画面・帳票サポートシステム XMAP3 開発ガイド


13.79.2 ポップアップフィールドダイアログ(フィールドボックス)

ポップアップフィールドのオブジェクトの表示に関する属性を設定します。このほかに,表示するメニューに関しては[固定(または可変)ポップアップ]ダイアログで指定します。

フィールドの配置

レイアウト領域上でのオブジェクトの先頭位置(行数・列数)と長さ(列数)が表示されます。長さは[APが受け取る項目]の[桁],[データ長]に応じて更新されます。

文字色

オブジェクトに表示する文字の色を指定します。

使用目的

メニューを開くタイミングと入力できる文字の組み合わせで指定します。

・POP・自動/POP・手動
  • POP・自動

    メニュー項目の選択で,データを入力する使い方です。

    ポップアップメニューは,このオブジェクトにフォーカスを位置づけると自動的に表示されます。

  • POP・手動

    メニュー項目の選択とキーボードからの文字入力との2とおりで,データを入力する使い方です。

    ポップアップメニューを表示するには,このオブジェクトにフォーカスやカーソルを位置づけ,プッシュボタンやメニューバーのメニュー項目([選択時の動作]に「ポップアップ表示」を指定したもの)を選びます。

・数字/カナ/英数/日本語
  • 数字

    数字一般(数字コードなど)の半角文字の入力用です。文字種はデータ型に応じて異なります。

    ・PIC Xの場合,入力できる文字は「 0〜9 . , + - * / ( ) < > = ? : ; 」

     APに返す文字は入力できる文字と同じです。

    ・PIC 9の場合,入力できる文字は「 0〜9 , + * \ スペース 」

     APに返す文字は「 0〜9 」,「全桁スペースクリア」

    ・PIC S9の場合,入力できる文字は「 0〜9 , + - * \ スペース 」

     APに返す文字は「 0〜9 符号」,「全桁スペースクリア」

    不正な文字を入力すると入力時にエラーになります。

    PIC S9,PIC 9の場合は,フォーマットチェックが実行されます。

    テキスト・フィールドでの表示上の文字は入力できる文字と同じです。

  • カナ

    半角カナを含む半角文字の入力用です。

    日本語入力システムがカナ入力モードになります。ただし,入力モードを切り替えるとカナ以外の半角文字(スペース,英数,記号)も入力できます。

    全角文字を入力すると,エラー通知文字をAPに返します。

  • 英数

    半角文字だけの入力用です。

    半角文字(スペース,英大文字,英小文字,数字,カナ,記号)を入力できます。全角文字を入力すると入力時にエラーになります。

    APに返す文字は,入力できる文字と同じです。

  • 日本語

    全角文字,全角/半角の混在文字の入力用です。

    日本語入力システムがかな入力モードになります。

    データ型がPIC Nの場合,全角文字だけを入力できます。半角文字(半角スペースを除く)を入力すると,入力時にエラーになります。

    データ型がPIC Xの場合,全角/半角が混在した文字を入力できます。

詳細目的

[使用目的]が日本語の場合に指定できます。

入力を許可する文字の種類を選びます。

「混在(全角・半角)」は,全種類の全角文字・半角文字の混在です。

「漢字」は,全種類の全角文字です。

表示方法

入力可否と非表示属性の組み合わせで指定します。

  • 入力可否の指定について

    「入力可能」(または「選択可能」)は,活性状態(入力・選択できる状態)でオブジェクトを表示します。

    「入力不可」(または「選択不可」)は,不活性状態(入力・選択できない状態)でオブジェクトを表示します。

    「パスワード表示」は入力可能だけとの組み合わせになります。「グレーアウト表示」および「全体非表示」は「入力不可」だけとの組み合わせになります。

  • 非表示属性の指定について

    オブジェクトや文字列の表示のしかたを指定します。指定できる項目は,オブジェクトの種類や[使用目的]などに応じて異なります。また,フィールドボックス内のフィールドでは「全体非表示」と「グレーアウト表示」は使用できません。なお,指定はレイアウト領域上には反映されません。

    「標準表示」は,オブジェクトや文字を見える状態で表示します。

    「全体非表示」は,文字を含むオブジェクト全体を表示しません。

    「文字だけ非表示」は,オブジェクトの外観は表示しますが文字は表示しません。

    「グレーアウト表示」は,オブジェクトや文字を不活性状態のグレーで表示します。

    「パスワード表示」は,文字を「*」に替えて表示します。

遷移条件

オブジェクトでのデータ入力や候補選択の完了後のフォーカス・カーソルの動きについて指定します。

「手動スキップ・右寄せ」は,タブキーやマウスで他のオブジェクトにフォーカス・カーソルを移動したとき,入力データが桁数に満たない場合に入力データが右寄せされます。

「手動スキップ・全桁必須」は,1文字でも入力した場合,桁数いっぱいに入力しないと入力エラーになり,タブキーやマウスでフォーカス/カーソルの移動ができなくなります。

「手動スキップ」は,タブキーやマウスでフォーカス/カーソルを移動します。なお,桁数を超えるデータを入力しようとするとエラーになります。

「自動スキップ」は,桁数いっぱいまで文字を入力するか候補選択の操作をしたとき,フォーカス/カーソルが次の入力/選択できるオブジェクトに自動的に移動します。これに対して,手動スキップの場合はタブキーを押すことでフォーカス/カーソルが次の入力/選択できるオブジェクトに移動します。

反転表示する

背景色と文字色を反転して表示します。項目を強調して表示する場合などに使います。

カーソル設定(初期カーソルを本フィールドに設定する)

APからカーソル位置を設定しないで画面を表示したとき(例えば,論理マップのカーソル制御項目に値を設定していない),このフィールドにカーソルを位置づけます。

すべてのオブジェクトでこの指定が「オフ」の場合は,最小位置(行数−列数の順)で指定可能なオブジェクトに初期カーソルが位置づけられます。

入力済み(入力しなくても表示データをAPに返す)

オブジェクトを転送状態にします。この場合,入力論理マップのデータ項目に必ず(操作者が変更するかどうかに関係なく)次のデータ/コードを返します。

  • 「入力済み」では,オブジェクト内の表示データ(文字列など)。

    ただし,ポップアップやコンボボックスの場合は表示データに対応する通知コード。

  • 「選択済み」では,候補(ボタンなど)に対応する通知コード。

    ただし,表示・選択データがない場合は,データ消去通知文字が入力論理マップの項目に代入されます。

自動送信(入力直後にAPへ制御を渡す)

テキスト入力や候補(メニュー項目やボタンなど)の選択動作ごとに,APにイベントを通知します。

入力/選択後に他のオブジェクトへフォーカスを移動すると,自動的にAPにイベントが通知されます。このとき返すイベント通知コードは,送信キーと同じです。

入力必須(入力しない時はエラーにする)

このオブジェクトでのデータ入力の操作を省略できないようにします。入力していない場合は,画面確定時(APへ制御を渡す直前)にエラーとなり,イベントはAPに通知されません。

なお,他の属性との対応([不活性]との併用など)に注意してください。

ワンタッチクリア(選択状態にする)

画面が表示されたとき,およびマウス・キー操作によって入力フィールドにフォーカスが移動したときに,この入力フィールドに表示される出力データをすべて選択した状態にします。

ワンタッチで表示データを削除できる状態になります。表示データを必ず書き換える場合などに使います。

  • ワンタッチクリアを設定した入力フィールドにデータが無い場合

    入力フィールドをクリックすると,XMAP3 04-02以前ではクリックした個所にカーソルが位置づけられますが,XMAP3 04-03以降では,クリックした位置に関わらず,次に入力が行われる個所(文字の場合は左端,数値・金額の場合は右端)にカーソルが位置づけられます。

    なお,画面が表示されたとき,およびキー操作によってフォーカスが移動したときも同様になります。

    注※ オブジェクトに右寄せを指定している場合は,カーソルは常に左端に位置づけられます。

印字する

論理ハードコピーでオブジェクトを印刷対象にするかどうかを指定します。印字対象にしない場合は,[印字する]チェックボックスをオフにしてください。

コメントの記述

オブジェクトに付けるコメントを記述します。

[フィールド反復]ボタン

反復定義について指定するためのダイアログが表示されます。

APが受け取る項目

APが参照するデータ項目について指定します。

・データ名

データ項目のデータ名を次の規則に従って指定します。

  • 指定できる文字数は,接頭語(マップ名)を含めて29文字以内です。このため,ドローセットアップの[マップ名の長さ]の設定が「7」の場合は21文字以内,「6」の場合は22文字以内となります。全角文字は2文字分として数えます。ただし,データ名の先頭および末尾の全角文字は,4文字分として数えます。また,全角文字と半角文字が混在する場合,半角文字の直前の全角文字は,4文字分として数えます。

  • 指定できる文字種は,COBOLの場合は「A〜Z」「0〜9」「-(ハイフン)」「大文字の半角カナ」「全角(混在)」です。

    Cの場合は「A〜Z」「a〜z」「0〜9」「_(アンダースコア)」です。

・桁

入力・出力するデータに応じて,データ項目の桁を指定します。

  • [データ長を変更する]ボタンがオフの場合

    指定できる長さは,入出力するデータの最大長以上で,オブジェクトがレイアウト領域に収まる範囲です。ただし,[データ型]が「数字」または「数字編集」のときはピクチャの最大桁を指定します。

  • [データ長を変更する]ボタンがオンの場合

    不活性になり,設定できません。

・データ長

APが受け取る項目のデータ長を指定します。

  • [データ長を変更する]ボタンがオフの場合

    ターゲット,使用目的に応じて,「桁」の値を基に計算した値を表示します。

  • [データ長を変更する]ボタンがオンの場合

    「桁」より小さい値になっているとエラーになります。

    また,次の場合エラーになります。

    ・最大値376を超えている

    ・数値以外が入力された

・データ型

[詳細目的]で「漢字」を指定している場合,「文字(XX)」または「漢字(NN)」を指定できます。

それ以外の場合,固定値(文字(XX))が表示されます。

・桁寄せ

固定値(左)が表示されます。

・埋字

論理マップの項目長よりデータ長が短い場合に残りの領域を埋める文字を指定します。[桁寄せ]に応じて,項目内の右側/左側に埋字が格納されます。

指定できる内容は,オブジェクトの種別や[使用目的]などに応じて異なります。

「スペース」は,半角のスペースで埋字します。

「LOW(X'00')」は,LOW-VALUE((00)16)で埋字します。

「HIGH(X'FF')」は,HIGH-VALUE((FF)16)で埋字します。

「ゼロ」は,0で埋字します。

「埋めない」は,埋字をしません。領域にはAP内の直前のデータ領域の内容がそのまま残るか,初期クリア文字でクリアされます。

「自由な埋字」は,自由な値を埋字にします。この場合,[自由な設定]ボタンから値を指定してください。

APからデータを表示する

出力論理マップに初期値出力用の領域(APが渡す項目)を展開します。この領域にAPから初期値を設定して,オブジェクトに表示します。

なお,次の場合には,この指定を「オフ」にしてください。

  • キーボードからの入力だけに使う(APからデータを表示しない)場合

  • [使用目的]が「パスワード」や「MCR」の場合

データ長を変更する

データ長の自由設定の有無を指定します。

  • オン:データ長を自由設定できます。

  • オフ:データ長を標準設定にします。

ターゲットがWindows,AIX(シフトJIS)の場合は非表示になります。また,他のターゲットの場合でも,使用目的が「POP(XX-日本語)」で詳細目的が「混在(全角・半角)」の場合だけデータ長が指定できます。

APが渡す項目

APからの出力データを代入するデータ項目について指定します。

[データ名]や[桁],[データ長]などの各項目は,[APが受け取る項目]に対応して表示されます。

動的変更(APから表示属性を変更する)

制御項目を論理マップに展開して,画面表示時または帳票印刷時に表示属性を動的に変更できるようにします。表示属性とは,画面に表示するオブジェクトの文字色や活性/不活性,帳票に印字する文字の書体やけい線の種類などの属性です。

制御項目にAPから修飾名を設定することで,動的に属性を変更できます(ただし,GUI/CUI画面でマッピングオプションが「物理マップ」のときは該当しません)。

修飾名と表示属性との対応は,ドローセットアップで設定します。

初期値

入力論理マップの項目にあらかじめ設定しておく初期値を指定します。指定できる内容は,[使用目的]などに応じて異なります。

「指定しない」は,初期値の文字を設定しません。

「LOW(X'00')クリア」は,(00)16で領域をクリアします。

「スペースクリア」は,半角のスペースで領域をクリアします。

「ゼロクリア」は,文字の0で領域をクリアします。

「自由な初期値」は,自由な文字で領域をクリアします。この場合,[自由な設定]ボタンから文字を指定してください。

なお,ポップアップやコンボボックスの初期値には,該当メニュー項目に対応する通知コードを指定してください。

[自由な設定]ボタン

[データ型],[埋字],[初期値]を任意の値で設定する場合に,値を指定するためのダイアログが表示されます。