COBOL開発マネージャを使用したコンパイルと実行のポイントについて説明します。
COBOL開発マネージャは,日立COBOLから提供されているCOBOLプログラムの統合的な開発環境です。COBOLでAPを開発するときに必要なCOBOLソースや登録集原文などの資産を依存関係に従って管理し,コンパイルなどの作業を自動化します。
COBOL開発マネージャを使用する場合,次の手順でAPを作成します。
次に,それぞれの手順について説明します。
COBOL開発マネージャでは,一つの.exeまたは.dllファイルの開発単位を「プロジェクト」と呼んでいます。COBOL開発マネージャを使用してAPを作成する場合,このプロジェクトを定義する必要があります。
COBOL開発マネージャでは,プロジェクトで作成される実行のファイル(.exe,または.dll)やそれを構成する要素を「資産」と呼んでいます。また,COBOL開発マネージャでは,その依存関係を定義する必要があります。
資産の依存関係を定義すると,COBOL開発マネージャではどのように表されるかを次の図に示します。
図7-6 COBOL2002,COBOL85 Version 7およびVersion 6の場合
図7-7 COBOL85 Version 5.0の場合
COBOL開発マネージャでは,「7.2.5(1)(b) 資産の登録,定義」で定義した資産の依存関係に基づいてコンパイルとリンケージをします。
その方法として,各資産の依存関係とタイムスタンプ(ファイル作成/修正日時)の前後関係に基づいてコンパイルとリンケージをする「ビルド」があります。例えば,「実行ファイルの作成/修正日時」より実行ファイルが取り込んでいる「COBOLソースの作成/修正日時」の方が新しい場合にコンパイルとリンケージが実行されます。
また,タイムスタンプには関係なくコンパイルとリンケージをする「リビルド」もあります。
指定が必要なコンパイラオプションを次に示します。
APを分割してコンパイルするときは,コンパイル単位でXMAP3のオープン・クローズ要求が毎回発行されないようにします。日立COBOLでは,日立COBOLの実行支援の環境変数で,「CBLTERMSHAR=YES」を指定して,オープンを各プログラムで引き継ぐようにします。「CBLTERMSHAR=YES」は,SENDインタフェースのときだけ有効です。CALLインタフェースでは無効になります。
なお,使用できる日立COBOLについては,「7.2.5(5) XMAP3で使用できる日立COBOL」を参照してください。
インポートライブラリ/ユーザ作成ライブラリに次のファイルを指定します。
コンパイル環境(CALL文のインタフェースを使用するAPの場合は,リンケージ環境)のPCには,XMAP3の開発環境をインストールしておく必要があります。
APを実行する前に,物理マップを実行可能ファイルと同じフォルダに格納してください。
また,マップパスを指定する方法もあります。マップパスの指定については,マニュアル「XMAP3 開発・実行ガイド」を参照してください。
XMAP3で使用できる日立COBOLは,COBOL2002,COBOL85 Version 5.0,Version 6,およびVersion 7です。ただし,使用できる日立COBOLは,OSによって異なります。XMAP3で使用できる日立COBOLを,OSごとに次の表に示します。
表7-9 使用できる日立COBOL
OS名 | COBOL2002 | COBOL85 | ||
---|---|---|---|---|
Version 5.0 | Version 6 | Version 7 | ||
Windows 95 | × | ○ | ○ | × |
Windows 98 | ○ | ○※1 | ○ | ○ |
Windows Me | ○ | × | ○※2 | ○ |
Windows NT 4.0 | ○ | ○ | ○ | ○ |
Windows 2000 | ○ | × | ○※3 | ○ |
Windows XP | ○ | × | × | ○ |
Windows Server 2003 | ○※4 | × | × | × |
Windows Server 2003 x64 | ○※4 | × | × | × |