以前のバージョンの製品を使用している環境に上書きインストールする場合,次の点に注意してください。
- JP1/Baseをインストールすると,バージョン5のイベントサービス機能は動作できなくなります。バージョン5のイベントサービスを起動する場合は,次に示すコマンドを実行してください。
jevmkcompat -r
また,上記コマンドを実行したあと,再びJP1/Baseのイベントサービスを起動する場合,次に示すコマンドを実行してください。このコマンドを実行しないと,JP1/Baseのイベントサービスに対してイベントを発行できないプログラムがあります。
jevmkcompat -u
- JP1/Baseがインストールされている状態で,バージョン5のJP1/IMをインストールまたはアンインストールした場合,次に示すコマンドを実行してください。
jevmkcompat -u
- バージョン6のJP1/IM - Central ConsoleまたはJP1/AJSと,バージョン7以降のJP1/Baseを同一ホストにインストールできません。
- 07-10以前のJP1/Baseでクラスタシステムをご使用で,07-11以降のJP1/Baseを上書きインストールする場合,上書きインストール後に以下の作業をして,論理ホスト環境の設定のアップグレードをする必要があります。
- 1. 07-00以降で追加されたプロセスが起動するようにする。
- 以下の手順で設定ファイルを修正してください。
- 認証サーバを論理ホストで起動する場合
- cp -p /etc/opt/jp1base/conf/jp1bs_spmd.conf.session.model 共有ディレクトリ/jp1base/conf/jp1bs_spmd.conf
- cp -p /etc/opt/jp1base/conf/jp1bs_service_0700.conf.model 共有ディレクトリ/jp1base/conf/jp1bs_service_0700.conf
- 認証サーバを論理ホストで起動しない場合
- cp -p /etc/opt/jp1base/conf/jp1bs_spmd.conf.model 共有ディレクトリ/jp1base/conf/jp1bs_spmd.conf
- cp -p /etc/opt/jp1base/conf/jp1bs_service_0700.conf.model 共有ディレクトリ/jp1base/conf/jp1bs_service_0700.conf
- 2. 07-00以降で追加された定義ファイルをコピーする。
- 以下の手順で定義ファイルをコピーしてください。
- 2-1 共有ディレクトリ/jp1base/conf/配下にpluginディレクトリを作成する。
- 2-2 /etc/opt/jp1base/conf/plugin/reqforward.confを,共有ディレクトリ/jp1base/conf/plugin/配下にコピーする。
- 2-3 /etc/opt/jp1base/conf/user_acl/JP1_AccessLevelを,共有ディレクトリ/jp1base/conf/user_acl/配下にコピーする。
- 2-4 共有ディレクトリ/jp1base/conf/配下にjbshcディレクトリを作成する。
- 2-5 /etc/opt/jp1base/conf/jbshc/配下のファイルを,共有ディレクトリ/jp1base/conf/jbshc/配下にコピーする。
- 2-6 /etc/opt/jp1base/conf/jbslcact/配下のファイルを,共有ディレクトリ/jp1base/conf/jbslcact/配下にコピーする。
- 2-7 /etc/opt/jp1base/conf/jbsdfts/配下のファイルを,共有ディレクトリ/jp1base/conf/jbsdfts/配下にコピーする。
- 3. 07-00以降で追加された共通定義情報を追加します。
- 以下の手順で設定ファイルを修正してください。
- 3-1 共通定義情報のバックアップを取る。
- 以下のコマンドを実行してください
- jbsgetcnf -h 論理ホスト名 > バックアップファイル名
- 3-2 論理ホストに追加する共通定義情報を用意する。
- 以下のファイルをテンポラリーディレクトリにコピーしてください。
- 07-00のJP1/Baseをご使用の場合はjcocmd0710.conf.modelとjbshc_com.conf.model,07-10のJP1/Baseをご使用の場合はjbshc_com.conf.modelだけをコピーしてください。
- /etc/opt/jp1base/default/base_plugin.conf.model
- /etc/opt/jp1base/default/jcocmd0700.conf.model
- /etc/opt/jp1base/default/jcocmd0710.conf.model
- /etc/opt/jp1base/default/jbsspm070.conf.model
- /etc/opt/jp1base/conf/jp1bs_param_V7.conf.model
- /etc/opt/jp1base/default/jbshc_com.conf.model
- /etc/opt/jp1base/default/jbscom_default.conf.model
- /etc/opt/jp1base/default/jbslcact_default.conf.model
- /etc/opt/jp1base/default/jbssrvmgr.conf.model
- 3-3 3-2でコピーしたファイルをエディターなどで修正して論理ホスト用の共通定義情報を作成する。
- ファイル中の「JP1_DEFAULT」をすべて「論理ホスト名」に修正してください。ファイル名はそれぞれ「〜.conf」にしてください。
- 3-4 3-3で修正したファイルを論理ホストの共通定義情報として設定する。
- 以下のコマンドを各ファイルに対して実行して,共通定義情報を追加してください。
- jbssetcnf ファイル名
以上で,論理ホストのアップグレード作業は終了です。
- バージョン8で,コマンド実行履歴ファイル(ISAM)の保存形式が変更になりました。そのため,JP1/IMを使用している環境で,バージョン8以降のJP1/Baseを07-51以前のバージョンから上書きインストールした場合,JP1/IMの運用開始までの間に必ずjcocmdconvコマンドを実行してください。
このコマンドを実行すると,バージョン7以前のJP1/Baseに蓄積されたコマンド実行履歴ファイル(ISAM)を,バージョン8以降のコマンド実行履歴ファイル(ISAM)に移行できます。このコマンドを実行しなかった場合,バージョン7以前に蓄積されたコマンド実行履歴が参照できません。また,クラスタ運用時には,共有ディスクにアクセスできる状態で,実行系か待機系のどちらか一方から論理ホストに対し,jcocmdconvコマンドを1回だけ実行してください。
jcocmdconvコマンドの詳細については,「13. コマンド」の「jcocmdconv」を参照してください。
なお,コマンド実行履歴はマネージャーホスト(JP1/IMと同ホスト)のJP1/Baseだけに作成されます。
- 09-00では,イベントサーバ設定ファイル(conf)のoptionsパラメーターにsave-repフラグが追加されました。このフラグを設定すると,イベントDBの重複防止テーブルをファイル上に保持します。設定しない場合は,重複防止テーブルをメモリー上に保持します。そのため,イベントサーバの再起動時に,重複防止テーブルが破棄されたあとで再構築され,他ホストから転送されたJP1イベントの受信に時間が掛かります。他ホストから転送されたJP1イベントを受信するイベントサーバでは,save-repフラグを設定することを推奨します。
なお,08-50以前のバージョンから上書きインストールした場合は,このフラグが設定されていないため,次の手順で重複防止テーブルをファイル上に構築してください。
- イベントサーバ設定ファイルのoptionsパラメーターにsave-repフラグを追加する。
イベントサーバ設定ファイルについては,「14. 定義ファイル」の「イベントサーバ設定ファイル」を参照してください。
- jevdbmkrepコマンドを実行する。
jevdbmkrepコマンドについては,「13. コマンド」の「jevdbmkrep」を参照してください。
- イベントサーバを起動する。
- 09-10では,ログファイルトラップ起動定義ファイル(jevlog_start.conf)が追加されました。09-10以降のJP1/IMと連携している場合,IM構成管理を使用しているときは,このファイルを使用すると,IM構成管理からログファイルトラップの起動・停止を管理できます。
IM構成管理からログファイルトラップの起動・停止を管理する場合,jbs_startでログファイルトラップを起動するように定義しているときは,次の作業を実施して,ログファイルトラップを起動するための定義をログファイルトラップ起動定義ファイルに移行してください。
- jbs_startで設定していた,ログファイルトラップを起動するための定義を削除する。
- ログファイルトラップ起動定義ファイルに,起動・停止したいログファイルトラップを設定する。
ログファイルトラップ起動定義ファイルについては,「14. 定義ファイル」の「ログファイルトラップ起動定義ファイル」を参照してください。
なお,移行の際は,次の点に注意してください。
- jevlogstartコマンドオプションにログファイルトラップ動作定義ファイル名(-fオプション)を必ず指定してください。
- 監視名またはログファイルトラップ動作定義ファイル名が,ほかのログファイルトラップと重複しないようにしてください。重複している場合は,別の名称に変更してください。
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