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5.1 セキュリティ管理の概要

EUR Print Managerでは,蓄積管理ユーザ定義を使用して,蓄積管理GUI上で蓄積ファイルを操作するときのセキュリティを管理できます。蓄積管理ユーザ定義には,蓄積ファイルを操作するユーザー(蓄積管理ユーザ)ごとに,アクセスできる蓄積ファイルの条件を定義します。

蓄積管理ユーザ定義には,次の情報を定義します。

<この節の構成>
(1) 定義する情報とアクセス制限との関係
(2) 定義方法
(3) 注意事項

(1) 定義する情報とアクセス制限との関係

蓄積ファイルに指定した蓄積管理ユーザ名と確認キーが,蓄積管理ユーザ定義の定義内容と一致すると,条件に一致する蓄積ファイルにアクセスできます。

存在しない蓄積管理ユーザ名を指定した場合,または蓄積管理ユーザ名と確認キーが蓄積管理ユーザ定義の内容と一致しなかった場合は,デフォルト蓄積管理ユーザとして蓄積ファイルにアクセスします。デフォルト蓄積管理ユーザとは,アクセス制限の対象としない蓄積ファイルにアクセスするための最低限の権限を持つ蓄積管理ユーザのことです。

例えば,蓄積管理ユーザ定義を表5-1のように定義します。

表5-1 蓄積管理ユーザ定義の定義例

蓄積管理ユーザ名※1 アクセス制限方式 アクセスを許可する属性情報※2 蓄積管理ユーザ名が一致する蓄積ファイルの場合 アクセスを許可する分類名がジョブ検索キーに設定されていない場合
分類名 キー値
管理者 分類 公開先 部内
社内
×
リーダー 分類 公開先 社内
(凡例)
○:アクセスできるようにします。
△:蓄積管理ユーザ名が一致するかどうかに関係なく,指定したアクセス制限方式で,対象になる蓄積ファイルにアクセスできるようにします。
×:アクセスできないようにします。
注※1
蓄積管理ユーザ名に使用する分類名は,「ユーザ名」と定義するものとします。
注※2
分類名は蓄積ファイルのジョブ検索キーの分類に,キー値はジョブ検索キーの値に,それぞれ対応します。

このとき,蓄積ファイルの属性情報と蓄積管理ユーザがアクセスできる蓄積ファイルとの関係は,表5-2に示すようになります。

表5-2 蓄積ファイルの属性情報とアクセス可否

蓄積ファイルの属性 蓄積管理ユーザ別
アクセス可否
ファイル名 ジョブ検索キー
分類1 値1 分類2 値2 管理者 リーダー
ファイルA ユーザ名 管理者
ファイルB ユーザ名 管理者 公開先 部内 ×
ファイルC ユーザ名 管理者 公開先 社内
ファイルD ユーザ名 リーダー ×
ファイルE ユーザ名 リーダー 公開先 部内 ×
ファイルF ユーザ名 リーダー 公開先 社内
ファイルG ×
(凡例)
−:属性情報がありません。
○:アクセスできます。
×:アクセスできません。

「管理者」は,蓄積管理ユーザ名が一致する蓄積ファイル,および「公開先」の値が「部内」と「社内」の蓄積ファイルにアクセスできます。そのため,「ファイルA」,「ファイルB」,「ファイルC」,「ファイルE」,「ファイルF」にアクセスできます。

「リーダー」は,蓄積管理ユーザ名が一致するかどうかに関係なく,「公開先」の値が「社内」の蓄積ファイル,および「公開先」がジョブ検索キーに設定されていない蓄積ファイルにアクセスできます。そのため,「ファイルA」,「ファイルC」,「ファイルD」,「ファイルF」,「ファイルG」にアクセスできます。

(2) 定義方法

蓄積管理ユーザのユーザー認証情報,および蓄積ファイルに対するアクセス制限情報は,蓄積ファイルの属性情報を基に定義します。利用できる属性情報がない場合は,属性情報を新たに追加します。また,新規に蓄積ファイルを作成する場合は,印刷データの蓄積時に,蓄積ファイルの管理方法に合わせて必要な属性情報を指定します。

蓄積ファイルの属性情報を追加する方法については,「2.3.3 蓄積ファイルの属性値の変更」(起動部品を使用する場合),または「3.4.5 蓄積ファイルの属性値の変更」(蓄積管理GUIを使用する場合)を参照してください。また,印刷データの蓄積方法については,「2.2 印刷データの蓄積」を参照してください。

また,蓄積管理ユーザ定義の定義方法は,適用OSによって異なります。

Windows環境の場合は,[EUR Print Manager - Report Server 構成定義]ダイアログの[蓄積管理ユーザ定義]タブで定義します。定義方法については,「5.2 蓄積管理ユーザを定義する(Windows環境の場合)」を参照してください。

UNIX/Linux環境の場合は,サンプルファイルを基に定義します。定義方法については,「5.3 蓄積管理ユーザを定義する(UNIX/Linux環境の場合)」を参照してください。

(3) 注意事項

蓄積管理ユーザ定義を定義する場合の注意事項について次に示します。

デフォルト蓄積管理ユーザの蓄積管理ユーザ名について
デフォルト蓄積管理ユーザは,蓄積管理ユーザ名を持ちません。したがって,蓄積管理ユーザ名が一致する蓄積ファイルにアクセスできるように定義した場合,デフォルト蓄積管理ユーザは,蓄積管理ユーザ名のジョブ検索キーを持たない蓄積ファイルにアクセスできます。
ジョブ検索キーの分類名と値の指定について
蓄積管理ユーザ名およびアクセス許可キーに使用するジョブ検索キーは,指定した分類名に対応する値を必ず指定してください。
分類名だけ指定して値に指定がない蓄積ファイルを作成することもできますが,どの蓄積管理ユーザ名ともユーザー名が一致しなくなるため,アクセス制御ができなくなります。アクセス許可キーの場合も同様に,どのアクセス許可キーともキー値が一致しなくなるため,アクセス制御ができなくなります。
起動部品を使用する場合の蓄積管理ユーザについて
起動部品を使用する場合は,蓄積管理ユーザを指定できないため,デフォルト蓄積管理ユーザとして動作します。