Hitachi

ノンストップデータベース HiRDB Version 10 ディザスタリカバリシステム 構築・運用ガイド


6.1 更新コピー時に障害が発生した場合のHiRDBの動作

更新コピー時に障害が発生した場合,リアルタイムSANレプリケーションの処理方式と保護モードによって,HiRDBの動作が異なります。更新コピー時に障害が発生した場合のHiRDBの動作を次の表に示します。

表6‒1 更新コピー時に障害が発生した場合のHiRDBの動作

障害種別

処理方式

保護

モード

メインサイトのHiRDBの動作

災害時の災害用サイト切り替え

RAID Managerとの連携不可

全同期方式,全非同期方式

data,

never

オンライン運用を継続します。

動作を保証しません。

ハイブリッド方式

data

オンライン運用を継続します。ただし,シンクポイントダンプの取得は行いません(KFPS02178-Eメッセージが出力されます)。また,HiRDBの正常開始,正常終了,計画停止は失敗します。

never

オンライン運用を継続します。ただし,シンクポイントダンプの取得ごとにKFPS02178-Eメッセージが出力されます。

RAID Manager構成定義へのペア論理ボリュームグループ名の設定漏れ

全同期方式,全非同期方式

data,

never

オンライン運用を継続します。

動作を保証しません。

ハイブリッド方式

data

オンライン運用を継続します。ただし,RDエリアを作成しているペア論理ボリュームグループの設定が漏れている場合,該当するペア論理ボリュームグループを使用するサーバはシンクポイントダンプを取得しません(KFPS02178-Eメッセージが出力されます)。

また,HiRDBの正常開始,正常終了,計画停止は失敗します。

never

オンライン運用を継続します。ただし,シンクポイントダンプの取得ごとにKFPS02178-Eメッセージが出力されます。

経路障害

全同期方式

data

データ更新ができなくなるため,HiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット)が異常終了します。

最新の時点に回復します。

never

オンライン運用を継続します。

動作を保証しません。

全非同期方式

経路障害発生時点に回復します。

ハイブリッド方式

data

システムファイルのデータ更新ができなくなるため,HiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット)が異常終了します。

最新の時点に回復します。

never

オンライン運用を継続します。ただし,シンクポイントダンプの取得ごとにKFPS02178-Eメッセージが出力されます。

動作を保証しません。

正ボリューム障害

全同期方式

data,never

障害が発生した正ボリュームに作成したファイルを閉塞します。

閉塞したファイルを除いて,最新の時点に回復します。

全非同期方式

正ボリュームの障害発生時点に回復します。

ハイブリッド方式

data

  1. システムファイルまたはRDエリアを作成しているペア論理ボリュームグループがある正ボリュームで障害が発生した場合,障害が発生した正ボリュームに作成したファイルを閉塞します。

  2. RDエリアを作成しているペア論理ボリュームグループがある正ボリュームで障害が発生した場合,該当するペア論理ボリュームグループを使用するサーバはシンクポイントダンプを取得しません(KFPS02178-Eメッセージが出力されます)。

    また,HiRDBの正常開始,正常終了,計画停止は失敗します。

閉塞したファイルを除いて,最新の時点に回復します。

never

障害が発生した正ボリュームに作成したファイルを閉塞します。RDエリアを作成しているペア論理ボリュームグループに属する正ボリュームに障害が発生した場合,該当するペア論理ボリュームグループを使用するサーバはシンクポイントダンプの取得ごとにKFPS02178-Eメッセージを出力します。

副ボリューム障害

全同期方式

data

障害が発生した副ボリュームに作成したファイルを閉塞します。

閉塞したファイルを除いて,最新の時点に回復します。

never

オンライン運用を継続します。

動作を保証しません。

全非同期方式

副ボリュームの障害発生時点に回復します。

ハイブリッド方式

data

  1. RDエリアを作成しているペア論理ボリュームグループがある副ボリュームで障害が発生した場合,オンライン運用を継続します。ただし,該当するペア論理ボリュームグループを使用するサーバはシンクポイントダンプを取得しません(KFPS02178-Eメッセージが出力されます)。また,HiRDBの正常開始,正常終了,計画停止は失敗します。

  2. システムファイルを作成しているペア論理ボリュームグループがある副ボリュームで障害が発生した場合,障害が発生した副ボリュームに作成したファイルを閉塞します。

閉塞したファイルを除いて,最新の時点に回復します。

never

オンライン運用を継続します。RDエリアを作成しているペア論理ボリュームグループに属する副ボリュームで障害が発生した場合,該当するペア論理ボリュームグループを使用するサーバはシンクポイントダンプの取得ごとにKFPS02178-Eメッセージを出力します。

動作を保証しません。

(凡例)−:該当しません。

注※

運用時の注意事項(ハイブリッド方式限定)」で説明している運用をしている場合を除きます。