画面・帳票サポートシステム XMAP3 開発ガイド


4.5.5 レイアウト定義の基本操作

レイアウトを定義する手順を,GUI画面定義ウィンドウでの固定テキストの定義を例に挙げて説明します。定義種別やオブジェクトによって多少の差異はありますが,レイアウト定義の基本手順は次のようになります。

  1. 作成したいオブジェクトのボタンを選びます。

    ツールボックスの中から,該当するボタンをクリックします。ボタンには,単数か複数か,出力か固定かなどによって,複数の種類があるものがあります。その場合は,ボタンをクリックすると種類が変わります。作成したいボタンが現れるまでクリックしてください。

    選択したボタンの選択状態を解除したい場合は,[オブジェクト選択]ボタンを選ぶか,ほかのオブジェクトを選んでください。

    例えば,固定テキストのボタンには,「固定テキスト(日本語)」と「固定テキスト(英数)」の2種類があります。ボタンをクリックすると,その二つが交互に表示されます。

    [図データ]

  2. レイアウト領域にオブジェクトを位置づけます。

    レイアウト領域にマウスの鉛筆ポインタを位置づけてドラッグ(またはクリック)すると,レイアウト領域に固定テキストの領域が確保されます。

    [図データ]

    なお,オブジェクトの配置操作中は,ステータスバーにオブジェクトの先頭位置やサイズが表示されます。マウスボタンを放す前に[Esc]キーを押すと,操作を中断できます。

    反復定義ができるオブジェクトの場合,[Shift]キーを押したまま複数行をドラッグすると,行数に応じて縦方向に反復定義ができます。なお,横方向の反復はダイアログでだけできます。

  3. それぞれのオブジェクトを定義します。

    確保した領域に「商品コード」と入力します。[Enter]キーを押すと,入力した文字列が確定します。このとき,領域の長さは,文字列の長さに合わせて自動的に変化します。

    [図データ]

  4. ツールボックスの[オブジェクト選択]を選びます。

    オブジェクトの選択状態が解除されます。

  5. さらに詳細な定義をする場合は,ダイアログボックスを表示して定義します。

    XMAP3では,各オブジェクトの標準値を仮定するので,特にダイアログボックスで定義する必要はありません。XMAP3が仮定した内容を変更したい場合は,詳細設定用のダイアログボックスを表示して,詳細な情報を定義してください。

    確定した「商品コード」をダブルクリックすると,「XMAP3−固定テキストボックス」というダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスで,テキストに枠を付けたり,色を変えたりする定義ができます。

    [図データ]

    参考

    手順1.を省略し,[Ctrl]キーを押したまま手順2.の操作をすると,前回と同じ種類のオブジェクトを配置できます。

〈この項の構成〉

(1) オブジェクトの配置について

帳票を作成する場合,レイアウト定義でオブジェクトを配置する方法には,ます目配置モードとスケール配置モードがあります。それぞれの配置モードで指定できるグリッド種別を次の表に示します。

表4‒12 配置モードで指定できるグリッド種別

配置モードの種類

グリッド種別

ます目

ミリ

ドット

ます目配置モード

×

×

スケール配置モード

(凡例)

○:配置できます。

×:配置できません。

なお,スケール配置モードは,プレプリント帳票,グラフィック帳票,および書式オーバレイだけで利用できます。このほかの帳票や画面の場合は,常にます目配置モードです。

ます目配置モード

通常の配置モードです。行・列から構成されるます目単位のグリッドに沿ってオブジェクトを配置します。オブジェクトの作成や移動は,ます目に沿って配置します。

[図データ]

スケール配置モード

プレプリント帳票,グラフィック帳票,および書式オーバレイだけで利用できる配置モードです。オブジェクトの位置を微調整できます。オブジェクトの作成や移動は,ます目に関係なく,ミリやドット単位で配置します。

[図データ]

配置モードの切り替え

ます目配置モードとスケール配置モードの両方が利用できる帳票で配置モードを切り替える場合は,メニューバーの[表示]−[ます目配置]を選びます。[ます目配置]がチェックされている場合は,ます目配置モードになります。[ます目配置]がチェックされていない場合は,スケール配置モードになります。メニューバーの指定例を次に示します。

ます目配置の指定

[図データ]

スケール配置の指定(チェックを外す)

[図データ]

スケール配置モードの場合は,メニューバーの[表示]−[グリッド種別]から,[ミリ],[ドット]または[ます目]を選びます。メニューバーの指定例を次に示します。

[図データ]

なお,配置済みのオブジェクトは,配置モードの切り替えによって再配置されることはありません。

(2) オブジェクトの編集

レイアウト領域上のオブジェクトを編集します。

オブジェクトの選択

一つのオブジェクトを選択するには,選択ポインタ(矢印形)でオブジェクトをクリックします。

範囲指定で複数のオブジェクトを選択するには,選択ポインタ(矢印形)でドラッグして範囲を指定します。このとき,ポインタは範囲指定用(矩形)になり,選択範囲を示す枠が表示されます。この操作で選んだ複数のオブジェクトを対象にして,移動,削除,色の変更,けい線種別の変更の操作ができます。

ただし,複数行のフィールドは範囲指定の対象になりません。

ボタンボックス,網掛け,塗りつぶしフィールドが選びにくい場合は,[Shift]キーを押したまま選んでください。

削除

オブジェクトを選択状態にし,ツールバーの[削除]ボタン,または[編集]−[削除]コマンドを選びます。

[Delete]キーでも削除できます。

切り取り

オブジェクトを選択状態にし,ツールバーの[切り取り]ボタン,または[編集]−[切り取り]コマンドを選びます。

[Ctrl]+[X]キーでも移動できます。

レイアウト領域からオブジェクトが削除され,クリップボードに転送されます。

削除や切り取りの取り消し

ツールバーの[削除/切り取りを元に戻す]ボタン,または[編集]−[削除/切り取りを元に戻す]コマンドを選びます。

直前に実行した[削除]コマンドや[切り取り]コマンド操作を取り消して,オブジェクトをレイアウト領域に戻します。3回までさかのぼって取り消せます。ただし,[削除]コマンドや[切り取り]コマンドの実行後に[コピー]コマンドを実行した場合は,取り消せません。

位置情報を持たないオブジェクト(ボタンボックス中のボタンなど)は,同じ位置に戻らない場合があります。この場合は,ユーザ責任で位置を設定し直してください。また,[削除]コマンドや[切り取り]コマンドの実行後でほかの操作をしている場合,オブジェクトの重なりなどの制限によって元に戻せない場合があります。

コピー

オブジェクトを選択状態にし,ツールバーの[コピー]ボタン,または[編集]−[コピー]コマンドを選びます。

[Ctrl]+[C]キーでもコピーできます。

オブジェクトがクリップボードに転送されます。

貼り付け

ツールバーの[貼り付け]ボタン,または[編集]−[貼り付け]コマンドを選びます。

[Ctrl]+[V]キーでも貼り付けできます。

オブジェクトがレイアウト領域の左上位置に貼り付けられます。配置したい位置に移動してください。

グループボックスの解除

グループボックスを選択状態にし,[編集]−[グループボックスを消す]コマンドを選びます。

中のオブジェクトは削除しないで,グループボックスだけを解除します。なお,グループボックスを解除しないで[削除]コマンドや[切り取り]コマンドなどを実行した場合は,グループボックスとその中のすべてのオブジェクトが対象になります。

レイアウト部品の配置

あらかじめ登録してあるレイアウト部品をレイアウト領域に配置します。次の手順で配置できます。

  1. [編集]−[部品貼り付け]コマンドを選びます。

    [部品登録ファイルの選択]ダイアログが表示されます。

  2. 使用するレイアウト部品のファイルを選び,[OK]ボタンを選びます。

    部品がレイアウト領域の左上に貼り付けられます。部品として登録したデータ名については,レイアウト上に同じ名称がない場合に引き継がれます。

  3. 配置したい位置に部品を移動します。

マウスによるドラッグ操作での移動,コピー

レイアウト領域上で,マウスを使ってオブジェクトを移動・コピーします。クリップボードには転送されません。

  1. オブジェクトを選択状態にします。

  2. オブジェクトをドラッグします。コピーの場合は,[Ctrl]キーを押したままドラッグします。

    複数のオブジェクトを選んだ場合は,そのうちのどれかのオブジェクトにポインタ(十字形)を合わせてドラッグします。

  3. 移動先,またはコピー先でマウスボタンを放します。

    その位置にオブジェクトが移動またはコピーされます。

キーボード操作での移動

オブジェクトを選択状態にし,移動したい方向のカーソルキーを押して,オブジェクトを移動します。

プレプリント帳票,グラフィック帳票および書式オーバレイでは,レイアウト領域上で,キーボードを使ってオブジェクトを移動できます。

固定文字列の書き換え

オブジェクトを選択状態にし,マウスポインタがIになる位置でクリックします。固定文字列を変更できる状態になります。

固定テキスト・フィールドの文字列や固定ボタン(プッシュボタンなど)のラベルをレイアウト領域上で変更します。ほかに[属性設定]ダイアログでも変更できます。

オブジェクトのサイズ変更

オブジェクトを選択状態にし,枠上のハンドルを拡大・縮小したい位置までドラッグします。

レイアウト領域上でサイズを変更できます。ほかに[属性設定]ダイアログで数値を指定する方法があります。なお,オブジェクトの種類によっては縦方向のサイズ変更ができないものや,サイズが固定のものがあります。

レイアウト領域,プレーンのサイズ変更

領域の端にマウスポインタを位置づけ,サイズ変更したい位置までドラッグします。

レイアウト領域上でサイズを変更できます。ほかに[属性設定]ダイアログで数値を指定する方法があります。なお,画面/帳票の種類によってはサイズ変更ができないものがあります。

(3) オブジェクトの属性設定

レイアウト領域上のオブジェクトに属性を設定します。ダイアログで設定する方法と,ツールボックスで設定する方法の2とおりがあります。

(a) ダイアログでの設定

詳細な属性を設定できます。

  1. レイアウト領域で,属性を変更するオブジェクトを選びます。

    GUI画面のプッシュボタン,固定チェックボタン,固定ラジオボタンでは,ボタンボックスの属性とボタンごとの属性との2とおりがあります。対象に応じてボタンボックスかボタンかを選んでください。

  2. [Enter]キーを押します。または,ダブルクリックします。

    GUI画面のポップアップやコンボボックスなどでは,オブジェクトの属性と表示するメニューの属性との2とおりがあります。対象に応じて表示されるメニュー([属性]または[メニュー])を選んでください。

  3. 表示されるダイアログで,各項目を設定し,[OK]ボタンを選びます。

(b) ツールボックスでの設定

文字色などの属性を設定できます。

  1. ツールバーの[文字属性]/[文字色/背景色]/[線種/太さ]ボタン,または[属性]メニューから[文字属性]/[文字色/背景色]/[線種/太さ]コマンドのどれかを選びます。

    メニュー名は画面/帳票の種類によって一部異なります。

    選んだメニューに応じて,属性設定用ツールボックスが表示されます。

  2. レイアウト領域で,属性を変更するオブジェクトを選びます。

  3. ツールボックスで,設定したい属性のボタンを選びます。

    属性が設定されます。

(c) 注意事項

オブジェクトの属性設定での注意事項を次に示します。

  • ボタンボックス,塗りつぶしフィールド,網掛けを選択した場合,配置によってこれらのオブジェクトが選択しにくいときは,[Shift]キーを押したまま選んでください。

  • データ名の定義には,オブジェクトごとに[属性設定]ダイアログで定義するほかに,画面/帳票単位で一括して定義する方法もあります。

  • GUI/CUI画面の背景色・文字色は,レイアウト領域上では,XMAP3の標準の色合い(RGB値)で表示されます。実行時の色合いは,表示・印刷セットアップの設定に従います。