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JP1 Version 10 JP1/Performance Management 運用ガイド


10.2.1 インストールとセットアップの前に

〈この項の構成〉

(1) 前提条件

(a) クラスタシステム

次の条件が整っていることを確認してください。

  • クラスタシステムがクラスタソフトによって制御されていること。

  • クラスタソフトから論理ホスト運用するPerformance Managementの起動や停止などを制御するように設定されていること。

また,次に示すエラー通知の抑止を設定してください。

Windows Server 2003の場合にワトソン博士によるエラー通知を抑止する(実行系・待機系)

ワトソン博士でアプリケーションエラーのメッセージボックスが表示されると,フェールオーバーできないおそれがあるため,メッセージボックスによるエラーの通知を抑止する必要があります。

エラーの通知を抑止すると,アプリケーションエラーが発生した際の情報取得に影響が出る場合があるため注意してください。

  1. ワトソン博士の設定を有効にするため,コマンドプロンプトで「drwtsn32 -i」を入力する。

  2. ワトソン博士が既定のアプリケーションデバッガとしてインストールされます。

  3. スタートメニューから[ファイル名を指定して実行]を選択する。

  4. テキストボックスに「drwtsn32」と入力し,[OK]ボタンをクリックする。

  5. ワトソン博士のダイアログボックスで[メッセージボックスによる通知]のチェックを外す。

  6. [OK]ボタンをクリックする。

Microsoftへのエラー報告を抑止する(実行系・待機系)

Windowsでは,アプリケーションエラーが発生すると,Microsoftへエラーを報告するダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスが表示されるとフェールオーバーできないおそれがあるため,エラー報告を抑止する必要があります。

Windows Server 2003の場合
  1. [コントロールパネル]の「システム」を選択する。

  2. [システムのプロパティ]ダイアログボックスの[詳細設定]タブの[エラー報告]ボタンをクリックする。

  3. [エラー報告]ダイアログボックスで「エラー報告を無効にする」のラジオボタンを選択したあと,[重大なエラーが発生した場合は通知する]のチェックを外す。

  4. [OK]ボタンをクリックする。

Windows Server 2008の場合
  1. [コントロールパネル]−[システムとセキュリティ]−[アクションセンター]−[メンテナンス]を選択する。

  2. [問題のレポートの解決策を確認]で[設定]をクリックする。

  3. [報告された問題の解決策をいつ確認するかを選択します]ダイアログボックスで,[解決策を確認しない]を選択する。

  4. [OK]ボタンをクリックする。

Windows Server 2012の場合
  1. [コントロールパネル]−[システムとセキュリティ]−[アクションセンター]−[メンテナンス]を選択する。

  2. [問題のレポートの解決策を確認]で[設定]をクリックする。

  3. [Windowsエラー報告の構成]ダイアログボックスで,[レポートを送信せず,この確認画面も今後表示しません]を選択する。

  4. [OK]ボタンをクリックする。

(b) 共有ディスク

次の条件が整っていることを確認してください。

  • 論理ホストごとに共有ディスクがあり,実行系ノードから待機系ノードへ引き継げること。

  • 共有ディスクが,各ノードに物理的にFibre ChannelやSCSIで接続されていること。Performance Managementでは,ネットワークドライブや,ネットワーク経由でレプリケーションしたディスクを共有ディスクとして使う構成はサポートされていません。

  • フェールオーバーが発生した際に,何らかの問題によって共有ディスクを使用中のプロセスが残った場合でも,クラスタソフトなどの制御によって強制的に共有ディスクをオフラインにしてフェールオーバーができること。

  • 1つの論理ホストでPerformance Managementのプログラムを複数実行する場合,共有ディスクのディレクトリ名が同じであること。なお,Storeデータベースについては格納先を変更して,共有ディスク上のほかのディレクトリに格納できます。

(c) 論理ホスト名,論理IPアドレス

次の条件が整っていることを確認してください。

  • 論理ホストごとに論理ホスト名,および論理ホスト名と対応する論理IPアドレスがあり,実行系ノードから待機系ノードに引き継げること。

  • 論理ホストと論理IPアドレスが,hostsファイルやネームサーバに設定されていること。

  • DNS運用している場合は,FQDN名ではなく,ドメイン名を除いたホスト名を論理ホスト名として使用していること。

  • 物理ホスト名と論理ホスト名は,システムの中でユニークであること。

    注意事項

    論理ホスト名について注意

    • 論理ホスト名に,物理ホスト名(hostnameコマンドで表示されるホスト名)を指定しないでください。正常な通信処理がされなくなるおそれがあります。

    • 論理ホスト名に使用できる文字は,1〜32バイトの半角英数字だけです。

    • 論理ホスト名には,"localhost",IPアドレス,"-"から始まるホスト名を指定できません。

(2) セットアップ環境の確認

論理ホスト運用するPerformance Managementをセットアップするには,通常のPerformance Managementのセットアップで必要になる環境情報に加えて,次の情報が必要です。

表10‒1 論理ホスト運用のPFM - Managerのセットアップに必要な情報(Windowsの場合)

項目

論理ホスト名

jp1-ha1

論理IPアドレス

172.16.92.100

共有ディスク

S:\jp1\

なお,1つの論理ホストで論理ホスト運用するPerformance Managementが複数ある場合も,同じ共有ディスクのディレクトリを使用します。

(3) 論理ホスト運用時のバージョンアップに関する注意事項

論理ホスト運用のPFM - Managerをバージョンアップする場合,実行系ノードまたは待機系ノードのどちらか一方で,共有ディスクをオンラインにする必要があります。

PFM - Web Consoleがクラスタ環境の場合にバージョンアップするときは共有ディスクをオンラインにする必要はありません。