11.5.6 書式オーバレイで使用するオブジェクトの詳細
(1) 固定フィールド
固定フィールドは,帳票上の表題や注釈などの変化しないテキストを配置するときに使用します。漢字を含めた日本語,または半角の英数字を設定できます。
固定フィールドは,APとのインタフェースを持ちません。したがって,固定フィールドを追加,修正,または削除してもAPには影響ありません。
(a) 設定できる項目
固定フィールドの項目と設定できる値を次の表に示します。
項目 |
動的変更 |
設定できる値 |
---|---|---|
文字の拡大 |
− |
標準,平体,長体,倍角 |
文字サイズ |
− |
標準,5ポイント,7ポイント,9ポイント,12ポイント,14ポイント |
文字の間隔 |
− |
標準,0〜7ポイント |
文字の書体 |
− |
標準,明朝,ゴシック |
文字の強調 |
− |
標準,太字,斜体,太字&斜体 |
網掛け |
− |
なし,薄い網掛け,標準網掛け,濃い網掛け |
テキスト |
− |
255文字(半角の場合)以内 |
テキスト揃え |
− |
中央,左,右,均等 |
(b) ます目の配置
ます目の配置では,その領域に合わせて配置されます。固定フィールドのます目の配置を次に示します。
書式オーバレイでは,メニューバーの[表示]−[ます目の配置]のチェックを外すと,自由な位置に固定フィールドを作成できます。
(c) 固定フィールド指定時の注意
書式オーバレイの定義をする場合,固定フィールドダイアログで文字サイズと字間値を標準以外に設定すると,定義画面上の表示と印刷結果に多少のずれが発生することがあります。印刷する前に定義画面上で確認したい場合は,[表示]−[ズーム]−[拡大]で最大表示するか,プレビュー機能を使用してください。
(d) 固定フィールドの作成手順
固定フィールドの作成手順を次に示します。
-
ツールボックスの[固定フィールド]を選びます。
[固定フィールド]には,「日本語」と「英数」の種類があり,ボタンを選ぶたびに種類が切り替わります。
-
レイアウト領域で,オブジェクトの開始位置を指定します。
固定フィールドが配置され,文字を入力できる状態になります。
-
キーボードから直接文字を入力します。
半角文字と全角文字を混在させて入力できます。配置した領域より長い文字列も入力できます。
-
[Enter]キーを押して,文字を確定します。
文字列の長さに合わせてフィールドの幅が調整されます。
固定フィールドの横幅は,文字列の長さに関係なく伸縮できます。領域より短い文字列は,属性の[テキスト揃え]に従って表示されます。
(2) 表けい線の枠
表けい線の枠は,表を作成するときに使用します。見出しあり,または見出しなし枠を作成できます。
(a) 表けい線の枠の作成手順
表けい線の枠の作成手順を次に示します。
-
ツールボックスの[表けい線の枠]を選びます。
[表けい線の枠]には,「見出しなし」と「見出しあり」の種類があり,ボタンを選ぶたびに種類が切り替わります。
-
レイアウト領域で,サイズに応じて開始位置から終了位置までドラッグします。
表けい線の枠が配置されます。ほかのオブジェクトがない領域を指定した場合は,矩形と8列間隔の縦けい線が引かれます。配置した矩形やけい線は,それぞれ独立したオブジェクトになります。
配置した矩形のサイズやけい線の長さは伸縮できます。
(3) けい線の繰り返し
けい線の繰り返しは,選択した範囲に,縦方向または横方向にけい線を繰り返して引くときに使用します。
(a) けい線の繰り返しの作成手順
けい線の繰り返しの作成手順を次に示します。
-
ツールボックスの[けい線の繰り返し]を選びます。
[けい線の繰り返し]には次の種類があり,ボタンを選ぶたびに種類が切り替わります。
-
横けい線の繰り返し(1行間隔)/(2行間隔)/(自動間隔)
-
縦けい線の繰り返し(自動間隔)
-
-
レイアウト領域で,サイズに応じて開始位置から終了位置までドラッグします。
選んだボタンに応じてけい線が配置されます。配置したけい線は,それぞれ独立したオブジェクトになります。
配置したけい線の長さは伸縮できます。
(4) けい線
けい線は,配置した出力フィールドなどを強調したり,表を作成したりするときに使用します。縦方向,横方向,または斜め方向に1本の線が引けます。
(a) 設定できる項目
けい線の項目と設定できる値を次の表に示します。
項目 |
動的変更 |
設定できる値 |
---|---|---|
線の位置 |
− |
上,中央,下 |
線の種類 |
− |
実線,破線,点線,一点鎖線,二点鎖線,二重線,見えない線 |
線の太さ |
− |
細,中,太,極太 |
向き |
− |
右下がり斜線,右上がり斜線 |
(c) けい線移動の注意
書式オーバレイのレイアウト画面では,横けい線(下)または横けい線(中央)(「線の位置」で「下」または「中央」が設定されている横けい線)を移動すると,移動カーソルは行の上側に表示されますが,けい線は行の下側または中央に引かれます。
また,フレームに配置されている横(下)けい線をクリックすると,けい線の繰り返しは解除されます。
(d) けい線の作成手順
けい線の作成手順を次に示します。
-
ツールボックスの[けい線]を選びます。
[けい線]には「縦(左)/横(上)」,「縦(中央)/横(中央)」,「縦(右)/横(下)」,「斜め」の種類があり,ボタンを選ぶたびに種類が切り替わります。
-
レイアウト領域で,長さに応じて開始位置から終了位置までドラッグします。
けい線が選択状態で配置されます。縦けい線か横けい線かはドラッグの方向に応じます。
配置したけい線の長さは伸縮できます。
(5) 矩形
矩形は,配置したフィールドを強調したり,表を作成したりするときに使用します。
(a) 設定できる項目
矩形の項目と設定できる値を次の表に示します。
項目 |
動的変更 |
設定できる値 |
---|---|---|
角の丸め |
− |
全て丸める,丸めなし,任意の位置 |
丸め半径 |
− |
大,標準,小 |
丸め場所 |
− |
左上,左下,右上,右下 |
種別 |
− |
枠だけ,枠と右下がり斜線,枠と右上がり斜線 |
線の種類 |
− |
実線,破線,点線,一点鎖線,二点鎖線,二重線 |
線の太さ |
− |
細,中,太,極太 |
(b) ます目の配置
ます目の配置では,その領域に合わせて配置されます。矩形のます目の配置を次に示します。
メニューバーの[表示]−[ます目の配置]のチェックを外すと,自由な位置に矩形を作成できます。
(c) 矩形のけい線情報
けい線は,横けい線の始点,交点,終点,および各行の縦けい線に半角文字で1文字分のけい線情報用の領域を占有します。横けい線は,けい線を行の上段に引くときは下側,行の下段に引くときは上側にけい線情報用の領域を占有します。ただし,書式オーバレイは,このようなけい線情報を意識しないで配置できます。矩形のけい線情報を次の図に示します。
矩形内の斜線
矩形の角の丸め位置
(d) 矩形の作成手順
矩形の作成手順を次に示します。
-
ツールボックスの[矩形]または[矩形(ラウンドコーナ)]を選びます。
ボタンの種類は,ボタンをクリックして切り替えます。
-
レイアウト領域で,サイズに応じて開始位置から終了位置までドラッグします。
矩形が選択状態で配置されます。
配置した矩形のサイズは伸縮できます。
(6) 円
円は,帳票上に印鑑を押す個所などを配置するときに使用します。
(a) 設定できる項目
円の項目と設定できる値を次の表に示します。
項目 |
動的変更 |
設定できる値 |
---|---|---|
線の種類 |
− |
実線,破線,点線,一点鎖線,二点鎖線,二重線 |
線の太さ |
− |
細,中,太,極太 |
網掛け |
− |
網掛けなし,極薄網掛け,薄い網掛け,標準網掛け,濃い網掛け,極濃網掛け,薄い格子,標準格子,薄い右下,標準右下,薄い左下,標準左下,薄い縦線,標準縦線,薄い横線,標準横線 |
(c) 円の作成手順
円の作成手順を次に示します。
-
ツールボックスの[円]を選びます。
[円]には,「実線」,「点線」の種類があり,ボタンを選ぶたびに種類が切り替わります。
-
レイアウト領域で,オブジェクトのサイズに応じて開始位置から終了位置までドラッグします。
円が選択状態で配置されます。
配置したオブジェクトのサイズは伸縮できます。
(7) 円弧
円弧は,矢印や引出し線の角を丸めるときなどに使用します。
(a) 設定できる項目
円弧の項目と設定できる値を次の表に示します。
項目 |
動的変更 |
設定できる値 |
---|---|---|
角度 |
− |
大,中,小 |
線の種類 |
− |
実線,破線,点線,一点鎖線,二点鎖線 |
線の太さ |
− |
細,中,太,極太 |
(b) ます目の配置
ます目の配置では,その領域に合わせて配置されます。円弧のます目の配置を次に示します。
なお,円弧の中心線もレイアウト領域内に配置する必要があります。
メニューバーの[表示]−[ます目の配置]のチェックを外すと,自由な位置に円弧を作成できます。
(d) 円弧の作成手順
円弧の作成手順を次に示します。
-
ツールボックスの[円弧]を選びます。
[円弧]には次の種類があり,ボタンを選ぶたびに種類が切り替わります。
実線:「角度 大」,「角度 中」,「角度 小」
破線:「角度 大」,「角度 中」,「角度 小」
-
レイアウト領域で,オブジェクトのサイズ・形状に応じて開始位置から終了位置までドラッグします。
ドラッグの方向に対して反時計回りの線が引かれます。
(例)
中心点がレイアウト領域からはみ出す位置には配置できません。
配置したオブジェクトのサイズは伸縮できます。
(8) 網掛け
領域に対する網掛けを指定できます。見出し領域に網掛けを配置してその領域を強調したり,複数行にわたって並んだフィールドに1行間隔の網掛けを配置することで表を見やすくしたりできます。また,格子や斜め線などの網掛けを設定できます。
網掛けは,けい線やフィールドと重ねて配置できます。
また,矩形の網掛け,ラウンドコーナの網掛け,および1行間隔の網掛けが設定できます。
(a) 設定できる項目
網掛けの項目と設定できる値を次の表に示します。
項目 |
動的変更 |
設定できる値 |
---|---|---|
角の丸め |
− |
全て丸める,丸めなし,任意の位置 |
丸め半径 |
− |
大,標準,小 |
丸め場所 |
− |
左上,左下,右上,右下 |
種別 |
− |
枠なし,枠付,枠付・右下がり斜線,枠付・右上がり斜線 |
網掛け |
− |
極薄網掛け,薄い網掛け,標準網掛け,濃い網掛け,極濃網掛け,薄い格子,標準格子,薄い右下,標準右下,薄い左下,標準左下,薄い縦線,標準縦線,薄い横線,標準横線 |
線の種類 |
− |
実線,破線,点線,一点鎖線,二点鎖線 |
線の太さ |
− |
細,中,太,極太 |
(b) ます目の配置
ます目の配置では,その領域に合わせて配置されます。網掛けのます目の配置を次に示します。
メニューバーの[表示]−[ます目配置]のチェックを外すことで,自由な位置に網掛けを作成できます。
(c) 網掛けの作成手順
網掛けの作成手順を次に示します。
-
ツールボックスの[網掛け],[網掛けの繰り返し(1行間隔)],[網掛け(ラウンドコーナ)]のどれかを選びます。
ボタンの種類は,ボタンをクリックして切り替えます。
-
レイアウト領域で,オブジェクトのサイズに応じて開始位置から終了位置までドラッグするか,開始位置をクリックします。
網掛けが選択状態で配置されます。[網掛けの繰り返し(1行間隔)]で配置した網掛けは,それぞれ独立したオブジェクトになります。
配置した網掛けのサイズは伸縮できます。
ほかのオブジェクトと重ねていて,網掛けを選択しにくい場合は,[Shift]キーを押したまま選んでください。
(9) 固定グラフィック
帳票上に,固定グラフィックを貼り付けられます。固定グラフィックを使用するには,あらかじめWindows形式の固定グラフィックファイルを用意しておく必要があります。利用できるグラフィックデータは,ビットマップファイル(.bmp),メタファイル(.wmf),拡張メタファイル(.emf),またはJPEGファイル(.jpg,.jpeg)です。また,XMAP3が標準提供している固定グラフィックファイルを利用することもできます。なお,JPEGには,JFIF準拠ベースライン形式(基本DCT方式のJFIF01-01,およびJFIF01-02ファイル)だけ使用できます。グラフィックデータのサイズやデータ形式については,「11.5.3 書式オーバレイで定義できる値」を参照してください。
固定グラフィックには,レイアウト領域に配置したあと,領域サイズを基準にしてサイズを変更できる印刷方法と,レイアウト領域に配置したままのサイズで固定する印刷方法があります。XMAP3の印字領域はます目,ミリ,ドット単位でサイズを指定するのに対し,固定グラフィックはドット単位でサイズを変更する上,帳票の印刷精度(dpi)によって単位当たりのドット数が異なるため,印刷の際に何を優先するかで印刷方法を使い分けてください。
帳票でのビットマップ印刷は,解像度の違いから画面での表示と印刷時では,見かけ上の大きさが異なる場合があります。したがって,テスト印刷で印刷結果を確認し,ビットマップの大きさを調整してください。なお,XMAP3では,ビットマップデータは240dpi相当として処理します。
- 固定グラフィックを領域サイズに合わせて印刷する
-
異なる印刷精度(dpi)のプリンタ上で,帳票上の固定グラフィックサイズを同じにしたい場合に使用します。固定グラフィックの属性ダイアログで「領域に合わせて表示する」を指定しておくと,固定グラフィックをレイアウト領域に配置したときに,指定した領域サイズに合わせて印刷されます。ただし,この場合,読み込んだファイル中の固定グラフィックに比べて表示が不鮮明になることがあります。どのプリンタ上でも,見た目にあまり差がないような固定グラフィックを印刷するためには,領域サイズを次のように決めることをお勧めします。
-
帳票の定義前に,異なる印刷精度(dpi)のプリンタ上で,どちらの印刷精度(dpi)でも固定グラフィックが鮮明に読み込める領域サイズを決めます。
-
使用頻度の高い印刷精度(dpi)のプリンタに合わせて領域サイズを決めます。
-
サイズが小さいビットマップを大きい領域に表示すると,正常に表示されないことがあります。この場合,ビットマップ自体のサイズを大きくするか,表示領域のサイズを小さくしてください。
-
- 読み込んだままの固定グラフィックを印刷する
-
固定グラフィックを,読み込んだファイルと同じくらい鮮明に印刷したい場合は,固定グラフィックの属性ダイアログで「領域に合わせて表示する」を指定しません。この場合,固定グラフィックのサイズは,レイアウト領域上で変更できないので,領域よりも読み込んだ固定グラフィックのファイルが大きい場合,はみ出した部分はカットされます。
- 固定グラフィックの大きさとカラーの扱い
-
帳票上に配置する固定グラフィックのサイズと,カラーの扱いについては,「11.5.3 書式オーバレイで定義できる値」を参照してください。
(a) 設定できる項目
グラフィックの項目と設定できる値を次の表に示します。
項目 |
動的変更 |
設定できる値 |
---|---|---|
領域に合わせて表示する |
− |
チェックあり/チェックなし |
枠付き(領域に枠を付ける) |
− |
チェックあり/チェックなし |
(c) 実行時の留意事項
- グラフの変更による再印刷
-
グラフを変更して再印刷するには,再度グラフ印刷アプリケーションを操作して,グラフィックデータを作成します。OLE2処理を終了している場合,APの開始から始める必要があります。ただし,OLE2処理はほかのAPを起動するなどの処理をするため,処理が遅くなることが考えられます。グラフを印刷する場合,変更することが考えられるときは,グラフィック作成ごとにグラフ印刷アプリケーションの開始や終了をするのではなく,グラフ印刷アプリケーションを起動しておくなどの配慮が必要です。
- グラフィックファイルのフォーマット
-
XMAP3が扱えるグラフィックファイルフォーマットは,Windowsビットマップ形式(.bmp),Windowsメタファイル形式(.wmf,.emf),またはJPEGファイル形式(.jpg,.jpeg)があります。形式は,ファイル出力の場合はファイル拡張子,クリップボード出力の場合はクリップボード格納形式で判断します。
- グラフィックファイルのサイズ
-
グラフィックデータのサイズの制限値は,印刷処理に必要なリソース(使用できるメモリ量など)による制限以外はありません。ただし,サイズが大きくなると,データ読み込みや展開などの印刷処理に時間がかかるため,100KB以内にしておくことをお勧めします。
- 領域のサイズ/大きさの制限
-
-
1帳票中の領域の数,または大きさの制限値は帳票サイズによる制限以外はありません。ただし,数やサイズが大きくなってくると,印刷処理に要する時間も大きくなるため,できる限り1個にすることをお勧めします。
-
クリップボードはOSが用意するものを使用するため,グラフィックデータは1度に1種類だけの保存・印刷になります。そのため,1帳票中に,複数のグラフィックデータを印刷する場合は,ファイルからの読み込みを併用することになります。
-
グラフィックファイルの格納場所は,XMAP3実行環境の表示・印刷環境ファイルで指定した特定のディレクトリ下1か所だけになります。ファイル数の制限値はOSの制限値になります。
-
グラフィックデータの印刷はファイル,またはクリップボード内のデータをそのまま印刷します。したがって,回転・縮小・拡大・減色などの操作は,ファイルなどに書き込むAPでオブジェクトのプロパティを操作するなどして,あらかじめ処理しておいてください。ただし,領域サイズがグラフィックデータサイズと異なる場合,領域サイズに合うようにグラフィックデータを拡大縮小する処理は,グラフィックの属性定義時のオプションとして指定できます。
-
プリンタに対しグラフィックデータを印刷する場合,グラフィックデータの持つdpi値とプリンタの持つdpi値は通常異なります。そのため,画面表示の大きさと印刷結果の大きさが異なることがあります。なお,XMAP3では,ビットマップデータは240dpi相当として処理します。
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定義領域よりも大きなグラフィックデータを印刷しようとした場合,定義領域の左上を基準にして,はみ出した部分は切り捨てられて印刷されます。このような場合は,グラフィックの属性ダイアログで「領域に合わせて表示する」を指定するか,運用時に作成するグラフィックデータの大きさをそろえるなどで対処してください。
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- グラフィックデータの印刷
-
-
カラーのグラフィックデータをモノクロのプリンタで印刷した場合,プリンタドライバの設定によっては意図した結果で印刷されないことがあります。グラフィックデータは,モノクロで作成することをお勧めします。
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グラフィックデータは一般的にデータ量が大きく,そのサイズや個数が多くなるにつれ,処理に要する時間も比例して大きくなります。印刷に要する時間を短縮するためには,1帳票に印刷するグラフィックデータは1個にしたり,大きさを小さくしたりするなどして処理時間を軽減してください。
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Windowsのビットマップ形式のカラーグラフィックデータを印刷する場合には,次のような設定をしたXMAP3印刷サービスを利用することをお勧めします。
・「印刷モード」に「GDIページプリンタ」を設定する。
・「グラフィックデータのモノクロ化」に「プリンタドライバにまかせる」を設定する。
これ以外の設定をした場合,XMAP3印刷サービスで印刷できるWindowsのビットマップ形式のカラーグラフィックデータの場合,使用できるグラフィックデータの色に制限があります。使用できる色の範囲については,「12.2.10 グラフィックデータの使用条件」を参照してください。範囲外のカラーグラフィックを使用した場合は破棄されます。
-
固定/出力グラフィックは,Windowsクライアント,およびWindowsマシンのスタンドアロン印刷だけできます。UNIXサーバ印刷はできません。
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- クリップボードの利用
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-
クリップボードへの入出力は,ファイルへの入出力よりも短い時間で処理できます。印刷するグラフィックデータは1個にして,クリップボード経由でXMAP3に引き渡すなどして処理時間を軽減してください。また,ファイルを使用する場合は,RAMディスクに割り当てると印刷性能を確保できる場合があります。
-
クリップボードはシステムに一つだけです。そのため,クリップボードを使用する複数のプログラムを同時に動作させると,意図したもの以外のグラフィックが印刷されることがあります。画面表示プログラムと帳票印刷プログラムを同時に実行したときも同じことが考えられるので,そのような運用をする場合には,ファイルからの読み込みで対処してください。
-
表示している画面データを[PrintScreen]キーを使用してクリップボードに貼り付けて印刷する場合,グラフィックデータの色はディスプレイドライバに依存して印刷されます。
-
- カラーデータの扱い
-
印刷モードをGDIにしたとき,カラーのグラフィックデータを印刷できます。しかし,印刷した場合,ハードウェアに依存した色で印刷されるため,意図したとおりの印刷結果にならないことがあります。したがって,カラーのグラフィックデータは,ユーザが印刷したい内容かをあらかじめ確認し,グラフィックデータとプリントドライバの色を調整してから使用してください。
また,カラーのグラフィックデータをモノクロのプリンタに印刷したいときは,色データのモノクロ変更によって,印刷結果は保証されません。印刷する場合のグラフィックデータの組み合わせについては,「12.2.10 グラフィックデータの使用条件」を参照してください。
- 出力グラフ印刷時のイメージファイルの所在
-
イメージファイルは,印刷するWindowsマシンから参照できる場所に格納する必要があります。C/Sシステムの場合には,クライアント側にイメージファイルを格納してください。また,クリップボードはサーバ側にあるため,C/Sシステムでは,グラフの印刷ができません。
(d) グラフィックの作成手順
グラフィックの作成手順を次に示します。
-
ツールボックスの[固定グラフィック]を選びます。
ボタンの種類は,ボタンをクリックして切り替えます。
-
レイアウト領域で,オブジェクトの開始位置をクリックします。
ファイルを指定するためのダイアログが表示されます。ダイアログではじめに表示される標準提供ビットマップファイルを利用する場合は,モノクロのファイルを選んでください。
-
ファイル(.BMP,.WMF,.EMF,.JPGまたは.JPEG)を選び,[OK]ボタンを選びます。
原寸サイズのグラフィックが選択状態で配置されます。圧縮形式(RLE形式)のビットマップファイル(.BMP)は使用できません。
ボックス(グラフィックの領域)のサイズは伸縮できます。ボックスサイズに合わせてグラフィックを拡大・縮小する場合は,属性の「領域に合わせて表示する」を指定します。
カラーのグラフィックデータを指定した場合,レイアウト領域上はカラーで表示されます。印刷時には,プリンタハードウェアの仕様に依存した形で印字されます。