1.4.1 オンラインでのデータベース再編成
オンライン業務で使用しているデータベースのレプリカを利用して,オンライン業務の運用中に,データベースを再編成できます。オンラインでのデータベース再編成には,次の2種類があります。業務特性に合わせて利用してください。
種類 |
説明 |
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オンライン再編成 |
データベースの再編成中は,データベースの参照だけできます。更新はできません。 運用の設定が,更新可能なオンライン再編成に比べて簡単です。 データベースの更新処理が頻繁に発生しない業務に適しています。 |
更新可能なオンライン再編成 |
データベースの再編成中に,データベースの参照および更新ができます。 データベースの更新処理が頻繁に発生する業務,およびデータベースの再編成に長時間掛かる業務に適しています。 |
- 〈この項の構成〉
(1) オンライン再編成
オンライン業務の運用中にレプリカを作成して,オンライン業務で使用するデータベースをレプリカに切り替えます。その間にマスタのデータベースの再編成を実施して,使用するデータベースをマスタに戻します(切り替えます)。こうすることで,オンライン業務を停止することなくデータベースのメンテナンスができます。通常は,再編成中や切り替え中に業務を停止しなければなりませんが,オンライン再編成では,そのような間でも参照業務を続行できます。このとき,再編成を業務とは別のデータベース(レプリカ)で実行することによって,業務の性能への影響を最小限にできます。
オンライン再編成のイメージを次の図に示します。
レプリカを作成するときはマスタのデータベースを静止化(バックアップ閉塞)し,静止化直前までのトランザクションを完結させ,この状態のコピーをレプリカとして作成します。静止化によって,整合性を確保した状態のレプリカを作成できます。静止化されたデータベースへは参照目的のアクセスだけができます。
(2) 更新可能なオンライン再編成
更新可能なオンライン再編成とは,オンライン再編成を高機能にしたものです。
オンライン再編成では,データベース再編成中はオンライン業務では参照処理しかできません。更新可能なオンライン再編成では,データベース再編成中に更新処理を実行できます。
更新処理が多く発生する業務,またはデータベースの再編成に時間が掛かる業務で利用すると便利です。
更新可能なオンライン再編成のイメージを次の図に示します。
データベースの再編成を行う前に,データベース静止化およびカレントデータベースの切り替えを行います。この間はデータベースを参照・更新することはできません。データベース切り替えの間に発生した参照・更新要求はデータベースの切り替えが完了するまで待ち状態になります。
カレントデータベースを切り替えたあと,マスタのデータベースにはデータベース再編成ユティリティ(pdrorg)を実行します。一方,レプリカのデータベースはオンライン業務に使います。
データベース再編成ユティリティ(pdrorg)の実行が終わったあと,レプリカのデータベースのシステムログを基に,ユティリティ実行中に行われた更新処理の反映を行います(追い付き反映)。
これによって,データベースの再編成を実行したマスタのデータベースに最新の情報を反映できます。
追い付き反映が終了すると,自動的にカレントデータベースがマスタのデータベースに戻ります。この切り替えの間に発生した参照・更新要求は,データベースの切り替えが完了するまで待ち状態になります。
表によっては,更新可能なオンライン再編成を実行できない場合があります。詳細については,「更新可能なオンライン再編成の運用方法」を参照してください。