4.4.2 使用目的別データ型

画面定義で貼り付けるオブジェクト(入出力テキスト,入出力フィールドなど)の標準属性を変更できます。標準属性とは,画面定義で個々のオブジェクトの表示属性をドローのダイアログで指定しなかった場合に,仮定する値です。ただし,ドローのダイアログで使用目的を変更した場合は仮定されません。

また,この属性によって,画面入力の際の入力データチェックの方法も決まります。APでの入力データのチェック方式が標準属性によるものでは不都合がある場合に変更してください。

画面定義で貼り付けるデータ入力用のオブジェクトは,その使用目的(数字,金額,日本語など)によってAP実行時に画面から入力できるデータが決まっています。また,データ出力用のオブジェクトについては,その使用目的によってCOBOL論理マップに展開されるデータ形式が異なります。

こうした仕様は,使用目的別の属性によって決まっていますので,この属性を変更すると,必要に応じて仕様を変更できます。例えば,使用目的が日本語の入出力テキストで,漢字以外のデータ入力を許したくない場合などは,APが受け取る項目のデータ型を「漢字」にしておけば画面入力時にデータチェックされますので,APで入力文字のチェックをしなくて済みます。ただし,個々のオブジェクトについては,画面・帳票定義で別々に属性変更ができますので,ここでは定義時に変更されなかった場合の標準属性を変更するだけです。

<この項の構成>
(1) キーエントリのオブジェクトの使用目的別データ型を変更する
(2) ラベルのオブジェクトの使用目的別データ型を変更する
(3) 選択エントリのオブジェクトの使用目的別データ型を変更する

(1) キーエントリのオブジェクトの使用目的別データ型を変更する

キーエントリに分類されるオブジェクト(入出力テキスト/フィールド)の使用目的別の論理マップ展開形式,入力データのチェック方式を変更するときは,[使用目的別データ型]ダイアログの[キーエントリ]タブを選択します。

[図データ]

変更したい使用目的別のデータ型,埋字,および桁寄せを選択して,標準属性を変更できます。変更するときは,使用目的の各ドロップダウンリストから任意の指定を選択し,[OK]ボタンをクリックします。入出力テキスト/フィールドの使用目的別の標準設定での標準属性と仕様を表4-8に,変更できる標準属性と仕様を表4-9に示します。

表4-8 標準設定での標準属性と仕様(キーエントリ)

使用目的標準属性仕様
データ型埋字桁寄せ論理マップ
展開
画面入力
可能データ
数字I99999ゼロ右寄せPIC 9…9数字,記号
(:;<=>?()*,./-+)
O99999ゼロ右寄せPIC 9…9
金額I99999ゼロ右寄せPIC 9…9数字
O99999ゼロ右寄せPIC 9…9
数値I99999ゼロ右寄せPIC 9…9数字
O99999ゼロ右寄せPIC 9…9
日本語文字(XX)スペース左寄せPIC X(長さ)ANK文字,
全角文字
カナ文字(XX)スペース左寄せPIC X(長さ)カナ,英数字
英数文字(XX)スペース左寄せPIC X(長さ)英数字
日付テキスト/フィールド99999PIC 9…9数字
時刻テキスト/フィールド99999PIC 9…9数字
(凡例)
I:APが受け取る項目。
O:APが渡す項目。
-:なし。
注※
入出力テキスト・入出力フィールドの使用目的です。

表4-9 変更できる標準属性と仕様(キーエントリ)

使用目的変更できる属性の組み合わせ仕様
データ型埋字桁寄せ論理マップ
展開
画面入力
可能データ
数字1I文字(XX)スペース
LOW(X'00')
HIGH(X'FF')
埋めない
右寄せPIC X(長さ)数字,
記号(+-.)
左寄せPIC X(長さ)数字,記号
(:;<=>?()*,./+-)
99999ゼロ右寄せPIC 9…9数字,空白,
記号(¥*,+-.)
O文字(XX)スペース
LOW(X'00')
HIGH(X'FF')
埋めない
右寄せPIC X(長さ)
左寄せPIC X(長さ)
99999ゼロ右寄せPIC 9…9
ZZZZ9PIC Z…Z9
金額1I文字(XX)ゼロ右寄せPIC X(長さ)数字
99999PIC 9…9
999V9PIC 9…V9数字,記号(.)
99V99PIC 9…V99
9V999PIC 9V9…9
V9999PIC V9…9
S99999PIC S9…9数字,記号(+-)
S999V9PIC S9…V9数字,記号(+-.)
S99V99PIC S9…V99
S9V999PIC S9V9…9
SV9999PIC SV9…9
O文字(XX)ゼロ右寄せPIC X(長さ)
99999PIC 9…9
999.9PIC 9…V9
99.99PIC 9…V99
9.999PIC 9V9…9
.9999PIC V9…9
-99999PIC -9…9
-999.9PIC 9…V9
-99.99PIC 9…V99
-9.999PIC 9V9…9
-.9999PIC V9…9
数値1I文字(XX)ゼロ右寄せPIC X(長さ)数字
99999PIC 9…9
999V9PIC 9…V9数字,記号(.)
99V99PIC 9…V99
9V999PIC 9V9…9
V9999PIC V9…9
S99999PIC S9…9数字,記号(+-)
S999V9PIC S9…V9数字,記号(+-.)
S99V99PIC S9…V99
S9V999PIC S9V9…9
SV9999PIC SV9…9
O文字(XX)ゼロ右寄せPIC X(長さ)
99999PIC 9…9
数字編集PIC ピクチャ文字
日本語1文字(XX)スペース左寄せPIC X(長さ)ANK文字,
全角文字
LOW(X'00')
HIGH(X'FF')
埋めない
漢字(NN)2スペース左寄せPIC N(長さ)全角文字
LOW(X'00')
HIGH(X'FF')
埋めない
漢字(XX)
23
スペース左寄せPIC X(長さ)全角文字
LOW(X'00')
HIGH(X'FF')
埋めない
カナ1文字(XX)スペース
LOW(X'00')
HIGH(X'FF')
埋めない
右/左
寄せ
PIC X(長さ)カナ,英数字
英数1文字(XX)スペース
LOW(X'00')
HIGH(X'FF')
ゼロ
埋めない
右/左
寄せ
PIC X(長さ)英数字
入出力日付
テキスト/
フィールド
文字(XX)PIC X(長さ)英数字
99999PIC 9…9数字
入出力時刻
テキスト/
フィールド
文字(XX)PIC X(長さ)英数字
99999PIC 9…9数字
(凡例)
I:APが受け取る項目。
O:APが渡す項目。
-:なし。
注※1
入出力テキスト・入出力フィールドの使用目的です。
注※2
埋字でスペースを指定した場合は,1文字につき半角スペースが二つ埋められます。
注※3
CUI画面の入出力フィールドの場合にだけ指定できます。

(2) ラベルのオブジェクトの使用目的別データ型を変更する

ラベルに分類されるオブジェクト(出力テキスト・フィールド,出力日付時刻テキスト/出力日付時刻フィールド)の使用目的別の論理マップ展開形式を変更するときは,[使用目的別データ型]ダイアログの[ラベル]タブを選択します。

[図データ]

変更したい使用目的別のデータ型,埋字,および桁寄せを選択して,標準属性を変更できます。変更するときは,使用目的の各ドロップダウンリストから任意の指定を選択し,[OK]ボタンをクリックします。使用目的別の標準設定での標準属性と仕様を表4-10に,変更できる標準属性と仕様を表4-11に示します。

表4-10 標準設定での標準属性と仕様(ラベル)

使用目的標準属性仕様
データ型埋字桁寄せ論理マップ展開
出力テキスト・
フィールド
数字99999ゼロ右寄せPIC 9…9
日本語文字(XX)スペース左寄せPIC X(長さ)
英数文字(XX)スペース左寄せPIC X(長さ)
出力日付時刻
テキスト/
出力日付時刻フィールド
日付99999PIC 9…9
時刻99999PIC 9…9
(凡例)
-:なし。

表4-11 変更できる標準属性と仕様(ラベル)

使用目的変更できる属性の組み合わせ仕様
データ型埋字桁寄せ論理マップ展開
出力テキスト・
フィールド
数字文字(XX)スペース
LOW(X'00')
HIGH(X'FF')
埋めない
右/左
寄せ
PIC X(長さ)
99999ゼロ右寄せPIC 9…9
数字編集ゼロ右寄せPIC ピクチャ文字
日本語文字(XX)スペース
LOW(X'00')
HIGH(X'FF')
埋めない
左寄せPIC X(長さ)
漢字(NN)スペース
LOW(X'00')
HIGH(X'FF')
埋めない
左寄せPIC N(長さ)
漢字(XX)スペース
LOW(X'00')
HIGH(X'FF')
埋めない
左寄せPIC X(長さ)
英数文字(XX)スペース
LOW(X'00')
HIGH(X'FF')
ゼロ
埋めない
右/左
寄せ
PIC X(長さ)
出力日付時刻
テキスト/
出力日付時刻
フィールド
日付文字(XX)PIC X(長さ)
99999PIC 9…9
時刻文字(XX)PIC X(長さ)
99999PIC 9…9
(凡例)
-:なし。

(3) 選択エントリのオブジェクトの使用目的別データ型を変更する

選択エントリに分類されるオブジェクト(ポップアップ/コンボボックス,スピンボックス)の使用目的別の論理マップ展開形式,入力データのチェック方式を変更するときは,[使用目的別データ型]ダイアログの[選択エントリ]タブを選択します。なお,この設定は,定義対象がGUI画面の場合だけ有効になります。

[図データ]

変更したい使用目的別のデータ型,および桁寄せを選択して,標準属性を変更できます。変更するときは,使用目的の各ドロップダウンリストから任意の指定を選択し,[OK]ボタンをクリックします。使用目的別の標準設定での標準属性と仕様を表4-12に,変更できる標準属性と仕様を表4-13に示します。

表4-12 標準設定での標準属性と仕様(選択エントリ)

使用目的標準属性仕様
データ型埋字桁寄せ論理マップ
展開
画面入力
可能データ
ポップアップ/
コンボボックス
文字(XX)スペース左寄せPIC X(長さ)ANK文字,
全角文字
スピンボックス数値99999ゼロ右寄せPIC 9…9数字

表4-13 変更できる標準属性と仕様(選択エントリ)

使用目的標準属性仕様
データ型埋字桁寄せ論理マップ展開画面入力
可能データ
ポップアップ/
コンボボックス
文字(XX)スペース
LOW(X'00')
HIGH(X'FF')
埋めない
左寄せPIC X(長さ)ANK文字,
全角文字
スピンボックス数値文字(XX)ゼロ右寄せPIC X(長さ)数字
99999PIC 9…9数字
数字編集