17.1.1 定義時のポイント
作成する画面や帳票は,必要最小限のオブジェクトにし,マップを小さくすることで実行性能が向上します。マップを小さくするには,次のことに注意してください。
- 〈この項の構成〉
(1) けい線の見直し
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むだなけい線は削除する。
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つながるけい線は1本で定義する。
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矩形で囲んだフィールドは反転表示にして枠を取る。
(2) テキストボックスやフィールドの見直し
(a) テキストなどの集約
テキストボックスやフィールドは,まとめて定義してください。例えば,「年」「月」「日」は三つに分けるのではなく,一つにまとめることでマップが小さくなります。
(b) フィールドボックスの利用(1)
テキストボックスで作成されている表は,フィールドボックスのフィールドとして定義してください。表示性能が向上します。
(c) フィールドボックスの利用(2)
GUI画面でテキストボックスが多く繰り返されている場合には,フィールドボックス中にフレームを配置して,その中のフィールドとして定義してください。フィールドボックスのフレーム機能を使用すると,1フィールドの定義で複数フィールドに相当する定義ができます。また,論理マップ上ではOCCURS展開されるため,APのロジックも繰り返し指定で実現でき,効率が良くなります。
(3) 網掛けの見直し
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むだな網掛けは削除する。
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網掛けの種類を減らす。
(4) グラフィックデータの見直し
(a) 不要なグラフィックデータの削除
グラフィックデータは,データ量が多くマップが大きくなってしまいます。グラフィックデータは,必要な個所にだけ使用するようにしてください。
(b) グラフィックデータの縮小化
固定グラフィックの場合はファイルサイズの総和が31,000バイト以内に収まるように作成してください。出力グラフィックの場合は100KB以内を目安にして作成することをお勧めします。容量の大きいグラフィックデータを小さくするには,次の方法で対処できます。
- ビットマップの縦横ドット数を小さくする
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ビットマップは,中身の図柄がどのようなものであっても,同じ縦横サイズならばファイルサイズとして,常に同じバイト数を必要とします。したがって,縦横ドット数を小さくすることで,ファイルサイズが小さくなります。実際に絵を描いていない部分もビットマップの情報として格納されますので,必要最小限の領域を取るようお勧めします。
次に既存のビットマップの必要な部分だけをペイント(またはペイントブラシ)を用いて切り出す方法を説明します。
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ペイント(またはペイントブラシ)で基になるビットマップを表示する。
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四角形選択ツールで(または自動選択ツール)で必要な部分を選択する。
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メニューバーから[編集]の[ファイルへコピー]を選択する。
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ファイル名を指定して保存する。
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- 使用する色を減らす
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ビットマップの形式として,2色,16色,256色,1,600万色(フルカラー)の色数のものがあります。色数が増えると情報量が増えるので,それだけビットマップサイズが大きくなります。また,その表示色数をサポートしていないディスプレイに表示した場合,色化けが起きたり,表示が遅くなったりするなどの問題が起こります。
既存のビットマップの色数を変更するには,画像フォーマットを変換する機能を持った市販のグラフィックソフトを使用する方法があります。しかし,色数を減らすことでビットマップが見にくくなることがあります。したがって,初めから16色でビットマップを作成することをお勧めします。
(5) プレーンサイズの見直し
ボックスに隠れているプレーンは,データがなくても表示しています。不要なサイズになっていないか見直してください。
(6) 画面サイズの見直し
画面サイズが小さい方が表示性能は高くなります。画面サイズを見直してください。