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JP1 Version 10 JP1/Base 運用ガイド


2.12.2 旧バージョンのJP1/Baseとの互換性および接続性

JP1/Baseは,旧バージョンのJP1/Baseと互換性を持ちます。ただし,旧バージョンとの接続性については,JP1/IM - ManagerやJP1/AJS3など上位製品の制限に従います。上位製品の接続性については,上位製品のマニュアルを参照してください。また,次に示す場合には注意が必要です。

〈この項の構成〉

(1) セカンダリー認証サーバの設置を考えている場合

セカンダリー認証サーバの設置を考え,かつ,同一認証圏にJP1/Base 06-00が存在している場合,次に示す点に注意してください。

JP1/IM - View,JP1/AJS - Viewのログイン先ホストやジョブ管理ホスト(JP1/AJS - Manager)にインストールされたJP1/Baseが06-00の場合

接続先認証サーバが一つに限られるため,認証サーバへの接続に失敗すると,業務が停止してしまいます。なお,ジョブ実行ホストにインストールされたJP1/Baseは,どのバージョンでもかまいません。

JP1/IM - View,JP1/AJS - Viewのログイン先ホストやジョブ管理ホスト(JP1/AJS - Manager)にインストールされたJP1/Baseが06-51以降の場合

接続先認証サーバおよびジョブ実行ホストにインストールされたJP1/Baseは,どのバージョンでもかまいません。

(2) JP1/IMを使用していて構成定義を変更する場合

JP1/IMを使用していて構成定義を変更する場合,06-51以降のJP1/Baseでは,イベントサービスの転送設定ファイル(forward)が動的に反映(リロード)されますが,JP1/Base 06-00ではリロードされません。このため,JP1/Base 06-00ではイベントサービスを再起動する必要があります。

(3) JP1/IMを使用していてコマンド実行履歴がある場合

バージョン8で,コマンド実行履歴ファイル(ISAM)の保存形式が変更になりました。そのため,バージョン7以前のJP1/IMを使用していてコマンド実行履歴ファイル(ISAM)がある場合は,JP1/Baseのバージョンアップ後,JP1/IMの運用開始までの間に必ずjcocmdconvコマンドを実行してください。

このコマンドを実行すると,バージョン7以前のJP1/Baseに蓄積されたコマンド実行履歴ファイル(ISAM)を,バージョン8以降のコマンド実行履歴ファイル(ISAM)に移行できます。このコマンドを実行しなかった場合,バージョン7以前に蓄積されたコマンド実行履歴が参照できません。また,クラスタ運用時には,共有ディスクにアクセスできる状態で,実行系か待機系のどちらか一方から論理ホストに対し,jcocmdconvコマンドを1回だけ実行してください。jcocmdconvコマンドの詳細については,「15. コマンド」の「jcocmdconv」を参照してください。

なお,コマンド実行履歴はマネージャーホスト(JP1/IMと同ホスト)のJP1/Baseだけに作成されます。

(4) JP1/IM用とJP1/AJS用のJP1ユーザーの操作権限を設定する場合

JP1/IM 08-00とJP1/AJS 08-00では,新たにJP1ユーザーの操作権限が追加されました。新たに追加されたJP1ユーザーの操作権限を設定する場合,認証サーバのバージョンが07-51以前では設定できません。

(5) JP1/IM用定義情報を収集および配布する場合

イベントサービスの定義情報の収集と配布や,JP1製品の定義情報を収集する場合,収集元,配布元のホスト,および収集先,配布先のホストにインストールされているJP1/Baseのバージョンを07-00以降にする必要があります。

(6) コマンドの戻り値を参照するシェルスクリプトを使用している場合

JP1/Base 06-71では,次に示すコマンドの戻り値が変更されました。

06-51以前のJP1/Baseで,上記コマンドの戻り値を参照するシェルスクリプトを使用していた場合,そのシェルスクリプトは,07-00以降のJP1/Baseで正常に動作しなくなるおそれがあります。このため,上記コマンドの戻り値の利用については見直しが必要です。各コマンドの戻り値については,「15. コマンド」を参照してください。