1.8.1 大規模システムでPFM - AgentまたはPFM - RMを起動する場合について
Performance Managementを起動するときは,通常,PFM - Managerを起動させてから,PFM - AgentまたはPFM - RM,およびPFM - Baseを起動させます。複数のサーバから構成される大規模システムでは,これらサーバ間でサービス起動順序を制御すれば,正常に起動できます。
PFM - ManagerのMaster ManagerサービスおよびName Serverサービスが起動していない状態でも,PFM - AgentまたはPFM - RM,およびPFM - Baseを先に起動して,パフォーマンスデータを収集できます。
PFM - AgentまたはPFM - RM,およびPFM - Baseが単独で起動している状態を「スタンドアロンモード」と呼びます。
また,各プログラムの状態に応じて次のように呼びます。
-
PFM - AgentまたはPFM - RM,PFM - Baseだけが起動した状態
「スタンドアロンモード」と呼びます。
-
PFM - Manager,PFM - AgentまたはPFM - RM,PFM - Baseが起動している状態から,PFM - Managerだけが停止し,PFM - AgentまたはPFM - RM,PFM - Baseだけが起動した状態
「非スタンドアロンモード」と呼びます。
-
PFM - Manager,PFM - Base,PFM - AgentまたはPFM - RMの順序で起動した状態
「通常モード」と呼びます。
- 注意
-
PFM - AgentまたはPFM - RMがPFM - Managerと同一ホストにインストールされている場合は,PFM - AgentまたはPFM - RM単独で起動できません。
- 〈この項の構成〉
(1) スタンドアロンモードの概要
PFM - Agent,PFM - RM,またはPFM - Baseを起動する際,PFM - ManagerのMaster ManagerサービスおよびName Serverサービスが起動されていないなどの理由でPFM - Managerとの通信に失敗した場合,PFM - Agent,PFM - RM,またはPFM - Baseはスタンドアロンモードで起動して,パフォーマンスデータを収集します。
スタンドアロンモードでは起動後,自ホスト上の起動情報ファイル(jpccomm.ini)での設定内容に応じて5分間に一度,またはランダムな間隔でPFM - Managerへの接続を確認しています。PFM - Agent,PFM - RM,またはPFM - Baseがスタンドアロンモードで起動したあとにPFM - Managerが起動して,PFM - Agent,PFM - RM,またはPFM - Baseからの接続確認に成功した場合,PFM - Agent,PFM - RM,またはPFM - Baseではスタンドアロンモードを終了してPFM - Managerと接続した通常のモードへと移行されます。このとき,スタンドアロンモードで起動していた期間にPFM - AgentまたはPFM - RMで蓄積したパフォーマンスデータは,履歴レポートで参照できます。
ただし,スタンドアロンモードでPFM - Agent,PFM - RM,またはPFM - Baseが起動している場合,Performance Managementの機能や実行できるコマンドに一部制約があります。
(2) スタンドアロンモードで使用できる機能
機能の内容 |
対応 |
サービス名 |
---|---|---|
サービスの起動,停止,および稼働状況確認 |
○ |
|
履歴データの収集 |
○ |
|
レポートの表示やODBCに従ったアプリケーションプログラムからの接続 |
× |
Agent StoreおよびRemote Monitor Store |
エージェントの起動を知らせるアラームの発行 |
○ |
Agent CollectorおよびRemote Monitor Collector |
アラームによるパフォーマンスデータの監視 |
× |
Agent CollectorおよびRemote Monitor Collector |
アラームイベントに対するアクションの実行 |
× |
Action Handler |
サービスのステータスの管理 |
○ |
Status Server |
- (凡例)
-
○:使用できる
×:使用できない
(3) スタンドアロンモードで実行できるコマンド
コマンド |
機能 |
対応 |
---|---|---|
jpcconf db define |
Agent StoreおよびRemote Monitor Storeサービスのディレクトリ設定変更 |
○ |
jpcconf db display |
Agent Storeサービス,Remote Monitor Storeサービス,またはバックアップデータの情報表示 |
○ |
jpcconf db vrset |
Storeデータベースのバージョンの変更 |
○ |
jpcconf hc |
ヘルスチェック機能を有効または無効にする |
○ |
jpcconf stat |
ステータス管理機能を有効または無効にする |
○ |
jpcras |
PFM - Manager,PFM - AgentまたはPFM - RMのトラブルシュート資料の採取 |
○ |
jpcspm start |
サービスの起動 |
○ |
jpcspm stop |
サービスの停止 |
○ |
jpctool db backup |
Master Storeサービス,Agent Storeサービス,またはRemote Monitor Storeサービスのデータベースに格納されているデータのバックアップファイルの作成 |
○※ |
jpctool db clear |
Master Storeサービス,Agent Storeサービス,またはRemote Monitor Storeサービスのデータベースに格納されているデータの消去 |
× |
jpctool db dmconvert |
バックアップデータのデータモデルのコンバート |
○ |
jpctool db dump |
Master Storeサービス,Agent Storeサービス,またはRemote Monitor Storeサービスのデータベースに格納されているデータのエクスポート |
○※ |
jpctool db import |
バックアップデータのインポート |
○ |
jpctool service delete |
Performance Managementに登録されているエージェントのサービス情報の削除 |
× |
jpctool service list(-hostオプションで他ホストを指定する場合) |
Performance Managementプログラムのサービスの構成および状態の表示 |
× |
jpctool service list(-hostオプションを指定しない場合) |
自ホストのサービス稼働状況の確認 |
○ |
jpctool service register |
Performance Managementプログラムのサービス情報の再登録 |
× |
- (凡例)
-
○:実行できる
×:実行できない
- 注※
-
-aloneオプションを指定した場合だけコマンドを実行できます。
(4) 非スタンドアロンモードの概要
PFM - Manager,PFM - AgentまたはPFM - RM,PFM - Baseが起動している状態から,PFM - Managerだけ停止し,PFM - AgentまたはPFM - RMと,PFM - Baseだけが起動した状態を「非スタンドアロンモード」と呼びます。
非スタンドアロンモードでは,スタンドアロンモードのように5分間に一度のPFM - Managerへの接続確認は実行しません。PFM - Managerが起動すれば通常モードとなります。また,非スタンドアロンモードで起動していた期間にPFM - AgentまたはPFM - RMで蓄積したパフォーマンスデータは,履歴レポートで参照できます。
|
- 注意
-
-
PFM - AgentまたはPFM - RMを非スタンドアロンモードで起動している場合,発生したアラームイベントをPFM - Managerに通知できません。この場合,アラーム定義ごとにアラームイベントが保持され,PFM - Managerが起動されるまでアラームイベントの通知を繰り返します。保持しているアラームイベントが3つ以上発生すると,古い順にアラームイベントが上書きされます。また,PFM - AgentまたはPFM - RMを停止すると,保持されているアラームイベントはすべて削除されます。
- [参考]
-
イベントモニターとイベント履歴では動作が異なるため見え方が異なります。
- [イベント履歴(例)として3件で説明]
-
-
PFM - Managerが停止している
-
PFM - Managerが起動
-
PFM - AgentからPFM - Manager停止中のアラームが3件送信される
-
PFM - ManagerのMaster Storeサービスに格納
以上よりイベント履歴では3件ともにイベント情報を表示可能となります。
-
- [イベントモニター(例)として3件で説明]
-
イベントモニターはPFM - Web Consoleのキャッシュに保存されている情報を表示します。
ここで,PFM - Web Consoleのキャッシュは,PFM - ManagerのView Serverサービスとの再接続した際にいったんクリアされます。
View Serverサービスとの接続時に,View Serverサービスのキャッシュ情報との同期を取り,PFM - Web Consoleのキャッシュを再構築します。
ここでアラームイベントについては,該当するエージェントの現在のアラームステータスに関わる最新イベント1件だけを取得します。
ただし,受け取ったアラームステータスが「緑(正常)」の場合は,イベントモニターには表示されません(最新の状態が正常であるため何も問題ないとしております)。
受け取ったアラームステータスが「黄(警告)」「赤(異常)」の場合は,警告または異常である旨のアラームを受け取ったこととなり,イベントモニターに表示されます。
-
PFM - Managerに通知済みのアラームステータス(アラームアイコンの色が示すアラームテーブルの状態)は,PFM - Managerを停止すると一度リセットされます(アラームアイコンの色がいったん「緑(正常)」に戻ります)。その後,PFM - Managerを起動した場合の動作はCorrelator Startup Modeが有効か無効かで異なります。
- Correlator Startup Modeが有効の場合(推奨設定)
-
アラームステータス(アラームアイコンの色が示すアラームテーブルの状態)の情報の確認タイミングはPFM - Agentからアラームイベントを受け取ったときです。この動作によって,Correlatorサービスの起動時間を短縮し,Correlatorサービス起動失敗を回避しています。
- Correlator Startup Modeが無効の場合
-
PFM - Managerの再起動のタイミングで,PFM - Managerサービスに登録されている(接続されている)すべてのエージェントのアラームステータスを確認します。
アラームステータス(アラームアイコンの色が示すアラームテーブルの状態)の情報を確認します。
Correlator Startup Modeの設定方法については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の付録の起動情報ファイル(jpccomm.ini)の設定項目について説明している個所を参照してください。
-
Webブラウザの表示で赤色点滅していたアラームは,PFM - Managerが起動された直後は緑色に戻りますが,そのあと,赤色点滅の状態に戻ります。
-
(5) 非スタンドアロンモードで使用できる機能
機能の内容 |
対応 |
サービス名 |
---|---|---|
サービスの起動,停止,および稼働状況確認 |
○ |
|
履歴データの収集 |
○ |
|
レポートの表示やODBCに従ったアプリケーションプログラムからの接続 |
× |
Agent StoreおよびRemote Monitor Store |
アラームによるパフォーマンスデータの監視 |
○ |
Agent CollectorおよびRemote Monitor Collector |
アラームイベントに対するアクションの実行 |
×※ |
Action Handler |
サービスのステータスの管理 |
○ |
Status Server |
- (凡例)
-
○:使用できる
×:使用できない
注※ 状況に応じて次のように動作が異なります。
- Action Handlerに"LOCAL"を指定している場合
-
- アクションを実行するホストのPFM - Baseが09-00-09以降または09-10以降のとき
-
PFM - Manager停止中でもアクションは実行されます。
- アクションを実行するホストのPFM - Baseが09-00-08以前のとき
-
-
一度もアクションを実行していない場合
PFM - Manager停止中にはアクションは実行されません。
PFM - Manager起動後にも,PFM - Manager停止中に発生したアクションは実行されません。
-
一度でもアクションを実行したことがあり,かつそのアクションを実行した該当Action Handlerを再起動していない場合
PFM - Manager停止中でもアクションは実行されます。
-
- Action Handlerに"LOCAL"以外を指定している場合
-
PFM - Manager停止中にはアクションは実行されません。
PFM - Manager起動後に,PFM - Manager停止中に発生したアクションが実行されます。ただし,PFM - ManagerホストのAction Handlerサービスを指定している場合,Acton Handlerサービスの起動順序によっては,アクションが実行されない場合があります。
(6) 非スタンドアロンモードで実行できるコマンド
コマンド |
機能 |
対応 |
---|---|---|
jpcconf db define |
Agent StoreまたはRemote Monitor Storeサービスのディレクトリ設定変更 |
○ |
jpcconf db display |
Agent StoreまたはRemote Monitor Storeサービスまたはバックアップデータの情報表示 |
○ |
jpcconf db vrset |
Storeデータベースのバージョンの変更 |
○ |
jpcconf hc |
ヘルスチェック機能を有効または無効にする |
○ |
jpcconf stat |
ステータス管理機能を有効または無効にする |
○ |
jpcras |
PFM - Manager,PFM - AgentまたはPFM - RMのトラブルシュート資料の採取 |
○ |
jpcspm start |
サービスの起動 |
○ |
jpcspm stop |
サービスの停止 |
○ |
jpctool db backup |
Master Storeサービス,Agent Storeサービス,またはRemote Monitor Storeサービスのデータベースに格納されているデータのバックアップファイルの作成 |
○※ |
jpctool db clear |
Master Storeサービス,Agent Storeサービス,またはRemote Monitor Storeサービスのデータベースに格納されているデータの消去 |
× |
jpctool db dmconvert |
バックアップデータのデータモデルのコンバート |
○ |
jpctool db dump |
Master Storeサービス,Agent Storeサービス,またはRemote Monitor Storeサービスのデータベースに格納されているデータのエクスポート |
○※ |
jpctool db import |
バックアップデータのインポート |
○ |
jpctool service delete |
Performance Managementに登録されているエージェントのサービス情報の削除 |
× |
jpctool service list(-hostオプションで他ホストを指定する場合) |
Performance Managementプログラムのサービスの構成および状態の表示 |
× |
jpctool service list(-hostオプションを指定しない場合) |
自ホストのサービス稼働状況の確認 |
○ |
jpctool service register |
Performance Managementプログラムのサービス情報の再登録 |
× |
- (凡例)
-
○:実行できる
×:実行できない
- 注※
-
-aloneオプションを指定した場合だけコマンドを実行できます。