16.2.1 EURフォントファイルの作成

EURフォントファイル作成ツールは,コマンドラインで起動して使用します。EURフォントファイル作成ツールのコマンドの構文,オプション,および指定例を説明します。

<この項の構成>
(1) EURフォントファイル作成ツールのコマンドの構文
(2) オプションの説明
(3) 指定例

(1) EURフォントファイル作成ツールのコマンドの構文

EURフォントファイル作成ツールのコマンドの構文を次に示します。

expedf32.exe
      /eudc 外字ファイル名 │ /base ベースフォント名
      /size ピクセルサイズ
      /out EURフォントファイル名

(2) オプションの説明

EURフォントファイル作成ツールで指定するオプションを説明します。オプションの文字列は,大文字,小文字を区別しません。

(a) /eudcオプション

外字ファイル(*.tte)を指定します。

/eudcオプションを指定した場合は,フォントであらかじめ定義されている符号位置にも,外字ファイルで定義した文字が収録されます。

(b) /baseオプション

外字ファイル(*.tte)を指定する代わりに,Windowsの外字エディタでの外字登録時に「指定したフォントにリンクする」として選択したフォント名(「MS 明朝」や「MS ゴシック」など)を指定します。指定したフォントにリンクする外字がEURフォントファイルに収録されます。

不正なフォント名称を指定した場合,Windowsによってデフォルトフォントが仮定されます。このとき,エラー(KEEU F0601-W)を出力して仮定したフォント名が通知されます。

なお,指定するフォントによっては,登録した外字が収録されない場合があります。

(c) /sizeオプション

8から96までの8の整数倍の値を指定します。

指定したサイズが大きいほど,鮮明な文字を出力できますが,ファイルの容量が大きくなり,処理も遅くなるのでご注意ください。

(d) /outオプション

作成するEURフォントファイル名を指定します。フォントの出力時に区別しやすいように,明朝体として作成したファイルか,ゴシック体として作成したファイルかがわかるようなファイル名にしておくと便利です。

(3) 指定例

指定内容および指定例を次に示します。

(a) Windowsの外字ファイルから,明朝体として使用するEURフォントファイルを作成する場合
指定内容
外字ファイル名 :C:¥WINDOWS¥Fonts¥EUDC.TTE
サイズ :24ピクセル
EURフォントファイル名 :msmin24.edf
指定例

インストール先フォルダ¥Program¥expedf32.exe
                      /eudc C:¥WINDOWS¥Fonts¥EUDC.TTE
                      /size 24
                      /out C:¥TEMP¥msmin24.edf

(b) MS 明朝にリンクされた外字から,明朝体として使用するEURフォントファイルを作成する場合
指定内容
ベースフォントファイル :MS明朝
サイズ :24ピクセル
EURフォントファイル名 :msmin24.edf
指定例

インストール先フォルダ¥Program¥expedf32.exe
                      /base "MS明朝"
                      /size 24
                      /out C:¥TEMP¥msmin24.edf