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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 SQLリファレンス


3.32.2 GRANT アクセス権限(アクセス権限定義)

〈この項の構成〉

(1) 機能

ユーザに表のアクセス権限を与えます。

(2) 使用権限

表の所有者

自分が所有する実表,及び自分の実表,ビュー表から定義した自分の所有するビュー表に対して,自分が持つアクセス権限をほかのユーザに与えられます。ただし,他人が所有する表に対するSELECT権限を受け取って,ビュー表を定義すると,以降このビュー表に対して自分が持つアクセス権限を,ほかのユーザに与えることはできません。

(3) 形式

 GRANT{アクセス権限〔,アクセス権限〕…|ALL〔PRIVILEGES〕}
   ON〔認可識別子.〕表識別子
   TO{認可識別子〔,認可識別子〕…|PUBLIC}
 
 アクセス権限::={SELECT|INSERT|DELETE|UPDATE}

(4) オペランド

(a) {アクセス権限〔,アクセス権限〕…| ALL〔PRIVILEGES〕}

アクセス権限

認可するアクセス権限を指定します。なお,同じアクセス権限は指定できません。

ALL〔PRIVILEGES〕

指定した表に対して,アクセス権限で指定できるすべてのアクセス権限を与える場合,指定します。

ビュー表に対して指定した場合,ビュー表所有者の持つアクセス権限をすべて与えます。

(b) アクセス権限::={ SELECT | INSERT| DELETE| UPDATE}

SELECT

SELECT権限を与える場合に指定します。

INSERT

INSERT権限を与える場合に指定します。

DELETE

DELETE権限を与える場合に指定します。

UPDATE

UPDATE権限を与える場合に指定します。

(c) ON〔認可識別子.〕表識別子

認可識別子

アクセス権限を与える表の所有者の認可識別子を指定します。

パブリックビューのアクセス権限を与える場合は,認可識別子にPUBLICを指定してください。

表識別子

アクセス権限を与える表の名前を指定します。

(d) TO{認可識別子〔,認可識別子〕…|PUBLIC}

認可識別子

アクセス権限を与えるユーザの認可識別子を指定します。ユーザの認可識別子は,最大1,600個指定できます。ただし,同じ認可識別子は指定できません。

PUBLIC

指定したアクセス権限を,すべてのユーザに与える場合に指定します。

(5) 共通規則

  1. インナレプリカ機能を使用している場合のGRANTの実行条件については,マニュアル「インナレプリカ機能 HiRDB Staticizer Option」を参照してください。

  2. 一時表に対するアクセス権限をほかのユーザに与える場合,指定できるのはALL 〔PRIVILEDGE〕だけです。

(6) 留意事項

  1. GRANTは,OLTP下のX/Openに従ったUAPから指定できません。

  2. 監査人以外のユーザに監査証跡表又は監査証跡表を基表としたビュー表のINSERT,UPDATE,DELETE権限を与えることはできません。

(7) 使用例

  1. ユーザ(認可識別子:USER1)に在庫表(ZAIKO)を検索する権限(SELECT権限)を与えます。

      GRANT SELECT
          ON ZAIKO TO USER1
  2. すべてのユーザに対して,在庫表(ZAIKO)をアクセスするすべての権限を与えます。

      GRANT ALL
          ON ZAIKO TO PUBLIC