1.6.1 帳票設計の基本用語の説明
(1) 用紙設計に関する用語
用紙設計に関する用語を説明します。
- 用紙の種類
A4やB5など一枚の紙になっているカット紙と,各ページの境がミシン目になってつながっている連続紙があります。カット紙は,ページプリンタおよびシリアルインパクトプリンタ両方で利用できます。連続紙は,シリアルインパクトプリンタでだけ使用できます。
![[図データ]](figure/zu010400.gif)
- 先頭印刷位置
プリンタで決まっている,最初の文字を左上に印刷できる位置です。印刷できる基準点は,この位置です。
- マージン
ページプリンタで,用紙に穴などを開けることを想定して設定しておく余白のことです。用紙の左上を基点にしてマージンを設定し,レイアウト開始位置をずらせます。ユーザが設定するマージンを,単にマージンまたはソフトマージンといいます。これに対し,プリンタドライバおよびプリンタ装置ごとに,ハードマージンと呼ばれるハード機構上,印刷できない領域があります。このハードマージンの値よりも小さいマージンを設定すると,ハードマージンが有効になるので,注意してください。
なお,ハードマージンは,GDI使用時にはプリンタドライバが持つ値となり,PDLスルー使用時にはプリンタ装置が持つ値となります。また,PDFファイル出力時には,ハードマージンがないため,指定したマージン値がそのまま有効になります。
- オフセット
シリアルインパクトプリンタで,用紙に穴などを開けることを想定して設定しておく余白(ソフトウェア的に設ける)のことです。ハードマージンを基点としてレイアウト開始位置をずらせます。XMAP3では,1ます目から,レイアウト領域の範囲内でオフセット値を指定できます。
- 印字領域
ハードウェアまたはドライバに依存し,用紙上に印刷できる矩形領域(ハードウェアマージンを除いた領域)です。ページプリンタの場合,用紙の左上(マージンで設定した開始位置)から用紙の右下(ハードマージンで設定した終了位置)までの矩形を示します。
レイアウト領域がこの印字領域よりも大きい場合,はみ出した部分は印刷されないことがあります。帳票定義時には,用紙サイズとマージンおよびオフセットの関係を考慮して,印字領域からはみ出さないようにレイアウト領域を設定する必要があります。
- レイアウト領域
ドローを使用してオブジェクトを配置する領域です。オフセットとユーザが設定したマージン値(ソフトマージン)を除いた領域になります。
(2) レイアウト領域の設定に関する用語
- グリッド
ドローのレイアウト領域に表示される点線です。レイアウト領域にオブジェクトを配置する位置を決める基準になります。
基準には,ます目単位とスケール単位があります。
![[図データ]](figure/zu010500.gif)
- スケール単位(書式オーバレイ,グラフィック帳票,およびプレプリント帳票に有効)
行や列に関係なく,オブジェクトを自由に配置するための単位です。mm,ドット,およびます目があります。
- ます目単位
ます目は,行列単位ともいいます。ある行のある列を一つのます目といい,そのます目は,CPIとLPIなどの矩形を1ますとします。そのため,ドローでは,このます目を(LPI×CPI)の組み合わせで指定します。ます目単位は,キャラクタベースで配置するときに使用します。
![[図データ]](figure/zu010600.gif)
- LPI(Line Per Inch)
LPIは,ます目の高さ(行間隔)です。XMAP3で「ます目の設定」を「自由な設定」にした場合,けい線帳票は6または8LPIから,網掛け帳票は3,4,6,8LPIの中から選びます。また,グラフィック帳票と書式オーバレイは,3,4,6,8,10,12LPIの中から選びます。
例えば,8LPIは25.4mm(1インチ)当たりが8行になります。
- CPI(Character Per Inch)
CPIは,ます目の幅です。CPIを指定すると,自動的に文字サイズと文字間隔が決まります。
例えば,10CPIと設定すると,25.4mm(1インチ)当たりに10文字格納するための文字サイズおよび文字間隔が設定されます。
また,10,12,15CPI以外に,文字サイズと文字間隔を組み合わせて,1ますの幅を決定できます。
- 基準文字サイズ
ます,またはスケール単位を使用したときに関係なく,レイアウト領域に配置する文字サイズのデフォルト値を基準文字サイズといいます。