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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 ディザスタリカバリシステム 構築・運用ガイド


11.1.1 HiRDB開始前の準備

各サイトのHiRDBを開始する前に,準備しておく作業について説明します。

〈この項の構成〉

(1) RAID Managerの起動

HiRDBが使用するインスタンスのRAID Managerを,業務サイトおよびログ適用サイトで起動してください。RAID Managerの起動は,RAID Managerのhorcmstartコマンドで行います。horcmstartコマンドについては,RAID Managerのマニュアルを参照してください。

(2) ペア論理ボリュームグループの状態確認

業務サイトおよびログ適用サイトの,それぞれのペア論理ボリュームグループの状態を確認してください。業務サイトの場合はpdrisechkコマンドで,ログ適用サイトの場合はpdrisechk -lコマンドで確認します。業務サイトおよびログ適用サイトのペア論理ボリュームグループが次の表の状態であれば,各サイトのHiRDBを開始できます。このとき,業務サイトとログ適用サイトで実行したpdrisechkコマンドでKFPS05815-Iメッセージ(end_code=OK)が出力されます。次の表以外の状態のペア論理ボリュームグループがある場合,該当するペア論理ボリュームグループについてKFPS05816-Eメッセージが出力されるため,次の表の状態になるように対策してください。

表11‒1 HiRDBを開始できるペア論理ボリュームグループの状態

保護モード

(pd_rise_fence_level

オペランドの値)

ペア論理ボリューム

グループ名

フェンス

レベル

ボリューム属性

ペア

ステータス

業務サイト

ログ適用

サイト

data

aaaa_bb....bb_DB

なし

SMPL

SMPL

なし

aaaa_bb....bb_LOG

data

P-VOL

S-VOL

PAIR

aaaa_cccc_USTS

aaaa_bb....bb_SSTS

aaaa_bb....bb_SPD

never

aaaa_bb....bb_DB

なし

SMPL

SMPL

なし

aaaa_bb....bb_LOG

never

P-VOL

S-VOL

PAIR

aaaa_cccc_USTS

aaaa_bb....bb_SSTS

aaaa_bb....bb_SPD

(凡例)

aaaa:HiRDB識別子

bb....bb:サーバ名

cccc:ユニット識別子

ペア論理ボリュームグループが表「HiRDBを開始できるペア論理ボリュームグループの状態」の状態でなくても,HiRDBを開始できる場合があります。開始できるかどうか,次の手順に従ってチェックしてください。ただし,表「HiRDBを開始できるペア論理ボリュームグループの状態」以外の状態でHiRDBを開始した場合,業務サイトとログ適用サイトとのデータベースの整合性が保てなくなったり,ログ適用も正しく実施できなかったりします。したがって,次のどちらかのケース以外では,ペア論理ボリュームグループを表「HiRDBを開始できるペア論理ボリュームグループの状態」に示す状態にしてから開始することをお勧めします。

(a) ログ適用サイトの場合

  1. ペア論理ボリュームグループのボリューム属性とステータスの収集

    ログ適用サイトで,更新コピーが必要なHiRDBファイルを配置した,すべてのペア論理ボリュームグループに対してpairvolchkコマンドを実行し,ボリューム属性とペアステータスを収集してください。収集には,RAID Managerのpairvolchkコマンドを使用します。pairvolchkコマンドについては,RAID Managerのマニュアルを参照してください。

  2. 開始可否の判定

    収集したすべてのペア論理ボリュームグループのボリューム属性とペアステータスから,次に示す「・ログ適用サイトのHiRDBが開始できない条件」に該当するかどうかを判定します。該当する場合は,HiRDBは開始できません。なお,該当するペア論理ボリュームグループが書き込み不可状態かどうかについては,RAID Managerのマニュアルを参照してください。

    • ログ適用サイトのHiRDBが開始できない条件

      シングルサーバまたはディクショナリサーバ(マスタディレクトリ用RDエリアがあるサーバ)のファイル区分がDBのペア論理ボリュームグループが書き込み不可状態である。

(b) 業務サイトの場合

  1. ペア論理ボリュームグループのボリューム属性とステータスの収集

    業務サイトで,更新コピーが必要なHiRDBファイルを配置した,すべてのペア論理ボリュームグループに対してpairvolchkコマンドを実行し,ボリューム属性とペアステータスを収集してください。収集には,RAID Managerのpairvolchkコマンドを使用します。pairvolchkコマンドについては,RAID Managerのマニュアルを参照してください。

  2. 開始可否の判定

    収集したすべてのペア論理ボリュームグループのボリューム属性とペアステータスから,次に示す「・業務サイトのHiRDBが開始できない条件」のどちらかに該当するかどうかを判定します。該当する場合は,HiRDBは開始できません。なお,該当するペア論理ボリュームグループが書き込み不可状態かどうかについては,RAID Managerのマニュアルを参照してください。

    • 業務サイトのHiRDBが開始できない条件

      (1) シングルサーバまたはディクショナリサーバ(マスタディレクトリ用RDエリアがあるサーバ)のファイル区分がDBのペア論理ボリュームグループが書き込み不可状態である。

      (2) ファイル区分がUSTS,SSTS,LOG,またはSPDのペア論理ボリュームグループが書き込み不可状態である。