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JP1 Version 10 JP1/Integrated Management - Manager 導入・設計ガイド


3.5.1 大量発生イベントの監視抑止の仕組み

大量発生イベントの監視抑止は,JP1/IM - Manager,JP1/IM - View,およびJP1/Baseで実施されます。大量発生イベントの監視抑止では,イベント監視の妨げとなる監視対象イベントをJP1/IM - View上で集約イベントとして集約して,イベント一覧に表示されるのを抑止できます。また,大量発生したイベントに設定された自動アクションの実行を抑止できます。ダミーイベントは抑止できません。

大量発生イベントの監視抑止でのJP1/IM - Manager,JP1/IM - View,およびJP1/Baseの役割を次の表に示します。

表3‒14 大量発生イベントの監視抑止での各製品の役割

製品名

製品の役割

JP1/IM - Manager

  • イベントサービスから取得したイベントが大量発生イベントであるかを判断する(マネージャーのイベントDBに大量発生イベントが登録されることは防げない)

  • 大量発生イベントの自動アクションの実行を抑止する

JP1/IM - View

  • 大量発生イベントの表示を抑止する

JP1/Base

  • マネージャーのイベントDBに大量発生イベントが登録されることを防ぐ

ここでは大量発生イベントの監視抑止の仕組みをJP1/IM - ManagerとJP1/Baseに分けて,図に示します。

大量発生イベントの監視抑止の仕組み(JP1/IM - Manager)

JP1/IM - Managerは,大量発生したイベントを繰り返しイベントとして扱うことで,監視を抑止します。

JP1/IM - Managerは,イベントサービスから取得した監視対象イベント(イベント取得フィルターを通過したイベント)とユーザーが設定した繰り返しイベント条件とを比較します。繰り返しイベント条件には,「大量発生した際に抑止したいイベントであるか」を判断するためのイベント条件と,「大量に発生しているか」を判断するためのしきい値を設定します。

監視対象イベントが次の条件を満たしている場合,JP1/IM - Managerは「取得した監視対象イベントが大量発生イベントである」と判断し,監視を抑止します。

大量発生イベントの監視抑止の仕組み(JP1/Base)

JP1イベントが大量発生した場合,JP1/Baseはエージェントの転送設定ファイル(転送フィルター)を利用してマネージャーへのJP1イベントの転送を抑止します。

図3‒53 大量発生イベントの監視抑止の仕組み(JP1/Base)

[図データ]

〈この項の構成〉

(1) 大量発生イベントの監視抑止と各フィルターおよび機能との関係

JP1/IM - Viewは,大量発生イベントを受信するとJP1/IM - Viewの表示フィルターまたは重要イベントフィルターを介して,JP1/IM - Viewの[イベントコンソール]画面の[イベント監視]ページまたは[重要イベント]ページに大量発生イベントを集約して表示します。また,JP1/IM - Managerは受信した大量発生イベントが自動アクションの契機である場合に,繰り返しイベント条件に従って自動アクションの実行を抑止します。

表示フィルターを有効にしている場合,表示フィルターによって集約開始イベントが[イベントコンソール]画面に表示されないときは集約イベントも表示されません。

業務グループの参照・操作制限を有効にしている場合,業務グループの参照・操作制限によって集約開始イベントが[イベントコンソール]画面に表示されないときは集約イベントも表示されません。

指定期間のイベント表示を有効にしている場合,指定期間内の繰り返しイベントは集約して表示されます。指定期間外に集約中イベントがあった場合,JP1/IM - Viewが指定期間内の繰り返しイベントを受信したときは,指定期間外の集約中イベントは集約終了イベントになり,新たに受信したイベントが集約開始イベントとなります。

大量発生イベントの監視抑止とJP1イベントの各フィルターおよび機能との関係を次の図に示します。

図3‒54 大量発生イベントの監視抑止と各フィルターおよび機能との関係

[図データ]