付録E.1 リターンコード

マッピングライブラリのリターンコードを次の表に示します。

「リターンコード詳細」の16進で表現しているコードは,日立COBOLの画面に表示されるエラーコードに対応しています。これらのコードは,日立COBOLのテストデバッガなどでメモリ中のリターンコードを直接参照する場合,1バイト目と2バイト目が逆に表示されるので,注意してください。次の表中で使用する記号の意味を次に示します。

なお,次の表のリターンコード詳細に示すエラーコードが,20480~20516(16進数では(5000)16~(5024)16)の場合,すでにオープン状態であっても強制的にクローズ要求されたものとして処理します。

クローズ処理によって帳票が出力され,そのあとの要求が24577エラー(16進数では(6001)16エラー)となる場合がありますので,エラー原因を解決して再度アプリケーションを起動してください。

表E-1 マッピングライブラリのリターンコード

リターン
コード詳細
内容リターン
コード
1036
(040C)16
定義している予約項目名が,OpenTP1で提供している予約項目名と一致していない。
(S)処理を続行する。
(P)予約項目に定義している予約項目名をOpenTP1で提供している予約項目名と一致させ,物理マップを再作成して,アプリケーションを再実行する。
4
3072
(0C00)16
物理マップの内容が破壊されている。
原因として次のことが考えられる。
  • 定義対象(デバイス)と物理マップが一致していない。例えば,プリンタで印刷するときに,APで指定したマップがディスプレイ用である。
  • 物理マップファイルが破壊されている。
(S)処理を終了する。
(P)物理マップを再作成して,アプリケーションを再実行する。
8
3104
(0C20)16
実行環境のXMAP3より上位のバージョンで作成した物理マップが使用された。
(S)処理を終了する。
(P)実行環境のXMAP3のバージョンを,物理マップを作成したXMAP3と同じバージョンにして,APを再実行する。
8
4104
(1008)16
何らかの原因でデータ化けが発生したことによって,物理マップ中の作成管理情報が破壊されている。
(S)処理を終了する。
(P)物理マップを再作成して,アプリケーションを再実行する。
8
5120
(1400)16
指定した物理マップが見つからない。または,APで指定した仮想端末と指定した物理マップのデバイス種別が一致しない。
(S)処理を終了する。
(P)
・表示・印刷セットアップの「アプリケーション1」タブの「マップ」で指定しているフォルダまたはAPを実行したカレントフォルダに,指定した物理マップ(拡張子はpmp)があることを確認し,APを再実行する。
・APで指定した仮想端末名(例えばPRT001)に対して,物理マップのデバイス種別(例えばデバイスIDが6A/6B/6G/6H)が合っているか確認し,APを修正後,再実行する。
8
5124
(1404)16
物理マップのロード処理中に入出力エラーが発生した。
(S)処理を終了する。
(P)物理マップを再作成して,アプリケーションを再実行する。
8
16388
(4004)16
マッピング処理プログラムの実行環境が不正なため,エラーが発生した。原因としては,次のことが考えられる。
  • インストールが正しくされていない。
  • XMAP3外字機能がインストールされている環境で,コード変換SDK,コード変換ランタイム,日立コード変換 - Server Runtime,または日立コード変換 - Client Runtimeがインストールされていない。
(S)処理を終了する。
(P)・再インストールを行う。
・実行環境に必要なPPのインストールをする。
8
16400
(4010)16
何らかの原因でデータ化けが発生したことによって,物理マップ中のサイズ管理情報が破損している。
(S)処理を終了する。
(P)物理マップを再作成して,APを再実行する。
8
16428
(402C)16
同時に動作しているほかのアプリケーションなどの関係,またはリソースの物理的不足によって,実行支援に必要なメモリが不足した。
(S)処理を終了する。
(P)・ほかのアプリケーションを終了するか,PCを再起動する。
・PC上のリソースの見直し,スワップ領域の見直しおよびメモリの増設などをする。
8
16436
(4034)16
仮想端末と物理マップのデバイス種別が一致していない。
原因としては,次のことが考えられる。
  • 帳票用の仮想端末に画面用の物理マップを指定した。
  • 物理マップのマップ名称をエクスプローラなどで変更した。
  • 物理マップが壊れている。
  • XMAP3インストールフォルダ下のETCフォルダのX3MWCONFファイルがない,または空ファイルになっている。
(S)処理を終了する。
(P)
・APで指定している仮想端末と物理マップのデバイス種別が一致することを確認し,再コンパイル・再実行する。
・物理マップを再作成して,APを再実行する。
・X3MWCONFファイルがないまたは空ファイルの場合は,アンインストール後に再インストールする。
8
20480
(5000)16
XMAP3の定義ファイルの内容とC/Sシステム環境での通信関係の設定が不正である。
(P)OSでのネットワーク構成との不整合が生じたことによる障害が考えられる。サーバ,クライアントおよびOSをすべて終了し,再起動する。
8
20484
(5004)16
同時に動作しているほかのアプリケーションなどの関係,またはリソースの物理的不足によって,印刷サービスの実行時に必要なメモリが不足した。
(P)・ほかのアプリケーションを終了するか,PCを再起動する。
・PC上のリソースを見直し,メモリの増設などを行う。
8
20485
(5005)16
C/Sシステム環境での通信処理で,回復不能エラーが発生した。同時に動作しているほかのアプリケーションなどの関係で,PC上のリソース(主にメモリ)が不足したことが考えられる。また,LANの回線上で障害,データ化けが発生したことが考えられる。
(P)ほかのアプリケーションを終了するか,PCを再起動する。
8
20487
(5007)16
何らかの原因でデータ化けが発生したことによって,物理マップ中のバージョン情報が破壊されている。
(P)物理マップを再作成して,アプリケーションを再実行する。
8
20489
(5009)16
プリンタが利用できない,プリンタ/サービス名が定義されていない,またはXMAP3内部処理で何らかの異常が発生したことによって,印刷サービスのプログラムが停止した。
(P)
・Windows上でプリンタが使用できるか確認し,プリンタの障害を取り除いてから再実行する。
・表示・印刷セットアップで指定したプリンタ名が正しいか確認し,再実行する。
・ほかのアプリケーションがプリンタを使用していないかを確認し,アプリケーションを終了して再実行する。
・システム的な要因が原因である(システムリソースの異常・ほかのアプリケーションでの異常)ことが考えられる。PCを再起動・再実行する。
8
20493
(500D)16
XMAP3内部処理で何らかの異常が発生したため,サーバ内のプログラムに論理矛盾が起きた。
(P)システム的な要因が原因である(システムリソースの異常・ほかのアプリケーションでの異常)ことが考えられる。PCを再起動・再実行する。
8
20505
(5019)16
別プログラムでプリンタを使用中のため,印刷できなかった。または,スタンドアロン印刷で,同時に複数のプリンタオープンをした。
(P)プリンタが使用されていないことを確認し,再度印刷要求をする。スタンドアロン印刷の場合に複数のプリンタオープンをしている場合には,同時に複数のプリンタオープンをしないようにアプリケーションを変更する。
8
20507
(501B)16
用紙切れ,電源OFFなどのプリンタ障害,Windows上で印刷に必要なサービスが停止するなどの障害が発生した。
(P)プリンタ,およびWindows上の印刷障害を取り除いてから,再度印刷要求を行う。
8
20508
(501C)16
TCP/IPによる通信処理で何らかの障害が発生した。または,インストールの失敗によって,印刷に必要なモジュールが格納されてない。
(P)
・1回も動作していない場合は,TCP/IP関連の設定環境を見直す。動作中に発生した場合は,相手WS・PCの状態を確認し,APを再実行する。
・既存のモジュールをアンインストールし,再度インストールをする。
8
20514
(5022)16
印刷サービスが利用できない。
  • 1台のプリンタの構成の場合,出力先プリンタを「通常使うプリンタ」に設定していない。
  • 複数台の構成の場合,表示・印刷セットアップで設定したプリンタデバイス名と,仮想端末名ファイル中のプリンタ仮想端末のサービス名称が一致していない。
  • 出力する仮想端末のPCが起動していないため,XMAP3が動作していない。
  • 出力する仮想端末関連の定義が不正なため,XMAP3の表示・印刷サービスが起動されていない。
  • 仮想端末名ファイルと表示・印刷セットアップの定義情報が不一致。
  • サービス名ファイルと,表示・印刷セットアップの定義情報が不一致。
(P)・出力先プリンタを「通常使うプリンタ」に設定する。
・表示・印刷セットアップで定義したプリンタデバイス名称と仮想端末名ファイル中のサービス名称を一致させる。
・出力先のPCを起動する。
・C/Sセットアップを実行し,表示・印刷セットアップでAPから指定している仮想端末名のサービス名称を一致させてから,APを再実行する。
8
20515
(5023)16
C/Sシステム環境の場合,印刷サービスが存在する環境のXMAP3と,APが動作している環境のXMAP3のバージョンが不整合である。
(P)それぞれインストールされているXMAP3のバージョンを確認し,整合性のあるバージョンになるようにインストールし直す。基本的にXMAP3間では同一バージョンを利用する。また,WSとのC/Sシステム構成の場合,前提となるWS側のバージョンはReadmeを参照する。
8
20516
(5024)16
XMAP3の出力処理中に,WindowsまたはXMAP3の内部で回復不能なエラーが発生した。
(P)システム的な要因が原因である(システムリソース不足,プリントマネージャの異常検知など)ことが考えられる。PCを再起動し,再実行する。または,印刷処理の場合は,出力プリンタを確認し,再実行する。
8
24576
(6000)16
jsvwadrv関数を実行時,指定したパラメタが不正である(誤った論理マップ名称の指定など)。
(S)処理を終了する。
(P)AP中のjsvwadrv関数を発行している処理で指定したパラメタが正しいかを見直し,再コンパイル後,再実行する。
8
24577
(6001)16
jsvwadrv関数の発行順序が不正である(OPEN要求を行わずにほかの要求を行った)。
(S)処理を終了する。
(P)AP中の jsvwadrv関数を発行している処理で発行順序が正しいかを見直し,再コンパイル後,再実行する。
8
24578
(6002)16
仮想端末名ファイルの内容に下記の不正がある。
  • APで設定している仮想端末名称が定義されていない。
  • 1行の終わりに改行が設定されていない。
  • 1行が511バイトを超えている。
  • ファイルサイズが32,767バイトを超えている。
  • 下記の各パラメタが形式外
    仮想端末名:8文字以内,先頭は英字,英数字を使用
    デバイス:指定できる文字は固定
    サーバホスト名称:32文字以内
    サーバサービス番号:5文字以内,数字を使用,1024~65535の範囲
    サービス名称:40文字以内,半角文字を使用
    環境定義ファイル名称:64文字以内
(S)処理を終了する。
(P)APで設定した仮想端末名を見直す。または仮想端末定義ファイルの設定内容を見直し,再実行する。
8
24579
(6003)16
ファイルシステム容量不足や,何らかの原因によって,ログファイルのアクセス中にエラーが発生した。
(S)処理を終了する。
(P)・ほかのアプリケーションを終了するか,PCを再起動する。
・ログファイルを出力するために指定したフォルダが書き込み可能であるかを確認する。
8
24580
(6004)16
仮想端末名ファイルのオープン処理または物理マップロード中に必要なメモリが不足した。
(S)処理を終了する。
(P)ほかのアプリケーションを終了するか,PCを再起動する。
8
24581
(6005)16
仮想端末名ファイルをアクセス中に入出力エラーが発生した。
(S)処理を終了する。
(P)・仮想端末名ファイルが読めるかを確認し,再実行する。
・読めない場合は,アンインストール後に再インストールする。
8

書式オーバレイ印刷で使用する関数のリターンコードとエラー詳細コードを次の表に示します。

表中の記号(P)は,プログラマの処置を意味します。

表E-2 関数のリターンコードとエラー詳細コード

関数名称リターンコード
(lcomrc)
エラー詳細コード(lcomerr)要因および対処
エラー詳細
jstqlopn 8JSTQ_MAPSVNAME268435458
(10000002)16
入出力制御関連エラー:指定されたサービス名称が未登録である,または対応する印刷サービスが動作していない。
(P)サービス名称を確認して再実行する。
 8JSTQ_MAPSRVOFF268435489
(10000003)16
入出力制御関連エラー:印刷サービスが起動されていない。
(P)サービス名称を確認して再実行する。
jstqlpag
jstqlopn
 8JSTQ_NOPMOD65538
(00010002)16
行制御データファイルがない。
(P)・指定したフォルダに行制御データファイルを格納する。
・環境変数XMAP3_FMPを指定している場合,環境変数に指定した名称と同じ行制御データファイルが存在するかを確認する。
 8JSTQ_PMODERR65539
(00010003)16
行制御データファイルが不正である。
(P)正しい行制御データファイルを指定する。
 8JSTQ_IOERRP65540
(00010004)16
I/Oエラーが発生した。
(P)ディスクおよび行制御データファイルの状態を調査する。
jstqldat
jstqlctp
 8JSTQ_LDATL16777221
(01000005)16
指定できる行データの長さが制限を超えた。
(P)行送りなどを指定して,1行当たりのデータを少なくして再実行する。
JSTQ_HDATL1048581
(00100005)16
jstqlctp 8JSTQ_CVALERR16777220
(01000004)16
文字列制御情報の指定が不正である。
(P)文字サイズ,文字の間隔などの指定を確かめる。
各関数
共通
 8JSTQ_PARMH1048577
(00100001)16
パラメタエラーが発生した。
(P)パラメタを確認して再実行する。
JSTQ_PARML16777217
(01000001)16
 8JSTQ_LOGERR1048578
(00100002)16
ログファイルのアクセス中にエラーが発生した。
(P)ディスクおよびログファイルの状態を調査する。
 8JSTQ_HDOFNOAR1048579
(00100003)16
エリアの確保時にメモリ不足が発生した。
(P)ほかの処理を終了させ,メモリを空けて再実行する。
JSTQ_LDOFNOAR16777219
(01000003)16
 8JSTQ_ABNDPMOD65541
(00010005)16
ページ制御でエラーを検出した。
(P)ログファイルを出力して原因を調査する。
 8JSTQ_NOFORM65542
(00010006)16
書式が存在しない。
(P)AP環境ファイルで指定したフォルダに書式を作成する。
 8JSTQ_HNOPN1048582
(00100006)16
書式機能がオープンされていない。
(P)関数の呼び出し順序を確認する。
JSTQ_LNOPN16777222
(01000006)16
 8JSTQ_FORMVERR1048583
(00100007)16
実行環境のXMAP3より上位のバージョンで作成された書式マップは使用できない。
(S)処理を終了する。
(P)実行環境のXMAP3バージョンを,書式マップの作成時に使用したXMAP3と同じバージョンにし,アプリケーションを再実行する。
 8JSTQ_PMODVERR65543
(00010007)16
実行環境のXMAP3より上位のバージョンで作成された行制御データファイルは使用できない。
(S)処理を終了する。
(P)実行環境のXMAP3バージョンを,行制御データファイルの作成時に使用したXMAP3と同じバージョンにし,アプリケーションを再実行する。
 8JSTQ_MAPNOAR268435460
(10000004)16
入出力制御関連エラー:エリア確保時にメモリ不足が発生した。
(P)ほかの処理を終了させ,メモリを空けて再実行する。
 8JSTQ_MAPERR268435461
(10000005)16
入出力制御関連エラー:サービス名称がない,または入出力制御内で論理矛盾などが発生した。
(P)・表示・印刷セットアップで指定したプリンタ名が正しいか確認し,再実行する。
・ログファイルを出力して原因を調査する。
 8JSTQ_MAPIERR268435462
(10000006)16
入出力制御関連エラー:プリンタがほかで使用中のため,排他エラーが発生した。または,スタンドアロン印刷の場合,同時に複数のプリンタオープンを行った。
(P)プリンタの状態を確認して再実行する。スタンドアロン印刷の場合に複数のプリンタオープンを行っている場合には,同時に複数のプリンタオープンを行わないようにアプリケーションを変更する。
 8JSTQ_MAPERPR268435466
(1000000A)16
入出力制御関連エラー:プリンタで障害が発生した。
(P)プリンタの状態を確認して障害を回復後,再実行する。
 8JSTQ_MAPSYSC268435467
(1000000B)16
入出力制御関連エラー:システムコールエラーが発生した。
(P)ログファイルを出力して原因を調査する。
 8JSTQ_MAPDOWN268435468
(1000000C)16
入出力制御関連エラー:サービス名称がない,または通信路が切断された。
(P)・表示・印刷セットアップで指定したプリンタ名が正しいか確認し,再実行する。
・印刷サービスを起動し直して再実行する。

COBOLアプリケーションでWRITE文を使用する場合に出力される,COBOLメッセージとXMAP3のエラーコードの対応を次の表に示します。次の表から対応するエラーコードの要因と対処方法を確認してください。

なお,KBTQ523-Eが出力された場合,KBTQ523-Eのエラー出力より前に,ほかのエラーが発生していないかどうかを確認してください。

表E-3 COBOLメッセージとXMAP3のエラーコードの対応表

COBOLメッセージXMAP3エラーコード
KBTQ501-Eフィールド制御情報が不正です(01000004)16
KBTQ502-E1行内のデータが多すぎます(01000005)16
KBTQ503-Eパラメタ不正 (01000001)16
(00100001)16
KBTQ504-Eログファイルアクセスエラー (00100002)16
KBTQ505-Eメモリ不足が発生しました(01000003)16
(00100003)16
KBTQ506-Eページ制御でエラーが発生しました
(エラーコード,エラー詳細コード)
(00010005)16
KBTQ508-E行配置情報が存在しません(00010002)16
KBTQ509-E行配置情報が不正です(00010003)16
KBTQ510-EI/Oエラーが発生しました(00010004)16
KBTQ513-E入出力制御サーバが起動されていません(10000003)16
KBTQ514-E入出力制御でメモリ不足が発生しました(10000004)16
KBTQ515-E入出力制御でエラーが発生しました
(エラーコード,エラー詳細コード)
(10000005)16
KBTQ516-E指定されたプリンタは使用できません(10000006)16
KBTQ520-Eプリンタに障害が発生しました(1000000A)16
KBTQ521-E入出力制御との通信路が切断されました(1000000C)16
KBTQ522-E入出力制御でシステムコールエラーが発生しました(1000000B)16
KBTQ523-E書式機能がオープンされていません(01000006)16
KBTQ524-E書式が存在しません(00010006)16
KBTQ526-E上位のバージョンで作成された書式マップは使用できません(00100007)16
KBTQ527-E上位のバージョンで作成された行制御データファイルは使用できません
(行制御データファイルVR:xx-xx-xx)
(00010007)16