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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 ディザスタリカバリシステム 構築・運用ガイド


4.2.1 メインサイトとリモートサイトのデータベースの更新同期を取る必要がある場合

ハイブリッド方式を使用している場合,表「データベースの更新同期を取る必要があるコマンド」および表「データベースの更新同期を取る必要がある操作」で示す操作を行うと,そのときの更新データはシステムログファイルから回復できないため,メインサイトとリモートサイトのデータベースの更新同期を取る必要があります。更新同期を取る処理はHiRDBが行いますが,その分のオーバヘッドが掛かるため,表「データベースの更新同期を取る必要があるコマンド」および表「データベースの更新同期を取る必要がある操作」で示す操作の処理時間が通常より長くなります。また,これらの操作を行ったときにKFPS04680-Eメッセージが出力された場合,これらの操作で更新したRDエリアはサイトを切り替えたあとにデータの回復を保証しません。データベースの更新同期を取る必要があるコマンドおよびデータベースの更新同期を取る必要がある操作を次の表に示します。

表4‒4 データベースの更新同期を取る必要があるコマンド

コマンド名

オプション

コマンドの説明

オーバヘッド

KFPS04680-Eメッセージが出力されたときにデータの回復を保証しないRDエリア

pdhold

-s

同期化閉塞

2(秒/-rオプションに指定したRDエリア)

-rオプションに指定したRDエリア

-c

コマンド閉塞かつクローズ

pdclose

RDエリアのクローズ

pdrels

RDエリアの閉塞解除

pdorbegin

-r

オンライン再編成のデータベース静止化

2(秒/-rオプションに指定したRDエリア)

-rオプションに指定したRDエリア

-s

2(秒/-sオプションに指定したサーバのRDエリア)

-sオプションに指定したサーバのRDエリア

-t

2(秒/-tオプションに指定した表が格納されているRDエリア)

-tオプションに指定した表が格納されているRDエリア

pdorend

-sオプション省略時

オンライン再編成の追い付き反映

2(秒/オンライン再編成閉塞状態のRDエリア)

オンライン再編成閉塞状態のRDエリア

-s

2(秒/-sオプションに指定したサーバのRDエリアの中で,オンライン再編成閉塞状態のRDエリア)

-sオプションに指定したサーバのRDエリアの中で,オンライン再編成閉塞状態のRDエリア

(凡例)−:すべてのオプションが該当します。

表4‒5 データベースの更新同期を取る必要がある操作

操作

オーバヘッド

KFPS04680-Eメッセージが出力されたときにデータの回復を保証しないRDエリア

コミットまたはロールバック

HiRDB Text Search Plug-inを使用した更新

2(秒/更新したRDエリア)

更新対象のユーザLOB用RDエリア

BLOBデータの更新

更新前ログ取得モードまたはログレスモードを使用した更新

更新対象のユーザ用RDエリアおよびユーザLOB用RDエリア

共用RDエリアの更新

更新対象の共用RDエリア

オープン属性がSCHEDULE属性のRDエリアの更新

更新対象のユーザ用RDエリアおよびユーザLOB用RDエリア

DISCONNECT

共用RDエリアの更新

更新対象の共用RDエリア

共用表への定義系SQLの実行

2秒

定義系SQLを実行した共用RDエリア

共用表への排他モード指定のLOCK TABLEの実行

LOCK TABLEを実行した共用RDエリア

RDエリアの自動増分

2(秒/回)

自動増分を実行したRDエリア

注※ HiRDB/パラレルサーバの場合に該当します。HiRDB/シングルサーバの場合は対象外です。