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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 ディザスタリカバリシステム 構築・運用ガイド


5.3.1 保守用サイト切り替えの手順

保守用サイト切り替えの手順を次に示します。

〈手順〉

[図データ]

注意事項

メインサイト(リモートサイト)からリモートサイト(メインサイト)に保守用サイト切り替えをした場合,切り替え以降はメインサイトのデータの整合性を保てません。このため,リモートサイト(メインサイト)からメインサイト(リモートサイト)にサイトを切り替えることはできません。再びサイトの切り替えができるようにするには,次に示す条件をすべて満たす必要があります。

  • すべてのペア論理ボリュームグループのステータスをPAIRにする

  • pd_rise_disaster_modeオペランドの値をnormal(省略値)に変更してからHiRDBを開始する

各手順の詳細を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) サイトの切り替え可否の確認

次に示す条件をすべて満たしているかどうかを確認します。条件を満たしていない場合は,保守用サイト切り替えはできません。

(2) メインサイトのHiRDBが停止しているかの確認

メインサイトのHiRDBが停止中か確認します。停止していない場合は,HiRDBをpdstopコマンドで正常終了してください。正常終了に失敗した場合,保守用サイト切り替えをしないでください。HiRDBの終了処理時に出力されたエラーメッセージを参照し,障害要因を対策したあとに再度HiRDBを正常終了してください。

なお,ハイブリッド方式の場合,正常終了ができないケースがあります。この場合,HiRDBをpdstop -fコマンドで強制終了してください。HiRDBが正常終了できないケースについては,「シンクポイントダンプの取得処理(ハイブリッド方式限定)」を参照してください。

(3) ペア論理ボリュームグループのテイクオーバ

すべてのペア論理ボリュームグループを,horctakeoverコマンドでテイクオーバします。テイクオーバに失敗した場合は,RAID Managerのエラーログを参照し,テイクオーバの失敗要因を対策してください。対策後,再度テイクオーバを実行してください。

すべてのペア論理ボリュームグループでSwap-Takeover,SVOL-Takeover,SVOL-SSUS-Takeoverが成功した場合(horctakeoverコマンドの戻り値が1,2,5のどれかの場合),各ペア論理ボリュームグループに対してpairvolchkコマンドを実行し,ペア論理ボリュームのステータスを確認してください。すべてのペア論理ボリュームグループでSwap-Takeover,SVOL-Takeover,SVOL-SSUS-Takeoverが成功した場合に,保守用サイト切り替えができます。

(4) リモートサイトのpd_rise_disaster_modeオペランドの指定値の変更

リアルタイムSANレプリケーションの処理方式にハイブリッド方式を選択している場合に,リモートサイトのpd_rise_disaster_modeオペランドの指定値をaloneに変更します。なお,pd_rise_disaster_modeオペランドを省略している場合は,pd_rise_disaster_modeオペランドを指定してください。

(5) リモートサイトのHiRDBの開始

リモートサイトのHiRDBをpdstartコマンドで開始します。KFPS05210-Iメッセージが出力されてHiRDBの開始処理が完了したら,保守用サイト切り替えは完了です。

なお,HiRDBが開始できない場合は,HiRDBの開始処理時に出力されたエラーメッセージを参照し,障害を対策したあとに再度HiRDBを開始してください。