2.3.1 PC上で画面・マップ帳票を開発してメインフレームで運用する

XMAP3では,ターゲット環境を設定しておくと,ドローからT-560/20システム用のパネル定義文を生成できます。また,ユティリティのエクスポート機能を利用しても,T-560/20システム用のパネル定義文を生成できます。

PC上で画面やマップ帳票を定義し,PCとの共通範囲でメインフレームのXMAPシリーズの入力となるパネル定義文を生成します。生成したパネル定義文をメインフレームに転送し,論理マップや物理マップを生成して利用します。

<この項の構成>
(1) 前提条件
(2) 定義から運用までの流れ

(1) 前提条件

XMAP3でメインフレーム用に定義できる画面・マップ帳票について,次の表に示します。

表2-11 メインフレーム用に定義できる画面・マップ帳票の種類

PC側で選択する画面・帳票の種類メインフレーム用のデバイス
ディスプレイCUI画面5425,D2または4451,D2用の
パネル定義文
ディスプレイGUI画面(一次)
ディスプレイGUI画面(二次)
シリアルインパクト けい線 帳票(連続紙)5344用のパネル定義文
シリアルインパクト けい線 帳票(カット紙)
シリアルインパクト プレプリント 帳票(連続紙)
シリアルインパクト プレプリント 帳票(カット紙)
ページプリンタ 網掛け 帳票2311用のパネル定義文
ページプリンタ グラフィック 帳票
ページプリンタ 書式オーバレイ
(凡例)
-:メインフレーム用の定義には対応していない。
注※
PC上でメインフレーム用のタイプ3書式またはタイプ1/2/R書式の定義については,「2.3.2 PC上でタイプ3書式を開発してメインフレームで運用する」,または「2.3.3 PC上でタイプ1/2/R書式を開発してメインフレームで運用する」を参照してください。

XMAP3で定義できるメインフレームの機能,および定義できないものについて,概要を次の表に示します。詳細については画面・帳票の種類別に,「付録D.1 エクスポート機能で変換できるCUI画面の機能範囲」,「付録D.2 エクスポート機能で変換できるけい線帳票の機能範囲」,または「付録D.3 エクスポート機能で変換できる網掛け帳票の機能範囲」を参照してください。

エクスポート機能で変換できない機能は,変換したパネル定義文をメインフレームに転送したあとで修正するなどして対応する必要があります。詳細については,「19. メインフレーム用の画面・帳票をPCで定義する」を参照してください。

表2-12 メインフレーム用に定義できる機能の範囲

区分定義できる機能定義できない機能
適用言語
  • COBOL
  • アセンブラ,PL/Iなど
論理マップ
  • 文字/表意指定による省略時仮定値の指定
  • パネル/フィールド制御
  • (マップ名+自由な名称)でのデータ名展開
  • 論理フレーム
  • 従属論理項目
  • 16進数による省略時仮定値の指定
  • (自由な名称)でのデータ名展開
  • 複数論理セグメント
画面・マップ帳票共通機能
  • 文字指定による固定項目
  • 可変項目
  • けい線
  • 予約項目
  • 16進数による固定項目
画面機能
  • 修飾名によるフィールド属性
  • リバース,転送,保護,数字,漢字,モジュラス,自動スキップ,桁あふれ,全桁入力,右寄せの各属性
  • INC定数
  • 入力固定項目
  • 16進数によるフィールド属性
  • ブリンク属性
  • ライトペン項目
マップ帳票機能
  • 右記以外の各種帳票機能
  • 吸入量,べた打ち機能の指定
その他
  • 次表示マップ(ページング)
  • 交代パネル
  • 図形,画像
  • 画面レベル(NHELP用)
(凡例)
-:該当なし。

(a) 利用できるXMAPシリーズの機能

PC上のXMAP3で定義したメインフレーム用の画面・マップ帳票で利用できる機能の範囲を次の表に示します。

表2-13 PCで定義したメインフレーム用の画面・マップ帳票で利用できる機能

機能の種類利用できる範囲
適用言語COBOL※1
環境TIOP3,ES/IEX,XDM/DCCM3,DCCM3,OSCF E3
画面機能T-560/20
帳票機能T-560/20 HT-5344シリアルプリンタの機能※2
T-560/20 HT-2311ページプリンタの機能※2
APインタフェース論理マップと物理マップの対応は1対1※2
DFCのビットパターンによる直接指定は使用できない
注※1
EAGLE/4GL,CUTE2,およびNHELPで使用するための画面・マップ帳票を定義することはできません。メインフレーム用に定義した画面・マップ帳票は,COBOLのAPで使用してください。
注※2
XMAP3で定義する場合,利用できる機能が一部制限されます。メインフレーム用のXMAPとPC用のXMAP3の違いについては,「付録B メインフレームとの処理分散」を参照してください。

(b) 必要なソフトウェア

PC側では次のソフトウェアが必要です。

CommuniNetは,ファイルをメインフレームに転送するために使用します。

メインフレーム側で必要なソフトウェアを次の表に示します。

表2-14 メインフレーム側に必要なソフトウェア

メインフレームのOSメインフレームに必要なソフトウェア
VOS3XMAP2 E2(01-00以降),COBOL85,IFIT-TSS
VOS1/ES2BSF E2(04-00以降),COBOL85,IFIT-IEX E2
VOS1/FSBSF E3(01-00以降),COBOL85,IFIT-IEX E2
VOS1/LSBSF E4(01-00以降),COBOL85,IFIT-IEX E2
VOSKOSCF E2(01-00以降),COBOL85
VOSK/FSOSCF E3(01-00以降),COBOL85
VOSK/LSOSCF E5(01-00以降),COBOL85
注※
マップ帳票の印刷にページプリンタを使用する場合は,01-01以降を使用してください。

(2) 定義から運用までの流れ

PC上でパネル定義文を開発し,メインフレーム上で運用するまでの流れを次の図に示します。

図2-6 メインフレーム用パネル定義文の定義から運用の流れ

[図データ]

なお,ファイルの転送用にはCommuniNet(PC側)やIFIT(メインフレーム側)を使用します。その他,開発・運用に必要なソフトウェアについては「2.3.1(1) 前提条件」を参照してください。

  1. ドローセットアップの設定と画面・マップ帳票定義前の準備
    ドローセットアップのターゲット設定で,メインフレームに応じた環境(「VOS3用の画面・帳票開発」,「VOS1用の画面・帳票開発」,または「VOSK用の画面・帳票開発」)を選択します。
    画面・マップ帳票を定義する前に,マップ生成用のフォルダを作成します。また,XMAP3の開発環境も設定します。さらに,PC上でテスト表示およびテスト印刷を行うためには,実行環境のセットアップも必要です。
    外字を使用する場合,メインフレームとPCとの制限の違いに注意が必要です。「19.1 メインフレーム向け開発環境の準備」を参照してください。
  2. 業務内容とレイアウトの決定と,画面・マップ帳票の定義・テスト
    利用できる機能を確認し,運用方法を決定して,APの処理内容を決めます。また,APで扱う画面・マップ帳票のレイアウトを決めます。利用できる機能については,画面・マップ帳票の種類別に応じて「付録D.1 エクスポート機能で変換できるCUI画面の機能範囲」,「付録D.2 エクスポート機能で変換できるけい線帳票の機能範囲」,または「付録D.3 エクスポート機能で変換できる網掛け帳票の機能範囲」を参照してください。
    レイアウトが決定したら,画面・帳票の定義パターンを基にして,XMAP3のドローを使って定義します。「19.2 メインフレーム用の画面・帳票の定義」を参照してください。
    その後,テスト支援機能を使って,定義した画面・マップ帳票のレイアウトをPC上で確認します。ただし,PCの出力結果とメインフレームでの出力には若干の相違点があります。詳しくは「19.3 テスト支援機能」を参照してください。
  3. ドローによるパネル定義文の生成
    ドローで画面・マップ帳票を定義して,マップ定義ファイルを出力します。ここで出力するパネル定義文をメインフレームへ転送して利用できます。
    なお,ユティリティのエクスポート機能を利用すれば,複数ある既存のマップ定義ファイルからパネル定義文を一括して生成できます。この場合は手順4.を実行してください。
  4. ユティリティによるパネル定義文の生成
    ユティリティのエクスポート機能で,2.で作成したマップ定義ファイルを指定して,パネル定義文を生成します。詳しくは,「19.4 パネル定義文の生成」および「19.5 パネル定義文の転送」を参照してください。
  5. パネル定義文の転送
    CommuniNetを利用して,3.や4.で出力・生成したパネル定義文をメインフレームにファイル転送します。転送したファイルを基にメインフレーム上のXMAPで論理マップと物理マップを生成し,運用します。詳しくは,「19.6 メインフレーム用APの作成・流用の注意事項」を参照してください。