1.2.4 ログ同期方式
ログ同期方式を適用すると,リモートサイトへの更新コピー処理が次に示すようになります。
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データベースファイルの更新コピー処理は,初期構築時またはシステムログ適用化時に一度だけ行います。
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システムファイルの更新コピー処理は同期コピーで行います。
ログ同期方式では,業務サイトでトランザクションを受け付け,ログ適用サイトで業務サイトからコピーされたシステムログを基に,データベースの更新処理を行います。通常,メインサイトが業務サイト,リモートサイトがログ適用サイトとなります。
システムログファイルなどのデータベースの回復に必要な情報は,リモートサイトへの反映を保証するために同期コピーを行います。したがって,メインサイトのHiRDBが災害によって異常終了した場合,異常終了直前の状態でリモートサイトのHiRDBを再開始できます。ログ同期方式は,主に小,中規模システム向けの処理方式といえます。
データベースファイルについては,初期構築時またはシステムログ適用化時にだけコピーするため,ほかの方式に比べて通信量を削減できます。そのため,トランザクション性能への影響は小さくなります。なお,リモートサイト側でシステムログを基にデータベースを更新するため,常にリモートサイトのHiRDBを稼働しておく必要があります。
- 注意事項
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ログ同期方式を適用する場合,付加PPのHiRDB Disaster Recovery Light Editionをインストールして,pdopsetupコマンドでセットアップする必要があります。
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ログ同期方式の場合,全同期方式,全非同期方式,およびハイブリッド方式に比べて,副シンクポイントダンプファイルおよび副ステータスファイルが必要となります。したがって,副シンクポイントダンプファイルおよび副ステータスファイルがあることを考慮して,ハードウェア構成を決めてください。
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リモートサイトのHiRDBは,ログ適用を行うために稼働しています。そのため,ログ適用サイトのHiRDBに対してUAPを実行することはできません。
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- 参考
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ログ同期方式は,ほかの処理方式に比べて通信量を削減できますが,運用が難しくなります。運用の違いについては,次に示す個所を参照してください。
ログ同期方式の概要を次の図に示します。また,ログ適用サイトに更新コピーするときの処理方式(ログ同期方式の場合)を次の表に示します。
- 〔説明〕
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初期構築時またはシステムログ適用化時だけデータベースファイルをコピーします。それ以外はコピーしません。
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業務サイトから同期コピーしたシステムログを読み込んで,データベースへの更新処理を行います。これをログ適用といいます。
表1‒5 ログ適用サイトに更新コピーするときの処理方式(ログ同期方式の場合) ログ適用サイトにコピーされるファイル
更新コピーするときの処理方式
データベースファイル
初期構築時またはシステムログ適用化時だけコピー
システムファイル1
システムログファイル
同期コピー
正シンクポイントダンプファイル
正ステータスファイル
システムファイル2
副シンクポイントダンプファイル
コピーなし
副ステータスファイル
- 参考
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正シンクポイントダンプファイルおよび正ステータスファイルは,ログ適用処理で使用するファイルです(通常のHiRDBの運用に必要なシンクポイントダンプファイルおよびステータスファイルのことです)。副シンクポイントダンプファイルおよび副ステータスファイルは,ログ適用処理を行っているときのシンクポイントダンプおよびシステムステータス情報を保存するためのファイルです。なお,ログ適用サイトのHiRDBで出力されるメッセージに,シンクポイントダンプファイルおよびステータスファイルの情報がある場合,それは副シンクポイントダンプファイルおよび副ステータスファイルを示しています。
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