5.4.1 災害用サイト切り替えの手順
- 〈手順〉
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- 注意事項
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メインサイト(リモートサイト)からリモートサイト(メインサイト)に災害用サイト切り替えをした場合,切り替え以降はメインサイトのデータの整合性を保てません。このため,リモートサイト(メインサイト)からメインサイト(リモートサイト)にサイトを切り替えることはできません。再びサイトの切り替えができるようにするには,次に示す条件をすべて満たす必要があります。
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すべてのペア論理ボリュームグループのステータスをPAIRにする
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pd_rise_disaster_modeオペランドの値をnormal(省略値)に変更してからHiRDBを開始する
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各手順の詳細を次に示します。
- 〈この項の構成〉
(1) ペア論理ボリュームグループのステータスの確認
すべてのペア論理ボリュームグループのステータスを,次に示すどちらかの方法で確認します。
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pairvolchkコマンドを実行する
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pairvolchkコマンドを内部的に実行するサンプルシェルプログラムを実行する
サンプルシェルプログラムについては,「サンプルシェルプログラム」を参照してください。
ペア論理ボリュームグループのステータスと保護モードによって,災害用サイト切り替えができるかどうかが決まります。次の表を参照して災害用サイト切り替えができるかどうかを確認してください。
災害用サイト切り替えができない場合,災害用サイト切り替えでHiRDBを再開始できないため,バックアップを使用してデータベースを回復する必要があります。また,すべてのシステムファイルを再作成する必要があります。
- (凡例)
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○:災害用サイト切り替えを実行できます。
×:災害用サイト切り替えを実行できません。
−:該当しません。
- 注※1
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サイトの切り替えによるHiRDBの開始ができないことがあります。詳細については,「災害用サイト切り替えの結果」を参照してください。
- 注※2
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条件に一致するペア論理ボリュームグループが属するユニットをpd_start_skip_unitオペランドに指定して,縮退起動できる場合は実行できます。
(2) ペア論理ボリュームグループのテイクオーバ
すべてのペア論理ボリュームグループを,horctakeoverコマンドでテイクオーバします。テイクオーバに失敗した場合は,RAID Managerのエラーログを参照し,テイクオーバの失敗要因を対策してください。対策後,再度テイクオーバを実行してください。
すべてのペア論理ボリュームグループでSwap-Takeover,SVOL-Takeover,SVOL-SSUS-Takeoverのどれかが成功した場合(horctakeoverコマンドの戻り値が1,2,5のどれかの場合),災害用サイト切り替えができます。
(3) リモートサイトのpd_rise_disaster_modeオペランドの指定値の変更
リアルタイムSANレプリケーションの処理方式にハイブリッド方式を選択している場合に,リモートサイトのpd_rise_disaster_modeオペランドの指定値をaloneに変更します。なお,pd_rise_disaster_modeオペランドを省略している場合は,pd_rise_disaster_modeオペランドを指定してください。
(4) リモートサイトのHiRDBの開始
リモートサイトのHiRDBをpdstartコマンドで開始します。KFPS05210-Iメッセージが出力されてHiRDBの開始処理が完了したら,災害用サイト切り替えは完了です。
なお,HiRDBが開始できない場合は,HiRDBの開始処理時に出力されたエラーメッセージを参照し,障害を対策したあとに再度HiRDBを開始してください。