6.2.6 サーバAPから出力先プリンタを指定するC/S構成の設定例
サーバにあるAPから出力先プリンタを指定できます。サービス名ファイル(X3PHOST)に指定する,各サービスが動作するホスト名とプリンタ名によって出力先が決まります。
3台のプリンタを目的に応じて使い分ける方法について説明します。
サーバAPから目的に応じて仮想端末PRT001,PRT002,およびPRT003を指定して,それぞれに対応するプリンタに帳票を印刷します。
- 補足
-
この方法は,スプールをネットワーク上で転送するのではなく,XMAP3のC/Sシステム機能を使って,それぞれのプリンタが接続されているWindowsマシンのスプールに,XMAP3が直接出力して印刷するものです。
(1) 設定
サーバとクライアントで必要な設定について,システム構成に沿った内容で説明します。
設定するファイル間で名称を合わせる必要があります。ファイル間の関係を確認してください。
(a) サーバ側の設定
画面の設定を省略して説明します。
-
TCP/IPポート番号の設定
WindowsのSERVICESファイルに,ポート番号を設定します。
-
TCP/IP用IPアドレスおよびホスト名の設定
HOSTSファイルに次の項目が指定されていない場合は追加します。
-
XMAP3サーバのIPアドレスとホスト名
-
XMAP3クライアントのIPアドレスとホスト名
IPアドレスは[コントロールパネル]−[ネットワーク]−[TCP/IPプロトコル]のプロパティで指定した内容を,ホスト名は[システム]−[コンピュータ名]で指定した内容を追加します。なお,ホスト名は大文字と小文字が区別されます。
-
-
C/Sシステム環境の設定
次に,C/Sシステム環境を設定します。
-
[C/Sセットアップ]ダイアログの[C/S構成]タブで「指定種別」として「プリンタ」を選択します。
-
[C/Sセットアップ]ダイアログの[C/S構成]タブの「ホスト名」にプリンタを接続しているWindowsマシンのホスト名を設定します。WindowsのHOSTSファイルに記述している名称を指定してください。
-
任意のサービス名を指定します。ただし,ほかの設定と名称が重複しないようにしてください。xppPRT01などを指定してください。
-
仮想端末名は,APで使用する名称を指定します。通常はPRT01などを指定します。それぞれの設定では名称が重複しないようにしてください。
-
プリンタデバイス名を指定します。この名称は各クライアントで設定した名称を指定ください。
-
「起動時実行アプリケーション」は,クライアント起動時に画面を表示しないで即時印刷をしたいときに,「固定で指定」「起動時に指定」のどちらかを指定します。
-
[追加]ボタンをクリックして,指定情報を登録します。
-
使用するクライアントをすべて登録するまで,1〜7を繰り返します。
-
「起動時実行アプリケーション」で「起動時に指定」を指定した場合は,[C/Sセットアップ]ダイアログの[アプリケーション]タブでクライアント起動時に指定するアプリケーション名とサーバ上のファイル名を指定します。
-
[追加]ボタンをクリックして,アプリケーション名を登録します。
-
必要に応じて9〜10の手順を繰り返して,必要なAPを登録します。
-
[OK]ボタンをクリックし,設定を終了します。[追加]ボタンをクリックしないで[OK]ボタンで終了すると,設定ファイルへは登録されません。また,実際の設定ファイルの内容は[OK]ボタンをクリックして登録するまでは変更されません。設定を取りやめるときは[キャンセル]ボタンをクリックして終了してください。
-
APとは別のフォルダにマップを登録するときは,表示・印刷セットアップの[アプリケーション1]タブの「マップ」でマップを登録したフォルダを指定します。
-
クライアント起動時は,「起動時実行アプリケーション」の指定に従い,実行時の引数にアプリケーション名やサービス名を指定します。
-
-
XMAP3のC/Sシステム環境の環境設定ファイルの内容例
サービス名ファイル(X3PHOST)には,次のような内容が設定されます。
仮想端末名ファイル(X3MWHOST)の仮想端末の設定内容は,次のとおりです。
上記,XMAP3のC/Sシステムと仮想端末の定義は,C/Sセットアップで定義します。上記ファイルを直接設定することもできますが,C/Sセットアップを使用することをお勧めします。
(b) クライアント側の設定
-
TCP/IPポート番号の設定
WindowsのSERVICESファイルに,サーバ側で設定した値と同じポート番号を設定します。
-
TCP/IP用IPアドレスおよびホスト名の設定
HOSTSファイルに次の項目が指定されていない場合は追加します。
-
XMAP3サーバのIPアドレスとホスト名
-
XMAP3クライアントのIPアドレスとホスト名
IPアドレスは[コントロールパネル]−[ネットワーク]−[TCP/IPプロトコル]のプロパティで指定した内容を,ホスト名は[システム]−[コンピュータ名]で指定した内容を追加します。なお,ホスト名は大文字と小文字が区別されます。
-
-
プリンタに関する設定
各Windowsクライアントでプリンタを設定します。
-
表示・印刷セットアップの[プリンタ]タブを選択します。
-
「使用環境」で「C/S」を選択します。
-
プリンタデバイス名を指定します。通常は,使用するプリンタがそのWindowsマシンでの「通常使用するプリンタ」になっている場合は「PR1」を,そのほかの場合は「PRT2」を指定します。
-
プリンタ名に出力したいプリンタを設定します。ここにはWindowsで設定されているプリンタ名しか表示されないので,もし,設定したいプリンタが候補に表示されない場合は,設定を中止し,Windowsにプリンタの設定を追加してください。プリンタデバイス名に「PR1」を指定した場合は「通常使用するプリンタ」を指定します。
-
プリンタに合わせて印刷モードを設定します。使用するプリンタが240dpi以上の解像度を持つならば,通常は「GDI:ページプリンタ」を設定することをお勧めします。
-
そのほかの設定は,通常は特に設定する必要はありません。必要に応じて設定してください。
-
[追加]ボタンをクリックし,プリンタ設定を登録します。
-
使用する全プリンタの設定が終わるまで1〜8の手順を繰り返します。プリンタデバイス名は重複しないようにしてください。
-
[OK]ボタンをクリックし,設定を終了します。[追加]ボタンをクリックしないで[OK]ボタンで終了すると,設定ファイルへは登録されません。また,実際の設定ファイルの内容は[OK]ボタンをクリックして登録するまでは変更されません。設定を取りやめるときは[キャンセル]ボタンをクリックして終了してください。
-
(c) 印刷機能に関する設定
プリンタ印刷方式を設定したい場合,次の手順で設定してください。また,ここで説明するのは,サーバおよびクライアント側それぞれで設定が必要な例です。
表示・印刷セットアップで次のように設定します。
- サーバ側
-
プリンタデバイス名 :PRT1
プリンタ名(ドライバ名):EPSON VP-1000
プリンタの種類 :ESC/P準拠プリンタ
オプション :任意に選択
- クライアント側
-
プリンタデバイス名 :PRT2,PRT3
プリンタ名(ドライバ名):Canon LBP-A304E LIPS3
プリンタの種類 :LIPS III準拠プリンタ
オプション :任意に選択
(2) APでの指定
COBOL2002でのプリンタの使い分けは,AP中の仮想端末名を次のように指定します。
-
プリンタAに出力する場合:仮想端末名をPRT001にする
-
プリンタBに出力する場合:仮想端末名をPRT002にする
-
プリンタCに出力する場合:仮想端末名をPRT003にする
(3) XMAP3システムを起動する手順
次の手順でXMAP3システムを起動してください。
-
サーバ側で,「XMAP3サーバ」アイコンを選び,XMAP3サーバを起動します。
-
クライアント側で,「XMAP3クライアント」アイコンを選び,XMAP3クライアントを起動します。
-
XMAP3クライアントによって,そのクライアントに定義された印刷サービスが自動的に起動されます。
-
起動された印刷サービスに対応するAPがサーバ側で起動されます。
(4) 注意
デバイス名に「PR1」を指定した場合,そのプリンタは,通常使用するプリンタにする必要があります。
(5) ソフトウェア構成
サーバAPから出力先プリンタを指定するC/Sシステムの,ソフトウェア構成を次に示します。
サーバ/クライアント |
使用するソフトウェア |
||
---|---|---|---|
XMAP3 |
コンパイラ※1 |
DB※2 |
|
サーバ |
XMAP3 Server Runtime |
COBOL2002(Runtime)またはVisual C++ |
HiRDB※3 またはISAM※4 |
クライアント |
XMAP3 Server RuntimeまたはXMAP3 Client Runtime |
− |
− |
- (凡例)
-
−:なし。
- 注※1
-
使用するコンパイラが必要になります。
- 注※2
-
DB連携しない業務では,DBに関するソフトウェアは不要です。
- 注※3
-
HiRDBのほかに,SQL ServerやOracleなども使用できます。
- 注※4
-
ISAMのプログラムインタフェースは,COBOL2002に標準添付されています。