5.3.1 CSV形式(DAT形式)のデータ形式
CSV形式(DAT形式)のデータファイルは,フィールドとフィールドの間を区切り記号で区切ったファイルです。UNIX版 EUR旧製品で使用していたDAT形式も使えます。
CSV形式(DAT形式)のデータファイルのファイルサイズ,およびレコードの上限値は,次のとおりです。
表5-2 データファイルに記述する内容の上限値(CSV形式(DAT形式)の場合)
データファイルの記述項目 | 上限値 |
---|
ファイルサイズ | 2GBを上限とします。 |
レコード数 | 上限はありません。 |
レコード長 | 上限はありません。 |
フィールド数 | 上限はありません。 |
1フィールドの長さ | 99,999バイトを上限とします。 |
フィールド名の長さ | マッピングデータのフィールド名:510桁を上限とします。 ユーザ定義データのフィールド名:499桁を上限とします。 |
CSV形式(DAT形式)のデータは,ディクショナリファイルを省略できます。その場合は,データファイルの1行目のデータ(1行目のデータをフィールド名として扱う場合は2行目のデータ)が「"」で囲まれている場合は文字列として,それ以外は数値データとしてフィールド定義情報が自動生成されます。
次に,ファイル形式を示します。
図5-1 データファイルの記述例(CSV形式(DAT形式)の場合)
![[図データ]](figure/zu050100.gif)
- <この項の構成>
- (1) 数値データ
- (2) 文字データ
- (3) 画像データ
- (4) 日付データ
- (5) バーコードデータ
- (6) 特殊編集レベルデータ
- (7) 区切り文字
(1) 数値データ
数値は,そのまま記述するか,または「"」で囲みます。
- 先頭に一つ以上の半角空白のある数値データの両端を「"」で囲んで記述した場合,先頭の半角空白を除いたデータが,入力データとなります。
- (例)
- 「"△126"」と記述した場合は,「126」が入力データとなります。
- 「"△-126△"」と記述した場合は,「-126△」が入力データとなります。
- 「"」で囲んでいない場合,前後の空白を除いたデータが,入力データとなります。
- (例)
- 「△315△」と入力した場合は,「315」が入力データとなります。
(2) 文字データ
文字列を記述します。文字列は,そのまま記述するか,または「"」で囲みます。
- 「"」を文字データとして使用する場合は,「"」を二つ続けて記述し,文字データの両端を「"」で囲んでください。
- (例)
- 「E"UR」とする場合は,「"E""UR"」と指定します。
- 「"」で囲んでいない場合,前後の空白を除いたデータが,入力データとなります。
- (例)
- 「△EUR△」と入力した場合は,「EUR」が入力データとなります。
- 区切り文字を文字データとして記述する場合は,文字列の両端を「"」で囲んでください。
- (例)
- 「,」が区切り文字の場合,「EU,R」とするときは,「"EU,R"」と指定します。
- 「"」で囲まれていない文字列の終端は,区切り文字,改行コード,または¥0(Null:0x00)にしてください。
- 「"」で囲まれている文字列の終端は,改行コード,または¥0(Null:0x00)にしてください。
- 文字列中のタブコードは,半角空白一つに変換されます。ただし,タブコードが区切り文字として使用されている場合は,区切り文字として扱われます。
- 「"」で囲まれた文字列中の改行コードは,文字として扱われます。
(3) 画像データ
画像ファイル名をそのまま記述するか,「"」で囲みます。
指定できる画像データは,次のとおりです。
- Windows BITMAP形式の画像データ
- JPEG形式の画像データ
- GIF形式の画像データ
- TIFF形式の画像データ
- PNG形式の画像データ
EURで扱える画像データについては,「5.4 画像ファイル」を参照してください。
- ■補足説明
- 一つの帳票で複数の画像ファイルを使用する場合は,使用する画像ファイルを同じフォルダに保存しておいてください。
(4) 日付データ
日付データは,西暦または和暦を数値で指定します。
日付データには,入力データの桁数と,指定したいデータ種別の桁数が一致するように入力データを指定してください。入力データの桁数とデータ種別の桁数が合っていないと,マッピングデータウィンドウに表示されないことがあります。
(a) 西暦
西暦を数値で記述します。指定できるデータの種別と桁数を次に示します。
データ種別 | 桁数 | 指定例 (「2004年5月23日12時10分05秒」の場合) |
---|
日付(年次) | 4桁 | 2004 |
日付(月次) | 6桁 | 200405 |
日付(日次) | 8桁 | 20040523 |
日付(日付・時刻)※ | 年:4桁 月:2桁 日:2桁 時:2桁 分:2桁 秒:2桁 | 2004/05/23 12:10:05 |
- 注※
- 日付は「/」で,時刻は「:」で区切り,日付と時刻の間は半角空白一つで区切ってください。
(b) 和暦
和暦を指定する場合,1桁目に元号を次の数値で指定します。英語ロケールおよび中国語ロケールでは,和暦は使用できません。
指定できるデータ種別と桁数を次に示します。
データ種別 | 桁数 | 指定例 |
---|
「平成21年1月1日」を表示させる場合 | 「昭和64年1月1日」を表示させる場合 |
---|
和暦(年次) | 3桁 | 421 | 364 |
和暦(月次) | 5桁 | 42101 | 36401 |
和暦(日次) | 7桁 | 4210101 | 3640101 |
和暦日付は,「平成元年1月1日」のような架空の日付も表示できます。また,[アイテムのプロパティ]ダイアログの[表示形式](日付・時刻データ)タブで,日付の表示形式を次のように設定することもできます。
- 「平成1年」を「平成元年」と表示できます。
- 「平成21年」を「H21」と表示できます。
[アイテムのプロパティ]ダイアログについては,マニュアル「EUR 帳票作成 操作ガイド」を参照してください。
(c) 日付データの補足説明
年号を表すデータは4桁で認識されます。そのため,[コントロールパネル]の[地域のオプション]の設定で,年号を2桁に設定している場合は,[日付]ページの[短い形式]のリストボックスから,年号を4桁で表示する形式「yyyy」に選択し直してください。[区切り記号]は,「/」を指定してください。また,Windowsの時刻表示を12時間制の形式に設定している場合は,[時刻]ページの[時間の形式]のリストボックスから,24時間制の形式に選択し直してください。このとき,午前,または午後を表す「t」の付く形式は設定しないでください。
(5) バーコードデータ
バーコードで使用するデータを指定します。
バーコードで使用するデータは,バーコードの種類によって異なります。指定するデータの桁数が合っていないと,帳票ファイルに貼り付けたとき,バーコードが表示されないことがあります。バーコードのデータについては,マニュアル「EUR システム設計ガイド」を参照してください。
- 「JAN標準バーコード」にする場合
使用できるデータは,半角数字(0~9)です。
データの桁数は,13文字(固定),または12文字(固定)です。
- 「JAN短縮バーコード」にする場合
使用できるデータは,半角数字(0~9)です。
データの桁数は,8文字(固定),または7文字(固定)です。
- 「ITFバーコード」にする場合
使用できるデータは,半角数字(0~9)です。
標準バージョンのデータの桁数は,14文字(固定),または13文字(固定)です。
拡張バージョンのデータの桁数は,16文字(固定),または15文字(固定)です。
アドオンバージョンのデータの桁数は,6文字(固定),または5文字(固定)です。
- 「CODE39バーコード」にする場合
使用できるデータは,半角数字(0~9),半角英字(A~Z),半角記号「- $ / + % .」,および半角空白です。
データの桁数は,任意です。
- 「CODE128バーコード」にする場合
使用できるデータは,入力データ形式の指定によって異なります。
- 入力データセットの指定が「コードセットB」の場合
半角数字(0~9),半角英字(A~Z,a~z),半角記号「! " # $ % & ' ( ) * + , - . / : ; < = > ? @ [ ¥ ] ^ _ ` { | } ~」,および半角空白です。
データの桁数は,任意です。
- 入力データセットの指定が「コードセットC」の場合
半角数字(0~9)です。
データの桁数は,任意です。ただし,「コードセットC」の場合は,2桁の数字で一つのバーコードキャラクタを表すので,偶数になるように入力してください。
- 「GS1-128(UCC/EAN-128)バーコード」にする場合
使用できるデータは,半角数字(0~9),半角記号「( ) -」,および半角空白です。
データの桁数は,44文字(固定)です。
- 「NW-7バーコード」にする場合
使用できるデータは,半角数字(0~9),および半角記号「- $ : / . +」です。
データの桁数は,任意です。
- 「QRコード」にする場合
QRコードに指定できる入力データ文字は,入力データ形式によって異なります。QRコードに指定できる入力データ文字については,マニュアル「EUR システム設計ガイド」を参照してください。
- 入力データセットの指定が「文字列」の場合
使用しているロケールの文字コードに従って,データ(データキャラクタ)をデータファイルに指定します。
データの桁数は,型番40までで表現できる桁数です。
- 入力データセットの指定が「16進文字列」の場合
使用しているロケールの文字コードに従って,データ(データキャラクタ)を16進文字列でデータファイルに指定します。
データの桁数は,型番40までで表現できる桁数×2です。
- 入力データセットの指定が「16進バイナリ」の場合
8ビットバイナリエンコーディングに従って,データ(データキャラクタ)を16進文字列でデータファイルに指定します。
データの桁数は,型番40までで表現できる桁数×2です。
- 「カスタマバーコード」にする場合
使用できるデータは,半角数字(0~9),半角英字(A~Z),および半角記号「-」です。
データの桁数は,カスタマバーコードのデータ形式によって異なります。「郵便番号+住所表示番号」のデータは7桁~20桁,「郵便番号+住所表示番号+チェックデジット+制御コード」のデータは23桁です。
- 「UPC-Aバーコード」にする場合
使用できるデータは,半角数字(0~9)です。
データの桁数は,12文字(固定),または11文字(固定)です。
- 「UPC-Eバーコード」にする場合
使用できるデータは,半角数字(0~9)です。
データの桁数は,8文字(固定),または7文字(固定)です。
(6) 特殊編集レベルデータ
繰り返し機能で,帳票に読み込んだデータをレコード単位で任意に編集したい場合は,特殊編集レベルを1~99の範囲で記述します。
- 記述したレベルは,データウィンドウのレコード番号の横に「(レベル:nn)」と表示されます。
- 複数レコードに同一レベルを指定した場合,一つのレコードを編集すると,同一レベルのレコードすべてが編集されます。
- 編集しない場合は,省略するか,または「0」もしくは空白を指定してください。
(7) 区切り文字
データを区切る区切り文字は,データのプロパティ,またはディクショナリファイルで指定します。
なお,「"」は,区切り文字には使用できません。ディクショナリファイルで区切り文字の指定を省略した場合,およびディクショナリファイルを指定しなかった場合は,区切り文字に「,」を使用します。
(a) コンマを並べて指定した場合
コンマを並べて指定した場合,コンマの間が空データになります。
- (例)
- 指定したデータ:"あか","きいろ",,"あお"
- 入力されるデータ
- 一つ目のデータ:あか
- 二つ目のデータ:きいろ
- 三つ目のデータ:(空データ)
- 四つ目のデータ:あお
- 指定したデータ:,,,500
- 入力されるデータ
- 一つ目のデータ:(空データ)
- 二つ目のデータ:(空データ)
- 三つ目のデータ:(空データ)
- 四つ目のデータ:500
(b) コンマの間に一つ以上の半角空白を指定した場合
コンマの間に一つ以上の半角空白を指定した場合,指定した半角空白の数に関係なくコンマの間が空データになります(△は半角空白を示します)。
- (例)
- 指定したデータ:"あか","きいろ",△△,"あお"
- 入力されるデータ
- 一つ目のデータ:あか
- 二つ目のデータ:きいろ
- 三つ目のデータ:(空データ)
- 四つ目のデータ:あお
- 指定したデータ:△△△,△△,△△△△,500
- 入力されるデータ
- 一つ目のデータ:(空データ)
- 二つ目のデータ:(空データ)
- 三つ目のデータ:(空データ)
- 四つ目のデータ:500
(c) 複数フィールドでn番目以降にコンマだけを並べて指定した場合
複数フィールドでn番目以降にコンマだけを並べて指定した場合,n番目以降のフィールドが空データになります。
- (例)
- 指定したデータ:"あか","きいろ",,,
- 入力されるデータ
- 一つ目のデータ:あか
- 二つ目のデータ:きいろ
- 三つ目のデータ:(空データ)
- 四つ目のデータ:(空データ)
このように,n番目以降にコンマだけを並べて指定する場合,帳票を定義するときに項目数を定義してあれば,コンマを省略することもできます。項目数を4とした場合,次のようになります。
- (例)
- 指定したデータ:"あか"
- 入力されるデータ
- 一つ目のデータ:あか
- 二つ目のデータ:(空データ)
- 三つ目のデータ:(空データ)
- 四つ目のデータ:(空データ)
- 指定したデータ:,500
- 入力されるデータ
- 一つ目のデータ:(空データ)
- 二つ目のデータ:500
- 三つ目のデータ:(空データ)
- 四つ目のデータ:(空データ)
(d) 1行すべてのフィールドを空データにする場合
1行すべてのフィールドを空データにする場合は,コンマだけを指定するか,または改行コードだけを指定します。
- (例)
- 指定したデータ:,,,
- 入力されるデータ
- 一つ目のデータ:(空データ)
- 二つ目のデータ:(空データ)
- 三つ目のデータ:(空データ)
- 四つ目のデータ:(空データ)
- 指定したデータ:改行コード
- 入力されるデータ
- 一つ目のデータ:(空データ)
- 二つ目のデータ:(空データ)
- 三つ目のデータ:(空データ)
- 四つ目のデータ:(空データ)