6.5 書式オーバレイの簡易印刷
指定された書式をテキストファイル中の行データと重ねて印刷する書式オーバレイ印刷コマンドの実行方法について説明します。このコマンドを利用することで,テキストファイルがあれば簡単に書式付き帳票を印刷できます。また,書式だけを印刷することもできます。
- 〈この節の構成〉
(1) 書式オーバレイ印刷コマンド
(a) 処理の流れ
(b) 形式の説明
書式オーバレイ印刷コマンドは,次に示す方法のうちどれかの方法で実行します。
-
スタートメニューの[ファイル名を指定して実行]
-
コマンドプロンプト
-
バッチファイル(拡張子:.bat)
-
APからの実行
書式オーバレイ印刷コマンドの形式を次に示します。
- Windowsの場合
-
形式
x3kfog 〔-s 印刷サービス名〕〔-f 書式名〕 テキストファイル …書式オーバレイ印刷 x3kfog 〔-s 印刷サービス名〕-T 書式名 …書式だけの印刷
- UNIXの場合
-
形式
xmovl〔-s 印刷サービス名〕〔-f 書式名〕テキストファイル …書式オーバレイ印刷 xmovl〔-s 印刷サービス名〕-T 書式名 …書式だけの印刷
- -s 印刷サービス名
-
出力先の印刷サービス名を指定します。印刷サービス名を省略したときは,環境変数「XMAP3_PSNAME」で指定した名称が仮定されます。
サービス名ファイルについては,マニュアル「XMAP3 実行ガイド」を参照してください。
- -f 書式名
-
出力する書式名を指定します。書式名は,拡張子(.fmp)を除いた8文字以内の文字列で指定します。
書式名を省略したときは,環境変数「XMAP3_FMP」で指定した名称が仮定されます。
- テキストファイル
-
テキストファイルの名称を指定します。テキストファイルは,ASCIIコードおよびシフトJISコードから構成されるファイルで,文字,数字,記号だけのファイルとします。制御コードは,改行,および改ページコードだけで,テキストファイルの先頭から行データとして印刷します。なお,有効となるのは,一行につき1,024文字までです。1,025文字以降は,入力しても無効になります。
- -T 書式名
-
印刷する書式名を指定します。書式名は,拡張子(.fmp)を除いた8文字以内の文字列で指定します。書式だけを印刷する場合は,必ず書式名を指定します。
- コマンド終了コード
-
書式オーバレイ印刷コマンドの終了コードを次に示します。
0:正常終了
1:異常終了
(c) 注意事項
-
Windowsで書式オーバレイをシリアルプリンタに印刷する場合,プリンタの設定が必要になります。表示・印刷セットアップのプリンタの種類で「ページ帳票/書式印刷」のプリンタを選んでください。
-
書式だけを印刷するときの実行環境では,書式イメージファイルと行制御データファイルを同じフォルダに格納してください。
-
書式オーバレイなしの行データだけの印刷はできません。ただし,何も定義していない空の書式を作成すると,行データだけの印刷ができます。
-
印刷時には,AP環境ファイル(X3MWDRV/XMAPdrv)のmapPathで指定されているフォルダが参照されます。mapPathで指定されているフォルダに指定した書式ファイルがない場合は,実行時フォルダが参照されます。
Windowsの場合,AP環境ファイルは表示・印刷セットアップで設定してください。
-
指定したテキストファイルの内容は,1行ごとに行データとして印刷されます。指定できる行データには上限があります。1,024バイト以下にしてください。指定できる1ページデータ量の上限値を算出する概算式については,「付録B 書式オーバレイの1ページデータ量の制限」を参照してください。なお,概算式での「項目データの数」は「1」となります。
-
UNIXの場合,テキストファイルに指定する文字コードは,LANG環境変数に対応する文字コードにしてください。
-
UNIXの場合,書式だけの印刷,またはAP実行環境で書式オーバレイをシリアルプリンタに印刷することはできません。
-
書式名を省略し,かつ環境変数「XMAP3_FMP」を設定していない場合,書式属性には次の表に示す値が設定されます。
書式属性
設定値
用紙種別
A4横
行データのます目
行の間隔
6LPI
文字間隔
5ポイント
文字サイズ
9ポイント
書体
標準
マージン
上マージン
8.3mm
左マージン
8.3mm
レイアウト領域サイズ
ます(行)
46行
ます(列)
255列