付録C 用語解説

(英字)
C/SシステムClient / Serverシステム)
サーバとクライアントで処理を分散する業務形態です。また,一つの処理をネットワーク上のサーバとクライアントで分担する機器構成モデル,または処理方式です。
CUI画面
キーボードからの文字入力が中心の画面です。従来のメインフレーム型オンライン業務か,MS-DOSベースの業務で使用していた画面です。
XMAP3では,画面の入出力を物理マップと論理マップを使って実現しています。
ESC/Pスルー印刷
シリアルプリンタ固有の印刷モードです。エプソン社のインパクト型ドットプリンタが該当します。
FAX宛先ファイル
FAX通信プログラムであるFAXコネクションと連携して帳票をFAX送信する場合に使用するファイルで,送信先のFAX番号を記述します。
表示・印刷セットアップの[プリンタ]タブで,[印刷モード]に「日立FAXC/SPOOL:~」を指定したときに有効になります。
GUI画面
キーボードからの入力のほかに,マウスによる操作ができる画面です。Windowsの「ボタン」「スクロール」「プルダウン・カスケード」「ポップアップ」などが使用できます。
XMAP3では,画面の入出力を物理マップと論理マップを使って実現しています。
OLTPOnline Transaction Processing)
ミッションクリティカルなオンライントランザクション処理のことです。OLTPを実現する製品として,OpenTP1があります。OpenTP1を利用すると,クライアントアプリケーション型のOLTPを作成できます。
OpenTP1
オープンシステム上でオンライントランザクション処理をするソフトウェア(TPモニタ)です。OpenTP1を使うと,分散システム化,オープンシステム化,さらに業務の拡大に柔軟に対応できます。トランザクションとは,データ通信業務で,業務処理ごとの単位に区切って,それぞれの処理の結果を有効にするか無効にするかを決定する処理の単位のことです。
PDFPortable Document Format)
Adobe Acrobatが扱う文書のファイル形式で,特定のプラットフォームに依存しないで文書を表示できます。
SSLSecure Sockets Layer)
暗号化および認証機能が付加された,サーバとクライアント間のネットワーク用の通信プロトコルです。通信の暗号化や通信相手の認証などを行います。
Webサーバ
Webブラウザとの間でHTMLファイルなどの文書を転送するために用いられるアプリケーションレベルのプロトコルを制御するアプリケーションです。
Hitachi Web ServerまたはMicrosoft IISを指します。
(ア行)
アプリケーションサーバ
バックエンドプログラムとなるSPPを動作させるための,アプリケーション基盤機能を提供する製品です。TP1/Serverを指します。
一次ウィンドウ
メインとなる画面で,何も表示されていない状態のときに表示します。業務を選択するメニューや,各業務の主画面として使用します。
一つのAPから同時に複数表示されることはなく,すでに表示している一次ウィンドウの消去後に次の一次ウィンドウが表示されます。
イベント通知コード
コマンドコントロールオブジェクト(プッシュボタン,メニューバー)や確定キー(PFキーなど)に割り当てるコードです。オブジェクトやキーを操作するとイベントが発生し,通知コードに対応づけた動作(AP通知など)が実行されます。これを「INC定数」といいます。また,入力単位がイベントのとき通知される「イベント定数」もあります。
イベント通知コードの値はドローセットアップで変更できます。動作はドローで変更できます。
オペレータインジケータ
XMAP3がキーボード状態や送信状態などのメッセージを画面に表示するための領域です。ユーザプログラムからの操作はできません。
オペレータインジケータの有無はドローで定義します。表示位置などは表示・印刷セットアップで設定できます。
(カ行)
仮想端末名ファイルX3MWHOST
XMAP3/Webを利用したシステムのユーザプログラム中で使用する仮想端末名,デバイス,サービス名などの設定ファイルです。このファイルの内容は,表示・印刷セットアップの「プリンタ」,C/Sセットアップの「C/S構成」で設定します。
画面属性
入力項目の扱いや表示形態などの画面全体に関する属性です。GUI画面では画面属性ダイアログで属性を指定します。また,画面属性はXMAP3/Webを利用したシステム実行時に動的に変更することもできます。ユーザプログラムから動的に変更するには,ドローセットアップの「画面属性の動的変更」で変更したい属性を定義します。ここで指定した修飾名を制御項目に代入することで,指定した属性に変更できます。
基準文字サイズ
GUI画面の作業領域全体の基準となる文字サイズです。CUI画面では変更できません。この値は,画面属性ダイアログの「基準文字サイズ」で設定します。
画面のレイアウト領域でオブジェクトを配置するときの単位となるグリッド(ます目)は,このサイズが基準になります。文字の縦幅の1/2がます目の縦幅,半角文字の幅がます目の横幅になります。
各オブジェクトでは,この基準文字サイズを基に「標準」「大」「小」の文字サイズ指定ができます。
起動HTML
Webアプリケーションシステムの運用を開始するために必要なHTMLファイルです。起動HTMLは,起動HTML用スクリプトファイルと同じフォルダに格納します。
提供する起動HTMLおよび起動HTML用スクリプトファイルのサンプルファイルを,カスタマイズして利用します。
(サ行)
修飾名
表示属性の変更をユーザプログラムから指示するための定数です。次の手順で利用します。
  1. ドローセットアップで,修飾名と表示属性の対応を定義する。
  2. ドローで,オブジェクトや画面の属性に「動的変更」を指定する。
    制御項目(修飾名を格納する領域)が論理マップに展開されます。
  3. ユーザプログラムで,制御項目に修飾名を格納する。
    修飾名に設定された表示属性に従って,画面に表示(または帳票に印刷)されます。
初期クリア文字
XMAP3/Webを利用したシステム実行時に,画面からの入力データをAPが受け取る前に,XMAP3/Webが入力論理マップの各項目をあらかじめクリアしておく文字です。使用目的が「漢字」の場合でも,半角スペースが入ります。
APが受け取るデータの優先順位は次のとおりです。
  1. キー入力データ/選択した通知コード(正常操作)
  2. 入力済み/選択済みのとき,表示されているデータ/通知コード
  3. エラー通知文字
  4. 初期値/初期通知コード
  5. 初期クリア文字
書式オーバレイ
240dpi/300dpiのページプリンタ用の書式オーバレイです。定型帳票から書式(文字列やけい線などの固定項目)を分離し,アプリケーション(行データ)を印刷時に重ね合わせるソフトオーバレイ方式を採っています。書式をプリンタ(ハードウェア側)に登録するメインフレームおよびWSの出力方式とは異なります。
(タ行)
データ有無コード
ユーザプログラム(論理マップのテキスト・フィールドのデータ名の領域)にデータが設定されていないことを示す1バイトの文字コードです。(00)16~(FF)16の任意の文字コードで,通常は(1F)16を仮定します。
データ消去通知文字
XMAP3/Webを利用したシステム実行時に,画面からフィールドキーで入出力テキスト・フィールドのデータを消去したり,(00)16のデータを受信したときにユーザプログラムが受け取るデータです。したがって,ユーザプログラムが受け取ったデータがデータ消去通知文字であれば,画面操作でデータ消去されたと判断できます。
初期クリア文字や初期値とデータ消去通知とを分けておくことで,入力操作がなかったのか,データ消去されたのかが区別できます。
ただし,「入力済み」属性のオブジェクトで,画面確定時に入力データや表示データがない場合は,データ消去されていなくてもデータ消去通知文字が返ります。
使用目的が「漢字」の場合でも,半角スペースが入ります。
テスト支援
ドローで作成した物理マップファイルや書式イメージファイルを使って,帳票の内容を確認するための機能です。ユーザプログラムを作成する前に,実行時の帳票印刷をテストできます。
「単体表示/印刷」,「連続表示/印刷」,「遷移シミュレーション」の3種類のテストができます。ただし,「単体表示/印刷」はWebブラウザを使用しないテスト印刷になります。
ドロー
画面や帳票を定義する機能(エディタ)です。画面や帳票のレイアウトや各オブジェクトの属性を定義します。定義内容から,マップ定義ファイル,物理マップと論理マップを作成します。
また,ドローからテスト表示やテスト印刷,および論理マップ表示などの機能も利用できます。
ドローセットアップ
画面の定義に関する標準の値を設定するための機能です。
XMAP3では,セットアップする項目の標準値を用意していて,この標準値を変更する場合にだけ設定します。このセットアップの内容はマップの形式に関係していますので,画面を作成する前にセットアップを済ませておく必要があります。
(ナ行)
二次ウィンドウ
データ入力補助,メッセージ,ヘルプなどのために,一次ウィンドウのデータを表示したまま新しく表示する画面です。一次ウィンドウに重ねて表示され,このとき操作できるのは二次ウィンドウだけとなります。
入出力テキスト・フィールド
キーボードなどから文字データを入力するオブジェクトです。また,ユーザプログラムから指定する文字データを表示できます。
初期表示値(出力データ)を示し,書き換えが必要な場合だけ入力する使い方ができます。
入出力するデータの意味に応じて,種類(使用目的)を選べます。
入力単位(画面/フィールド/イベント/表示直後)
画面を確定させ,ユーザプログラムへ制御を渡すタイミングの種類です。通常は,画面の最後までデータを入力したり選択したあとで,確定の機能を持つキーやボタンを押して,ユーザプログラムへ制御を渡します(画面)。「フィールド」では,フォーカスが位置づいているオブジェクトでデータの入力,選択を行い,そのオブジェクトからフォーカスが離脱した時点でユーザプログラムへ制御が渡ります。「イベント」では,画面上のすべてのオブジェクトを対象にして,何かイベントが起こればユーザプログラムに制御が渡ります。「表示直後」では,一定の待機時間が過ぎるとユーザプログラムに制御が渡されます。
(ハ行)
背景色
入出力テキストのボックス内の色やボタンボックス内の色です。背景色は,16色から選べます。色の設定は,各属性ダイアログのほかに,ツールバーの[文字色/背景色]ボタンを押して表示される文字色/背景色のツールボックスで変更できます。このツールボックスを使うと画面全体の配色を見ながら設定できます。
ビッグエンディアン
バイナリ形式のデータを扱う際,メモリ上に左側から右側へ1バイトずつ格納する形式です。
(例)
(000A)16を2バイトのメモリに格納した場合は,(000A)16になります。
表示・印刷環境ファイルX3PCONF
画面表示の設定ファイルです。このファイルの内容は,表示・印刷セットアップで設定します。
このファイルの設定項目には,直接ファイルをエディタで開いて編集する(セットアップで設定できない)項目もあります。表示・印刷セットアップで設定できる項目については,セットアップ情報が優先されます。
表示・印刷セットアップ
XMAP3が表示・印刷する画面・帳票の環境を必要に応じて設定するための機能です。
ユーザ画面の外観や操作キーの割り当て,プリンタの印刷モードなどの各種設定があります。
表示形態
画面を表示するとき,直前に表示した画面に対して一部だけを書き換える(部分描画)か,全部を書き換える(全画面描画)かを指定する属性です。この値は,ドローのダイアログで値を設定します。また,ドローセットアップの「表示属性の動的変更」の「ウィンドウ属性」で変更したい「表示形態」の属性を指定した修飾名を用意しておくことで,ユーザプログラムから動的に表示形態を変更できます。
表示形態には,次の3種類があります。
一部上書
直前に表示した画面の一部の項目だけを変更して表示します。書き換えに比べて表示時間を短縮できます。この場合,マッピングモードとデータ有無コードを合わせて使う必要があります。マッピングモードとデータ有無コードについては,マニュアル「XMAP3 プログラミングガイド 画面編」を参照してください。
全面書換
表示中の画面を消去して,次の画面を全画面描画して表示します。
自動
上書きと書き換えをXMAP3に任せ,APでは特に意識しません。直前の画面と同じマップ名のときは部分描画になります。
フォント構成ファイルX3PFONT
XMAP3のユーザ画面上に表示する文字のフォントやサイズの設定ファイルです。このファイルの内容は,表示・印刷セットアップの「表示文字」で設定します。
プッシュボタン
イベント(実行する処理)を候補(ボタン)の選択によって指定するオブジェクトです。イベントに対応する処理として「AP通知」や「ポップアップ表示」などを指定できます。確定キーの代わりとしても使えます。
ボタンラベルはドローで定義し,AP実行時に変更できます。ボタンラベルには,文字列のほかにグラフィックを表示することもできます。
プッシュボタンのグループを表すボックスを「プッシュボタンボックス」といいます。
物理マップ
画面のオブジェクトの位置などを格納した情報ファイルです。ファイル名はマップ名にデバイスIDを付加した名前で,拡張子は.PMPです。画面の定義終了時に,論理マップとともに生成されます。
ディスプレイやプリンタの入出力データを論理マップデータに変換したり,論理マップデータを入出力データに変換したりするときにXMAP3/Webが参照します。
プリンタ構成ファイルX3PPINF
プリンタ構成の設定ファイルです。このファイルの内容は,表示・印刷セットアップの「プリンタ」で設定します。
ポップアップ
入力するデータを候補(メニュー項目)の選択によって指定するオブジェクトです。また,キーボードからの入力を併用する使い方もできます。
メニュー項目をドローで定義する「固定ポップアップ」と,APから指定する「可変ポップアップ」があります。
ポップアップメニューファイル
ポップアップテキストに表示するメニューデータをXMAP3/Webを利用したシステム実行時にファイルとして渡せます。このファイルをポップアップメニューファイルといいます。ポップアップメニューファイルは,あらかじめ作成して用意しておく必要があります。
ポップアップメニューファイルは,メニュー項目が大量にある場合や,メニューを大分類,小分類にして表示したい場合に使用します。ポップアップメニューファイルは,ユティリティの「ポップアップメニューエディタ」で編集できます。
(マ行)
マッピングオプションマッピングモード
「マージ」,「論理マップだけ」,「物理マップだけ」の三つの指定があります。
マージは,論理マップと物理マップをマージして,同一画面をすべて書き換えるときに指定します。ただし,同じ画面に対し,2回目以降の表示では固定部分(タイトルやけい線)は再描画しません。
論理マップだけは,一般的に2回目以降の表示で,入力した状態をそのままにして部分書き換えをするときに指定します。
物理マップだけは,メニュー表示など,物理マップだけで初期表示するときに指定します。
マッピング構成ファイルX3MWCONF
マッピング構成の設定ファイルです。このファイルは編集できないため,XMAP3/Webが提供しているファイルをそのまま使用します。
マップ展開形式
マップ生成時に出力される論理マップの数値領域の展開形式を指定します。展開形式には,次に示す2種類があります。
  • リトルエンディアン用マップを展開
  • ビッグエンディアン用マップを展開
メニューバー
イベント(実行する処理)を候補(ボタン)の選択によって指定するオブジェクトです。イベントに対応する処理として「AP通知」や「ポップアップ表示」などを指定できます。確定キーの代わりとしても使えます。
メニューの内容はドローで定義し,APからの指定はできません。
プルダウンメニューやカスケードメニューを使って階層化でき,処理内容に応じたグループ分けができます。
(ラ行)
リトルエンディアン
バイナリ形式のデータを扱う際,メモリ上に右側から左側へ1バイトずつ格納する形式です。
(000A)16を2バイトのメモリに格納した場合は,(0A00)16になります。
連続紙
連続紙は,各ページの境がミシン目になってつながっている用紙です。シリアルインパクト帳票でだけ利用できます。
論理マップ
画面の可変情報を設定する出力論理マップと,画面から入力されたデータなどを設定する入力論理マップがあります。画面・帳票の定義終了時に,登録集原文として物理マップとともに生成されます。
ユーザプログラムを作成するとき,COPY文で論理マップを取り込みます。XMAP3/Webを利用したシステム実行時には,ユーザプログラムに取り込まれた論理マップのデータ領域を介して,データがやり取りされます。