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JP1 Version 10 JP1/Integrated Management - Manager 運用ガイド


8.7.2 IM構成管理の管理情報をインポートする

あるホストから出力(エクスポート)されたIM構成管理の管理情報を,必要があれば編集し,別のホストへ入力(インポート)します。インポートは,jcfimportコマンドで実行しますが,ホスト情報の収集情報はインポートできません。

インポートを実行するとIM構成管理が保持するデータが変更されるため,インポート前にバックアップすることをお勧めします。

ここでは,jcfimportコマンドによってインポートされるシステム構成情報について説明します。jcfimportコマンドについては,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager コマンド・定義ファイルリファレンス」の「jcfimport」(1. コマンド)を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) ホスト情報

手動入力情報の場合,エクスポートファイル(host_input_data.csv)の内容がインポートされます。

手動入力情報のエクスポートファイル(host_input_data.csv)からインポートされる項目と,各項目の入力範囲を次に示します。

表8‒8 インポートされるホスト情報(手動入力情報)

項目

入力範囲

必須/任意

デフォルト

ホスト名

最大255バイトの文字列を入力できます。使用できる文字は,制御コードを除く半角英数字,半角ハイフン(-),ピリオド(.)です。

必須※1

IPアドレス

IPアドレスを入力できます。使用できる文字は,制御コードを除く半角英数字,ピリオド(.),コロン(:)です。

任意

空欄

ホスト名一覧

ホスト名を入力できます。使用できる文字は,制御コードを除く半角英数字,半角ハイフン(-),ピリオド(.)です。

任意

空欄

コメント

最大80バイトの文字列を入力できます。

任意

空欄

ホスト種別

physicallogicalvirtualunknownのどれかを入力できます。

任意

physical

実行系ホスト

最大255バイトの文字列を入力できます。使用できる文字は,制御コードを除く半角英数字,半角ハイフン(-),ピリオド(.)です。

任意

空欄

待機系ホスト

ホスト名を入力できます。ホスト名は1個当たり最大255バイトの文字列を入力できます。使用できる文字は,制御コードを除く半角英数字,半角ハイフン(-),ピリオド(.)です。

任意

空欄

VMMホスト

最大255バイトの文字列を入力できます。使用できる文字は,制御コードを除く半角英数字,半角ハイフン(-),ピリオド(.)です。

任意

空欄

仮想化管理種別

次のどれかを入力できます。大文字,小文字の区別はありません。

仮想化システム管理ホストの場合

vCenter

JP1/SC/CM

SCVMM

HCSM

VMMホストの場合

ESX※2

Hyper-V

KVM

Virtage

任意

空欄

ユーザー名

最大255バイトの文字列を入力できます。使用できる文字は,制御コードを除く半角英数字です。

任意

空欄

パスワード※3

最大255バイトの文字列を入力できます。使用できる文字は,制御コードを除く半角英数字です。

任意

空欄

ドメイン名※4

最大255バイトの文字列を入力できます。使用できる文字は,制御コードを除く半角英数字です。

任意

空欄

通信種別※5

httphttps,sshのどれかを入力できます。大文字,小文字の区別はありません。なお,仮想化管理種別の値によって,入力できる通信種別は異なります。

仮想化管理種別がvCenterの場合

httphttpsを入力できる。

仮想化管理種別がHCSMの場合

httpを入力できる。

仮想化管理種別がKVMの場合

sshを入力できる。

任意

仮想化管理種別がvCenterの場合

https

仮想化管理種別がHCSMの場合

http

仮想化管理種別がKVMの場合

ssh

ポート番号※6

半角数字で165535までの値を入力できます。

任意

仮想化管理種別がHCSMの場合

23015

仮想化管理種別がKVMの場合

22

秘密鍵ファイル名※7

最大256バイトの文字列を入力できます。大文字,小文字を区別します。使用できる文字は制御コードを除く半角英数字です。

任意

空欄

仮想化管理元ホスト名

最大255バイトの文字列を入力できます。使用できる文字は,制御コードを除く半角英数字,半角ハイフン(-),ピリオド(.)です。

任意

空欄

リモート通信種別

リモート監視の場合に使用できる通信種別です。disablesshwmiのどれかを入力できます。

任意

disable

認証情報の区分※8

リモート監視の場合に使用できる認証情報の区分です。commonhost白のどれかを入力できます。

任意

空白

(凡例)

−:デフォルト値がない

注   全角文字は3バイトで換算されます。

注※1 必須の項目が設定されていない場合は,エラーとなります。任意の項目が設定されていない場合は,デフォルトの値がインポートされます。

注※2 ESXは,VMware ESXを指します。

注※3 仮想化管理種別がvCenterSCVMMまたはHCSMの場合に入力が必要です。

注※4 仮想化管理種別がSCVMMの場合に入力が必要です。

注※5 仮想化管理種別がvCenterHCSMまたはKVMの場合に入力が必要です。

注※6 仮想化管理種別がHCSMまたはKVMの場合に入力が必要です。

注※7 仮想化管理種別がKVMの場合に入力が必要です。

注※8 認証情報の区分にhostが設定されているホストのホスト名を変更した場合,リモート監視に使用する認証情報が引き継がれません。インポート後にIM構成管理画面でリモート通信設定を再設定してください。

ホスト情報に,文字コード間に互換性のない文字,および機種依存文字を使用していると,インポートしたときに文字化けが発生するおそれがあります。

手動入力情報のエクスポートファイル(host_input_data.csv)の内容が次のどれかの場合は,エラーとなり,インポートされません。

また,インポート先ホストとホスト名が同じホストは,手動入力情報のエクスポートファイル(host_input_data.csv)がインポートされたあと,IM構成管理の管理対象ホストとして登録されません。

(2) システムの階層構成情報

システムの階層構成情報のエクスポートファイルの内容がインポートされます。エクスポートファイルは,次に示すシステムの監視方法によって異なります。

(a) エージェント監視の構成情報

エージェント監視の構成情報のエクスポートファイル名は,system_tree_information.txtです。

エージェント監視の構成情報のエクスポートファイルの内容が次のどれかの場合は,エラーとなり,インポートされません。

システムの階層構成情報のエクスポートファイルの内容が次のどれかの場合は,エラーとなり,インポートされません。

  • 同一ホストが複数行に存在する(管理対象ホストが複数の上位ホストを持つ)

  • ホストの構成がループしている

  • 管理ホストに設定される管理ホスト名が[ ]で囲まれていない(「]」で閉じられていない)

  • 管理ホストにホスト名が設定されていない

  • ホスト数が10,000台より多く定義されている

ホスト情報(手動入力情報)のエクスポートファイル(host_input_data.csv),またはエージェント監視の構成情報のエクスポートファイルを編集した結果,システムの階層構成情報のエクスポートファイルに設定されたホスト名が,ホスト情報(手動入力情報)のエクスポートファイルに設定されていない場合があります。この場合,システムの階層構成情報のエクスポートファイルがインポートされたあと,インポート警告メッセージが表示されて,未定義のホストがIM構成管理の管理対象ホストとして自動的に登録されます。

システムの階層構成情報をインポートする場合,指定したディレクトリにシステムの階層構成情報のエクスポートファイルが存在しないときは,エラーメッセージが表示されて,インポートが中止されます。

(b) リモート監視の構成情報

リモート監視をしている場合に,リモート監視の構成情報のエクスポートファイルの内容がインポートされます。リモート監視の構成情報は編集できません。

(3) プロファイル情報

プロファイル情報のエクスポートファイルの内容がインポートされます。インポートの対象となるファイルは,次に示すシステムの監視方法によって異なります。

(a) エージェント監視のプロファイル情報

インポートの対象となるエージェント監視のプロファイル情報のエクスポートファイルを次に示します。

表8‒9 インポートされるエージェント監視のプロファイル情報のエクスポートファイル

プロファイル情報

エクスポートファイル名

イベントの転送設定ファイル

forward

ログファイルトラップ動作定義ファイル

ファイル名は任意

ログファイルトラップ起動定義ファイル

jevlog_start.conf

イベントログトラップ動作定義ファイル

ntevent.conf

ローカルアクション実行定義ファイル

jbslcact.conf

エージェント監視のプロファイル情報のインポートでは,「definition_files」ディレクトリ以下のディレクトリ名を使用してインポート先が決まります。「definition_files」ディレクトリ以下の1階層目のディレクトリ名は「ホスト名」,2階層目のディレクトリ名は「製品名」として読み込まれ,各ディレクトリに格納されたファイルが設定情報として該当するホストに登録されます。このため,ホスト情報(手動入力情報)のエクスポートファイル(host_input_data.csv)でホスト名を変更した場合は,同様にディレクトリ名も変更する必要があります。変更しないと,プロファイル情報はインポートされません。

プロファイル情報のファイルを,エクスポートデータ情報のエクスポートファイル(data_information.txt)のencodeに記載されている文字コードとして読み込みます。この文字コードは,エクスポートを実行したサーバのOSの環境変数「LANG」が設定されます。プロファイル情報をインポートする場合には,エクスポートファイル(data_information.txt)に記述されている文字コードとプロファイル情報のファイルの文字コードが一致しているかどうかを確認してください。

ホスト情報に,文字コード間に互換性のない文字,および機種依存文字を使用していると,インポートしたときに文字化けが発生するおそれがあります。

ホスト数が10,000台より多く定義されている場合は,エラーとされて,インポートされません。

プロファイル(設定ファイル)のエクスポートファイルの内容に未対応製品や未対応のプロファイルなどがある場合には,その部分を無視して処理を続けます。

(b) リモート監視のプロファイル情報

リモート監視をしている場合に,リモート監視のプロファイル情報のエクスポートファイルの内容がインポートされます。リモート監視のプロファイル情報は編集できません。

インポートの対象となるリモート監視のプロファイル情報のエクスポートファイルを次に示します。

表8‒10 インポートされるリモート監視のプロファイル情報とエクスポートファイル名

プロファイル情報

エクスポートファイル名

リモート監視ログファイルトラップ動作定義ファイル

ファイル名は任意

リモート監視起動定義ファイル

jevlog_start.conf

リモート監視イベントログトラップ動作定義ファイル

ntevent.conf

リモート監視のプロファイル情報のインポートでは,「definition_files」ディレクトリ以下のディレクトリ名を使用してインポート先が決まります。

definition_files」ディレクトリ以下の1階層目のディレクトリ名は「ホスト名」,2階層目のディレクトリ名は「製品名」として読み込まれ,各ディレクトリに格納されたファイルが設定情報として該当するホストに登録されます。このため,ホスト情報(手動入力情報)のエクスポートファイル(host_input_data.csv)でホスト名を変更した場合は,同様にディレクトリ名も変更する必要があります。変更しないと,プロファイル情報はインポートされません。

プロファイル情報のファイルを,エクスポートデータ情報のエクスポートファイル(data_information.txt)のencodeに記載されている文字コードとして読み込みます。この文字コードは,エクスポートを実行したサーバのOSの環境変数「LANG」が設定されます。プロファイル情報をインポートする場合には,エクスポートファイル(data_information.txt)に記述されている文字コードとプロファイル情報のファイルの文字コードが一致しているかどうかを確認してください。ホスト情報に,文字コード間に互換性のない文字,および機種依存文字を使用していると,インポートしたときに文字化けが発生するおそれがあります。

(4) リモート認証情報

リモート監視をしている場合に,リモート認証情報のエクスポートファイルの内容がインポートされます。リモート認証情報は編集できません。

リモート監視をする場合は,インポート後にIM構成管理・ビューアーから[システム共通設定]画面を開き,設定を確認後に[OK]ボタンをクリックしてください。

(5) 業務グループ情報

業務グループを使用している場合に,IM構成管理の監視グループ情報のエクスポートファイルの内容がインポートされます。業務グループ情報のエクスポートファイル(monitoring_system_data.csv)の内容が次のどれかの場合は,エラーとなり,インポートされません。

インポートの対象となる項目および各項目の入力範囲を次に示します。

表8‒11 インポートされる項目(業務グループ情報)

項目

入力範囲

必須/任意

デフォルト

業務グループ名

最大2,046バイトの文字列を入力できます。使用できる文字は,制御文字以外です。大文字・小文字を区別します。

必須

割り当てJP1資源グループ名

最大64バイトの文字列を入力できます。使用できる文字は," / [ ] ; : , | = + ? < > ,タブ,スペースを除くASCIIコードです。

任意

空欄

コメント

最大80バイトの文字列を入力できます。使用できる文字は,制御文字以外です。

任意

空欄

ホスト名

複数のホストをコンマで区切って指定できます。一つのホストに対して最大255バイトの文字列を入力できます。使用できる文字は,制御コードを除く半角英数字,半角ハイフン(-),ピリオド(.)です。

任意

空欄

(凡例)

−:デフォルト値がない

(6) 監視グループ情報

業務グループを使用している場合に,業務グループ情報のエクスポートファイルの内容がインポートされます。監視グループ情報のエクスポートファイル(monitoring_group_data.csv)の内容が次のどれかの場合は,エラーとなり,インポートされません。

インポートの対象となる項目および各項目の入力範囲を次に示します。

表8‒12 インポートされる項目(監視グループ情報)

項目

入力範囲

必須/任意

デフォルト

監視グループパス

最大2,046バイトの文字列を入力できます。使用できる文字は,制御文字以外です。大文字・小文字を区別します。

必須

コメント

最大80バイトの文字列を入力できます。使用できる文字は,制御文字以外です。

任意

空欄

ホスト名

複数のホストをコンマで区切って指定できます。一つのホストに対して最大255バイトの文字列を入力できます。使用できる文字は,制御コードを除く半角英数字,半角ハイフン(-),ピリオド(.)です。

任意

空欄

(凡例)

−:デフォルト値がない