8.2.4 COBOL開発マネージャを使用したコンパイル実行のポイント

COBOL開発マネージャを使用したコンパイルと実行のポイントについて説明します。

<この項の構成>
(1) COBOL開発マネージャの概要
(2) コンパイル時のポイント
(3) リンケージ時のポイント
(4) 実行時のポイント
(5) XMAP3で使用できる日立COBOL

(1) COBOL開発マネージャの概要

COBOL開発マネージャは,日立COBOLから提供されているCOBOLプログラムの統合的な開発環境です。COBOLでAPを開発するときに必要なCOBOLソースや登録集原文などの資産をその依存関係に従って管理し,コンパイルなどの作業を自動化します。

注※
ただし,書式オーバレイの場合,論理マップは生成されないため,マップの資産管理はできません。

COBOL開発マネージャを使用する場合,次の手順でAPを作成します。

  1. プロジェクトの作成
  2. ビルド,リビルド

次に,それぞれの手順について説明します。

(a) プロジェクトの作成

COBOL開発マネージャでは,一つの.exeまたは.dllファイルの開発単位を「プロジェクト」と呼んでいます。COBOL開発マネージャを使用してAPを作成する場合,このプロジェクトを定義する必要があります。

(b) ビルド,リビルド

ソースファイル名を指定し,コンパイルとリンケージをします。

その方法として,タイムスタンプ(ファイル作成/修正日時)の前後関係に基づいてコンパイルとリンケージをする「ビルド」があります。例えば,「実行ファイルの作成/修正日時」より実行ファイルが取り込んでいる「COBOLソースの作成/修正日時」の方が新しい場合にコンパイルとリンケージが実行されます。

また,タイムスタンプには関係なくコンパイルとリンケージをする「リビルド」もあります。

(2) コンパイル時のポイント

XMAP3と連携するためのコンパイラオプションを指定します。COBOL2002またはCOBOL85を使用している場合,指定が必要なコンパイラオプションを次に示します。

COBOL2002の場合
-XMAP,LinePrint:書式オーバレイや印刷制御機能を利用できるようにするオプション
COBOL85の場合
-Ks:書式オーバレイや印刷制御機能を利用できるようにするオプション

(3) リンケージ時のポイント

インポートライブラリ/ユーザ指定ライブラリに,次に示すファイルを指定する必要があります。

COBOL2002,COBOL85 Version 7およびVersion 6の場合
XMAP3インストール先¥LIB¥x3klib32.lib
COBOL85 Version 5.0の場合
XMAP3インストール先¥LIB¥V3Compatible¥x3klib32.lib

(4) 実行時のポイント

(a) 書式データファイルおよび行制御データファイルの格納

APを実行する前に,書式データファイル(.fmp)と行制御データファイル(.pci)を実行可能ファイルと同じフォルダに格納してください。

また,表示・印刷セットアップでマップパスを指定する方法もあります。マップパスの指定については,マニュアル「XMAP3 開発・実行ガイド」を参照してください。

(b) COBOLでの環境変数の指定

XMAP3で使用するプリンタの識別名称(印刷サービス名称)を,COBOLの環境変数によって指定します。指定形式を次に示します。

[図データ]

(c) 形式の説明
  1. 外部装置名
    COBOLソース中のSELECT句で宣言したプリンタ出力用ファイルのASSIGN句で指定した名称です。
  2. 印刷サービス名称
    スタンドアロン環境でプリンタマネージャの標準プリンタを使用する場合は表示・印刷セットアップの「プリンタ」タブの印刷モードに,ページプリンタ用として定義したサービス名称を指定します。C/Sシステム環境では,C/Sセットアップの印刷サービス名と同じ名称を指定します。

(5) XMAP3で使用できる日立COBOL

XMAP3で使用できる日立COBOLは,COBOL2002,COBOL85 Version 5.0,Version 6,およびVersion 7です。ただし,使用できる日立COBOLは,OSによって異なります。XMAP3で使用できる日立COBOLを,OSごとに次の表に示します。

表8-4 使用できる日立COBOL

OS名COBOL2002COBOL85
Version 5.0Version 6Version 7
Windows 95××
Windows 98※1
Windows Me×※2
Windows NT 4.0
Windows 2000×※3
Windows XP××
Windows Server 2003※4×××
Windows Server 2003 x64※4×××
(凡例)
○:使用できる。
×:使用できない。
注※1
使用できるバージョンは05-01以降となります。
注※2
使用できるバージョンは06-03以降となります。
注※3
使用できるバージョンはOSによって異なります。
・Windows 2000 Server,およびWindows 2000 Professional:06-01以降
・Windows 2000 Advanced Server:06-03以降
・Windows 2000 Datacenter Server:06-04以降
注※4
使用できるバージョンの詳細については,関連するプログラムプロダクトでご確認ください。