2.2.1 グラフィックデータの準備
XMAP3では,グラフィックを使用した画面表示,および帳票印刷ができます。使用するグラフィックデータは,レイアウト定義前にあらかじめ作成して準備しておく必要があります。
なお,XMAP3では,画面および帳票のデザインに使用できるように,ビットマップ形式のグラフィックデータを提供しています。必要に応じて利用してください。
- 〈この項の構成〉
(1) グラフィックを使用できる定義対象とオブジェクト
グラフィックデータの使用を定義できるドローの定義対象とオブジェクトを説明します。
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画面:定義対象「GUI画面」で,ウィンドウの壁紙,固定・出力グラフィック,およびプッシュボタンのラベルにグラフィックデータを使用できます。
-
帳票:定義対象「グラフィック帳票」で,固定・出力グラフィックにグラフィックデータを使用できます。
(2) グラフィックデータの形式
XMAP3で扱えるグラフィックデータには,Windowsのビットマップ形式,Windowsメタファイル形式,およびJPEG形式(JFIF準拠ベースライン形式(基本DCT))の3種類があります。
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ビットマップ形式
拡張子「.bmp」のビットマップ形式のデータを使用できます。ただし,ビットマップはラスタ形式でデータを保持するため,拡大・縮小すると表示が見にくくなる傾向があります。使用するデータの大きさを考慮してから作成してください。
なお,固定グラフィックおよびプッシュボタンのラベルとして使用するビットマップには,圧縮形式(RLE形式)は使用できません。
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メタファイル形式
拡張子「.wmf」または「.emf」のメタファイル形式のデータを使用できます。
-
JPEG形式
拡張子「.jpg」または「.jpeg」のJPEG形式のデータを使用できます。ただし,使用できるJPEG形式は,基本DCT方式のJFIF01-01,およびJFIF01-02だけです。
なお,壁紙およびプッシュボタンには,JPEG形式のデータを使用できません。
(3) グラフィックデータの形式とオブジェクトの対応
画面・帳票定義のオブジェクトごとに,使用できるグラフィックデータの形式と使用できる色が異なります。この対応を次の表に示します。
オブジェクト |
データの形式 |
色 |
|||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
.bmp |
.wmf |
.emf |
.jpg, .jpeg |
カラー |
モノクロ |
||
画面定義 |
壁紙 |
○ |
− |
− |
− |
○ |
○ |
固定・出力グラフィック |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
プッシュボタン |
○ |
− |
− |
− |
○ |
○ |
|
帳票定義 |
固定・出力グラフィック |
○ |
○ |
○ |
○ |
○※ |
○ |
(4) 使用できる色
画面でビットマップ形式のグラフィックデータを使用する場合を例に,使用できる色について説明します。なお,帳票の場合は,通常,モノクロで作成したグラフィックデータを使用します。
画面で使用するビットマップデータの色は次のとおりです。ただし,ディスプレイドライバがそれぞれの色数を表現できることが前提となります。
-
2色(1ビットモノクロ)
-
16色(4ビット)
-
256色(8ビット)
-
約6万色(16ビットHigh Color)
-
約1,600万色(24ビットTrue Color)
使用する色が多くなるに従って,ビットマップデータのサイズも大きくなります。通常は,256色で運用することをお勧めします。ただし,JPEGファイルについては,1,600万色のグラフィックデータとして扱われるので,JPEGファイルを使用する場合は,ディスプレイを6万色以上にしてください。
また,ディスプレイの表示できる色が256色の場合,瞬間的に色化け(ほかのAPや壁紙の色が異なる色に変わる)が発生することがあります。したがって,色はWindowsの基本20色とXMAP3の文字色,背景色に指定した色の範囲で作成することをお勧めします。ただし,表示するディスプレイが6万色以上であれば色化けすることはありません。
色数が少ないディスプレイに,ディスプレイより多い色数を使用したビットマップを表示してもエラーにはなりません。ただし,表示できる色数が少ないことから,正しい色表現ができず意図した内容が表示できません。ディスプレイで表示できる色と作成したビットマップの色数の関係を次の表に示します。
ディスプレイで表示できる色数 |
作成したビットマップの色数 |
||||
---|---|---|---|---|---|
2 |
16 |
256 |
3万/6万 |
1,600万 |
|
2 |
○ |
△※1 |
× |
× |
× |
16 |
○ |
○ |
× |
× |
× |
256 |
○ |
○ |
○ |
× |
× |
3万/6万 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○※2 |
1,600万 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
(5) ボタンに使うビットマップのサイズと画面の解像度との関係
プッシュボタンに使用するビットマップのサイズは,画面の解像度によって変わります。XMAP3の標準文字サイズを基準にしたます目で配置するボタン内に貼り付けるビットマップの大きさを次の表に示します。
画面の解像度 |
ます目の大きさ |
4.5ますボタン (ドット数: 縦×横) |
3.5ますボタン (ドット数: 縦×横) |
2.5ますボタン(ドット数: 縦×横) |
2ますボタン (ドット数: 縦×横) |
---|---|---|---|---|---|
640×480 |
大 |
48×48 |
36×36 |
24×24 |
22×22 |
中 |
32×32 |
24×24 |
16×16 |
14×14 |
|
小 |
24×24 |
18×18 |
12×12 |
10×10 |
|
800×600 |
大 |
48×48 |
36×36 |
24×24 |
22×22 |
中 |
32×32 |
24×24 |
16×16 |
14×14 |
|
小 |
24×24 |
18×18 |
12×12 |
10×10 |
|
1,024×768 |
大 |
64×64 |
48×48 |
32×32 |
30×30 |
中 |
48×48 |
36×36 |
24×24 |
22×22 |
|
小 |
32×32 |
24×24 |
16×16 |
14×14 |
|
1,280×1,024 |
大 |
64×64 |
48×48 |
32×32 |
30×30 |
中 |
48×48 |
36×36 |
24×24 |
22×22 |
|
小 |
32×32 |
24×24 |
16×16 |
14×14 |
XMAP3では,画面の解像度ごとに,使用するフォントのサイズを指定できます。その指定に従ってプッシュボタンのサイズも変わります。一方,ビットマップは大きさが固定であるため,それぞれの解像度で表示されるプッシュボタンに対して最適なサイズのビットマップを作成しておく必要があります。また,ボタンを不活性の状態にする必要がある場合は,不活性状態時に表示するビットマップも作成しておきます。
実際,画面で使用するます目の大きさと,ボタンの大きさは定義画面ごとに固定となるので,一つのボタンに対して最大8種類のビットマップを用意することになります。ただし,運用上,使用する画面解像度が固定であるとか,ビットマップの周囲に多少の空白があってもかまわない場合は,8種類より少ない数のビットマップを用意するだけでかまいません。
使用する画面解像度 : 640×480,800×600,1,024×768,1,280×1,024
使用するボタン : 大ボタン
ます目の大きさ : 中
用意するビットマップ : 32×32,48×48
それぞれに対し活性/不活性(計4種類)
定義上([プッシュボタン]ダイアログ)では,いちばんよく使用する解像度のビットマップを標準として,それ以外のものを交代1〜3に指定してください。このとき,ボタンにちょうど適したビットマップデータがない場合は,[プッシュボタン]ダイアログで指定されているビットマップデータの中で,指定したボタンになるべく収まるサイズのものを使用して表示します。
また,大きなビットマップを縮小すると,小さくなるに従いビットマップの形状が崩れてしまいます。したがって,まず小さなビットマップを作成し,そのあとで大きなビットマップに整形した方が手間が少なくなります。
(7) グラフィックデータの格納先
作成したグラフィックデータは,グラフィックデータ格納用のフォルダに保管します。なお,XMAP3インストールフォルダ\USER\GRAPHICSがグラフィックデータ格納用フォルダとして用意されているので,これを利用できます。
なお,任意のフォルダにグラフィックデータを格納して使用するときは,XMAP3実行環境の表示・印刷環境ファイルでフォルダのパスを指定してください。パスの指定方法については,マニュアル「XMAP3 実行ガイド」を参照してください。
(8) グラフィックデータ作成および運用上の注意事項
(a) ビットマップ
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ビットマップはラスタ形式でデータを保持しているため,拡大や縮小すると表示データが見にくくなる傾向があります。
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同一画面に異なる色数のビットマップを使用すると色化けすることがあります。したがって,同一画面で使用するビットマップは,同じ色数で統一することをお勧めします。
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カラーのビットマップを印刷しようとした場合,ハードウェアに依存した形で印刷します。そのため,意図したとおりの印刷結果にならないことがあります。したがって,カラーのビットマップは,ユーザが印刷したい内容をモノクロに変換してから使用してください。カラー用のビットマップをモノクロ用に変換するには,各市販ツールが持っている減色機能を使用するとモノクロになります。
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帳票でのビットマップ印刷は,解像度の違いから画面での表示と印刷時では見かけ上の大きさが異なる場合があります。帳票に出力する場合,グラフィックデータは,240dpi換算で出力されます。印刷結果を確認し,ビットマップの大きさを調整してください。
(b) JPEG
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画面・帳票上でJPEGファイルを使い過ぎると,画像の表示・印刷性能が落ちるおそれがあります。JPEGファイルを使用する場合は,使用するファイル数に注意が必要です。