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13.2.2 任意書式の設定

任意書式を設定するときには,[書式記号]テキストボックスで書式記号を指定する必要があります。

なお,書式記号を示すときは””,出力される文字を示すときは「」で囲んで説明しています。

<この項の構成>
(1) 指定できる書式記号
(2) 書式記号を指定するときの規則
(3) 書式の指定例

(1) 指定できる書式記号

指定できる書式記号と意味を次の表に示します。

表13-2 [書式記号]テキストボックスで設定する書式記号と意味

書式記号 意味
文字書式で設定できる記号 X 半角文字を表します。入力文字がない場合は,半角空白に置き換えて出力します。入力文字が全角の場合は,「?」を出力します。
N 全角文字を表します。入力文字がない場合は,全角空白に置き換えて出力します。入力文字が半角の場合は,「?」を出力します。
C 半角文字または全角文字を表します。入力文字が半角の場合は”C”を一つ,全角の場合は”C”を二つとして書式を適用します。入力文字がない場合は,半角空白に置き換えて出力します。最後の”C”に対する入力文字が全角の場合は,半角空白に置き換えて出力します。
X(n) n個の半角文字を表します。入力文字が全角の場合は,「?」を出力します。
nは1から999までの数値を指定します。
N(n) n個の全角文字を表します。入力文字が半角の場合は,「?」を出力します。
nは1から999までの数値を指定します。
C(n) n個の半角文字または全角文字を表します。入力文字が半角の場合は”C”を一つ,全角の場合は”C”を二つとして書式を適用します。入力文字がない場合は,半角空白に置き換えて出力します。最後の”C”に対する入力文字が全角の場合は,半角空白に置き換えて出力します。
nは1から999までの数値を指定します。
数値書式で設定できる記号 9 <数値>を表します。入力文字がない場合は,0に置き換えて出力します。入力文字が数値以外の場合は,「?」を出力します。
Z <数値>を表します。入力文字がない,または0の場合は半角空白に置き換えて出力します。入力文字が数値以外の場合は,「?」を出力します。
, 区切り文字として指定位置に出力します。”,”の左側が,半角空白,「+」,「-」,「\」,「$」,「*」になる場合は,”,”をその文字列に置き換えます。”,”を出力する書式記号を次に示します。
9 | Z | - | + | \ | $ | * | x
. 区切り文字として指定位置に出力します。小数点以下の入力値がない場合は,右側の書式に従って変換します。
”.”を出力する書式記号を次に示します。
9 | Z | - | + | \ | $ | * | x
- <数値>を表します。入力値から符号を削除して負数の場合,「-」を一つ出力します。入力文字がない場合は,半角空白に置き換えて出力します。入力文字が数値以外の場合は,「?」を出力します。
+ <数値>を表します。入力値から符号を削除して正数の場合は「+」を一つ,負数の場合は「-」を一つ出力します。0の場合は符号を出力しません。入力文字がない場合は,半角空白に置き換えて出力します。入力文字が数値以外の場合は,「?」を出力します。
\ <数値>を表します。数値の先頭に「\」を一つ出力します。入力文字がない場合は,半角空白に置き換えて出力します。入力文字が数値以外の場合は,「?」を出力します。
$ <数値>を表します。数値の先頭に「$」を一つ出力します。入力文字がない場合は,半角空白に置き換えて出力します。入力文字が数値以外の場合は,「?」を出力します。
* <数値>を表します。入力文字がない場合は,「*」に置き換えて出力します。入力文字が数値以外の場合は,「?」を出力します。
x <数値>を表します。出力結果の先頭が数字になる場合は,先頭に「*」を一つ出力します。入力文字がない場合は半角空白に置き換えて出力します。入力文字が数値以外の場合は,「?」を出力します。
9(n) n個の<数値>を表します。入力文字がない場合は,0に置き換えて出力します。
nは1から999までの数値を指定します。
Z(n) n個の<数値>を表します。入力文字がない,または0の場合は半角空白に置き換えて出力します。
nは1から999までの数値を指定します。
-(n) n個の<数値>を表します。入力値から符号を削除して負数の場合,「-」を一つ出力します。入力文字がない場合は,半角空白に置き換えて出力します。
nは1から999までの数値を指定します。
+(n) n個の<数値>を表します。入力値から符号を削除して正数の場合は「+」を一つ,負数の場合は「-」を一つ出力します。0の場合は符号を出力しません。入力文字がない場合は,半角空白に置き換えて出力します。
nは1から999までの数値を指定します。
\(n) n個の<数値>を表します。数値の先頭に「\」を一つ出力します。入力文字がない場合は,半角空白に置き換えて出力します。
nは1から999までの数値を指定します。
$(n) n個の<数値>を表します。数値の先頭に「$」を一つ出力します。入力文字がない場合は,半角空白に置き換えて出力します。
nは1から999までの数値を指定します。
*(n) n個の<数値>を表します。入力文字がない場合は,「*」に置き換えて出力します。
nは1から999までの数値を指定します。
x(n) n個の<数値>を表します。出力結果の先頭が数字になる場合は,先頭に「*」を一つ出力します。入力文字がない場合は半角空白に置き換えて出力します。
nは1から999までの数値を指定します。
文字書式と数値書式の両方で設定できる記号 固定文字列 文字列は""で囲んで記述します。"を文字列として挿入する場合は,""""と指定します。固定文字列は,書式適用後に書式で指定された位置へ挿入します。挿入位置が変換文字列の長さよりも大きい場合は,変換文字列の末尾に固定文字を挿入します。

なお,表中の<数値>の定義を次に示します。

表13-3 書式記号の定義

書式記号 定義
<数値> [<符号>]<絶対値>を示します。
<絶対値> = <整数部>[<小数点>[<小数部>]]
<整数部> = <数字>
<小数部> = <数字>
<小数点> =”.”
<符号> = + | -
<数字> = [0-9]

(2) 書式記号を指定するときの規則

書式記号を指定するときは次の規則があります。

(a) 書式記号で表現するフォーマット

書式記号で表現するフォーマットは最大4,095文字とします。フォーマットの文字数は,nに指定した数値をすべて展開した文字数と固定文字列数の合計です。

固定文字列を囲む""は,4,095文字には数えません。また,固定文字列の"は,展開後の文字数で数えるため,""2文字は"1文字になります。サロゲートペアは,1文字分で数えます。

(b) [書式記号]テキストボックスで設定できる文字数

[書式記号]テキストボックスで設定できる文字数は,最大506文字とします。書式記号に指定されているすべての文字を数えます。固定文字列を囲む""や,n個指定(n)の括弧も数えます。サロゲートペアは,2文字分として数えます。

ただし,[書式オプション]グループボックスでオプションを一つ指定するごとに,設定できる文字数は少なくなります。

指定するオプションごとの減少する文字数を,次の表に示します。

[書式オプション]グループボックスの指定 減少する文字数
[データ長]コンボボックスを設定 「データ長>書式の場合,"?"を表示」を選択 2
「データ長<書式の場合,"?"を表示」を選択 2
「データ長≠書式の場合,"?"を表示」を選択 4
[適用方向]コンボボックスを設定 2
[空白削除]コンボボックスを設定 2
[ゼロ削除]コンボボックスを設定 2
[Z書式での0出力]チェックボックスを設定 2
[符号が入らない場合,","を削除]チェックボックスを設定 2
[0以外の数字の先頭に符号を出力]チェックボックスを設定 2
(c) 文字書式を選択した場合の注意事項

文字書式を選択した場合,次の注意事項があります。

(d) 数値書式を選択した場合の注意事項

[適用方向]コンボボックスの選択によって,次の注意事項があります。

「指定なし」または「右から適用」を選択した場合
  • 数値書式では”.”は複数指定できません。例えば,”999.999.999”は指定できません。
  • 数値書式の整数部では,次に示す書式記号が指定できます。
    ”9”,”Z”,”\”,”$”,”*”,”x”,”-”,”+”,”,”
  • 数値書式の整数部では,次に示す書式記号は混在して指定できません。
    ”Z”,”\”,”$”,”*”,”x”,”-”,”+”
  • 数値書式の整数部では,先頭と末尾に”,”は指定できません。
  • 数値書式の整数部では,”,”を連続して指定できません。
  • 数値書式の整数部では,先頭に”9”を指定したときは,”9”または”,”が指定できます。
  • 数値書式の整数部では,先頭に”\”を指定したときは,”\”,”9”または”,”が指定できます。
    ”\”は,先頭から連続する形以外では指定できません。ただし,”,”で区切ることはできます。
    数値書式で設定できるほかの書式記号”Z”,”$”,”*”,”x”,”-”および”+”も”\”と同じ規則を適用します。例えば,”\\\,\\9”は指定できますが,”\\\,\9\”,”999,99\”は指定できません。
  • 数値書式の小数部では,”9”,”Z”および”,”が指定できます。
  • 数値書式の小数部では,先頭と末尾に”,”は指定できません。
  • 数値書式の小数部では,”,”を連続で指定できません。
  • 数値書式の小数部では,先頭に”Z”を指定したときは,”Z”または”,”が指定できます。
    ”9”は先頭から連続する形以外では指定できません。ただし,”,”で区切ることはできます。例えば”999,99Z”は指定できますが,”999,9Z9”,”ZZZ,ZZ9”は指定できません。
「左から適用」を選択した場合
  • ”.”と”,”は指定できません。例えば,”999.999”や”999,999”は指定できません。
  • 次に示す書式記号が指定できます。
    ”9”,”Z”,”\”,”$”,”*”,”x”,”-”,”+”
    ただし,混在して指定できません。例えば,”99999”は指定できますが,”ZZZZ9”や”+9999”は指定できません。

(3) 書式の指定例

書式の指定例を次に示します。

表13-4 書式の指定例

[書式種別]コンボボックス [書式オプション]グループボックス [書式記号]テキストボックス 入力データ 出力結果
文字書式 "〒"XXX"-"XXXX 1234567 〒123-4567
XX":"XX A A△:△△
[適用方向]コンボボックスで「右から適用」を選択 XX":"XX A △△:△A
N(2)"/"N(2) サンプル サン/プル
N(2)"/"N(2) サンプ サン/プ△
N(2)"/"N(2) サン サン/△△
N(2)"/"N(2) サ△/△△
X(3)"/"X(2) SAM SAM/△△
X(3)"/"X(2) SA SA△/△△
X(3)"/"X(2) S S△△/△△
CCCCC ABCDE ABCDE
CCCCC ABCあ ABCあ
CCCC ABC ABC△
CCCC ABCあ ABC△
[データ長]コンボボックスで「データ長>書式の場合,"?"を表示」を選択 CCCC ABCあ ????
[データ長]コンボボックスで「データ長<書式の場合,"?"を表示」を選択 CCCC ABC ????
[空白削除]コンボボックスで「左の空白を削除」を選択 N(10) △△△サンプル△△△ サンプル△△△
[空白削除]コンボボックスで「右の空白を削除」を選択 N(10) △△△サンプル△△△ △△△サンプル
[空白削除]コンボボックスで「左右の空白を削除」を選択 N(10) △△△サンプル△△△ サンプル
数値書式 [適用方向]コンボボックスで「左から適用」を選択 99":"99 5 50:00
999999 003456 003456
999,999 003456 003,456
[ゼロ削除]コンボボックスで「左の0を削除」を選択 999 000123000 000
[ゼロ削除]コンボボックスで「右の0を削除」を選択 999 000123000 123
[ゼロ削除]コンボボックスで「左右の0を削除」を選択 999 000123000 123
ZZZZZZ 003456 △△3456
Z(6) 003456 △△3456
Z(6).ZZ 003456.30 △△3456.3△
Z(6).ZZ 00345630 345630△△△
ZZZ,ZZZ -123456 123,456
[符号が入らない場合,","を削除]チェックボックスをオン ZZZ,ZZZ -123456 -123456
[Z書式での0出力]チェックボックスをオン ZZZZZZ 000123 000123
[0以外の数字の先頭に符号を出力]チェックボックスをオン 99999 -123 0-123
99999 100000 00000
\999999 150000 \150000
\999,999 150000 \150,000
$999,999 150000 $150,000
+999999 +050000 +050000
-999999 -050000 -050000
******9 1000 ***1000
******9 -1000 **-1000
xxxxx9 5000 △*5000
xxxxx9 -5000 △-5000
(凡例)
−:すべて「指定なし」を選択します。
△:半角空白または全角空白を示します。