11.2.2 CALL文による印刷
ここでは，COBOLのCALL文での，オープン要求，出力要求，およびクローズ要求について説明します。
CALL文による印刷は，Windows版XMAP3サーバ/クライアント実行環境（64ビット）で動作するAPでは利用できません。
(1) CALL命令
CALL命令の形式を次に示します。
CALL 'jsvwadrv' USING XMAP-COM XMAP-REQ データ名３ データ名４
-
共通インタフェース領域を指定します。この領域は，帳票を出力したい端末単位に作成し，オープンしたときの領域をクローズ要求まで引き継いで使用します。また，次に示す各要求時にマッピング，および出力に必要な情報をセットします。
-
オープン要求時：仮想端末名，通信種別を指定します。
-
出力要求時：物理マップ名を指定します。
共通インタフェース領域の形式の詳細を次の表に示します。
表11‒8 共通インタフェース領域の形式（XMAP-COM，COBOL） データ項目名
長さ（位置）
データ形式
指定内容（データ名）
アイキャッチャ
4
X(4)
'＊XP△'とします（XMAP-COM-ID）
リターンコード
2(4)
9(4)COMP-5
2進形式で格納します（XMAP-COM-RTN）
リターンコード詳細
2(6)
9(4)COMP-5
2進形式で格納します（XMAP-COM-RSN）
未使用
3(8)
X(3)
(00)16とします（XMAP-COM-RSV1）
id区分
1(11)
X
必ず'I'とします（XMAP-COM-ITYPE）
仮想端末名
8(12)
X(8)
仮想端末定義ファイルで指定した名称を左詰めで指定し，残りは空白とします
（XMAP-COM-TNAME）※1
未使用
4(20)
X(4)
(00)16とします（XMAP-COM-RSV2）
通信種別
4(24)
X(4)
プリンタ要求時は'OWS△'とします
（XMAP-COM-MSG）
未使用
44(28)
X(44)
(00)16とします（XMAP-COM-RSV3）
マップ名
8(72)
X(8)
物理マップ名を左詰めでデバイスID※2付きで指定し，残りは空白とします
（XMAP-COM-MAPNAME）
未使用
8(80)
X(8)
(00)16とします（XMAP-COM-RSV4）
未使用
4(88)
S9(8)COMP-5
0とします（XMAP-COM-INLNG）
未使用
68(92)
X(68)
(00)16とします（XMAP-COM-RSV5）
- 注※1
-
仮想端末名を省略できるのは，画面定義時だけです。
- 注※2
-
帳票のデバイスIDについては，「11.2.1(1) 通信記述項」を参照してください。
-
-
要求インタフェース領域を指定します。要求インタフェース領域の形式を次の表に示します。この領域は，必ず指定します。この領域に指定した内容によって，要求種別が決まります。
表11‒9 要求インタフェース領域の形式（XMAP-REQ，COBOL） データ項目名
長さ（位置）
データ形式
指定内容（データ名）
要求種別
4
X(4)
'OPEN'：オープン要求
'CLOS'：クローズ要求
'SEND'：出力要求
（XMAP-REQ-TYPE）
未使用
1(4)
X
'△'とします（XMAP-REQ-OPT1）
SEND
オプション
1(5)
X
'1'：出力要求
'△'：上記以外（XMAP-REQ-OPT2）
未使用
2(6)
X(2)
'△△'とします（XMAP-REQ-RSV）
-
データ名3
次に示す各要求に対応する情報を指定します。
-
出力要求時：出力論理マップを指定します。
-
クローズ要求時：0を指定します。
-
オープン要求時：オープンインタフェース領域を指定します。オープンインタフェース領域の形式を次の表に示します。この領域は，必ず指定します。
表11‒10 オープンインタフェース領域の形式（XMAP-OPN，COBOL） データ項目名
長さ（位置）
データ形式
指定内容（データ名）
データ有無コード
使用選択
1
X
'1'：データ有無コードを指定します
その他：データ有無コードを指定しません（標準値「1F」を仮定）
（XMAP-OPN-DCODE-SET）
データ有無コード
1(1)
X
データ有無コードを指定する場合，2桁の16進数（00〜FF）で指定します
（XMAP-OPN-DCODE）
未使用
2(6)
X(2)
'△△'とします（XMAP-OPN-RSV）
なお，データ有無コード使用選択項目でデータ有無コードを無効にする指定をした場合は，標準値「1F」が仮定されます。
-
-
データ名4
次に示す各要求に対応する情報を指定します。
-
出力要求時：0を指定します。
-
クローズ要求時：0を指定します。
-
オープン要求時：0を指定します。
-
(2) インタフェース領域の取り込み方法
XMAP3が提供しているインタフェース領域（Jsvwatbl.cbl）をAPに取り込むには，COPY文を使用します。COPY文は，WORKING-STORAGE SECTION，またはLINKAGE SECTIONに指定します。また，コンパイルする前にJsvwatbl.cblのフォルダ名をCBLLIBに設定しておきます。インタフェース領域を次の図に示します。
* COMMON INTERFACE AREA
01 XMAP-COM.
03 XMAP-COM-ID PIC X(4).
03 XMAP-COM-RTN PIC 9(4) COMP-5.
03 XMAP-COM-RSN PIC 9(4) COMP-5.
03 XMAP-COM-RSV1 PIC X(3).
03 XMAP-COM-ITYPE PIC X.
03 XMAP-COM-TNAME PIC X(8).
03 XMAP-COM-RSV2 PIC X(4).
03 XMAP-COM-MSG PIC X(4).
03 XMAP-COM-RSV3 PIC X(44).
03 XMAP-COM-MAPNAME PIC X(8).
03 XMAP-COM-RSV4 PIC X(8).
03 XMAP-COM-INLNG PIC S9(8) COMP-5.
03 XMAP-COM-RSV5 PIC X(68).
*
* REQUEST INTERFACE AREA
01 XMAP-REQ
03 XMAP-REQ-TYPE PIC X(4).
03 XMAP-REQ-OPT1 PIC X.
03 XMAP-REQ-OPT2 PIC X.
03 XMAP-REQ-RSV PIC X(2).
*
* OPEN INTERFACE AREA
01 XMAP-OPN.
03 XMAP-OPN-DCODE-SET PIC X.
03 XMAP-OPN-DCODE PIC X.
03 XMAP-OPN-RSV PIC X(2). |
(3) オープン要求
CALL命令を使用する場合，帳票を印字したいプリンタに付けた仮想端末名単位にオープン要求をします。複数の仮想端末（プリンタ）をオープン要求する場合，インタフェース領域は，各端末に用意します。一つのAP（プロセス）内で同時にオープンできる端末数の上限は15個です。
- 例
PROCEDURE DIVISION. : INITIALIZE XMAP-COM ┐ REPLACING NUMERIC DATA BY ZERO ├ …… 1.共通エリアをクリア ALPHANUMERIC DATA BY LOW-VALUE.┘ MOVE ALL SPACE TO XMAP-REQ. …………… 2.要求エリアをクリア * MOVE 'OPEN' TO XMAP-REQ-TYPE. …………… 3.オープン要求をセット MOVE '*XP△' TO XMAP-COM-ID. …………… 4.IDをセット MOVE 'I' TO XMAP-COM-ITYPE. …………… 5.ID区分をセット MOVE 'OWS△' TO XMAP-COM-MSG. …………… 6.プリンタの通信種別をセット MOVE 'PRT001△△' TO XMAP-COM-TNAME. …………… 7.仮想端末名を代入 MOVE '1' TO XMAP-OPN-DCODE-SET. …………… 8.データ有無コードをセット MOVE X'1F' TO XMAP-OPN-DCODE. MOVE SPACE TO XMAP-OPN-RSV. CALL 'jsvwadrv' USING XMAP-COM …………… 9.共通インタフェース領域 XMAP-REQ …………… 10.要求インタフェース領域 XMAP-OPN …………… 11.オープンインタフェース領域 BY VALUE 0.
(4) 出力要求
オープン要求した仮想端末へ帳票印刷をします。オープン要求で使用した共通インタフェース領域を引き継いで使用します。
- 例
MOVE 'SEND' TO XMAP-REQ-TYPE. ……… 1.出力要求をセット MOVE '△' TO XMAP-REQ-OPT1. ……… 2.必ず空白をセット MOVE '1' TO XMAP-REQ-OPT2. ……… 3.出力要求の場合’１’をセット MOVE 'MAP3016B' TO XMAP-COM-MAPNAME. … 4.物理マップ名をセット MOVE データ TO MAP301O. ……………… 5.帳票出力したいデータを論理マップへセット CALL 'jsvwadrv' USING XMAP-COM ……… 6.共通インタフェース領域 XMAP-REQ ……… 7.要求インタフェース領域 MAP301O ……… 8.出力論理マップ BY VALUE 0.