5.3.2 FIX形式のデータ形式
FIX形式のデータファイルは,レコード中に区切り文字がなく,すべてのレコードの,フィールドの開始位置とデータ長が固定である形式を持つファイルです。
FIX形式のデータファイルのファイルサイズ,およびレコードの上限値は,次のとおりです。
表5-3 データファイルに記述する内容の上限値(FIX形式の場合)
データファイルの記述項目 | 上限値 |
---|
ファイルサイズ | 2GBを上限とします。 |
レコード数 | 上限はありません。 |
レコード長 | 改行を含めないで32,767バイトを上限とします。 |
フィールド数 | 上限はありません。ただし,レコード長と1フィールド長の上限値によって制限されます。 |
1フィールドの長さ | 32,767バイトを上限とします。 |
フィールド名の長さ | マッピングデータのフィールド名:510桁を上限とします。 ユーザ定義データのフィールド名:499桁を上限とします。 |
FIX形式のデータは,ディクショナリファイルを省略できます。その場合は,すべてのデータを文字列として扱います。
次に,ファイル形式を示します。
図5-2 FIX形式ファイルの記述例
![[図データ]](figure/zu050200.gif)
- <この項の構成>
- (1) 数値データ
- (2) 文字データ
- (3) 画像データ
- (4) 日付データ
- (5) バーコードデータ
- (6) 特殊編集レベルデータ
- (7) 区切り文字
(1) 数値データ
(2) 文字データ
文字列をそのまま記述します。文字列中のタブコードは,半角空白一つに変換されます。
(3) 画像データ
画像ファイル名をそのまま記述します。
指定できる画像データは,次のとおりです。
- Windows BITMAP形式の画像データ
- JPEG形式の画像データ
- GIF形式の画像データ
- TIFF形式の画像データ
- PNG形式の画像データ
EURで扱える画像データについては,「5.4 画像ファイル」を参照してください。
- ■補足説明
- 一つの帳票で複数の画像ファイルを使用する場合は,使用する画像ファイルを同じフォルダに保存しておいてください。
(4) 日付データ
日付データは,西暦または和暦を数値で指定します。
日付データには,入力データの桁数と,指定したいデータ種別の桁数が一致するように入力データを指定してください。入力データの桁数とデータ種別の桁数が合っていないと,マッピングデータウィンドウに表示されないことがあります。
(a) 西暦
西暦を数値で記述します。指定できるデータの種別と桁数を次に示します。
データ種別 | 桁数 | 指定例 (「2004年5月23日12時10分05秒」の場合) |
---|
日付(年次) | 4桁 | 2004 |
日付(月次) | 6桁 | 200405 |
日付(日次) | 8桁 | 20040523 |
日付(日付・時刻)※ | 年:4桁 月:2桁 日:2桁 時:2桁 分:2桁 秒:2桁 | 2004/05/23 12:10:05 |
- 注※
- 日付・時刻データの場合,日付は「/」で,時刻は「:」で区切り,日付と時刻の間は半角空白一つで区切ってください。
(b) 和暦
和暦を指定する場合,1桁目に元号を次の数値で指定します。英語ロケールおよび中国語ロケールでは,和暦は使用できません。
指定できるデータ種別と桁数を次に示します。
データ種別 | 桁数 | 指定例 |
---|
「平成21年1月1日」を表示させる場合 | 「昭和64年1月1日」を表示させる場合 |
---|
和暦(年次) | 3桁 | 421 | 364 |
和暦(月次) | 5桁 | 42101 | 36401 |
和暦(日次) | 7桁 | 4210101 | 3640101 |
和暦日付は,「平成元年1月1日」のような架空の日付も表示できます。また,[アイテムのプロパティ]ダイアログの[表示形式](日付・時刻データ)タブで,日付の表示形式を次のように設定することもできます。
- 「平成1年」を「平成元年」と表示できます。
- 「平成21年」を「H21」と表示できます。
[アイテムのプロパティ]ダイアログについては,マニュアル「EUR 帳票作成 操作ガイド」を参照してください。
(c) 日付データの補足説明
年号を表すデータは4桁で認識されます。そのため,[コントロールパネル]の[地域のオプション]の設定で,年号を2桁に設定している場合は,[日付]ページの[短い形式]のリストボックスから,年号を4桁で表示する形式「yyyy」に選択し直してください。[区切り記号]は,「/」を指定してください。また,Windowsの時刻表示を12時間制の形式に設定している場合は,[時刻]ページの[時間の形式]のリストボックスから,24時間制の形式に選択し直してください。このとき,午前,または午後を表す「t」の付く形式は設定しないでください。
(5) バーコードデータ
バーコードで使用するデータを指定します。
バーコードで使用するデータは,バーコードの種類によって異なります。指定するデータの桁数が合っていないと,帳票ファイルに貼り付けたとき,バーコードが表示されないことがあります。バーコードのデータについては,マニュアル「EUR システム設計ガイド」を参照してください。
- 「JAN標準バーコード」にする場合
使用できるデータは,半角数字(0~9)です。
データの桁数は,13文字(固定),または12文字(固定)です。
- 「JAN短縮バーコード」にする場合
使用できるデータは,半角数字(0~9)です。
データの桁数は,8文字(固定),または7文字(固定)です。
- 「ITFバーコード」にする場合
使用できるデータは,半角数字(0~9)です。
標準バージョンのデータの桁数は,14文字(固定),または13文字(固定)です。
拡張バージョンのデータの桁数は,16文字(固定),または15文字(固定)です。
アドオンバージョンのデータの桁数は,6文字(固定),または5文字(固定)です。
- 「CODE39バーコード」にする場合
使用できるデータは,半角数字(0~9),半角英字(A~Z),半角記号「- $ / + % .」,および半角空白です。
データの桁数は,可変です。
- 「CODE128バーコード」にする場合
使用できるデータは,入力データ形式の指定によって異なります。
- 入力データセットの指定が「コードセットB」の場合
半角数字(0~9),半角英字(A~Z,a~z),半角記号「! " # $ % & ' ( ) * + , - . / : ; < = > ? @ [ ¥ ] ^ _ ` { | } ~」,および半角空白です。
データの桁数は,任意です。
- 入力データセットの指定が「コードセットC」の場合
半角数字(0~9)です。
データの桁数は,任意です。ただし,「コードセットC」の場合は,2桁の数字で一つのバーコードキャラクタを表すので,偶数になるように入力してください。
- 「GS1-128(UCC/EAN-128)バーコード」にする場合
使用できるデータは,半角数字(0~9),半角記号「( ) -」,および半角空白です。
データの桁数は,44文字(固定)です。
- 「NW-7バーコード」にする場合
使用できるデータは,半角数字(0~9),および半角記号「- $ : / . +」です。
データの桁数は,任意です。
- 「QRコード」にする場合
使用できるデータは,入力データ形式の指定によって異なります。
- 入力データセットの指定が「文字列」の場合
JIS X 0201に規定されている英数字,半角カタカナ,および記号(半角文字),ならびに漢字(JIS X 0208に規定されている文字)を使用して,データ(データキャラクタ)をデータファイルに指定します。
データの桁数は,型番20までで表現できる桁数です。
- 入力データセットの指定が「16進文字列」の場合
半角数字(0~9),半角英大文字(A~F),および半角英小文字(a~f)を使用して,データ(データキャラクタ)をデータファイルに指定します。また,JIS X 0201に規定されている英数字,半角カタカナ,記号(半角文字),および制御コード,ならびに漢字(JIS X 0208に規定されている文字)は,16進コードで指定できます。
データの桁数は,型番20までで表現できる桁数×2です。
- 入力データセットの指定が「16進バイナリ」の場合
8ビットバイナリエンコーディングに従って,データ(データキャラクタ)を16進文字列でデータファイルに指定します。
データの桁数は,型番40までで表現できる桁数×2です。
- 「カスタマバーコード」にする場合
使用できるデータは,半角数字(0~9),半角英字(A~Z),および半角記号「-」です。
データの桁数は,カスタマバーコードのデータ形式によって異なります。「郵便番号+住所表示番号」のデータは7桁~20桁,「郵便番号+住所表示番号+チェックデジット+制御コード」のデータは23桁です。
- 「UPC-Aバーコード」にする場合
使用できるデータは,半角数字(0~9)です。
データの桁数は,12文字(固定),または11文字(固定)です。
- 「UPC-Eバーコード」にする場合
使用できるデータは,半角数字(0~9)です。
データの桁数は,8文字(固定),または7文字(固定)です。
(6) 特殊編集レベルデータ
繰り返し機能で,帳票に読み込んだデータをレコード単位で任意に編集したい場合は,特殊編集レベルを1~99の範囲で記述します。
- 記述したレベルは,データウィンドウのレコード番号の横に「(レベル:nn)」と表示されます。
- 複数レコードに同一レベルを指定した場合,一つのレコードを編集すると,同一レベルのレコードすべてが編集されます。
編集しない場合は指定を省略するか,「0」または空白を指定してください。
(7) 区切り文字
データの区切りは,データの開始位置で決まるため,区切り文字は使用しません。
なお,データ中に「,」などを記述すると,データとして扱われます。
FIX形式のデータファイルに空データを指定する場合は,次のように指定します(△は半角空白を示します)。
(a) あるフィールドのデータに,データ長分の半角空白を並べて指定した場合
あるフィールドのデータに,データ長分の半角空白を並べて指定した場合,そのフィールドは空データになります。データ長を4とした場合,次のようになります。
- (例)
- 指定したデータ:あかしろ△△△△あお
- 入力されるデータ
- 一つ目のデータ:あか
- 二つ目のデータ:しろ
- 三つ目のデータ:(空データ)
- 四つ目のデータ:あお
- 指定したデータ:△△△△△△△△500△△△△△
- 入力されるデータ
- 一つ目のデータ:(空データ)
- 二つ目のデータ:(空データ)
- 三つ目のデータ:500
- 四つ目のデータ:(空データ)
(b) n番目以降のデータに,データ長分の半角空白を並べて指定した場合
n番目以降のデータに,データ長分の半角空白を並べて指定した場合,n番目以降のフィールドがすべて空データになります。データ長を4とした場合,次のようになります。
- (例)
- 指定したデータ:あかしろ△△△△△△△△
- 入力されるデータ
- 一つ目のデータ:あか
- 二つ目のデータ:しろ
- 三つ目のデータ:(空データ)
- 四つ目のデータ:(空データ)
このように,n番目以降のデータに,データ長分の半角空白を並べて指定する場合,半角空白は省略できます。
- (例)
- 指定したデータ:500△1000
- 入力されるデータ
- 一つ目のデータ:500
- 二つ目のデータ:1000
- 三つ目のデータ:(空データ)
- 四つ目のデータ:(空データ)
(c) 1行すべてのフィールドを空データにする場合
1行すべてのフィールドを空データにする場合は,半角空白だけを指定するか,または改行コードだけを指定します。
- (例)
- データの指定:△△△△△△△△△△△△
- 入力されるデータ
- 一つ目のデータ:(空データ)
- 二つ目のデータ:(空データ)
- 三つ目のデータ:(空データ)
- 四つ目のデータ:(空データ)
- 指定したデータ:△△△△△△
- 入力されるデータ
- 一つ目のデータ:(空データ)
- 二つ目のデータ:(空データ)
- 三つ目のデータ:(空データ)
- 四つ目のデータ:(空データ)
- 指定したデータ:改行コード
- 入力されるデータ
- 一つ目のデータ:(空データ)
- 二つ目のデータ:(空データ)
- 三つ目のデータ:(空データ)
- 四つ目のデータ:(空データ)