10.10.1 pdsdborcrt(追い付き反映キー対応表の操作)
(1) 機能
pdsdborcrtコマンドには次の機能があります。
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追い付き反映キー対応表の作成
追い付き反映キー対応表を作成します。また,追い付き反映キー対応表のインデクスを作成します。
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追い付き反映キー対応表の削除
追い付き反映キー対応表を削除します。また,追い付き反映キー対応表のインデクスも削除します。
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追い付き反映キー対応表の初期化
追い付き反映キー対応表の全行を削除します。
pdsdborcrtコマンドの使い方については,「5.13.3 更新可能なオンライン再編成の準備作業」,および「5.23 障害が発生したときの対処方法(更新可能なオンライン再編成の実行時)【4V FMB】」を参照してください。
(2) 実行者
HiRDB管理者が実行できます。
(3) 形式
■追い付き反映キー対応表を作成する場合
pdsdborcrt -k crt -r RDエリア名〔-i RDエリア名〕
■追い付き反映キー対応表を削除する場合
pdsdborcrt -k del -s サーバ名
■追い付き反映キー対応表を初期化する場合
pdsdborcrt -k init -s サーバ名
(4) オプション
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-k
追い付き反映キー対応表に対して実行する操作を指定します。
crt:追い付き反映キー対応表を作成します。
del:追い付き反映キー対応表を削除します。
init:追い付き反映キー対応表を初期化します(追い付き反映キー対応表の全行を削除します)。
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-r RDエリア名
〜<識別子>((1〜30バイト))
追い付き反映キー対応表を格納するRDエリアの名称を指定します。追い付き反映キー対応表を格納するRDエリアは,BESごとに作成する必要があります。
なお,レプリカRDエリアが定義されているRDエリアは指定できません。
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-i RDエリア名
〜<識別子>((1〜30バイト))
追い付き反映キー対応表のインデクスを格納するRDエリアの名称を指定します。追い付き反映キー対応表のインデクスを格納するRDエリアは,BESごとに作成する必要があります。
-iオプションの指定を省略した場合,-rオプションに指定したRDエリアにインデクスも格納されます。
なお,レプリカRDエリアが定義されているRDエリアは指定できません。
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-s サーバ名
〜<識別子>((1〜8バイト))
削除または初期化する追い付き反映キー対応表があるBESの名称を指定します。ここで指定したBESにある追い付き反映キー対応表が削除または初期化されます。
(5) 規則
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pdsdborcrtコマンドは,HiRDBが稼働中のときに実行できます。
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pdsdborcrtコマンドは,システムマネジャがあるサーバマシンで実行してください。
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-rおよび-iオプションには,リレーショナルDBを格納する指定をしたRDエリアを指定してください。pdinitまたはpdmodコマンドでRDエリアを作成する際,create rdarea文のdata modelオペランドにrelationalを指定したRDエリアを指定します。
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-rおよび-iオプションには,更新可能なオンライン再編成の対象RDエリアがあるBESのRDエリアを指定してください。ただし,更新可能なオンライン再編成の対象RDエリアを指定することはできません。
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追い付き反映キー対応表,およびそのインデクスは,1つのBESに1つだけ作成できます。そのため,追い付き反映キー対応表がすでに存在するBESのRDエリアを,-rおよび-iオプションに指定した場合,pdsdborcrtコマンドがエラーになります。
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RDエリア名に英小文字または空白が含まれている場合は,RDエリア名を引用符(")で囲んでください。囲まないと,英小文字は英大文字と見なされます。
(例)-r "RDarea01"
また,sh(Bourneシェル),csh(Cシェル),またはksh(Kシェル)の場合は,さらにアポストロフィ(’)で囲む必要があります。
(例)-r '"RDarea01"'
(6) 注意事項
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pdsdborcrtコマンドはバックグラウンドで実行できません。
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pdsdborcrtコマンドを複数同時に実行できません。
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pdsdborcrtコマンドと,ほかのコマンドおよびユティリティを同時に実行できません。
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SDBデータベースがサーバ間横分割されている場合,BESごとにpdsdborcrtコマンドを実行し,各BESに追い付き反映キー対応表を作成してください。
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追い付き反映キー対応表を初期化または削除する場合は,追い付き反映処理がすべて終了したあとに実行してください。追い付き反映処理が中断状態のRDエリアがある場合は,追い付き反映処理を再開始し,すべての追い付き反映処理が終了したあとに実行してください。追い付き反映処理が終了したかどうかは,更新可能なオンライン再編成の対象RDエリアの状態をpddblsコマンドで確認するとわかります。オンライン再編成閉塞のRDエリアが1つもない場合は,追い付き反映処理が終了しています。
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更新可能なオンライン再編成の実行中に,追い付き反映キー対応表を初期化または削除する必要が生じた場合は,pdsdborcrtコマンドの実行後に警告メッセージと確認メッセージが出力されます。次の流れで応答してください。
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警告メッセージ(KFPT82005-W)が出力されます。KFPT82005-Wメッセージに出力されたBES名を確認してください。
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1.で確認したBES内に,オンライン再編成閉塞のRDエリアがあるかどうかをpddblsコマンドで確認してください。
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確認メッセージ(KFPT82006-Q)が出力されます。追い付き反映キー対応表を初期化または削除する場合はyを,初期化または削除をやめる場合はnを応答してください。
- 注意事項
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次のどちらかの条件を満たす場合は,yを応答してください。
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BES内にオンライン再編成閉塞のRDエリアがない場合
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pdsdblodコマンドによるデータロードで障害が発生し,追い付き反映キー対応表の初期化または削除が必要な場合
上記の条件を満たさない場合は,必ずnを応答してください。上記の条件を満たさない場合にyを応答すると,SDBデータベースの内容が不整合な状態になるおそれがあります。
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(7) リターンコード
pdsdborcrtコマンドのリターンコードを次に示します。
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0:pdsdborcrtコマンドが正常終了しました。
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4:pdsdborcrtコマンドが正常終了しました。ただし,警告メッセージが出力されています。
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8:pdsdborcrtコマンドが異常終了しました。