1.2.2 ソフトウェア構成
(1) メインフレーム上に必要なソフトウェア(オンライン環境の場合)
- AP(COBOL85を使用して作成してください)
- XDM/DCCM3
- XNF E2
メインフレーム側でTCP/IP接続をする場合,さらに次のソフトウェアが必要です。
また,PCの通信制御にTP1/Client/Pを利用する場合,次のソフトウェアが必要です。
- DCCM3/TCP
- DCCM3/SERVER/TP1(RPCを使用して通信するときに必要)
(2) メインフレーム上に必要なソフトウェア(対話環境の場合)
- AP(COBOL85を使用して作成してください)
- 通信管理プログラム(PC上のXMAP3インストールフォルダ¥SAMPLES¥C¥HSMHPROCを使用してください)
- TIOP3
- XNF E2
メインフレーム側でTCP/IP接続をする場合,さらに次のソフトウェアが必要です。
また,提供されている通信管理プログラムのサンプル「HSMHPROC」はVOS3用のアセンブラのソースプログラムですが,PC上にインストールされるので,ファイルをVOS3上に転送してから使用してください。
(3) ゲートウェイ機に必要なソフトウェア
ゲートウェイ機は,HNA接続をするときに使用します。ゲートウェイ機にPCを使用できるのは,WAN経由でメインフレームに接続する場合だけです。
(a) OSがHI-UX/WE2の場合
(b) OSがHP-UXの場合
(c) OSがWindows NT,Windows 2000,またはWindows Server 2003の場合
(4) スタンドアロン端末に必要なソフトウェア
OSにはWindowsが必要です。
- XMAP3/Enterprise Edition,またはXMAP3/Enterprise Edition Run Time System
- 画面管理プログラム※1
さらに,メインフレームとの通信のために次のソフトウェアのどちらかが必要です。なお,通信制御の選択については「1.2.2(5) PC側の通信制御に必要なソフトウェア」を参照してください。
- CommuniNetおよびCommuniNet Extension※1
- TP1/Client/P※2
- 注※1
- COBOL85で作成した画面管理プログラムを使用する場合は,COBOL85, COBOL85 Run Time SystemおよびCOBOL拡張ライブラリが必要です。
- 注※2
- TP1/Client/Pを選択できるのは,メインフレーム側の通信制御にXDM/DCCM3を使用する場合だけです。
(5) PC側の通信制御に必要なソフトウェア
XMAP3でメインフレームとデータを送受信するために,PC側の通信制御としてCommuniNetまたはTP1/Client/Pのどちらかを使用します。使用方法に応じたPC側の通信制御の選択基準を次の表に示します。
表1-2 PC側の通信制御の選択基準
想定する使用方法 | CommuniNet | TP1/Client/P |
---|
メインフレームでXDM/DCCM3を使用する | ○ | ○ |
メインフレームでXDM/DCCM3を使用して,2,920バイトを超えるサイズの論理マップを送受信する | ○※1 | ○ |
メインフレームでXDM/DCCM3を使用して,分岐メッセージによる帳票の非同期出力を行う | × | ○ |
メインフレームでTIOP3を使用する | ○※2 | × |
メインフレームとPCとの分散処理だけでなく,メインフレームにログインしてメインフレーム上のXMAPも使用する | ○ | × |
- (凡例)
- ○:使用できる。
- ×:使用できない。
- 注※1
- CommuniNetでは,一度に転送できる送信データの最大長は3,000バイトとなっています。ただし,XDM/DCCM3を使用する場合,論理マップのデータ転送時には,トランザクションコードや通信論理マップなど80バイト分のデータが付加されるため,一度に転送できる実質的な論理マップのデータ長は2,920バイト以下となります。
- このため,論理マップのサイズが大きくなる場合は,メインフレームのAPおよび画面管理プログラムで,データを2,920バイトごとに分割して送受信する処理が必要になります。
- したがって,2,920バイトを超えるデータをメインフレームとPCの間でやり取りする場合は,TP1/Client/Pを使用する方が,メインフレームのAPおよび画面管理プログラムをより簡単に作成できます。
- 注※2
- CommuniNetでは,一度に転送できる送信データの最大長は3,000バイトとなっています。ただし,TIOP3を使用する場合,論理マップのデータ転送時には,通信論理マップ(64バイト分)のデータが付加されるため,一度に転送できる実質的な論理マップのデータ長は2,936バイト以下となります。
- このため,論理マップのサイズが大きくなる場合は,メインフレームのAPおよび画面管理プログラムで,データを2,936バイトごとに分割して送受信する処理が必要になります。
(6) 外字の運用に必要なソフトウェア
PC上の外字は,シフトJISコードの外字のうち機種依存文字を除いた1,880文字だけが使用できます。また,PC上のシフトJISコードの外字は,XMAP3がメインフレームのKEISコードの対応する外字に置き換えます。PCの外字とメインフレームの外字との文字コードの対応については,「付録B.3 外字用コードの割り当て」を参照してください。
ただし,メインフレームのKEISコードで(95A1)16~(A0FE)16に対応する外字は,PC側に対応するシフトJISの文字コードがないので利用できません。
メインフレーム-PC間でやり取りされるデータに,これらのコードに対応する外字を使用したい場合,次の二つの方法があります。
- 日立コード変換 - Development Kit,またはコード変換SDKを使って,シフトJISとKEISの外字マッピングテーブルをカスタマイズする(使用する外字の数が1,880字までの場合)。
なお,ベンダ固有文字(Windows特殊文字,NEC選定IBM拡張文字,およびIBM選択文字)を使用する場合は,「付録B.2(4) ベンダ固有文字についての注意事項」を参照してください。
- XMAP3外字機能を使用して,PC側ではシフトJISの代わりにUnicodeで表示・印刷を行う(1,880字を超える外字を使用する場合)
なお,これらの運用形態を選択する場合,AP作成時に特別な処理は必要ありません。したがって,既存のAPを修正しないで,外字の運用形態を変更することもできます。
外字の運用形態の違いを次の表に示します。
表1-3 外字の運用形態
条件 | 標準 | カスタマイズ | XMAP3外字機能 |
---|
使用できる外字の個数 | 1,880字 | 1,880字 | 6,400字 |
対応するKEISコード | (81A1)16~(94FE)16※1 | KEISコードで(41A1)16~(A0FE)16のうち1,880字※1 | KEISコードで(41A1)16~(A0FE)16のうち6,400字※1 |
開発に使用できるOS | Windows | Windows NT※2, Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003, Windows Server 2003 x64 | Windows NT, Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003 |
実行に使用できるOS | Windows | Windows | Windows NT, Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003 |
PCでの外字の入力 | できる | できる | できる※3 |
ドローでの外字の使用(固定項目での外字の使用) | できる | できる | シフトJISでも利用できる1,880字だけできる |
画面・マップ帳票に出力する文字コード | シフトJIS | シフトJIS | Unicode |
ソフトウェアの追加※4 | 不要 | 必要 | 必要 |
必要な作業 | | - 外字フォントの用意
- 外字マッピングファイルのカスタマイズ
| - 外字フォントの用意
- 外字セットの作成
- 外字セットのUnicode領域への割り当て
- 外字マッピングファイルのカスタマイズ※5
|
- (凡例)
- 標準:KEISコードで(81A1)16~(94FE)16の範囲に割り当てられた1,880字の外字だけを使用する場合。
- カスタマイズ:コード変換SDKまたは日立コード変換 - Development Kitを使用して,シフトJISとKEISの外字マッピングテーブルをカスタマイズする場合。
- 外字機能:XMAP3外字機能を利用して,PC上の文字コードにUnicodeを使用する場合。
- 注※1
- 下位バイトは(A1)16~(FE)16の範囲に限られます。
- 注※2
- Windows NTは,コード変換SDKだけに対応します。
- 注※3
- VJE-Delta for Unicode/XKP,またはVJE-Delta Ver.2.0 for Unicode/XKPが必要です。
- 注※4
- 必要なソフトウェアについては,「1.2.2 ソフトウェア構成」を参照してください。
- 注※5
- コード変換SDK,コード変換ランタイム,日立コード変換 - Client Runtime,または日立コード変換 - Server Runtimeで,標準値での外字マッピングファイルを使用する場合は必要ありません。
(a) カスタマイズしたシフトJISとKEISの外字マッピングテーブルを使用する場合
カスタマイズした外字マッピングテーブルは,実行環境に配布して使用します。このとき,OSにはWindowsが必要です。さらに,実行環境で必要となるソフトウェアを次の表に示します。
表1-4 実行環境のOSと必要なソフトウェア
OS | 必要なソフトウェア |
---|
Windows 95 | コード変換ランタイム 01-00以降 |
Windows 98 |
Windows Me | コード変換ランタイム 01-02以降 |
Windows NT | コード変換SDK 01-00以降,またはコード変換ランタイム 01-00以降 |
Windows 2000 Advanced Server,およびWindows 2000 Server | 日立コード変換 - Server Runtime 02-01以降,コード変換SDK 01-03以降,またはコード変換ランタイム 01-02以降 |
Windows 2000 Datacenter Server | 日立コード変換 - Server Runtime 02-01以降,コード変換SDK 01-03以降,またはコード変換ランタイム 01-03以降 |
Windows 2000 Professional | 日立コード変換 - Client Runtime 02-01以降,コード変換SDK 01-03以降,またはコード変換ランタイム 01-02以降 |
Windows XP | 日立コード変換 - Client Runtime 02-01以降,コード変換SDK 01-03以降,またはコード変換ランタイム 01-03以降 |
Windows Server 2003 | 日立コード変換 - Server Runtime 02-01以降,コード変換SDK 01-03以降,またはコード変換ランタイム 01-03以降 |
Windows Server 2003 R2 | 日立コード変換 - Server Runtime 02-02以降,コード変換SDK 01-04以降,またはコード変換ランタイム 01-04以降 |
Windows Server 2003 x64 | 日立コード変換 - Server Runtime 02-01以降 |
Windows Server 2003 R2 x64 | 日立コード変換 - Server Runtime 02-02以降 |
(b) 1,880字を超える外字を使用する場合
OSにはWindows NT,Windows 2000,Windows XP,またはWindows Server 2003が必要です。また,次の表に示すソフトウェアが必要です。
表1-5 1,880字を超える外字を使用する場合に必要なソフトウェア
OS | 必要なソフトウェア |
---|
Windows NT | - XMAP3外字機能 Version 4 04-02以降
- KanjiLink XKP 01-00以降,
KanjiLink XKP V2.5 01-00以降,または KanjiLink XKP V2.7 01-00以降
- VJE-Delta for Unicode/XKP※1 01-00以降
- コード変換SDK 01-00以降,または
コード変換ランタイム※2 01-00以降
|
Windows 2000 Advanced Server,およびWindows 2000 Server | - XMAP3 外字機能 Version 4 04-02以降
- KanjiLink XKP Version 2.2 for Windows 2000 実行時ライブラリ,
KanjiLink XKP V2.2(実行時ライブラリ)01-00以降,または KanjiLink XKP V2.7 01-00以降
- VJE-Delta Ver.2.0 for Unicode/XKP※1
- 日立コード変換 - Server Runtime※2 02-01以降,
コード変換SDK 01-03以降,または コード変換ランタイム※2 01-02以降
|
Windows 2000 Datacenter Server | - XMAP3 外字機能 Version 4 04-02以降
- KanjiLink XKP Version 2.2 for Windows 2000 実行時ライブラリ,
KanjiLink XKP V2.2(実行時ライブラリ)01-00以降,または KanjiLink XKP V2.7 01-00以降
- VJE-Delta Ver.2.0 for Unicode/XKP※1
- 日立コード変換 - Server Runtime※2 02-01以降,
コード変換SDK 01-03以降,または コード変換ランタイム※2 01-03以降
|
Windows 2000 Professional | - XMAP3 外字機能 Version 4 04-02以降
- KanjiLink XKP Version 2.2 for Windows 2000 実行時ライブラリ,
KanjiLink XKP V2.2(実行時ライブラリ)01-00以降,または KanjiLink XKP V2.7 01-00以降
- VJE-Delta Ver.2.0 for Unicode/XKP※1
- 日立コード変換 - Client Runtime※2 02-01以降,
コード変換SDK 01-03以降,または コード変換ランタイム※2 01-02以降
|
Windows XP | - XMAP3 外字機能 Version 4 04-02以降
- KanjiLink XKP Version 2.2 for Windows 2000 実行時ライブラリ,
KanjiLink XKP V2.2(実行時ライブラリ)01-00以降,または KanjiLink XKP V2.7 01-00以降
- VJE-Delta for Unicode/XKP Ver2.1 01-00以降※1
- 日立コード変換 - Client Runtime※2 02-01以降,
コード変換SDK 01-03以降,または コード変換ランタイム※2 01-03以降
|
Windows Server 2003 | - XMAP3 外字機能 Version 4 04-05以降
- KanjiLink XKP Version 2.2 for Windows2000 実行時ライブラリ,
KanjiLink XKP V2.2(実行時ライブラリ)01-00以降,または KanjiLink XKP V2.7 01-00以降
- VJE-Delta for Unicode/XKP Ver.2.1 01-00以降※1
- 日立コード変換 - Server Runtime※2 02-01以降,
コード変換SDK 01-03以降,または コード変換ランタイム※2 01-03以降
|
Windows Server 2003 R2 | - XMAP3 外字機能 Version 4 04-08以降
- KanjiLink XKP V2.7 01-00以降
- VJE-Delta for Unicode/XKP Ver.2.1 01-00以降※1
- 日立コード変換 - Server Runtime※2 02-02以降,
コード変換SDK 01-04以降,または コード変換ランタイム※2 01-04以降
|
- 注
- 日立KEIS'83拡張3に相当する外字を使用する場合,「メーカ固有漢字セット(日立KEIS83拡張3)」が必要です。
- 注※1
- 画面で外字を入力する場合に必要となるソフトウェアです。
- 注※2
- 大量外字支援機能に加えて,KEIS/Unicode外字マッピングテーブルをカスタマイズすることもできます。ただし,「コード変換ランタイム」,「日立コード変換 - Server Runtime」,および「日立コード変換 - Client Runtime」ではカスタマイズできないため,「コード変換SDK」または「日立コード変換 - Development Kit」を使用してください。