付録A.1 ウィンドウ制御情報一覧
(1) 基準文字サイズ
レイアウト領域に適用する基準となる文字サイズです。文字サイズには,「大/中/小」があります。
(2) 表示形態
画面を表示するとき,直前に表示した画面に対して一部だけを書き換える(一部上書)か,全部を書き換える(全面書換)かを指定する属性です。この値は,ドローの画面属性ダイアログで値を設定します。また,ドローセットアップの「画面属性の動的変更」で変更したい「表示形態」の属性を指定した修飾名を用意しておくことで, APから動的に表示形態を変更できます。なお,XMAP3があらかじめ用意している修飾名も利用できます。表示形態には,次の3種類があります。表示形態の詳細については「1.5.3(2) 表示形態」を参照してください。
- 一部上書
直前に表示した画面の,一部のオブジェクトだけを変更して表示します。全面書換に比べて表示時間を短縮できます。この場合,マッピングオプションの「マージ」か「論理マップだけ」とあわせて使用する必要があります。
- 全面書換
表示中の画面を消去し,次の画面を全画面描画します。
- 自動
一部上書と全面書換をXMAP3に任せて,特にAPでは意識しません。直前の画面と同じマップ名のときは「一部上書」を仮定します。
標準は「自動」です。
(3) Z位置
Z位置は「手前に表示」「標準表示」「後ろに表示」「一時非表示」から選べます。「一時非表示」は奥行きの指定に関係なく,一時的にウィンドウを隠します。なお,二次ウィンドウの場合は,標準表示だけとなります。
- 標準表示
表示するといちばん手前に表示されます。ほかのAPのウィンドウが表示されると,後ろへ移動されます。
- 手前に表示
活性/不活性に関係なく,常に手前に表示されます。
- 後ろに表示
表示直後は活性状態で後ろに表示されます。一度不活性にしたあとで,ユーザが操作して活性にしたときは手前に表示されます。
- 一時非表示
ウィンドウを見えない状態にします。通常の表示にするには,APから動的変更をして「標準表示」などに切り替えます。一時非表示を利用すると,一時的にウィンドウをクローズしたような状態を作れます。
(4) ウィンドウを表示した時にアラームを鳴らす
ウィンドウを表示したとき,ディスプレイ端末のアラームを鳴らす場合に指定します。一般的にはエラー画面を表示するときに使用します。この属性は,ドローセットアップの「画面属性の動的変更」で表示形態の属性を設定した修飾名を利用することで,APから動的に変更することもできます。
(5) キーボードのロック状態を解除する
画面を表示したら,キーボードから入力できる状態にするときに指定します。指定しないときは,キーボードのロック状態を直前の画面の属性を継続します。この属性は,ドローセットアップの「表示属性の動的変更」で表示形態の属性を設定した修飾名を利用することで,APから動的に変更することもできます。
(6) 入力・選択状態の扱い
入力フィールド(入出力テキスト・フィールド)中に表示されているテキストデータの扱いに関する属性です。「表示形態」が「一部上書」のときの入力項目をどのような状態にするかを指定します。画面属性ダイアログで値を指定します。入力項目の扱いをAP実行時に変更したい場合は,ドローセットアップの「表示属性の動的変更」の「キャラクタコントロール」タブで修飾名を指定しておきます。入力・選択状態の扱いについては,「2.3.1(1)(d) 入力・選択状態の扱い」または「3.3.1(1)(b) 入力フィールドの扱い」を参照してください。
(7) モジュラスアルゴリズム
入出力テキスト(または入出力フィールド)で指定するモジュラスチェックのアルゴリズム(チェック10またはチェック11)を指定できます。モジュラスチェックを指定したフィールドからほかのフィールドへフォーカス(またはカーソル)が移動した時点でチェックされます。
モジュラスチェックのアルゴリズムは,図A-1,図A-2に示すとおり,フィールド最右端の数字がチェックデジットになります。フィールド内に数字以外の文字があると,チェックされますが結果は予測できません。したがって,この属性は,入力文字列が数字(データ型が数字)に指定しておく必要があります。また,項目長は2~16桁となります。これ以外の項目長の場合は,エラーとなります。
図A-1 モジュラス10のアルゴリズム
![[図データ]](figure/zu0b0100.gif)
図A-2 モジュラス11のアルゴリズム
![[図データ]](figure/zu0b0200.gif)
(8) 入力単位
入出力は基本的に画面単位です。ただしオプションとして,フィールド単位およびイベント単位の入出力が選べます。入力単位には「画面」「フィールド」「イベント」「表示直後」があります。
- 画面
画面属性ダイアログの入力単位で「画面」を指定すると,APから画面を表示するときに,入出力の制限(不活性)を指定しているオブジェクト以外は入力・選択可能な状態で表示されます。これらのオブジェクトを選択したり,データを入力したりしたあと,画面確定を設定しているメニューバー,プッシュボタンまたは画面確定キーを押すと,APに制御が渡ります。なお,オブジェクトに「自動送信」を設定すると,そのオブジェクトからフォーカス・カーソルが離脱するタイミングで「送信」の画面確定が仮定されます。
- フィールド
画面属性ダイアログの入力単位で「フィールド」を指定すると,APから画面を表示するときに,APで設定されているフォーカス(カーソル)があるオブジェクトだけが入力・選択可能になります。ただし,確定キー(送信キーやPFキー),プッシュボタンおよびメニューバーは除かれます。
これらのオブジェクトを選択したり,データを入力したりしたあと,フォーカス(カーソル)が次のオブジェクトに移動するタイミングでAPに制御が渡ります。なお,各オブジェクトでの「自動送信」の指定は無効になります。
- イベント
画面属性ダイアログの入力単位で「イベント」を指定すると,APから画面を表示するときに,入出力の制限(不活性)を指定しているオブジェクト以外は入力・選択可能な状態で表示されます。なお,各オブジェクトでの「自動送信」の指定は無効になります。
これらのオブジェクトの一つを選択したり,データを入力したあと,フォーカス・カーソルが次のオブジェクトに移動するタイミングでAPに制御が渡ります。このとき,個々のオブジェクトを識別する通知コードがAPに渡ります。なお,イベントが発生したとき,APに通知するかどうかは画面属性ダイアログで指定できます。イベントの定義に関しては「2.3.1(6) イベント通知コード」を参照してください。
- 表示直後
画面属性ダイアログの入力単位で「表示直後」を指定すると,画面に対して何の操作がされなくても,一定の時間が過ぎると自動的にAPに制御を渡します。その場合のイベント通知コードは,送信キーを押したときと同じ値を返します。また,APに制御が渡るまでの時間を設定せず,表示直後にAPに制御を渡すような設定もできます。なお,設定した時間が過ぎる前に,画面を確定する操作をした場合は,操作の方が優先されます。
画面には,入力必須属性を設定したオブジェクトを定義しないでください。入力必須属性を設定したオブジェクトを定義した画面を表示した場合,待機終了時にアプリケーションに対してエラーが通知されます。
スプラッシュ画面や,表示専用の掲示板的な画面を表示するときに利用できます。
スプラッシュ画面や掲示板的な画面については「1.4.1 GUI画面で使用できる機能」を参照してください。