9.9.1 各バーコードのプロパティ設定

次に示すバーコードのプロパティ設定について説明します。

<この項の構成>
(1) JAN標準・JAN短縮
(2) CODE39
(3) CODE128
(4) NW-7
(5) ITF
(6) カスタマバーコード
(7) QRコード

(1) JAN標準JAN短縮

JAN標準・JAN短縮で指定できるサイズと単位は,0.15~2.1倍です。

JIS X 0501で規定されている1モジュール幅に対する倍率を,0.01倍単位で指定します。JIS X 0501では,1モジュール幅の標準サイズを0.33mmと規定しています。「モジュール」とは,白バーと黒バー,およびマージンを構成する基本単位を示します。

JAN標準バーコードの場合
JAN標準バーコードの場合は,113モジュールで構成されています。
[図データ]
(1)レフトマージン(9モジュール)
(2)レフトガードバー(3モジュール)
(3)左データキャラクタ(6キャラクタ,42モジュール)
(4)センタバー(5モジュール)
(5)右データキャラクタ(5キャラクタ,35モジュール)
(6)モジュラチェックキャラクタ(1キャラクタ,7モジュール)
(7)ライトガードバー(3モジュール)
(8)ライトマージン(9モジュール)
  
例えば,サイズに「2」を指定すると,
「{113(モジュール)×0.33(mm)}×2(倍)」という式によって,幅 74.58(mm)のJAN標準バーコードが帳票に出力できます。
帳票にJAN標準バーコードを収めるとき,アイテム枠の幅は,求めた値の小数点以下を切り上げた値で確保すると収まります。この場合は,アイテム枠の幅を75(mm)程度確保すると収まります。

表9-15 JAN標準バーコードのサイズ参考値

[サイズ]の値帳票に出力されるバーコードの実サイズ
0.5幅 約19(mm)
1幅 約38(mm)
1.5幅 約56(mm)
JAN短縮バーコードの場合
JAN短縮バーコードの場合は,81モジュールで構成されています。
[図データ]
(1)レフトマージン(7モジュール)
(2)レフトガードバー(3モジュール)
(3)左データキャラクタ(4キャラクタ,28モジュール)
(4)センタバー(5モジュール)
(5)右データキャラクタ(3キャラクタ,21モジュール)
(6)モジュラチェックキャラクタ(1キャラクタ,7モジュール)
(7)ライトガードバー(3モジュール)
(8)ライトマージン(7モジュール)
  
例えば,サイズに「2」を指定すると,
「{81(モジュール)×0.33(mm)}×2(倍)」という式によって,幅 53.46(mm)のJAN短縮バーコードが帳票に出力できます。
帳票にJAN短縮バーコードを収めるとき,アイテム枠の幅は,求めた値の小数点以下を切り上げた値で確保すると収まります。この場合は,アイテム枠の幅を54(mm)程度確保すると収まります。

表9-16 JAN短縮バーコードのサイズ

[サイズ]の値帳票に出力されるバーコードの実サイズ
0.5幅 約14(mm)
1幅 約27(mm)
1.5幅 約41(mm)

(2) CODE39

CODE39で指定できるサイズと単位は,0.1~1.1mmです。

CODE39バーコードは,細エレメントの幅を0.01mm単位で指定します。「エレメント」とは,1本の白バー,または黒バーを示します。また,「細エレメント」は幅が細いバー,「太エレメント」は幅が太いバーを示します。

[図データ]

(1)クワイエットゾーン(スタート/ストップキャラクタの幅+α)
「クワイエットゾーン」とは,バーコードの両端にある余白部分です。
(2)スタートキャラクタ(細エレメント×6と太エレメント×3)
(3)データ(1データキャラクタは,細エレメント×6と太エレメント×3)
(4)チェックキャラクタ(細エレメント×6と太エレメント×3)
(5)ストップキャラクタ(細エレメント×6と太エレメント×3)
(6)クワイエットゾーン
(7)キャラクタ間ギャップ(1ギャップは,細エレメントの2倍)

  

例えば,13桁のデータ(データキャラクタ)を表示するとき,サイズに「0.5」を指定すると,次に示す式によって,幅 約123(mm)のCODE39バーコードが帳票に出力できます。

クワイエットゾーン=スタートキャラクタの値(mm)×2(個所)
スタートキャラクタ={(0.5(mm)×6)+(1.0 (mm)×3)}×1(桁)
データ={(0.5(mm)×6)+(1.0 (mm)×3)}×13(桁)
チェックキャラクタ={(0.5(mm)×6)+(1.0 (mm)×3)}×1(桁)
ストップキャラクタ={(0.5(mm)×6)+(1.0 (mm)×3)}×1(桁)
キャラクタ間ギャップ=(0.5(mm)×2)×15(個所)

注※
太エレメントは,細エレメントのサイズ(mm)×2.24で計算します。

なお,CODE39バーコードの場合は,上記の計算で求めた値でアイテム枠を確保しても,多少横に広がって出力されます。そのため,帳票にCODE39バーコードを収めるときは,アイテム枠の幅を少し余裕を持って確保してください。サイズに「0.5」を指定した場合,求めた値は幅 約123(mm)ですが,帳票に確保するアイテム枠の幅を約130(mm)程度確保すると収まります。

(3) CODE128

CODE128で指定できるサイズと単位は,0.1~1.1mmです。

CODE128バーコードは,1モジュールの幅を,0.01mm単位で指定します。「モジュール」とは,黒バー,白バー,およびクワイエットゾーンを表現する最小単位です。「クワイエットゾーン」とは,バーコードの両端にある余白部分です。

CODE128バーコードには,入力データ形式に「コードセットB」と「コードセットC」がありますが,サイズの求め方は同じです。

[図データ]

(1)クワイエットゾーン(1モジュール×10)
(2)スタートキャラクタ(11モジュール)
(3)データ(1データキャラクタは,11モジュール)
(4)チェックキャラクタ(11モジュール)
(5)ストップキャラクタ(13モジュール)
(6)クワイエットゾーン(1モジュール×10)

  

例えば,12桁のデータ(データキャラクタ)を表示するとき,サイズに「0.5」を指定すると,次に示す式によって,幅 93.5(mm)のCODE128バーコードが帳票に出力できます。

クワイエットゾーン=(0.5(mm)×10)×2(個所)
スタートキャラクタ=11(モジュール)×0.5(mm)
データ=(11(モジュール)×12(桁))×0.5(mm)
チェックキャラクタ=11(モジュール)×0.5(mm)
ストップキャラクタ=13(モジュール)×0.5(mm)

なお,CODE128バーコードの場合は,上記の計算で求めた値でアイテム枠を確保しても,多少横に広がって出力されます。そのため,帳票にCODE128バーコードを収めるときは,アイテム枠の幅を少し余裕を持って確保してください。サイズに「0.5」を指定した場合,求めた値は幅 93.5(mm)ですが,帳票に確保するアイテム枠の幅を94(mm)程度確保すると収まります。

CODE128バーコードにFNC1を付加する場合
[FNC1を付加する]のチェックボックスをオンにしたときは,スタートキャラクタの右横にファンクションキャラクタが付加されます。
[図データ]
(7)ファンクションキャラクタ(11モジュール)
例えば,12桁のデータ(データキャラクタ)を表示するとき,サイズに「0.5」を指定すると,次に示す式によって,幅 99(mm)のCODE128バーコードが帳票に出力できます。

クワイエットゾーン=(0.5(mm)×10)×2(個所)
スタートキャラクタ=11(モジュール)×0.5(mm)
ファンクションキャラクタ=11(モジュール)×0.5(mm)
データ=(11(モジュール)×12(桁))×0.5(mm)
チェックキャラクタ=11(モジュール)×0.5(mm)
ストップキャラクタ=13(モジュール)×0.5(mm)

帳票にFNC1を付加したCODE128バーコードを収める場合は,サイズに「0.5」を指定したとき,帳票に確保するアイテム枠の幅を100(mm)程度確保すると収まります。

(4) NW-7

NW-7で指定できるサイズと単位は,0.1~1.6mmです。

NW-7バーコードは,細エレメントの幅を0.01mm単位で指定します。「エレメント」とは,1本の白バー,または黒バーを示します。また,「細エレメント」は幅が細いバー,「太エレメント」は幅が太いバーを示します。

[図データ]

(1)クワイエットゾーン(スタート/ストップキャラクタの幅+α)
「クワイエットゾーン」とは,バーコードの両端にある余白部分です。
(2)スタートキャラクタ(細エレメント×4と太エレメント×3)
(3)データ(半角数字「0~9」と半角記号「- $」は,細エレメント×5と太エレメント×2。半角記号「, / . +」は,細エレメント×4と太エレメント×3)
(4)チェックキャラクタ(データと同様に,表示されるチェックキャラクタの値を計算します)
(5)ストップキャラクタ(細エレメント×4と太エレメント×3)
(6)クワイエットゾーン
(7)キャラクタ間ギャップ(1ギャップは,細エレメントの2倍)

  

例えば,13桁のデータ(データキャラクタ)を表示するとき,サイズに「0.5」を指定すると,次に示す式によって,幅 118(mm)のNW-7バーコードが帳票に出力できます。

クワイエットゾーン=スタートキャラクタの値(mm)×2(個所)
スタートキャラクタ={(0.5(mm)×4)+(1.5 (mm)×3)}×1(桁)
データ={(0.5(mm)×5)+(1.5 (mm)×2)}×13(桁)
チェックキャラクタ={(0.5(mm)×5)+(1.5 (mm)×2)}×1(桁)
ストップキャラクタ={(0.5(mm)×4)+(1.5 (mm)×3)}×1(桁)
キャラクタ間ギャップ=(0.5(mm)×2)×15(個所)

注※
太エレメントは,細エレメントのサイズ(mm)×3で計算します。

帳票にNW-7バーコードを収める場合は,求めた値と同じアイテム枠の幅を確保することで収まります。

(5) ITF

指定できるサイズと単位は,0.1~1.3倍です。

JIS X 0502で規定されているエレメントのサイズに対する倍率を,0.01倍単位で指定します。JIS X 0502では,倍率「1」のとき,エレメントのサイズを,細エレメント幅を1.016mm,太エレメント幅を2.540mmに規定しています。「エレメント」とは,1本の白バー,または黒バーを示します。

標準バージョンの場合
標準バージョンの場合,データは14桁固定です。
[図データ]
(1)ベアラーバー(細エレメント幅1.016mmのとき,4.8mm)
「ベアラーバー」とは,バーコードの周辺を縦,横に取り囲むバーです。
(2)クワイエットゾーン(細エレメント×10)
「クワイエットゾーン」とは,バーコードの両端にある余白部分です。
(3)スタートコードバー(細エレメント×4)
(4)データ(1桁は,細エレメント×3と太エレメント×2)
(5)ストップコードバー(細エレメント×2と太エレメント×1)
(6)クワイエットゾーン(細エレメント×10)
(7)ベアラーバー
  
例えば,サイズに「1」を指定すると,次に示す式によって,幅 約152(mm)のITF標準バージョンのバーコードが帳票に出力できます。
ベアラーバー=(4.8(mm)×1(倍))×2(個所)
クワイエットゾーン={(1.016(mm)×1(倍))×10}×2(個所)
スタートコードバー=(1.016(mm)×1(倍))×4
ストップコードバー={(1.016(mm)×1(倍))×2}+{(2.540(mm)×1(倍))×1}
データ={(1.016(mm)×1(倍))×3+(2.540(mm)×1(倍))×2}×14(桁)

表9-17 標準バージョンのサイズ

[サイズ]の値帳票に出力されるバーコードの実サイズ
0.1幅 約16(mm)
0.7幅 約107(mm)
1.3幅 約198(mm)
帳票にITFバーコードを収める場合は,求めた値と同じアイテム枠の幅を確保することで収まります。
スタートコードバーストップコードバーは,2進法記号で表され,スタートコードバーは「0000」,ストップコードバーは「100」の固定です。
[図データ]
拡張バージョンの場合
拡張バージョンの場合は,データは16桁固定です。

表9-18 拡張バージョンのサイズ

[サイズ]の値帳票に出力されるバーコードの実サイズ
0.1幅 約17(mm)
0.7幅 約118(mm)
1.0幅 約167(mm)
1.3幅 約219(mm)
アドオンバージョンの場合
アドオンバージョンの場合は,データは6桁固定です。

表9-19 アドオンバージョンのサイズ

[サイズ]の値帳票に出力されるバーコードの実サイズ
0.1幅 約9(mm)
0.7幅 約62(mm)
1.0幅 約87(mm)
1.3幅 約114(mm)
注※
計算すると,幅約9mmのITF・アドオンバージョンのバーコードを出力できますが,EURでは,アイテム枠の幅が13(mm)程度ないと出力されません。

(6) カスタマバーコード

指定できるサイズと単位は,8.0~11.5ptです。

0.1pt単位で指定します。指定されたサイズでアイテム枠を自動調整して出力されます。

(7) QRコード

QRコードは,サイズの指定ができません。指定されたアイテム枠に収まる適切なサイズに自動調整して出力されます。QRコードのサイズを変更したい場合は,アイテム枠の大きさをマウス操作で変更してください。