EURで指定できるバーコードは,JIS X 0501(JAN標準,JAN短縮),X 0502(ITF),X 0503(CODE39),X 0504(CODE128),X 0506(コーダバー。ただし,EURでは「NW-7」と表記します),X 0510(QRコード),および郵便事業株式会社が定めるカスタマバーコードです。
成形されたバーコードそのものを貼り付けるのではなく,データウィンドウのデータ(バーコードにして表すデータをフィールドデータとして準備しておきます)を帳票ファイルにマッピングすることで,バーコードが貼り付けられます。バーコードで使用するデータは,バーコードの種類によって異なります。指定するデータの桁数が合っていないと,帳票ファイルに貼り付けた場合,バーコードが表示されないことがあります。
なお,バーコードの読み取りについては,使用するプリンタおよび読み取り装置で十分な評価をしてから使用してください。
バーコードに使用できるデータと桁数を,次に示します。
表3-3 バーコードに使用できるデータと桁数
バーコードの種類 | 使用できるデータ | 指定する桁数 |
---|---|---|
JAN標準 | 半角数字:0~9 | 13桁(固定),または12桁(固定)です。 |
JAN短縮 | 半角数字:0~9 | 8桁(固定),または7桁(固定)です。 |
ITF | 半角数字:0~9 |
|
CODE39 | 半角数字:0~9 半角英大文字:A~Z 半角記号:- $ / + % . 半角空白 | 任意の桁数です。 |
CODE128 |
| 任意の桁数です。ただし,コードセットCの場合は,2桁の数字で一つのバーコードキャラクタを表すので,偶数になるように入力してください。 |
NW-7 | 半角数字:0~9 半角記号:- $ : / . + | 任意の桁数です。 |
QRコード |
使用できる文字については,「付録C QRコードに指定できる入力データ文字」を参照してください。 | 指定するデータと,入力データ形式の指定によって異なります。 |
カスタマバーコード | 半角数字:0~9 半角英大文字:A~Z 半角記号:- | データ形式によって異なります。 「郵便番号+住所表示番号」のデータは,7桁~20桁です。 「郵便番号+住所表示番号+チェックデジット+制御コード」のデータは,23桁です。 |
JAN標準バーコードを表示する場合は,半角数字(0~9)を使用して,13桁(固定)のデータ(データキャラクタ)をデータファイルに指定します。
JAN標準バーコードの形式を次に示します。
データ(データキャラクタ)は,商品コードを表すキャラクタで,プリフィックスキャラクタを含む場合もあります。プリフィックスキャラクタは,国コードなど商品コードの管理単位を識別するキャラクタです。
チェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)は,バーコードの読み取りの正確性を保つために,データ(データキャラクタ)とプリフィックスキャラクタから,ある計算方法に基づいて求めた値を表すキャラクタです。
例えば,「490123456789」のデータ(データキャラクタ)のチェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)は,次のような計算方法で求められます。
桁位置 | 13 | 12 | 11 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
データ | 4 | 9 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
チェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)は,EUR 帳票作成機能で付加することもできます。その場合は,半角数字(0~9)を使用して,12桁(固定)のデータ(データキャラクタ)をデータファイルに指定します。チェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)は,[オプション]ダイアログ,または[アイテムのプロパティ]ダイアログで指定できます。
JAN短縮バーコードを表示する場合は,半角数字(0~9)を使用して,8桁(固定)のデータ(データキャラクタ)をデータファイルに指定します。
JAN短縮バーコードの形式を次に示します。
データ(データキャラクタ)は,商品コードを表すキャラクタで,プリフィックスキャラクタを含む場合もあります。プリフィックスキャラクタは,国コードなど商品コードの管理単位を識別するキャラクタです。
チェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)は,バーコードの読み取りの正確性を保つために,データ(データキャラクタ)とプリフィックスキャラクタから,ある計算方法に基づいて求めた値を表すキャラクタです。JAN短縮バーコードも,JAN標準バーコードと同じように,桁位置を決めて計算します。
例えば,「4901234」のデータ(データキャラクタ)のチェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)は,次のような計算方法で求められます。
桁位置 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
データ | 4 | 9 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
チェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)は,EUR 帳票作成機能で付加することもできます。その場合は,半角数字(0~9)を使用して,7桁(固定)のデータ(データキャラクタ)をデータファイルに指定します。チェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)は,[オプション]ダイアログ,または[アイテムのプロパティ]ダイアログで指定できます。
ITFバーコードは,指定したデータの情報によって,表示される形式(標準バージョン,拡張バージョン,およびアドオンバージョン)が異なります。
標準バージョンで表示する場合は,半角数字(0~9)を使用して,次に示すどちらかの方法で,14桁(固定)の情報をデータファイルに指定します。
標準バージョンの形式を次に示します。
物流識別キャラクタは,物流商品コードのうち,個装,または内装商品の数や組み合わせなどの相違を識別するキャラクタです。
フラッグキャラクタは,物流商品コードのうち,国コードなどのフラッグコードを表し,商品コードの管理単位を識別するキャラクタです。フラッグキャラクタは,国によって,2桁の場合と3桁の場合があります。日本の場合は,EANインターナショナル協会(International Article Numbering Association EAN)から,「49」と「45」が付番されています。
チェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)は,物流識別キャラクタ,フラッグキャラクタ,およびデータ(データキャラクタ)から,「モジュラス10」という,モジュラチェックキャラクタを算出する計算方法を使用して求めてください。
なお,チェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)は,EUR 帳票作成機能で付加することもできます。その場合は,半角数字(0~9)を使用して,13桁(固定)の情報を,次に示すどちらかの方法でデータファイルに指定します。
チェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)は,[オプション]ダイアログ,または[アイテムのプロパティ]ダイアログで指定できます。
拡張バージョンで表示する場合は,半角数字(0~9)を使用して,次に示すどちらかの方法で,16桁(固定)の情報をデータファイルに指定します。
拡張バージョンの形式を次に示します。
スペアキャラクタは,コード体系を調整するためのキャラクタで,「0」固定です。
物流識別キャラクタは,物流商品コードのうち,個装,または内装商品の数や組み合わせなどの相違を識別するキャラクタです。
フラッグキャラクタは,物流商品コードのうち,国コードなどのフラッグコードを表し,商品コードの管理単位を識別するキャラクタです。フラッグキャラクタは,国によって,2桁の場合と3桁の場合があります。日本の場合は,EANインターナショナル協会(International Article Numbering Association EAN)から,「49」と「45」が付番されています。
チェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)は,物流識別キャラクタ,フラッグキャラクタ,およびデータ(データキャラクタ)から,「モジュラス10」という,モジュラチェックキャラクタを算出する計算方法を使用して求めてください。
なお,チェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)は,EUR 帳票作成機能で付加することもできます。その場合は,半角数字(0~9)を使用して,15桁(固定)の情報を,次に示すどちらかの方法でデータファイルに指定します。
チェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)は,[オプション]ダイアログ,または[アイテムのプロパティ]ダイアログで指定できます。
アドオンバージョンで表示する場合は,半角数字(0~9)を使用して,データ(データキャラクタ)(5桁)+チェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)の情報をデータファイルに指定します。
アドオンバージョンの形式を次に示します。
なお,チェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)は,EUR 帳票作成機能で付加することもできます。その場合は,半角数字(0~9)を使用して,データ(データキャラクタ)5桁(固定)の情報をデータファイルに指定します。
チェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)は,[オプション]ダイアログ,または[アイテムのプロパティ]ダイアログで指定できます。
CODE39バーコードを表示する場合は,半角数字(0~9),半角英大文字(A~Z),半角記号「- $ / + % .」,および半角空白を使用して,データ(データキャラクタ)をデータファイルに指定します。指定するデータ(データキャラクタ)の桁数は,任意です。
CODE39バーコードの形式を次に示します。
CODE39バーコードには,スタート/ストップキャラクタと,チェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)をEUR 帳票作成機能で付加できます。
スタート/ストップキャラクタを付加指定すると,データ(データキャラクタ)の前後に「*」(固定)が表示されます。
スタート/ストップキャラクタと,チェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)の付加指定は,[オプション]ダイアログ,または[アイテムのプロパティ]ダイアログで指定できます。
なお,CODE39バーコードでは,EUR サーバ帳票出力機能での帳票出力時にバーコードの線の太さを補正できます。補正値は,プリンタ定義ファイルまたは環境変数で指定します。詳細は,マニュアル「EUR サーバ帳票出力」を参照してください。
JIS X 0504で規格されているCODE128バーコードのコードセットは,コードセットA,コードセットB,およびコードセットCがあります。そのうち,EURでCODE128バーコードを表示する場合は,コードセットBとコードセットCを使用して,データ(データキャラクタ)をデータファイルに指定します。どちらのコードセットを使用するかは,[オプション]ダイアログ,または[アイテムのプロパティ]ダイアログの[入力データ形式]で指定します。
指定したコードセットで使用できるデータを次に示します。
表3-4 CODE128バーコードで指定できる入力データ
数値 | EURのデータファイルに指定できるデータ | |
---|---|---|
コードセットBを使用する場合 | コードセットCを使用する場合 | |
0 | △(0x20:半角空白) | 00 |
1 | ! | 01 |
2 | " | 02 |
3 | # | 03 |
4 | $ | 04 |
5 | % | 05 |
6 | & | 06 |
7 | ' | 07 |
8 | ( | 08 |
9 | ) | 09 |
10 | * | 10 |
11 | + | 11 |
12 | , | 12 |
13 | - | 13 |
14 | . | 14 |
15 | / | 15 |
16 | 0 | 16 |
17 | 1 | 17 |
18 | 2 | 18 |
19 | 3 | 19 |
20 | 4 | 20 |
21 | 5 | 21 |
22 | 6 | 22 |
23 | 7 | 23 |
24 | 8 | 24 |
25 | 9 | 25 |
26 | : | 26 |
27 | ; | 27 |
28 | < | 28 |
29 | = | 29 |
30 | > | 30 |
31 | ? | 31 |
32 | @ | 32 |
33 | A | 33 |
34 | B | 34 |
35 | C | 35 |
36 | D | 36 |
37 | E | 37 |
38 | F | 38 |
39 | G | 39 |
40 | H | 40 |
41 | I | 41 |
42 | J | 42 |
43 | K | 43 |
44 | L | 44 |
45 | M | 45 |
46 | N | 46 |
47 | O | 47 |
48 | P | 48 |
49 | Q | 49 |
50 | R | 50 |
51 | S | 51 |
52 | T | 52 |
53 | U | 53 |
54 | V | 54 |
55 | W | 55 |
56 | X | 56 |
57 | Y | 57 |
58 | Z | 58 |
59 | [ | 59 |
60 | ¥ ※ | 60 |
61 | ] | 61 |
62 | ^ | 62 |
63 | _ | 63 |
64 | ` | 64 |
65 | a | 65 |
66 | b | 66 |
67 | c | 67 |
68 | d | 68 |
69 | e | 69 |
70 | f | 70 |
71 | g | 71 |
72 | h | 72 |
73 | i | 73 |
74 | j | 74 |
75 | k | 75 |
76 | l | 76 |
77 | m | 77 |
78 | n | 78 |
79 | o | 79 |
80 | p | 80 |
81 | q | 81 |
82 | r | 82 |
83 | s | 83 |
84 | t | 84 |
85 | u | 85 |
86 | v | 86 |
87 | w | 87 |
88 | x | 88 |
89 | y | 89 |
90 | z | 90 |
91 | { | 91 |
92 | | | 92 |
93 | } | 93 |
94 | ~ | 94 |
95 | - | 95 |
96 | - | 96 |
97 | - | 97 |
98 | - | 98 |
99 | [CODEC] | 99 |
100 | - | [CODEB] |
101 | - | - |
102 | [FNC1] | [FNC1] |
コードセットBも,コードセットCも,指定するデータの桁数は任意です。ただし,コードセットCの場合は,2桁の数字で一つのバーコードキャラクタを表すので,偶数になるように入力してください。奇数指定の場合,データは欠損値として扱われ,バーコードは表示されません。
CODE128バーコードの形式を次に示します。
CODE128バーコードのスタート/ストップキャラクタと,チェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)は,バーで表します。
また,CODE128バーコードのスタート/ストップキャラクタとチェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)は,EUR 帳票作成機能が自動付加しているために指定できませんが,指定した入力データ形式によって,スタートキャラクタが次のように異なります。
CODE128バーコードには,FNC1のファンクションキャラクタをEUR 帳票作成機能で付加できます。FNC1は,特定の工業規格に合致するシンボルを識別するキャラクタです。FNC1の付加指定は,[オプション]ダイアログ,または[アイテムのプロパティ]ダイアログで指定できます。FNC1は,スタートキャラクタのあとに付加されます。
CODE128バーコードでは,帳票出力時にバーコードの幅を補正できます。補正値は,プリンタ定義ファイルまたは環境変数で指定します。詳細は,マニュアル「EUR クライアント帳票出力」または「EUR サーバ帳票出力」を参照してください。
NW-7バーコードを表示する場合は,半角数字(0~9),および半角記号「- $ : / . +」を使用して,データ(データキャラクタ)をデータファイルに指定します。指定するデータ(データキャラクタ)の桁数は任意です。
NW-7バーコードの形式を次に示します。
NW-7バーコードには,スタート/ストップキャラクタと,チェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)をEUR 帳票作成機能で付加できます。
スタート/ストップキャラクタを付加指定すると,データ(データキャラクタ)の前後に「A」(固定)が表示されます。チェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)を付加すると,データの読み取りの信頼性が向上します。
スタート/ストップキャラクタと,チェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)の付加指定は,[オプション]ダイアログ,または[アイテムのプロパティ]ダイアログで指定できます。
なお,データ(データキャラクタ)といっしょにスタート/ストップキャラクタを指定しておくこともできます。この場合は,半角英字(A,B,C,D)から選択して指定します。スタートキャラクタとストップキャラクタに使用するキャラクタの組み合わせは自由です。
QRコードを表示する場合は,入力データ形式によって,使用できる文字が異なります。また,指定するデータ(データキャラクタ)の桁数も異なります。
QRコードの表示例を次に示します。
QRコードでEURがサポートする範囲を次に示します。
機能 | EURでサポートする範囲 |
---|---|
モデル | モデル2をサポートします。 |
バージョン | バージョン1から40をサポートします。 |
訂正レベル | M(15%),Q(25%)をサポートします。 |
モード | 数字モード,英数字モード,8ビットバイトモード,漢字モード,混在モードをサポートします。 |
セルサイズ | [アイテムのプロパティ]ダイアログ,環境変数EURPS_QR_CELL_SIZE_D,または環境変数EURPS_QR_CELL_SIZE_Mで指定できます。指定されていない場合は,アイテムサイズとバージョンから自動計算します。 |
クワイエットゾーン | クワイエットゾーンはEURが付加します。サイズは4モジュールです。 |
QRコードに指定できる入力データ文字は,入力データ形式によって異なります。QRコードに指定できる入力データ文字については,「付録C QRコードに指定できる入力データ文字」を参照してください。
QRコードは,アイテム枠の大きさ,および指定するデータから求められた型番によって,帳票に表示できるQRコードの大きさが異なります。また,QRコードは,出力するプリンタの解像度によっても,大きさが異なります。EURでは入力データから適切なバージョンを計算して使用します。
[アイテムのプロパティ]ダイアログまたは環境変数EURPS_QR_VERSIONで指定された値よりも入力データが小さい場合は指定された値になるように調整します。環境変数EURPS_QR_VERSIONについては,マニュアル「EUR サーバ帳票出力」を参照してください。
表3-5 QRコードの最小バージョン
指定条件 | 最小バージョン | |
---|---|---|
[アイテムのプロパティ]ダイアログ | 環境変数EURPS_QR_VERSION | |
なし | なし | 1 |
なし | V1 | バージョン1 |
バージョン2 | - | バージョン2 |
表3-6 出力バーコードのバージョン
条件 | 出力バージョン |
---|---|
入力データのバージョン≦最小バージョン | 最小バージョン |
入力データのバージョン>最小バージョン | 入力データのバージョン |
QRコードのモードは,入力データ形式によって異なります。
表3-7 条件別の遷移後のモード(「文字列」または「16進文字列」)
条件 | 遷移後のモード | |
---|---|---|
現在モード | 出現文字 | |
数字モード | 数字 | 数字モード |
英字 | 英数字モード | |
漢字 | 漢字モード | |
英数字モード | 数字 | 英数字モード |
英字 | 英数字モード | |
漢字 | 漢字モード | |
8ビットバイトモード | 数字 | 8ビットバイトモード |
英字 | 8ビットバイトモード | |
漢字 | 漢字モード | |
漢字モード | 数字 | 数字モード |
英字 | 英数字モード | |
漢字 | 漢字モード |
出力バージョンに対応するモジュール数とアイテムサイズからセルサイズを計算します。[アイテムのプロパティ]ダイアログ,環境変数EURPS_QR_CELL_SIZE_D,または環境変数EURPS_QR_CELL_SIZE_Mでセルサイズが指定された場合,計算した標準セルサイズより小さいときには指定されたセルサイズを出力します。環境変数EURPS_QR_CELL_SIZE_D,環境変数EURPS_QR_CELL_SIZE_Mについては,マニュアル「EUR サーバ帳票出力」を参照してください。
表3-8 出力セルサイズ
条件 | 出力セルサイズ | ||
---|---|---|---|
[アイテムのプロパティ]ダイアログ | EURPS_QR_CELL_SIZE_D | EURPS_QR_CELL_SIZE_M | |
なし | なし | なし | 標準セルサイズ |
なし | D | なし | D×解像度 |
なし | - | M | ↓(M×解像度)/解像度↓ |
Mi | - | - | ↓(Mi×解像度)/解像度↓ |
出力セルサイズでバーコードを描画するとアイテムサイズより大きくなる場合は,バーコードは表示されません。指定セルサイズが標準セルサイズよりも大きい場合は,アイテムサイズを超えます。標準セルサイズが0となる場合もバーコードは表示されません。
標準セルサイズの計算式を次に示します。
標準セルサイズ=↓((min(アイテム幅,アイテム高)×解像度)/(モジュール数+8※))↓÷解像度
モジュール数=21+4×(バージョン-1)
EURでは,クワイエットゾーンは4モジュールです。
カスタマバーコードを表示する場合は,半角数字(0~9),半角英大文字(A~Z),半角記号「-」,および8種類の制御コード(CC1~CC8)を使用して,データをデータファイルに指定します。データの桁数は,指定するカスタマバーコードのデータ形式によって異なります。
「郵便番号+住所表示番号」は,郵便番号の値に,住所文字列からカスタマバーコードに必要な文字を抜き出した文字列を付加したデータ形式です。「文字タイプ」ともいわれます。
「郵便番号+住所表示番号」のデータは,郵便番号(7桁固定)+住所表示番号(最大13桁)で指定します。
ただし,スタートコード(1文字)チェックデジット(1文字),ストップコード(1文字)はEURによって自動生成され,付加されます。
「郵便番号+住所表示番号」のカスタマバーコードの構成を次に示します。
手 順 | 結 果 | |
---|---|---|
(1) | 郵便番号の「623-0011」から「-」を削除します。 | 6230011 |
(2) | 住所表示番号を取り出します。 | 6-7 L B 106 |
(3) | 住所表示番号を郵便番号の後ろに付加します。 「62300116-7LB106」が,「郵便番号+住所表示番号」のデータになります。 | 62300116-7LB106 |
「郵便番号+住所表示番号+チェックデジット+制御コード」は,「郵便番号+住所表示番号」のデータに,次に示す加工をした結果を,記号を用いて表現したデータ形式です。「記号タイプ」ともいわれます。
「郵便番号+住所表示番号+チェックデジット+制御コード」のデータは,スタートコード「(」(1桁固定)+郵便番号(7桁固定)+住所表示番号(最大13桁)+チェックデジット(1桁固定)+ストップコード「)」(1桁固定)で指定します。
「郵便番号+住所表示番号+チェックデジット+制御コード」のカスタマバーコードの構成を次に示します。
手 順 | 結 果 | |
---|---|---|
(1) | 郵便番号の「623-0011」から「-」を削除します。 | 6230011 |
(2) | 住所表示番号を取り出します。 住所表示番号の中に英字がある場合は,英字変換コード表 ※1に従って,制御コードと数字の組み合わせに変換します。 「L」→「CC2 1」 「B」→「CC1 1」 | 6-7 L B 106 ↓ 6-7 CC2 1 CC1 1 106 |
(3) | 住所表示番号を郵便番号の後ろに付加します。 | 62300116-7 CC2 1 CC1 1 106 |
(4) | 数字,「-」,および制御コードを,すべて1文字として文字数を数えます。20文字に満たない場合は,後ろに制御コード4(CC4)を付加します。 この例の場合は,3文字分の制御コード4を付加しています。 | 62300116-7 CC2 1 CC1 1 106 CC4 CC4 CC4 |
(5) | (4)で作成した文字列に,チェック用文字置き換えコード表 ※2に従って,チェック用文字に変換し,すべての値を加算します。 | 62300116-7 CC2 1 CC1 1 106 CC4 CC4 CC4 ↓ 6+2+3+0+0+1+1+6+10+7+12+1+11+1+1+0+6+14+14+14 =110 |
(6) | (5)で算出した値より大きい19の倍数から,(5)で算出した値を減算します。これが,「チェックデジット」です。 | 114-110=4 |
(7) | (4)で生成した文字列の後ろに,(6)で算出したチェックデジット「4」を付加します。 | 62300116-7 CC2 1 CC1 1 106 CC4 CC4 CC4 4 |
(8) | (7)で生成した文字列の前後に,スタートコード(ST)とストップコード(SP)を付加します。 スタートコードは「(」,ストップコードは「)」で指定します。 | (62300116-7 CC2 1 CC1 1 106 CC4 CC4 CC4 4) |
(9) | (8)で生成した文字列から,制御コードを次に示すASCIIコードで置き換えてEURのデータに指定します。 制御コード ASCIIコード CC1 → a CC2 → b CC3 → c CC4 → d CC5 → e CC6 → f CC7 → g CC8 → h 「(62300116-7b1a1106ddd4)」が,「郵便番号+住所表示番号+チェックデジット+制御コード」のデータになります。 | (62300116-7b1a1106ddd4) |
表3-9 カスタマバーコードの英字変換コード表
英字データ | コード | 英字データ | コード | 英字データ | コード |
---|---|---|---|---|---|
A | CC1 0 | K | CC2 0 | U | CC3 0 |
B | CC1 1 | L | CC2 1 | V | CC3 1 |
C | CC1 2 | M | CC2 2 | W | CC3 2 |
D | CC1 3 | N | CC2 3 | X | CC3 3 |
E | CC1 4 | O | CC2 4 | Y | CC3 4 |
F | CC1 5 | P | CC2 5 | Z | CC3 5 |
G | CC1 6 | Q | CC2 6 | - | - |
H | CC1 7 | R | CC2 7 | - | - |
I | CC1 8 | S | CC2 8 | - | - |
J | CC1 9 | T | CC2 9 | - | - |
表3-10 カスタマバーコードのチェック用文字置き換えコード表
変換データ | チェック用文字 | 変換データ | チェック用文字 |
---|---|---|---|
0 | 0 | CC1 | 11 |
1 | 1 | CC2 | 12 |
2 | 2 | CC3 | 13 |
3 | 3 | CC4 | 14 |
4 | 4 | CC5 | 15 |
5 | 5 | CC6 | 16 |
6 | 6 | CC7 | 17 |
7 | 7 | CC8 | 18 |
8 | 8 | - | - |
9 | 9 | - | - |
- | 10 | - | - |