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HiRDB データ連動拡張機能 HiRDB Datareplicator Extension Version 10


8.1.2 抽出側システムでエラーが発生した場合の対処(SQL Serverの場合)

抽出側システムがSQL Serverの場合,抽出側でエラーが発生した場合の障害対策について説明します。ここでは,次の場合について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 抽出側DBのトリガ実行処理でエラーが発生した場合

トリガ実行処理エラーによって更新APでエラーが発生した場合,SQL Serverでは最後にコミットした時点からトリガ実行処理エラーが発生した時点までのトランザクションがすべてロールバックされます。

抽出側Datareplicatorでは,コミットされたデータしか抽出されないため,未保存のトランザクションを再度入力する必要があります。

トリガ実行処理エラーが発生すると,SQL Serverからは更新APにエラーが返されます。ただし,エラーメッセージの表示と内容は更新APエラー処理に依存します。

このエラーへの対処には次の二つの方法があります。

(a) データ連動を打ち切って本来の業務を優先させる方法

データ連動を打ち切って本来の業務を優先させる場合の対処方法を,次に示します。

  1. 抽出側Datareplicator及び抽出側Datareplicator Extensionを停止します。

  2. DROP TRIGGERを実行して,データ連動トリガを削除します。

  3. 更新APを再実行します。

(b) データ連動の継続を優先させる方法

SQL Serverから更新APに返されるエラーに基づいて問題を解決した後,更新APを再実行してください。

(2) 抽出側DBがダウンした場合

抽出側DBがSQL Serverの場合,抽出側DBがダウンしたときは抽出が終了します。ただし,抽出側Datareplicatorのほかの処理はそのまま実行します。

抽出側DBがダウンした場合の,対処方法を次に示します。

  1. 抽出対象SQL Serverがダウンした要因を取り除きます。

  2. 抽出対象SQL Serverを起動します。

  3. 抽出側Datareplicator及び抽出側Datareplicator Extensionを起動します。

抽出側Datareplicatorを起動すると,ダウン時に終了した抽出プロセスだけ起動されます。

(3) 抽出プロセスでエラーが発生した場合

抽出プロセスで発生するエラーは,次の二つに分けられます。

エラーの種類

エラーの内容

データ連動を継続できるエラー

  • メモリ不足や抽出側システムが起動していないなど,ユーザがエラー要因を解消できるエラー

  • 例外データを検知したなど,エラーが発生してもDatareplicator Extensionにデータ連動を継続するのための機能があるエラー

データ連動を継続できないエラー

不正なデータを検知したなど,ユーザがエラー要因を解消できないエラー

データ連動を継続できるエラーに対しては,エラー要因を解消した後に抽出側Datareplicator及び抽出側Datareplicator Extensionを再起動することで,データ連動を再開できます。また,抽出処理の同期を制御することで,抽出処理の整合性を保証します。

データ連動を継続できないエラーに対しては,抽出側Datareplicator及び抽出側Datareplicator Extensionを初期起動する必要があります。

(4) ホストマシンがダウンした場合

抽出側システムのホストマシンがダウンした場合の対処方法を,次に示します。

  1. 抽出対象SQL Serverを起動します。

  2. 抽出側Datareplicator及び抽出側Datareplicator Extensionを起動します。

(5) 抽出側DBと反映側DBに不整合が発生した場合

抽出側システムでの障害や不正な運用などによって,抽出側DBと反映側DBに不整合が発生した場合の対処方法を次に示します。

  1. HiRDB Dataextractorで,抽出側DBと反映側DBとの不整合を修正します。

  2. 抽出側システムのデータ連動の環境を初期化します。

  3. 抽出定義プリプロセスファイルを作成します。

  4. 反映側Datareplicator及び反映側Datareplicator Extensionを初期起動します。

  5. 抽出側Datareplicator及び抽出側Datareplicator Extensionを起動します。