ここでは,Excel形式ファイルへ出力した場合のアイテムの出力規則について説明します。
Excel形式ファイルへ出力した場合,文字アイテムの出力は次の規則に従います。
それぞれの規則について説明します。
Excel形式ファイルに出力する場合,EUR 帳票作成機能で定義したフィールドの種別およびアイテムの種類とExcelでの書式の表示形式が異なることがあります。
EUR 帳票作成機能で定義した内容とExcelでの書式の表示形式の対応を次の表に示します。
表4-3 EUR 帳票作成機能で定義した内容とExcelでの書式の表示形式の対応
EUR 帳票作成機能で定義した内容 | Excelでの書式の表示形式 | |
---|---|---|
文字アイテムのフィールドの種別 | 文字列 | 文字列 |
数値 | 数値 | |
日付 | 文字列 | |
和暦 | 文字列 | |
バーコード | - | |
アイテムの種類 | 印刷日付・印刷時刻・ページ番号 | 文字列 |
なお,帳票設計時,文字アイテムの枠の大きさまたは改行コードによって,文字アイテムが複数行にわたる場合があります。この場合,Excel形式ファイルに出力すると文字アイテムは1行で出力されます。
文字列がExcelのセルからはみ出した場合,隣のセルにアイテムが配置されていないときは,すべての文字列が表示されます。ほかのアイテムが配置されているときは,はみ出した文字列は表示されません。
また,数値がExcelのセルからはみ出した場合は,枠内に「#」が表示されます。
Excelでの書式の表示形式は,Excelの[セルの書式設定]ダイアログの[表示形式]タブで確認できます。[セルの書式設定]ダイアログは,Excelのセルを右クリックして表示されるメニューから,[セルの書式設定]を選択して表示します。
EUR 帳票作成機能で定義した文字アイテムの四隅の座標は,それぞれいちばん近いセル区切りの座標に合わせて出力されます。文字アイテムの高さおよび幅は,アイテムの四隅が,どのセル区切りに合わせて出力されるかによって決まります。
なお,文字アイテムの四隅の座標値がちょうどセルの中心に位置する場合は,座標値の小さい方のセル区切り位置に合わせて出力されます。
また,文字アイテムが小さく,四隅のうちどれかの角が同じ場所に出力される場合,文字アイテムは出力されません。
文字アイテムの四隅の位置をそれぞれいちばん近いセル区切りに合わせた場合,アイテムが複数のセルにわたるときは,セルが結合されます。
EUR 帳票作成機能で帳票を設計したときに重なっている文字アイテムは,すべて出力されません。
Excel形式ファイルへ出力した場合,線アイテムの出力は次の規則に従います。
それぞれの規則について説明します。
Excel形式ファイルには,実線,点線,破線,一点鎖線,二点鎖線,点線(丸),点線(角)が出力できます。ただし,点線,点線(丸),および点線(角)はすべて同じ線種に変換されます。出力結果の詳細については,「付録B.1(3) 線」を参照してください。
水平線または垂直線だけがExcel形式ファイルに出力できます。斜線は出力できません。
Excelのセル罫線は,線幅を数値で指定できません。
実線は,EUR 帳票作成機能で定義した線幅によって3種類の線幅を持つ実線のどれかに変換されます。
実線以外の線種は,すべてExcelでサポートされる線種のセル罫線として出力されます。実線以外のExcelの線種はそれぞれ1種類の線幅しか持たないため,EURで線幅を指定してもすべて同じ線幅で出力されます。
出力結果の詳細については,「付録B.1(3) 線」を参照してください。
EUR 帳票作成機能で定義した線アイテムはExcel形式ファイルのセル罫線として出力されます。線アイテムの位置および長さは,アイテムの始点と終点がExcelのセル区切りのどこに出力されるかによって決まります。
線アイテムの始点と終点は,帳票ファイルでの座標値にいちばん近いセル区切りに合わせて出力されます。
その結果,線アイテムの長さが帳票設計時と異なる場合があります。線アイテムの長さは,始点が配置されたセル区切りから終点が配置されたセル区切りまでの長さになります。
なお,線アイテムの始点または終点の座標値がちょうどセルの中心に位置する場合は,座標値の小さい方のセル区切りに合わせて出力されます。
なお,線アイテムの始点と終点が同じ座標に配置される場合,線アイテムは出力されません。
Excel形式ファイル出力時に,線アイテムの出力位置が補正された結果,複数の線アイテムが同じセルの同じ位置に配置されることがあります。しかし,セル罫線には1種類の情報しか設定できないため,同じセル罫線には,線アイテムを一つだけ出力します。
線アイテム同士が同じセル罫線に配置された場合,線の開始位置座標が最も左上にある(原点に近い)線アイテムが出力されます。開始位置座標が原点から同じ距離にある場合は,座標値が最も左にある線アイテムを出力します。
線アイテムの一部だけがほかの線アイテムと重なって配置される場合,線アイテムの重なっていない部分は優先順位と関係なく出力されます。
文字アイテムの大きさによって,セルが結合される場合があります。線アイテムの出力位置を補正した結果,出力位置が結合セルの内部となった場合は,線アイテムの結合セルと重なる部分は出力されません。結合セルと重ならない部分は別々のセル罫線として出力されます。
結合セルと線アイテムが重なった場合の出力結果を次の図に示します。
図4-6 結合セルと線アイテムが重なった場合の出力結果
Excel形式ファイルへ出力した場合,図形アイテムの出力は次の規則に従います。
それぞれの規則について説明します。
EUR 帳票作成機能で定義できる図形アイテムは,網掛けアイテム,角丸四角アイテム,円/楕円アイテム,および多角形アイテムの4種類です。
図形アイテムの種類別のExcel形式ファイルへの出力結果を次の表に示します。
表4-4 図形アイテムの種類別のExcel形式ファイルへの出力結果
図形アイテムの種類 | 出力結果 |
---|---|
網掛けアイテム | ○ |
角丸四角アイテム | ○※ |
円/楕円アイテム | × |
多角形アイテム | × |
角丸四角アイテムは網掛けアイテムと同じ出力規則に従います。
網掛けアイテムはExcel形式ファイルのセル区切りに合わせて出力されます。
網掛けアイテムの四隅の座標は,それぞれいちばん近いセル区切りの座標に合わせて出力されます。四隅の座標値がちょうどセルの中心に位置する場合は,座標値の小さい方のセル区切り位置に合わせて出力されます。
網掛けアイテムの領域が複数のセルにわたっても,セルは結合されません。
EUR 帳票作成機能で設定した網掛けのパターンは,Excelのセルの塗りつぶしパターンとして出力されます。EURでの網掛けパターンとExcelのセルの塗りつぶしパターンの対応については,「付録B.1(4)(a) 出力結果の詳細」を参照してください。
枠線については,線アイテムと同様にExcel形式ファイルのセル罫線として出力されます。線アイテムの出力方法については,「(2) 線アイテムの出力規則」を参照してください。
Excel形式ファイル出力時に,網掛けアイテムの出力位置が補正された結果,同じセルに複数のアイテムが配置される場合があります。この場合,EURでの帳票設計時に最前面に表示されるアイテムの枠線および網掛けパターンが出力され,背面に表示されるアイテムの枠線および網掛けパターンは出力されません。
同じセルに配置された網掛けアイテムのうち,最前面に表示されるアイテム以外の枠線および網掛けパターンは,重なっていない部分だけが出力されます。
また,網掛けアイテムの網掛けパターンは,Excel形式ファイル出力時に1種類の塗りつぶしパターンに変換されます。また,帳票設計時に塗りつぶしを選択した場合は,Excel形式ファイル出力時に塗りつぶしの色が「色なし」になります。
EURでの網掛けパターンとExcelのセルの塗りつぶしパターンの対応については,「付録B.1(4)(a) 出力結果の詳細」を参照してください。
図4-7 同じセルに二つの網掛けアイテムが配置された場合の例
最前面に表示される網掛けアイテムの網掛けのパターンが透明(塗りつぶしなし)の場合,帳票設計時,アイテムが重なる部分には背面に表示される網掛けアイテムの枠線や網掛けパターンが表示されます。しかし,Excel形式ファイルに出力すると,アイテムの重なっている部分には最前面に表示されるアイテムの枠線が出力され,背面に表示される網掛けアイテムの枠線や網掛けパターンは表示されません。
網掛けアイテムの網掛けのパターンが透明(塗りつぶしなし)の場合,Excelでの塗りつぶしパターンは「塗りつぶしなし」になります。
図4-8 最前面に表示されるアイテムの網掛けのパターンが透明(塗りつぶしなし)の場合
Excel形式ファイル出力時に,網掛けアイテムの出力位置が補正された結果,文字アイテムが出力された結合セルに,網掛けアイテムが出力される場合があります。この場合,結合セルの塗りつぶしパターンは,網掛けアイテムが出力されるセルの位置によって,次のように出力されます。