7.10.1　RESIGNAL文の形式と規則

(1)　機能

エラーを発生させ，通知します。このとき，診断領域に診断情報を追加します。

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(2)　形式

　RESIGNAL 〔信号値〕
 
　信号値：：＝｛SQLSTATE値｜条件名｝
　SQLSTATE値：：＝SQLSTATE 〔VALUE〕 文字列定数

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(3)　オペランド

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(4)　共通規則

1. RESIGNAL文を実行するまでに，ハンドラを呼び出したSQL手続き文がない場合は，実行時にエラーとなります。

2. 信号値を指定していない場合，SQLSTATEにはエラーを示す'R0000'（異常終了で暗黙的ロールバックなし）が設定されます。

3. RESIGNAL文を実行した場合は，SQLCODEに設定される値は次のようになります。

   • 信号値を指定していない場合

     変更されません。ハンドラを呼び出したSQL手続き文を実行したときに設定された値が保持されます。

   • 信号値を指定した場合

     -1400が設定されます。

4. RESIGNAL文を実行しても，暗黙的ロールバックにはなりません。ただし，トリガの中で実行した場合は，WITHOUT ROLLBACKを指定して定義した表を除いて，暗黙的ロールバックになります。WITHOUT ROLLBACKを指定して定義した表については，RESIGNAL文をトリガの中で実行しても，行更新（追加，削除を含む）の処理完了後はロールバックしません。

5. RESIGNAL文を実行した場合，診断領域に設定される情報は次のようになります。

   • 信号値を指定していない場合

     診断情報は更新されません。

   • 信号値を指定した場合

     診断領域の文情報項目のNUMBERにはi+1（RESIGNAL文実行前の値をiとする）が，MOREには'N'が設定されます。診断領域の条件情報項目のi番目（条件番号i）に設定されていた情報は，i+1番目（条件番号i+1）に配置されます。ここで，条件情報項目数の最大値を超えた場合は，文情報項目のMOREに'Y'が設定されます。1番目（条件番号:1）の条件情報項目のERROR_SQLには，'RESIGNAL'が設定されます。また，信号値に条件名を指定した場合，CONDITION_IDENTIFIERに条件名，又はSQLSTATE値を指定したときは，CONDITION_IDENTIFIERに'SQLSTATE:xxxxx'（xxxxxは指定したSQLSTATE値）が設定されます。

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(5)　留意事項

1. RESIGNAL文は，SQL手続き，及びトリガ中に指定できます。

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(6)　使用例

在庫表（ZAIKO）に対し，指定した商品コードの数量を更新するSQL手続き（ZAIKO_KOUSIN2）を定義します。指定した数量が0未満の値の場合，一致する商品がなかった場合，又は更新に失敗した場合に，RESIGNAL文でエラーを発生させ，それぞれのSQLSTATE値を設定します。

  CREATE PROCEDURE ZAIKO_KOUSIN2(IN USCODE INT,IN USURYO INT)
  BEGIN
    DECLARE illegal_value CONDITION ;
    DECLARE EXIT HANDLER FOR illegal_value
      RESIGNAL SQLSTATE VALUE '66001';
    DECLARE EXIT HANDLER FOR NOT FOUND
      SIGNAL SQLSTATE VALUE '66002';
    DECLARE EXIT HANDLER FOR SQLERROR
      RESIGNAL SQLSTATE VALUE '66003';
    IF USURYO<0 THEN
      SIGNAL illegal_value;
    ELSE
      UPDATE ZAIKO SET ZSURYO=USURYO WHERE ZSCODE=USCODE;
    END IF;
  END

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