20.2 運用時に発生するトラブルと対処
運用時に発生するトラブルへの対処方法について説明します。
- 〈この節の構成〉
(1) 画面応答がない
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原因
サーバからの応答が返っていないことが考えられます。
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対処方法
ユーザプログラムで無限ループしている処理がないか見直してください。プログラムを修正後,モジュールを入れ替えてから正常に動作するか確認してください。
(2) ブラウザが閉じてしまう
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原因
ユーザプログラムで設定している送信データ(共通インタフェース領域)の記述に,次の誤りがあることが考えられます。
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通信種別の設定値に誤りがある。
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印刷完了通知オプションの設定値に誤りがある。
XMAP3 Cosminexus連携機能の場合:'△'または'2'以外
XMAP3 TP1/Web連携機能の場合:'1'または'2'以外
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アイキャッチャの設定値に誤りがある。
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URLデータ長の設定値に誤り(0または128以外)がある。
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終了通知オプションの設定値に誤り('△'または'E'以外)がある。
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画面の場合,仮想端末名の設定で,帳票と同じ「仮想端末名」を設定している。
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帳票の場合,仮想端末名の設定で「すべて空白」を設定している。
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対処方法
ユーザプログラムで設定している値を見直してください。プログラムを修正後,モジュールを入れ替えてから正常に動作するか確認してください。
なお,プログラムを修正後,モジュールを入れ替えても正常に動作しない場合は,XMAP3が回復不能と判断したエラー(例えば,ネットワーク回線の通信断)が発生していることが考えられます。環境に問題がないか見直してください。
(3) 環境設定ファイルやデータファイルなどサーバに配置したファイルを置き換えても,以前と同じ動作となる
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原因
ブラウザ側に置き換えたファイルがダウンロードされていないことが考えられます。
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対処方法
ブラウザの一時ファイルの設定オプションを見直してください。設定を変更したあと,ブラウザを再起動して,正常に動作するか確認してください。それでも現象が変わらない場合は,一時ファイルを削除してから正常に動作するか確認してください。
(4) 出力論理マップに設定したデータが出力されない,または途中までしか出力されない
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原因
次の原因が考えられます。
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サーブレットから送信するデータのデータ長が短い。
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通信制御領域の論理マップ長の値に誤りがある。
XMAP3 Cosminexus連携機能の場合
ユーザプログラム開発言語がJava:XMAP_LSGLNG
ユーザプログラム開発言語がCOBOL:XMAP_COM_LSGLNG
XMAP3 TP1/Web連携機能の場合
ユーザプログラム開発言語がC言語:xmap_wcom_lsglng
ユーザプログラム開発言語がCOBOL:XMAP-WCOM-LSGLNG
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出力論理マップ領域の先頭2バイトの出力論理マップ長の指定に誤りがある。
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対処方法
ユーザプログラムで設定している値を見直してください。プログラムを修正後,モジュールを入れ替えてから正常に動作するか確認してください。
(5) 画面が表示されない,帳票が印刷されない,指定したグラフィックが出力されない,またはポップアップメニュー(ファイル指定)が表示されない
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原因
起動HTMLのDataPathにCosminexusのWebコンテナサーバ下のフォルダをURLに指定している場合,指定したURLの大文字と小文字が実際と異なっていることが考えられます。
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対処方法
起動HTMLのDataPathに指定したURLを見直してください。
(6) 初期画面を表示するまでに時間が掛かる
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原因
次の要因が考えられます。
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ファイルのダウンロードに時間が掛かっている。
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ユーザプログラムで初期画面の表示データ設定に時間が掛かっている。
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指定したURLのパス名解決に時間が掛かっている。
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対処方法
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次に示す操作を実施したあと,ファイルのダウンロードに遅延が発生しないか確認してください。
・キャッシュ中のファイルを削除する。
・起動HTML,およびサーバ環境ファイルに指定したURLパスの下に,テキストを表示するだけのHTML(動作確認用のHTML)を配置して表示する。
それでも遅延が発生する場合,ファイルのダウンロードやデータ設定の問題ではなくURLのパス名解決に時間が掛かっている,つまりXMAP3に特化しないシステムに要因があると考えられます。環境設定に問題がないか見直してください。
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ユーザプログラムでの処理(DBアクセスや他システムとのデータ送受信,またはデータの設定/解析処理)で遅延が発生していることが考えられます。ユーザプログラムの処理を見直してプログラムを修正し,モジュールを入れ替えてください。
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(7) Internet Explorer 9を使用するとユーザプログラムが終了しない
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原因
次の要因が考えられます。
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05-03以前の起動HTMLに接続したWebブラウザのタイトルバーの[閉じる]ボタンをクリックした。
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05-03以前の起動HTMLに接続したWebブラウザのアドレスバーで操作した。
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対処方法
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Internet Explorerの表示が消えても,Internet ExplorerおよびXMAP3のプロセスは残っています。ユーザプログラムを終了するには,プロセスを終了します。Windowsのタスクマネージャで,次のプロセスを終了してください。
・X3WEBTRN.EXE(XMAP3 TP1/Web連携機能の場合)
・X3WCOMHL.EXE(XMAP3 TP1/Web連携機能の場合)
・X3XWCTRN.EXE(XMAP3 Cosminexus連携機能の場合)
・X3XCOMHL.EXE(XMAP3 Cosminexus連携機能の場合)
・IEXPLORE.EXE
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Internet Explorer 9を使用してもユーザプログラムを終了できるように,XMAP3/Web for Cosminexus 05-04以降で提供する起動HTML中の<script language="JavaScript"> から</script>までの部分を,利用している起動HTMLに追記してください。
起動HTMLは次に示すフォルダに格納されています。
XMAP3インストールフォルダ\Web for Cosminexus\SAMPLE\x3xwbfrm.htm
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(8) 画面の右端または下部の一部が表示されない
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対処方法
Webクライアント環境ファイル(X3WEBCEX)で,ChangeSize=BIGGERを指定してください。起動HTMLのWIDTHには,プログラムで表示する画面のうち,最も大きい幅の画面の横ピクセル数以上の値を設定してください。また,起動HTMLのHEIGHTには,プログラムで表示する画面のうち,最も大きい高さの画面の縦ピクセル数以上の値を設定してください。
ChangeSize=BIGGERの指定については,「15.1.10 Webクライアント環境ファイル(X3WEBCEX)」を参照してください。
起動HTMLのWIDTHとHEIGHTの指定については,「16.4.1 起動HTMLのカスタマイズ」を参照してください。
- 表示する画面のピクセル数は,次に示す計算式で求めます。
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画面横ピクセル数=(フォントのピクセル数÷2)×ドローでの画面列数+補正値
画面縦ピクセル数=(フォントのピクセル数+補正値)×(ドローでの画面行数÷2+n)+補正値
- 注1
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フォントのピクセル数については,「8.10 表示文字に関する設定」の文字サイズの定義を参照してください。
- 注2
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画面横ピクセル数,画面縦ピクセル数を求めるときの計算式にある「補正値」は,次で決定します。
3D表示:4を加算
2D表示:2を加算
- 注3
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画面縦ピクセル数を求めるときの計算式にある「n」は,次で決定します。
オペレータインジケータを表示する場合:1を加算
メニューバー拡張機能を利用する場合:メニューバーの行数を加算
オペレータインジケータまたはメニューバー拡張機能を使用しない場合は,「n=0」とし加算の必要はありません。
ディスプレイ解像度 1024×768以上でオペレータインジケータ付きの二つのGUI画面を3D表示した場合のピクセル数の計算例を次に示します。
(例)
- 一つ目の画面定義(ドローの定義)が次の場合
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・基準文字サイズ:小
・画面の列数:140ます
・画面の行数:71ます
画面横ピクセル数=(12÷2)×140+4=844
画面縦ピクセル数=(12+4)×(71÷2+1)+4=588
- 二つ目の画面定義(ドローの定義)が次の場合
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・基準文字サイズ:中
・画面の列数:122ます
・画面の行数:66ます
画面横ピクセル数=(14÷2)×122+4=858
画面縦ピクセル数=(14+4)×(66÷2+1)+4=616
画面の横ピクセル数および縦ピクセル数は,どちらも二つ目の画面の方が大きいため,起動HTMLのWIDTHとHEIGHTには,二つ目の画面で求めた値を指定します。
(9) Webサーバ停止後,ブラウザの×ボタンをクリックしても画面が閉じない(XMAP3 Cosminexus連携機能)
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原因
Webサーバが停止しているとInternet Explorerのキャッシュが読み込まれるため,キャッシュの情報から画面が再表示されていることが考えられます。
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対処方法
次に示す操作を実施してください。
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インターネット一時ファイル(Internet Explorerのキャッシュ)を削除する。
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XMAP3画面のボタンをクリックするなどの送信操作をする。
キャッシュがなく,Webサーバにも接続できないため,画面がエラー終了します。なお,次回,Webサーバ起動後,XMAP3画面に接続するときは正常に起動します。
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