3.2.3 インストール・アンインストール時の注意事項
- 〈この項の構成〉
(1) インストールについて
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ほかの製品のインストール先フォルダと同じフォルダにインストールしないでください。
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JP1/Baseによって作成される最上位フォルダ(JP1Base),下位フォルダ,およびファイルは,ユーザーが指定したインストール先フォルダの権限を継承します。インストール先フォルダには,次に示す権限(参照,実行,更新)を設定することをお勧めします。
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AdministratorsグループおよびSYSTEMアカウント:フルコントロール
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Usersアカウント:読み取りと実行
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インストール時に,ファイルmsvcrt.dllを置き換えるかどうかを問い合わせるダイアログボックスが表示された場合,必ず[再起動]を選択してファイルを置き換え,インストール後にシステムを再起動してください。「無視」を選択して古いバージョンのmsvcrt.dllを残した場合,イベントの時刻がずれるなど,正しく動作しなくなることがあります。
また,ほかの製品をインストールしたあとに,イベントの時刻がずれるなどの動作不正が発生した場合は,JP1/Baseを再インストールしてください。
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JP1/Baseをインストールすると,環境変数PATHにJP1/Baseのbinフォルダのパスが自動的に追加されます。JP1/Baseのbinフォルダのパスが追加された結果,環境変数PATHの長さがOSでの上限値を超える場合,JP1/Baseはインストールできません。環境変数PATHの指定から不要なパスを削除してから,再度インストール操作を実施してください。
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環境変数PATHに複数のパスが記述されている場合,左側に記述されているものほど参照するときの優先順位が高くなります。環境変数PATHに設定されるJP1/Baseのbinフォルダのパスの位置が,JP1/AJS3 - ViewまたはJP1/IM - Viewのbinフォルダよりも右側にあると,JP1/IM - ManagerやJP1/AJS3など,JP1/Baseを前提とする製品が正常に動作しないおそれがあります。環境変数PATHに設定されるJP1/AJS3 - ViewまたはJP1/IM - Viewのbinフォルダは,JP1/Baseのbinフォルダの右側に設定してください。
(2) 再インストールについて
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JP1/Baseを上書きインストールする場合は,「JP1/Base」で始まる名称のサービス,およびJP1/Baseのイベントサービスを利用しているすべてのプログラムを必ず終了してください。
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JP1/Baseをアンインストールしてから,再インストールする場合には,JP1/BaseおよびJP1/Baseを前提とする製品をすべてアンインストールしたあとに,JP1/Base,JP1/Baseを前提とする製品の順に再インストールをしてください。
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JP1/IM - Managerの場合
JP1/IM - Managerもアンインストールしたあと,JP1/BaseおよびJP1/IM - Managerを再インストールしてください。
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JP1/AJSの場合
JP1/AJSもアンインストールしたあと,JP1/BaseおよびJP1/AJSを再インストールしてください。
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JP1/AJS2 for Mainframeの場合
JP1/AJS2 for Mainframeのサービスを停止してからJP1/Baseをアンインストールしてください。JP1/Baseを再インストールしたあと,JP1/AJS2 for Mainframeを再セットアップしてください。
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JP1/Power Monitorの場合
JP1/Power MonitorはJP1/Baseよりも先にアンインストールしてください。そのあと,JP1/BaseおよびJP1/Power Monitorを再インストールしてください。
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JP1/IM - Managerを同一ホストにインストールしている場合,JP1/Baseをアンインストールして別のフォルダにJP1/Baseをインストールすると,JP1/IM - Managerが正常に動作しなくなります。
この場合,JP1/IM - Managerをアンインストールして,インストール先フォルダを削除して再インストールしてください。
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SNMPトラップ変換機能を利用している場合,JP1/Baseの上書きインストール後に再度,imevtgw_setupコマンドを実行してください。
(3) Windows環境への設定
JP1/Baseのインストール時に環境変数PATHに,JP1/Baseのbinフォルダのパスと,統合トレース機能(HNTRLib2)のパスとして日立共通フォルダのパス(システムドライブ\Program files\Common Files\HITACHI)が設定されます。また,servicesファイルに「付録C ポート番号一覧」に示すポート番号が設定されます。
(4) アンインストールについて
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JP1/Baseをアンインストールした場合,ほかのJP1製品も使用する共通の定義ファイルが削除されるため,ほかのJP1製品が動作できなくなります。
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JP1/AJS,JP1/Baseをインストールしたあと,JP1/AJSだけをアンインストールすると,その後イベントサービスが起動しなくなることがあります。この場合,イベントサーバ設定ファイル(conf)のinclude ajs-confパラメーターの行を削除するか,コメント扱い(行の先頭に#を付ける)にしてください。
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インストーラーのログとして次のファイルが作成されます。アンインストールが正常終了したあとに削除してください。
Windowsのインストール先フォルダ\Temp\HITACHI_JP1_INST_LOG\jp1base_inst{1|2|3|4|5}.log
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環境変数PATHに設定したJP1/Baseのbinフォルダのパス,およびservicesファイルへ設定したポート番号は,JP1/Baseのアンインストールで削除されます。サービス名jp1imcmdaは,JP1/IM - Viewがインストールされている場合,削除されません。削除されない設定情報について不要であれば,削除してください。ただし,サービス名jp1imcmdaは,JP1/IM - Viewがインストールされている場合,削除しないでください。また,日立共通フォルダのパスは統合トレース機能(HNTRLib2)以外の製品でも使用するため,削除の際は十分注意してください。
(5) 上書きインストールについて
以前のバージョンの製品を使用している環境に上書きインストールする場合,次の点にご注意ください。
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バージョン5のJP1/IMまたはJP1/IM - AgentがインストールされているホストにJP1/Baseをインストールする場合,次に示すサービスを必ず「手動」に変更してからインストールしてください。
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JP1/IM Agent
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JP1/IM Control Service
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JP1/IM Event
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JP1/IM Rmiregistry
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JP1/Baseをインストールすると,バージョン5のJP1/IM - AgentおよびJP1/IMイベントサービスは動作できなくなります。バージョン5のイベントサービスを起動する場合は,次に示すコマンドを実行してください。
jevmkcompat -u
また,上記コマンドを実行したあと,再びJP1/Baseのイベントサービスを起動する場合は,次に示すコマンドを実行してください。このコマンドを実行しないと,JP1/Baseのイベントサービスに対してイベントを発行できないプログラムがあります。
jevmkcompat -i
JP1/Baseがインストールされている状態で,バージョン5のJP1/IM - AgentおよびJP1/IMをインストールまたはアンインストールした場合も,次に示すコマンドを実行してください。
jevmkcompat -i
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JP1/Baseをインストールしたあと,JP1/Baseのイベントサービスを起動して,バージョン5以前のJP1/SESの機能を使用する場合には,次に示すコマンドを実行してください。
jevmkcompat -r
JP1/SESのイベントサービスを起動して,JP1/SESの機能を使用する環境に戻す場合には,次に示すコマンドを実行してください。
jevmkcompat -u
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バージョン6のJP1/IM - Central ConsoleまたはJP1/AJSと,バージョン7以降のJP1/Baseは,同一ホストにインストールできません。
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バージョン6以前のJP1/Baseにバージョン7以降のJP1/Baseを上書きインストールするとHNTRLib2がインストールされますが,HNTRLibが残ったままになります。不要であれば,HNTRLibを利用するプログラムがないことを確認してからHNTRLibをアンインストールしてください。
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バージョン8で,コマンド実行履歴ファイル(ISAM)の保存形式が変更になりました。そのため,JP1/IMを使用している環境で,バージョン8以降のJP1/Baseを07-51以前のバージョンから上書きインストールした場合,JP1/IMの運用開始までの間に必ずjcocmdconvコマンドを実行してください。
このコマンドを実行すると,バージョン7以前のJP1/Baseに蓄積されたコマンド実行履歴ファイル(ISAM)を,バージョン8以降のコマンド実行履歴ファイル(ISAM)に移行できます。このコマンドを実行しなかった場合,バージョン7以前に蓄積されたコマンド実行履歴が参照できません。また,クラスタ運用時には,共有ディスクにアクセスできる状態で,実行系か待機系のどちらか一方から論理ホストに対し,jcocmdconvコマンドを1回だけ実行してください。
jcocmdconvコマンドの詳細については,「15. コマンド」の「jcocmdconv」を参照してください。
なお,コマンド実行履歴はマネージャーホスト(JP1/IMと同ホスト)のJP1/Baseだけに作成されます。
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09-00では,イベントサーバ設定ファイル(conf)のoptionsパラメーターにsave-repフラグが追加されました。このフラグを設定すると,イベントDBの重複防止テーブルをファイル上に保持します。設定しない場合は,重複防止テーブルをメモリー上に保持します。そのため,イベントサーバの再起動時に,重複防止テーブルが破棄されたあとで再構築され,他ホストから転送されたJP1イベントの受信に時間が掛かります。他ホストから転送されたJP1イベントを受信するイベントサーバでは,save-repフラグを設定することを推奨します。
なお,08-50以前のバージョンから上書きインストールした場合は,このフラグが設定されていないため,次の手順で重複防止テーブルをファイル上に構築してください。
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イベントサーバ設定ファイルのoptionsパラメーターにsave-repフラグを追加する。
イベントサーバ設定ファイルについては,「16. 定義ファイル」の「イベントサーバ設定ファイル」を参照してください。
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jevdbmkrepコマンドを実行する。
jevdbmkrepコマンドについては,「15. コマンド」の「jevdbmkrep」を参照してください。
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イベントサーバを起動する。
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09-10では,ログファイルトラップ起動定義ファイル(jevlog_start.conf)が追加されました。09-10以降のJP1/IMと連携している場合,IM構成管理を使用しているときは,このファイルを使用すると,IM構成管理からログファイルトラップの起動・停止を管理できます。
IM構成管理からログファイルトラップの起動・停止を管理する場合,起動順序定義ファイル(JP1SVPRM.DAT)でログファイルトラップを起動するように定義しているときは,次の作業を実施して,ログファイルトラップを起動するための定義をログファイルトラップ起動定義ファイルに移行してください。
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起動順序定義ファイルで設定していた,ログファイルトラップを起動するための定義を削除する。
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ログファイルトラップ起動定義ファイルに,起動・停止したいログファイルトラップを設定する。
ログファイルトラップ起動定義ファイルについては,「16. 定義ファイル」の「ログファイルトラップ起動定義ファイル」を参照してください。
なお,移行の際は,次の点に注意してください。
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jevlogstartコマンドオプションにログファイルトラップ動作定義ファイル名(-fオプション)を必ず指定してください。
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監視名またはログファイルトラップ動作定義ファイル名が,ほかのログファイルトラップと重複しないようにしてください。重複している場合は,別の名称に変更してください。
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(6) クラスタ運用での上書きインストールについて
07-10以前のJP1/Baseでクラスタシステムを使用していて,07-11以降のJP1/Baseを上書きインストールする場合,上書きインストール後に次に示す(a)〜(c)の作業を順番に実施して,論理ホスト環境の設定のアップグレードをする必要があります。
また,10-10以前のJP1/Baseでクラスタシステムを使用していて,10-50以降のJP1/Baseを上書きインストールする場合,上書きインストール後に「(d) 10-50以降で追加された定義ファイルをコピーする」の作業を実施して,論理ホスト環境の設定のアップグレードをする必要があります。
(a) 07-00以降で追加されたプロセスが起動するようにする
次に示す手順で設定ファイルを修正してください。
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次のファイルのバックアップを取る。
共有フォルダ\jp1base\conf\jp1bs_spmd.conf 共有フォルダ\jp1base\conf\jp1bs_spmd.conf.session 共有フォルダ\jp1base\conf\jp1bs_spmd.conf.original 共有フォルダ\jp1base\conf\jp1bs_service_0700.conf
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次のファイルを修正し07-00以降で追加されたプロセスが起動するようにする。
共有フォルダ\jp1base\conf\jp1bs_spmd.conf 共有フォルダ\jp1base\conf\jp1bs_spmd.conf.session 共有フォルダ\jp1base\conf\jp1bs_spmd.conf.original
該当のファイルをエディターなどで開き,最終行に次の行を追加します。
07-00または07-10のJP1/Baseの場合は,jbshcdおよびjbshchostdだけ追加してください。
jbsplugin|C:\Program Files\HITACHI\JP1Base\bin\jbsplugind.exe|||60| jbshcd|C:\Program Files\HITACHI\JP1Base\bin\jbshcd.exe|||60| jbshchostd|C:\Program Files\HITACHI\JP1Base\bin\jbshchostd.exe|||60|
太字部分はJP1/Baseがインストールされているフォルダです。これらの記述は,インストール先フォルダ\conf\jp1bs_spmd.conf.originalファイルに記載されています。これをコピーして貼り付けてください。
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次のファイルを修正し07-11以降に追加されたプロセスが起動するようにする。
次のファイルがない場合は,JP1/Baseサービス起動時に自動で作成されるため,この手順は不要です。
共有フォルダ\jp1base\conf\jp1bs_service_0700.conf
このファイルをエディターなどで開き,最終行に次の行を追加します。
jbshcd|C:\Program Files\HITACHI\JP1Base\bin\jbshcd.exe||0|3|3|21600| jbshchostd|C:\Program Files\HITACHI\JP1Base\bin\jbshchostd.exe||0|3|3|21600|
太字部分はJP1/Baseがインストールされているフォルダです。これらの記述は,インストール先フォルダ\conf\jp1bs_service_0700.confファイルに記載されています。これをコピーして貼り付けてください。
(b) 07-00以降で追加された定義ファイルをコピーする
次に示す手順で定義ファイルをコピーしてください。
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共有フォルダ\jp1base\conf\配下にpluginフォルダを作成する。
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インストール先フォルダ\conf\plugin\reqforward.confを,共有フォルダ\jp1base\conf\plugin\配下にコピーする。
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インストール先フォルダ\conf\user_acl\JP1_AccessLevelを,共有フォルダ\jp1base\conf\user_acl\配下にコピーする。
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共有フォルダ\jp1base\conf\配下にjbshcフォルダを作成する。
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インストール先フォルダ\conf\jbshc\配下のファイルを,共有フォルダ\jp1base\conf\jbshc\配下にコピーする。
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共有フォルダ\jp1base\conf\配下にlcactフォルダを作成する。
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インストール先フォルダ\conf\lcact\配下のファイルを,共有フォルダ\jp1base\conf\lcact\配下にコピーする。
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共有フォルダ\jp1base\conf\配下にjbsdftsフォルダを作成する。
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インストール先フォルダ\conf\jbsdfts\配下のファイルを,共有フォルダ\jp1base\conf\jbsdfts\配下にコピーする。
(c) 07-00以降で追加された共通定義情報を追加する
次に示す手順で設定ファイルを修正してください。
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共通定義情報のバックアップを取る。
次のコマンドを実行してください。
jbsgetcnf -h 論理ホスト名 > バックアップファイル名
なお,論理ホスト名は,論理ホストのセットアップ時に指定したとおりに大文字・小文字を正しく指定してください。
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論理ホストに追加する共通定義情報を用意する。
次のファイルをテンポラリーディレクトリにコピーしてください。
07-00のJP1/Baseの場合は,jcocmd0710.confおよびjbshc_com.confだけをコピーしてください。
07-10のJP1/Baseの場合は,jbshc_com.confだけをコピーしてください。
インストール先フォルダ\default\base_plugin.conf インストール先フォルダ\default\jcocmd0700.conf インストール先フォルダ\default\jcocmd0710.conf インストール先フォルダ\default\jbsspm070.conf インストール先フォルダ\conf\jp1bs_param_V7.conf インストール先フォルダ\default\jbshc_com.conf インストール先フォルダ\conf\jbscom_default.conf インストール先フォルダ\conf\jbslcact_default.conf インストール先フォルダ\conf\jbssrvmgr.conf
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手順2でコピーしたファイルをエディターなどで修正して,論理ホスト用の共通定義情報を作成する。
ファイル中の「JP1_DEFAULT」をすべて「論理ホスト名」に修正してください。ファイル名はそれぞれ「〜.conf」にしてください。
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手順3で修正したファイルを論理ホストの共通定義情報として設定する。
次のコマンドを各ファイルに対して実行して,共通定義情報を追加してください。
jbssetcnf ファイル名
(d) 10-50以降で追加された定義ファイルをコピーする
次に示す手順で定義ファイルをコピーしてください。
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共有フォルダ\jp1base\event\配下にsuppressフォルダを作成する。
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インストール先フォルダ\conf\event\servers\default\suppress\forward_suppressを共有フォルダ\jp1base\event\suppress\配下にコピーする。