3.3.1 画面属性の詳細

画面属性は,画面属性ダイアログで指定します。なお,次の図にある番号は,該当定義項目が説明されている項番を示しています。

[図データ]

<この項の構成>
(1) ウィンドウ
(2) キーボードのロック状態を解除する
(3) ウィンドウを表示したときにアラームを鳴らす
(4) モジュラスアルゴリズム
(5) 次画面
(6) 画面に対するコメントの記述
(7) イベント通知コードのコメント
(8) APインタフェース

(1) ウィンドウ

(a) 表示形態

新しく画面を表示したときの表示中の画面の扱いを変更できます。表示中の画面を消去して次の画面を表示する場合は「全面書換」,画面を重ねて表示する場合は「一部上書」を指定します。システムに表示形態を任せる場合は,「自動」を指定します。「全面書換」「一部上書」および「自動」の詳細については,「1.5.3(2) 表示形態」を参照してください。

(b) 入力フィールドの扱い

一度表示した画面に対して一部上書したときに,APに返す値を次に示します。

操作オブジェクトの表示属性ウィンドウ属性(入力フィールドの扱い)
入力データをAPに返す入力データを変更しない入力データを消去する
ヌルを入力初期値
なし
入力済消去通知文字消去通知文字消去通知文字
初期値
なし
入力済でない初期クリア文字初期クリア文字初期クリア文字
入力初期値
なし
入力済表示データ表示データ消去通知文字
初期値
あり
入力済でない初期値初期値初期値
初期値
なし
入力済でない初期クリア文字初期クリア文字初期クリア文字
何もしない初期値
あり
入力済初期値初期値初期値
入力済でない初期値初期値初期値
初期値
なし
入力済消去通知文字消去通知文字消去通知文字
入力済でない初期クリア文字初期クリア文字初期クリア文字
ウィンドウ属性(入力フィールドの扱い)は,ドローセットアップの「表示属性の標準値」の「ウィンドウ属性」タブでも指定できます。なお,ドローセットアップでの値が有効になるのは,XMAP3が標準提供している定義パターンを使用してドローを新規作成した場合,およびXMAP3が標準提供している定義パターンを使用して,ユーザ登録の定義パターンを作成したときです。

(2) キーボードのロック状態を解除する

キーボードのロック状態を直前の画面から継続するか,解除するかが指定できます。この指定をチェックすると,画面を表示したとき,マウスやキーボードから入力できる状態になります。指定しない場合は,キーボードのロック状態が直前の画面から継続されます。画面の操作では,「取消キー」によってキーボードのロック状態を解除できます。なお,キーの詳細については,「4.2.1 キーの機能」を参照してください。

(3) ウィンドウを表示したときにアラームを鳴らす

画面を表示したときにアラームを鳴らすかどうかが指定できます。初期値は「鳴らさない」です。

(4) モジュラスアルゴリズム

モジュラスチェックを「(モジュラス)10チェック」でするか「(モジュラス)11チェック」でするかが指定できます。モジュラスチェックの詳細については,「付録A 属性情報一覧」を参照してください。セットアップの初期値は「(モジュラス)10チェック」です。

(5) 次画面

APで,画面名称を固定値として定義していなくても,次に表示させたい画面名称を実行時に取得したいとき指定します。次画面はマップ名が6文字のときに指定できます。なお,次画面はOLTPサーバ構成の環境で利用できます。

(6) 画面に対するコメントの記述

画面名(日本語名)と画面に関するコメントを書きます。各オブジェクトに付ける概要や使用目的などの情報です。実際の画面表示の対象にはなりません。

コメントはドキュメンテーション支援でほかの情報とともに出力されるので,定義情報をドキュメント化したときにわかりやすい情報が得られます。また,日本語名はテスト支援の遷移図の画面名として使用されます。ドキュメンテーション支援およびテスト支援についてはマニュアル「XMAP3 開発・実行ガイド」を参照してください。

[図データ]

(7) イベント通知コードのコメント

確定キーに対応するイベント通知コードに,イベント発生後の動作やコメントを指定します。[設定]ボタンから表示されるダイアログで定義します。

[図データ]

イベントが発生したとき,APに通知するかどうかはイベント通知コードダイアログの「動作」で指定できます。動作の詳細は次のとおりです。

動作の指定説明
AP通知(確定)画面確定をしてAPにイベントを通知する。入力・選択必須のチェックが実行され,エラーがあった場合はAPに制御を返さない。
使用しない使用しないPFキーなどに使う。これに対する確定キーを押すと,画面が確定される。APにはイベント通知コードとして,初期クリア文字が返る
OLTPサーバ構成の環境で,OpenTP1上で「次メッセージ要求キー」として割り当てられているキーのイベントはAPに渡りません。
注※
OLTPサーバ構成で使用している場合,リターンコードが「4」,詳細エラーコードが「(0414)16」のエラーとなります。

(8) APインタフェース

APからウィンドウの属性を変更して表示する場合に指定します。

(a) 動的変更(APからウィンドウ属性を変更する)

APから表示形態などのウィンドウ属性を変更して,画面を表示します。

この場合,制御項目が論理マップに展開されます。この制御項目に修飾名という定数をAPが設定することで,表示属性が動的に変更されます。

修飾名と表示属性との対応の標準値については「付録A.10 修飾名と変更属性の標準値」を参照してください。なお,表示属性はドローセットアップで変更できます。

(b) 初期クリア文字

AP実行時に,画面からの入力データをAPが受け取る前に,XMAP3が入力論理マップの各項目をあらかじめクリアしておく文字です。なお,APが受け取るデータの優先順位は次のとおりです。

  1. キー入力データ/選択したイベント通知コード
  2. 入力済みのとき,表示されているデータ/イベント通知コード
  3. エラー通知
  4. 初期値
  5. 初期クリア文字
(c) データ消去通知文字

AP実行時に,画面からフィールドキーで入出力フィールドのデータを消去したり,(00)16のデータを受信したときにAPが受け取るデータです。したがって,APが受け取ったデータがデータ消去通知文字であれば,画面操作でデータ消去されたと判断できます。

初期クリア文字や初期値とデータ消去通知とを分けておくことで,入力操作がなかったのか,データ消去されたのかが区別できます。

なお,オブジェクトに「入力済み」が定義されている場合で,画面確定時に入力されたデータがないときは,データ消去通知文字がAPに返されます。

(d) エラー通知文字

XMAP3が入力データにエラーを検出した場合に,APが受け取るデータです。

入力データのエラーは,半角文字だけを入力できるテキスト・フィールドに,全角文字を入力したときなどに発生します。

(e) 隠しフィールド

実際の画面には表示されないフィールドで,入力固定項目として使用します。

入力固定項目とは,入力論理マップに必ず固定の値を返すデータ項目で,論理マップ可変部の最初のデータ項目として展開されます。

OLTPサーバ構成の環境で,使用するトランザクションコードをXMAP3上で定義するには,隠しフィールドとして定義します。

(f) 再定義名

定義済みの論理マップを別定義として使用するときの名称です。半角で30字以内で定義します。

入力論理マップ用と出力論理マップ用とで別の名称にすることもできます。