2.2 書式オーバレイで使用できる機能

<この節の構成>
(1) 書式オーバレイとは
(2) 書式オーバレイで作成できる機能

(1) 書式オーバレイとは

書式オーバレイは,定型帳票から書式(固定の文字列,けい線など)を分離し,印刷時にAPからの行データを重ね合わせる帳票印刷の方式(ソフトオーバレイ方式を採っています。メインフレームでの出力では,書式をプリンタに登録し,プリンタ上でオーバレイをしますが,PC版のXMAP3の書式オーバレイでの出力は,次の図に示すように,PC上でオーバレイをするソフトオーバレイ方式です。

ただし,OLTPサーバ構成の環境では書式オーバレイを使用できません。

図2-6 書式オーバレイ出力方式

[図データ]

書式イメージファイル
書式をオーバレイする部分の制御データファイルです。オーバレイするけい線や固定フィールドなどから成ります。この制御データは,XMAP3の実行支援が参照するものです。
行制御データファイル
ユーザ行データをどのような行間隔と文字間隔で印字するかを制御するデータファイルです。実行時,XMAP3の実行支援が参照します。行間隔や文字間隔は,XMAP3ドローで書式とあわせて定義します。

(2) 書式オーバレイで作成できる機能

XMAP3では,けい線,文字の拡大,網掛け,矩形などを用いた帳票を作成できます。

書式オーバレイで作成した帳票の例と,書式の機能内容および行データの制御情報の内容を次に示します。

図2-7 書式オーバレイで作成した帳票の例

[図データ]

表2-5 書式の機能内容

項目機能内容
用紙サイズA3/A4/A5/B4/B5
用紙の向き縦長,横長
文字サイズ5/7/9/12/14ポイント
文字の拡大全角/半角,標準/平体/長体/倍角
マージン範囲:0~50.0mm1
書体2/強調標準,明朝,ゴシック/太字,斜体,太字&斜体
基準ます目10CPI/6LPI/12CPI/6LPI/15CPI/6LPI/15CPI/8LPI/自由な設定
行の間隔3/4/6/8/10/12LPI
文字の間隔0~7ポイント
オブジェクト固定フィールド(日本語/英数)
表けい線の枠(見出しあり/見出しなし)
けい線の繰り返し:縦(自動間隔),横(1行/2行/自動間隔)
けい線(縦,横,斜線,線種:実線/破線/点線/一点鎖線/二点鎖線/二重線,線幅:細線/中線/太線/極太線)
矩形(ラウンドコーナ(大/標準/小)あり,線種:実線/破線/点線/一点鎖線/二点鎖線/二重線,線幅:細線/中線/太線/極太線)
円(線種:実線/破線/点線/一点鎖線/二点鎖線/二重線,
線幅:細線/中線/太線/極太線,網掛け)
円弧(角度:大/中/小,線種:実線/破線/点線/一点鎖線/二点鎖線/二重線,線幅:細線/中線/太線/極太線)
網掛け(ラウンドコーナあり/なし,網掛けの繰り返し,枠あり/なし,斜けい線,網掛け:極薄網掛け/薄網掛け/標準網掛け/濃い網掛け/極濃い網掛け/薄い格子/標準格子/薄い右下/標準右下/薄い左下/標準左下/薄い縦線/標準縦線/薄い横線/標準横線)
固定グラフィック3
注※1
プリンタのハードマージンより小さい値を指定した場合,ハードマージンが仮定されます。ただし,PDFファイル出力時には,ハードマージンがないため,指定したマージン値がそのまま有効になります。
注※2
XMAP3 印刷拡張機能をインストールすると,印刷拡張セットアップを使って,標準/明朝/ゴシックの書体に対する出力時のフォントを,それぞれ任意のフォントに変更できます。
注※3
カラーグラフィックのカラー印刷は,印刷モードをGDIにしてカラープリンタに出力するとき,またはPDFファイル出力のときにできます。

表2-6 行データの制御情報の内容

項目機能内容
文字サイズ5/7/9/12ポイント
文字の拡大標準,平体
書体1標準,明朝,ゴシック,OCR
基準ます目210CPI/6LPI/12CPI/6LPI/15CPI/6LPI/15CPI/8LPI/自由な設定
文字の間隔0~7ポイント
行の間隔3/4/6/8/10/12LPI
チャネルスキップCSP(改行しない),C01(改ページする)
注※1
XMAP3 印刷拡張機能をインストールすると,印刷拡張セットアップを使って,標準/明朝/ゴシックの書体に対する出力時のフォントを,それぞれ任意のフォントに変更できます。OCR文字のフォントは変更できません。
注※2
書式定義(ドロー)の指定に従います。