセージはトレースファイル群にラップアラウンドしながら次々と上書きされます。ラップアラウンド前のトレースデータは終端識別子(EOF文字)以降に残ります。
次に,ラップアラウンドするログ出力量目安の計算例を示します。
- 例
-
ログレベル「WARN」が出力される場合の,jpcrptコマンドの実行回数
1回のjpcrptコマンド実行で,ログレベル「WARN」が出力されると,およそ50キロバイトの出力量になります。
ログ出力量目安は次の式で求められます。
(logFileNumberMulti × logFileSizeMulti × 1,024キロバイト) ÷ 50キロバイト
よって,jpcrptコマンドのログファイルがラップアラウンドするjpcrptコマンド実行回数はデフォルト設定の場合,10 × 4 × 1,024 ÷ 50 = 819回となります。
(2) トレースログ
ここでは,Performance Managementのログ情報のうち,トレースログの出力元であるサービス名または制御名,および格納先ディレクトリ名を,OSごとに次の表に示します。
- 注※1
-
「xxxx」は,各PFM - AgentまたはPFM - RMのサービスキーを示します。各PFM - AgentまたはPFM - RMのサービスキーについては,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録の,命名規則について説明している個所を参照してください。
- 注※2
-
1つのホスト上で複数のサービスのセットを起動できるアプリケーションプログラムを監視するPFM - AgentまたはPFM - RMの場合は,インスタンス名のフォルダがあります。
- 注※3
-
環境ディレクトリは,論理ホスト作成時に指定した共有ディスク上のフォルダです。
ログ情報の種類 |
出力元 |
ディレクトリ名 |
---|---|---|
トレースログ |
Action Handler |
/opt/jp1pc/bin/action/log/ |
Agent CollectorおよびRemote Monitor Collector |
/opt/jp1pc/xxxx※1/agent/インスタンス名※2/log/ |
|
Agent StoreおよびRemote Monitor Store |
/opt/jp1pc/xxxx※1/store/インスタンス名※2/log/ |
|
Correlator |
/opt/jp1pc/mgr/clator/log/ |
|
Agent Collector(ヘルスチェックエージェント) |
/opt/jp1pc/agt0/agent/log/ |
|
Agent Store(ヘルスチェックエージェント) |
/opt/jp1pc/agt0/store/log/ |
|
Master Store |
/opt/jp1pc/mgr/store/log/ |
|
Master Manager |
/opt/jp1pc/mgr/manager/log/ |
|
Name Server |
/opt/jp1pc/mgr/namesvr/log/ |
|
Performance Managementコマンド |
/opt/jp1pc/tools/log/ |
|
Status Server |
/opt/jp1pc/bin/statsvr/log/ |
|
Trap Generator |
/opt/jp1pc/mgr/trapgen/log/ |
|
View Server |
/opt/jp1pc/mgr/viewsvr/log/ |
|
トレースログ(論理ホスト運用の場合) |
Action Handler |
環境ディレクトリ※3/jp1pc/bin/action/log/ |
Agent CollectorおよびRemote Monitor Collector |
環境ディレクトリ※3/jp1pc/xxxx※1/agent/インスタンス名※2/log/ |
|
Agent StoreおよびRemote Monitor Store |
環境ディレクトリ※3/jp1pc/xxxx※1/store/インスタンス名※2/log/ |
|
Correlator |
環境ディレクトリ※3/jp1pc/mgr/clator/log/ |
|
Agent Collector(ヘルスチェックエージェント) |
環境ディレクトリ※3/jp1pc/agt0/agent/log/ |
|
Agent Store(ヘルスチェックエージェント) |
環境ディレクトリ※3/jp1pc/agt0/store/log/ |
|
Master Store |
環境ディレクトリ※3/jp1pc/mgr/store/log/ |
|
Master Manager |
環境ディレクトリ※3/jp1pc/mgr/manager/log/ |
|
Name Server |
環境ディレクトリ※3/jp1pc/mgr/namesvr/log/ |
|
Performance Managementコマンド |
環境ディレクトリ※3/jp1pc/tools/log/ |
|
Trap Generator |
環境ディレクトリ※3/jp1pc/mgr/trapgen/log/ |
|
View Server |
環境ディレクトリ※3/jp1pc/mgr/viewsvr/log/ |
- 注※1
-
「xxxx」は,各PFM - AgentまたはPFM - RMのサービスキーを示します。各PFM - AgentまたはPFM - RMのサービスキーについては,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録の,命名規則について説明している個所を参照してください。
- 注※2
-
1つのホスト上で複数のサービスのセットを起動できるアプリケーションプログラムを監視するPFM - AgentまたはPFM - RMの場合は,インスタンス名のディレクトリがあります。
- 注※3
-
環境ディレクトリは,論理ホスト作成時に指定した共有ディスク上のディレクトリです。