1.4.2 抽象データ型を使った表のデータ連動
Datareplicatorでは,HiRDBの抽象データ型(ADT)の列を対象にしてデータ連動できます。抽象データ型とは,マルチメディアデータなど複雑な構造を持つ長大なデータ型のことです。HiRDBでは,マルチメディアデータを抽象データ型として表に格納して,従来のデータベースの表と同じようにSQLでアクセスできるようにしています。
SGMLTEXT型を含む表の例を次に示します。
(1) Datareplicatorでデータ連動できる抽象データ型
Datareplicatorでデータ連動できる抽象データ型は,SGMLTEXT型,FREEWORD型,及びXML型です。抽象データ型はHiRDB同士のデータ連動システムの場合だけデータ連動できます。
(2) 抽出側システムと反映側システムのデータ型の対応
抽象データ型を使ったデータ連動では,抽出側システムと反映側システムで次に示す条件を満たしている必要があります。
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抽出側DBと反映側DBが共にHiRDB
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抽出側と反映側の列のデータ型が,両方とも抽象データ型
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抽象データ型の定義(型名,属性数,属性データ型など)が,抽出側と反映側で一致
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抽象データ型の所有者名(認可識別子)が,抽出側と反映側で一致
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抽象データ型に対するコンストラクタ関数の定義が,抽出側と反映側で一致
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コンストラクタ関数に渡す引数の数は一つ
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HiRDBプラグインの抽象データ型に対する固有の定義が,抽出側と反映側で一致
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文書型定義が抽出側と反映側で一致(SGMLTEXT型限定)
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文字コードが抽出側と反映側で一致(XML型限定)
- 注意
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上記の条件を満たしているかどうかは,Datareplicatorではチェックしません。適切なデータが反映されたかどうかは,反映側HiRDBのデータ互換性チェックに依存します。反映側HiRDBへの反映処理がエラーになったときは,Datareplicatorがエラーメッセージを出力した後,反映処理を停止します。エラーになったときの対処については,既存のデータ型での互換性チェックでエラーになったときと同じです。