Hitachi

HiRDB データ連動機能 HiRDB Datareplicator Version 10


6.9.8 系切り替え機能を使うときの準備(CLUSTERPROの場合)

CLUSTERPROによる系切り替え機能を使うときに準備する項目を次に示します。

Datareplicatorが動作を保証するクラスタ構成は,1:1接続構成(1:1系切り替え構成,及び相互系切り替え構成),及び1:N接続構成(マルチスタンバイ構成)となります。また,ディスク構成は次のどちらかを選択してください。

この項に記載がない項目については,「6.9.2 系切り替え機能を使うときの準備(HAモニタの場合)」,「6.9.3 系切り替え機能を使うときの準備(Microsoft Cluster Serverの場合)」,又はマニュアル「HiRDB システム運用ガイド」のCLUSTERPROに関する準備の説明を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) 前提ソフトウェア

CLUSTERPROによるクラスタ構成を適用する場合,次の製品を用意する必要があります。

前提OSは次のどちらかです。

(2) CLUSTERPROの設定

ここでは,CLUSTERPROでの設定を示します。

(a) Datareplicatorで設定が必要なCLUSTERPROのグループリソース

CLUSTERPROが系切り替えを行う単位をフェイルオーバグループといい,HiRDBで作成したフェイルオーバーグループ配下にDatareplicatorのリソースを設定します。

Datareplicatorで必要なCLUSTERPROのグループリソースを次の表に示します。

CLUSTERPROのグループリソース名

Linux

Windows

オンプレミス

AWS

オンプレミス

AWS

フローティングIPリソース

×

×

AWS 仮想IPリソース

×

※1

×

※1

AWS Elastic IPリソース

×

×

AWS DNSリソース

×

×

ディスクリソース

※1

※1

ミラーディスクリソース

ボリュームマネージャリソース

※2

※2

EXECリソース

×

×

スクリプトリソース

×

×

(凡例)

◎:対象機能を使用する場合はDatareplicator用に設定が必要です。

○:HiRDBで未設定の場合は設定が必要です。設定方法はマニュアル「HiRDB システム運用ガイド」のCLUSTERPROに関する準備の説明を参照してください。

△:構成によって設定が必要です。

×:設定不要です。

−:未サポートです。

注※1

対象となるグループリソースで,どれか1つの設定が必要です。

注※2

CLUSTERPROのボリュームマネージャ機能を使用する場合に設定が必要です。

(b) CLUSTERPROのグループリソース設定内容

Datareplicatorに必要なCLUSTERPROのグループリソース設定内容を次に示します。

各グループリソースの詳細な設定手順については,CLUSTERPROのマニュアルを参照してください。

1.フローティングIPリソース

オンプレミス環境でHiRDBがIPアドレスを引き継がない設定の場合に必要です。

設定項目を次の表に示します。

プロパティ

項目

入力・選択値

情報

タイプ

「フローティングIPリソース」を選択します。

依存関係

「既定の依存関係に従う」をチェックします。

詳細

IPアドレス

使用するフローティングIPアドレスを指定します。

(凡例)

−:該当する項目はありません。

2.AWS 仮想IPリソース

AWS環境でHiRDBがIPアドレスを引き継がない設定で,仮想IPアドレスを使用する場合に必要です。

設定項目を次の表に示します。

プロパティ

項目

入力・選択値

情報

タイプ

「AWS仮想IPリソース」を選択します。

依存関係

「既定の依存関係に従う」をチェックします。

詳細−共通

IPアドレス

使用するVIPアドレスを指定します。

VPC ID

現用系EC2が所属するVPC IDを指定します。

ENI ID

現用系EC2に対応するVIPのルーティング先のENI IDを指定します。

詳細−現用系サーバ

個別に設定する

チェックを入れます。

VPC ID

現用系EC2が所属するVPC IDを指定します。

ENI ID

現用系EC2に対応するVIPのルーティング先のENI IDを指定します。

詳細−予備系サーバ

個別に設定する

チェックを入れます。

VPC ID

予備系EC2が所属するVPC IDを指定します。

ENI ID

予備系EC2に対応するVIPのルーティング先のENI IDを指定します。

(凡例)

−:該当する項目はありません。

3.AWS Elastic IPリソース

AWS環境でHiRDBがIPアドレスを引き継がない設定で,仮想Elastic IPアドレスを使用する場合に必要です。

設定項目を次の表に示します。

プロパティ

項目

入力・選択値

情報

タイプ

「AWS Elastic IPリソース」を選択します。

依存関係

「既定の依存関係に従う」をチェックします。

詳細−共通

EIP ALLOCATION ID

付け替え対象のEIPのIDを指定します。

ENI ID

現用系EC2に対応するEIPのルーティング先のENI IDを指定します。

詳細−現用系サーバ

個別に設定する

チェックを入れます。

ENI ID

現用系EC2に対応するEIPのルーティング先のENI IDを指定します。

詳細−予備系サーバ

個別に設定する

チェックを入れます。

ENI ID

予備系EC2に対応するEIPのルーティング先のENI IDを指定します。

(凡例)

−:該当する項目はありません。

4.AWS DNSリソース

AWS環境でHiRDBがIPアドレスを引き継がない設定で,仮想ホスト名(DNS名)を使用する場合に必要です。

設定項目を次の表に示します。

プロパティ

項目

入力・選択値

情報

タイプ

「AWS DNSリソース」を選択します。

依存関係

「既定の依存関係に従う」をチェックします。

詳細−共通

IPアドレス

現用系の仮想ホスト名(DNS名)に対応するIPアドレスを指定します。

非活性時にリソースレコードセットを削除する

チェックを入れます。

詳細−現用系サーバ

個別に設定する

チェックを入れます。

IPアドレス

現用系の仮想ホスト名(DNS名)に対応するIPアドレスを指定します。

詳細−予備系サーバ

個別に設定する

チェックを入れます。

IPアドレス

予備系の仮想ホスト名(DNS名)に対応するIPアドレスを指定します。

(凡例)

−:該当する項目はありません。

5.ディスクリソース

共有ディスク装置を使用する場合に必要です。

設定項目を次に示します。

  • Linux環境の場合

    プロパティ

    項目

    入力・選択値

    情報

    タイプ

    「ディスクリソース」を選択します。

    依存関係

    「既定の依存関係に従う」をチェックします。

    詳細

    ディスクタイプ

    「raw」を選択します。

    デバイス名

    ディスクデバイス名を指定します。

    RAWデバイス名

    ディスクデバイスをバインドするディレクトリを指定します。

    調整

    アンバインドを実行する

    チェックを入れます。

    (凡例)

    −:該当する項目はありません。

    作成したディスクリソースに指定したRAWデバイス名のオーナーを変更するシェルスクリプトを作成した上で,ディスクリソースに設定してください。

    作成したディスクリソースのプロパティの拡張タブで次の情報を設定してスクリプトを登録します。

・スクリプトの実行タイミング:

「リソース活性後にスクリプトを実行する」のチェックボックスをチェックします。

・設定:

「ユーザアプリケーション」を選択し,シェルスクリプトのファイルパス名を指定します。

シェルスクリプトの例を次に示します。

このシェルスクリプトは現用系,予備系の両方に格納する必要があります。

#!/bin/sh
 
chown repli:hirdbgrp /dev/raw/raw1
  • Windows環境の場合

    プロパティ

    項目

    入力・選択値

    情報

    タイプ

    「ディスクリソース」を選択します。

    依存関係

    「既定の依存関係に従う」をチェックします。

    詳細

    ドライブ文字

    使用するディスクのドライブ文字を指定します。

    起動可能サーバ

    現用系のホスト名を選択して[追加]をクリックします。

    追加したサーバのパーティション一覧が[パーティションの選択]ダイアログボックスに表示されるため,使用するパーティションを選択します。

    その後,予備系のホスト名を選択して同様の操作をします。

    (凡例)

    −:該当する項目はありません。

6.ミラーディスクリソース

ミラーディスクを使用する場合に必要です。

設定項目を次に示します。

  • Linux環境の場合

    プロパティ

    項目

    入力・選択値

    情報

    タイプ

    「ミラーディスクリソース」を選択します。

    依存関係

    「既定の依存関係に従う」をチェックします。

    詳細

    マウントポイント

    ミラーパーティションデバイスをマウントするディレクトリを指定します。

    ファイルシステム

    noneを除くどれかの項目を選択します。

    調整−ミラータブ

    初期ミラー構築を行う

    チェックを入れます。

    初期mkfsを行う

    チェックを入れます。

    データを同期する

    チェックを入れます。

    モード

    同期,又は非同期を選択します。

    (凡例)

    −:該当する項目はありません。

    注※

    非同期を選択する場合は,Datareplicatorファイルシステム領域を使用し,次のようにファイルを配置してください。

    ・抽出側の場合:

    HiRDBのサーバ単位にDatareplicatorファイルシステム領域を割り当て,サーバ内のすべてのファイルを1つのDatareplicatorファイルシステム領域に格納します。

    ・反映側の場合:

    データ連動識別子単位にDatareplicatorファイルシステム領域を割り当て,データ連動識別子のすべてのファイルを1つのDatareplicatorファイルシステム領域に格納します。

    なお,非同期を選択すると,更新された情報が系切り替えによって欠落することがあります。

  • Windows環境の場合

    プロパティ

    項目

    入力・選択値

    情報

    タイプ

    「ミラーディスクリソース」を選択します。

    依存関係

    「既定の依存関係に従う」をチェックします。

    詳細

    ドライブ文字

    使用するディスクのドライブ文字を指定します。

    起動可能サーバ

    現用系のホスト名を選択して[追加]をクリックします。

    追加したサーバのパーティション一覧が[パーティションの選択]ダイアログボックスに表示されるため,使用するパーティションを選択します。

    その後,予備系のホスト名を選択して同様の操作をします。

    調整

    初期ミラー構築を行う

    チェックを入れます。

    モード

    同期,又は非同期を選択します。

    (凡例)

    −:該当する項目はありません。

    注※

    非同期を選択すると,更新された情報が系切り替えによって欠落することがあります。

7.ボリュームマネージャリソース

Linux環境でLVM,及びCLUSTERPROのボリュームマネージャを使用する場合に必要です。

設定項目を次の表に示します。

プロパティ

項目

入力・選択値

情報

タイプ

「ボリュームマネージャリソース」を選択します。

依存関係

「既定の依存関係に従う」をチェックします。

詳細

ボリュームマネージャ

「lvm」を選択します。

ターゲット名

LVを作成するVGを指定します。

拡張

設定−実行タイミング

「リソース活性後にスクリプトを実行する」にチェックを入れます。

設定−設定

「ユーザアプリケーション」を選択します。

設定−設定−ファイル

シェルスクリプトのファイルパス名を指定します。

(凡例)

−:該当する項目はありません。

VG上のすべてのLVのオーナーを変更するシェルスクリプトを作成した上で,ボリュームマネージャリソースに設定してください。

シェルスクリプトの指定例を次に示します。

シェルスクリプトは現用系,予備系の両方に格納する必要があります。

#!/bin/sh
 
chown repli:hirdbgrp /dev/vg1/*
8.EXECリソース

Linux環境でDatareplicatorの起動・停止シェルを登録する場合に必要です。

設定項目を次の表に示します。

プロパティ

項目

入力・選択値

情報

タイプ

「EXECリソース」を選択します。

依存関係

HiRDB用のEXECリソースを選択します。

詳細

編集

ユーザアプリケーションを選択します。

[編集]ボタンをクリックすると,アプリケーションパスの入力画面が表示されるので,Datareplicatorの起動・停止シェルのファイルパス名を指定します。

調整−パラメータタブ

開始スクリプト

  • 「同期」を選択します。

  • 「タイムアウト」は任意で指定します。

  • 「待機系サーバで実行する」にはチェックを入れません。

終了スクリプト

  • 「同期」を選択します。

  • 「タイムアウト」は任意で指定します。

  • 「待機系サーバで実行する」にはチェックを入れません。

ログ出力先

任意で指定します。

ローテートする

任意で指定します。

(凡例)

−:該当する項目はありません。

系切り替え時にCLUSTERPROがDatareplicatorを起動,又は停止するためのシェルスクリプトを作成する必要があります。

シェルスクリプトは現用系,予備系の両方に格納する必要があります。

シェルスクリプトの作成例については,「6.9.2 系切り替え機能を使うときの準備(HAモニタの場合)」を参照してください。

9.スクリプトリソース

Windows環境でDatareplicatorの起動・停止シェルを登録する場合に必要です。

設定項目を次の表に示します。

プロパティ

項目

入力・選択値

情報

タイプ

「スクリプトリソース」を選択します。

依存関係

HiRDB用のスクリプトリソースを選択します。

詳細

Start Script

Start Scriptを選択の上,[置換]を選択します。

アップロードするファイルの選択画面が表示されるので,Datareplicatorの開始スクリプトのファイルを選択します。

Stop Script

Stop Scriptを選択の上,[置換]を選択します。

アップロードするファイルの選択画面が表示されるので,Datareplicatorの停止スクリプトのファイルを選択します。

調整−パラメータタブ

開始

  • 「同期」を選択します。

  • 「タイムアウト」は任意で指定します。

  • 「正常な戻り値」には0を指定します。

  • 「待機系サーバで実行する」にはチェックを入れません。

終了

  • 「同期」を選択します。

  • 「タイムアウト」は任意で指定します。

  • 「正常な戻り値」には0を指定します。

  • 「待機系サーバで実行する」にはチェックを入れません。

実行ユーザ

指定不要です。

(凡例)

−:該当する項目はありません。

系切り替え時にCLUSTERPROがDatareplicatorを起動,又は停止するためのスクリプトを作成する必要があります。スクリプトの作成例を次に示します。

<抽出側開始スクリプト>
@call "C:\Program Files\Hitachi\hirdbds\bin\hdestart"
<抽出側終了スクリプト>
@call "C:\Program Files\Hitachi\hirdbds\bin\hdestop"
-t sendterm -w
<反映側開始スクリプト>
@call "C:\Program Files\Hitachi\hirdbds\bin\hdsstart"
<反映側終了スクリプト>
@call "C:\Program Files\Hitachi\hirdbds\bin\hdsstop" -t force -w