2.63.1 pdls【-d lck】の形式と規則
(1) 機能
サーバの排他制御の状態(占有情報及び待ち情報),排他資源管理テーブルの使用率,又は排他制御用プールパーティションの統計情報を表示します。
(2) 形式
pdls -d lck {〔-a〕〔-s サーバ名〕|〔-p〔-e〕〕|〔-T〔-R〕〕} 〔{-x ホスト名〔,ホスト名〕…|-u ユニット識別子〔,ユニット識別子〕…}〕
(3) オプション
サーバの排他制御の状態(占有情報及び待ち情報),排他資源管理テーブルの使用率,又は排他制御用プールパーティションの統計情報を表示するかを指定します。オプションを省略した場合,待ち情報だけが表示されます。
(a) -a
占有情報及び待ち情報を表示したい場合に指定します。
(b) -s サーバ名 〜<識別子>((1〜8))
指定したサーバに関する待ち情報だけを表示します。省略した場合,すべてのサーバの情報を表示します。
(c) -p
各サーバの排他資源管理テーブルの使用率を表示したい場合に指定します。
(d) -e
各サーバの排他制御用プールパーティションの詳細情報を表示したい場合に指定します。
(e) -T
排他制御用プールパーティションの統計情報を表示したい場合に指定します。表示された情報は,排他制御用プールパーティションの数をチューニングするときに使用できます。排他制御用プールパーティションのチューニング方法は,マニュアル「HiRDB システム運用ガイド」の「排他制御用プールを分割する方法」を参照してください。
-Tオプションを指定する場合に出力される情報の中で,次に示す情報は,表示できるけた数を超えると0に戻ります。0に戻らないようにするためには,-Rオプションも同時に指定してください。
-
排他要求回数
-
排他制御用プールパーティションのスレッド間ロック要求回数
(f) -R
前回のコマンド実行時から,コマンド実行時点までの統計情報を集計したい場合に指定します。前回との差分の統計情報を取得するため,このコマンドを多重実行しないでください。なお,HiRDBを開始してから最初にこのコマンドを実行する場合,HiRDB開始時からコマンド実行時点までの統計情報を集計します。
省略した場合,HiRDBを開始したときからコマンドを実行した時点までの統計情報を集計します。
(g) -x ホスト名〔,ホスト名〕…
特定のホストについて情報を表示したい場合,そのホスト名を指定します。
-sオプションと同時に指定した場合は,-sオプションの指定が有効となり,-xオプションの指定は無視されます。また,複数のホスト名を指定する場合,コンマの前後には空白を含めないでください。
(h) -u ユニット識別子〔,ユニット識別子〕…
特定のユニットについて情報を表示したい場合,そのユニット識別子を指定します。
-sオプションと同時に指定した場合は,-sオプションの指定が有効となり,-uオプションの指定は無視されます。また,複数のユニット識別子を指定する場合,コンマの前後には空白を含めないでください。
(4) 注意事項
-
pdls -d lckコマンドのリターンコードは,0の場合は正常終了,8の場合は異常終了となります。
(5) 出力形式
(a) オプション省略時,又は-a,-sオプションを指定した場合
HOSTNAME : aa...a(bbccdd) SVID PID TID KIND RESOURCE WAIT MODE TRNBID ACTID LOCK-STATE DPRIO ee...e ff...f gg...g hhhh ii...i jj...j kk ll...l mm...m-nn...n-oo...o p qqq ...1 :
[説明]
1は,占有及び待ち情報の数だけ繰り返し表示されます。
1で表示する各項目は,1文字以上の半角空白を空けて表示します。
- aa...a :
-
ホスト名(32文字以内)
- bbccdd:
-
pdlsコマンドを実行した時刻(時分秒)
- ee...e :
-
サーバ名(8文字以内)
- ff...f :
-
プロセスID(99999以下の場合,10進数5けた以内で右詰め表示,100000以上の場合は,10進数10けた以内で左詰め表示)
100000以上の場合,TID(スレッドID)以降の項目の表示位置は右にシフトします。
- gg...g :
-
スレッドID(10進数5けた)
- hhhh :
-
資源種別(16進数4けた)
- ii...i :
-
資源名称(16進数28けた)
- jj...j :
-
待ち時間(99999以下の場合,10進数5けた以内で右詰め表示,100000以上の場合は,10進数10けた以内で左詰め表示,単位は秒)
100000以上の場合,MODE(排他制御モード)以降の項目の表示位置は右にシフトします。
占有情報の場合は*****を表示
- kk :
-
排他制御モード(2文字)
- ll...l :
-
トランザクション識別子(16文字)
p(UNTIL DISCONNECT指定の排他保持状態)にYが表示されている場合,このトランザクションブランチは既に終了していることがあります。そのため,タイミングによってはpdls -d trnコマンドで表示されないときがあります。
- mm...m-nn...n-oo...o:
-
ユーザ識別通番(22文字以内)
19文字以上の場合,LOCK-STATE(UNTIL DISCONNECT指定の排他保持状態)以降の項目の表示位置は右にシフトします。
- p :
-
Y :排他を保持しています
N :排他を保持していません
- qqq :
-
HiRDB内部で取得する排他の占有情報及び待ち情報の場合,-1を出力する場合があります。
- <出力例>
-
プロセスIDが100000以上の表示を含む場合
HOSTNAME : HOST0001(145717) SVID PID TID KIND RESOURCE WAIT MODE TRNBID ACTID LOCK-STATE DPRIO SERVER01 38095 1 0001 0300000000000000000000000000 ***** SR PRDBUNT000010003 16-1-2 N 64 … プロセスIDが99999以下 SERVER01 108221 1 0002 0300020000000000000000000000 ***** SR PRDBUNT000010003 16-1-2 N 64 … プロセスIDが100000以上 SERVER01 8101 1 0007 000300000e450000030002000000 ***** PR PRDBUNT000010003 16-1-2 N 64 … プロセスIDが99999以下
(b) -pオプションを指定し,かつ-eオプションを指定しない場合
HOSTNAME : aa...a(bbccdd) SVID TABLE-KIND TOTAL USED RATE ee...e RESOURCE ff...f gg...g hhh% ...1 :
[説明]
1は,サーバの数だけ繰り返し表示されます。
1で表示する各項目は,1文字以上の半角空白を空けて表示します。
- aa...a:
-
ホスト名(32文字以内)
- bbccdd:
-
pdlsコマンドを実行した時刻(時分秒)
- ee...e:
-
サーバ名(8文字以内)
- ff...f:
-
管理できる排他資源の最大数(32ビットモードの場合10進数8けた,64ビットモードの場合10進数10けた)
- gg...g:
-
現在管理中の排他資源数(32ビットモードの場合10進数8けた,64ビットモードの場合10進数10けた)
- hhh:
-
排他資源管理テーブル使用率(%)
(c) -pオプション及び-eオプションを指定した場合
HOSTNAME : aa...a(bbccdd) SVID : ee...e ...1 TABLE-NAME TABLE-KIND TOTAL USED RATE-C RATE-T ...1 ff...f gg...g hh...h ii...i jjj% kkk% ...1,2 : : : : : : SVID : ee...e ...1 TABLE-NAME TABLE-KIND TOTAL USED RATE-C RATE-T ...1 ff...f gg...g hh...h ii...i jjj% kkk% ...1,2 : : : : : :
[説明]
HOSTNAMEに表示されるホスト上に存在するユニットごとに表示されます。HiRDBサーバがないユニットは,HOSTNAMEだけ表示されます。HiRDBサーバがないユニットとは,システムマネジャだけを配置したユニット又は影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用しているユニットで,バックエンドサーバが稼働していないユニットが該当します。
1はサーバごとに,2は排他制御用プールパーティションごとに表示されます。
2で表示する各項目は,1文字以上の半角空白を空けて表示します。
- aa...a:
-
ホスト名(32文字以内)
- bbccdd:
-
pdlsコマンドを実行した時刻(時分秒)
- ee...e:
-
サーバ名(8文字以内)
- ff...f:
-
HiRDBが独自に生成した,排他制御用プールパーティション名称(16文字以内)
- gg...g:
-
テーブル種別(8文字以内)
RESOURCE:排他資源を管理する排他資源管理テーブル
- hh...h:
-
管理可能な排他資源の最大数(符号なし整数9けた以内)
- ii...i:
-
現在管理中の排他資源数(符号なし整数9けた以内)
- jjj:
-
現在の使用率(小数点以下は切り捨て)(符号なし整数3けた以内)
- kkk:
-
HiRDB開始時から現在までの使用率の最高値(小数点以下は切り捨て)(符号なし整数3けた以内)
(d) -Tオプション及び-Rオプションを指定した場合
HOSTNAME : aa...a(bbccdd) SVID : nn...n ...1 RANGE : eeee/ff/gg hh:ii:jj - kkkk/ll/mm bb:cc:dd...1 TABLE-NAME TABLE-KIND RATE-T L-CNT T-CNT W-RATE Q-LEN W-TIME W-TIME-T...1 oo...o pp...p qqq% rr...r ss...s ttt.t% uuuu vvvv.v wwww.w...1,2 : : : : : : : : : SVID : nn...n ...1 RANGE : eeee/ff/gg hh:ii:jj - kkkk/ll/mm bb:cc:dd...1 TABLE-NAME TABLE-KIND RATE-T L-CNT T-CNT W-RATE Q-LEN W-TIME W-TIME-T...1 oo...o pp...p qqq% rr...r ss...s ttt.t% uuuu vvvv.v wwww.w...1,2 : : : : : : : : :
[説明]
HOSTNAMEに表示されるホスト上に存在するユニットごとに表示されます。HiRDBサーバがないユニットは,HOSTNAMEだけ表示されます。HiRDBサーバがないユニットとは,システムマネジャだけを配置したユニット又は影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用しているユニットで,バックエンドサーバが稼働していないユニットが該当します。
1はサーバごとに,2は排他制御用プールパーティションごとに表示されます。
2で表示する各項目は,1文字以上の半角空白を空けて表示します。
- aa...a:
-
ホスト名(32文字以内)
- bbccdd:
-
pdlsコマンドを実行した時刻(時分秒)
- eeee/ff/gg hh:ii:jj:
-
前回pdls -d lck -T -Rコマンドを実行した日付と時刻(年月日時分秒)
HiRDBを開始してから最初にこのコマンドを実行する場合,HiRDBを開始した日付と時刻。
- kkkk/ll/mm bb:cc:dd:
-
pdls -d lck -T -Rコマンドを実行した日付と時刻(年月日時分秒)
- nn...n:
-
サーバ名(8文字以内)
- oo...o:
-
HiRDBが独自に生成した,排他制御用プールパーティション名称(16文字以内)
- pp...p:
-
テーブル種別(8文字以内)
RESOURCE:排他資源を管理する排他資源管理テーブル
- qqq:
-
排他資源使用率の最高値(小数点以下は切り捨て)
- rr...r:
-
排他要求回数(符号なし整数16けた以内)
- ss...s:
-
排他制御用プールパーティションのスレッド間ロック要求回数(符号なし整数16けた以内)
- ttt.t:
-
排他制御用プールパーティションのスレッド間ロック要求回数のうち,スレッド間ロック待ちが発生した回数の割合(小数点2位以下は切り捨て)
- uuuu:
-
排他制御用プールパーティションのスレッド間ロック待ち数の平均値
システムの稼働に関する統計情報の排他制御用プールパーティションのスレッド間ロック待ち数を排他制御用プールパーティションごとに集計した値(小数点以下は切り捨て)。
- vvvv.v:
-
スレッド間ロック待ちが発生したときのスレッド間ロック待ち時間の平均値(単位:ミリ秒)※1※2
- wwww.w:
-
スレッド間ロック待ちが発生したときのスレッド間ロック待ち時間の最大値(単位:ミリ秒)※1※2
- 注※1
-
スレッド間ロック待ち時間の統計情報を取得しているかどうかで表示が異なります。
- 統計情報を取得している場合:
-
-
スレッド間ロック待ち時間の平均値が10秒以上のときは,vvvv.v は9999.9と表示されます。
-
スレッド間ロック待ち時間の最大値が10秒以上のときは,wwww.wは9999.9と表示されます。
-
平均値及び最大値が10秒未満のときは,取得した時間が表示されます。
-
- 統計情報を取得していない場合:
-
****.*が表示されます。
- 注※2
-
表示する値の精度は,使用するOS及びハードウェアに依存します。そのため,表示される値は実際の値より小さい場合があります。
- 注意事項
-
-wオプションを指定してpdstbeginコマンドを実行した後,最初に-Tオプション及び-Rオプションを指定する場合,次に示す値は実際の値より小さな値が出力されます。
-
スレッド間ロック待ちが発生したときのスレッド間ロック待ち時間の平均値
-
スレッド間ロック待ちが発生したときのスレッド間ロック待ち時間の最大値
そのため,スレッド間ロック待ち時間に関する統計情報を取得する場合は,-wオプションを指定してpdstbeginコマンドを実行した後に,一度-Tオプション及び-Rオプションを指定してpdls -d lckコマンドを実行してください。
-
(e) -Tオプションを指定し,かつ-Rオプションを指定しない場合
HOSTNAME : aa...a(bbccdd) SVID : nn...n ...1 TABLE-NAME TABLE-KIND RATE-T L-CNT T-CNT W-RATE Q-LEN...1 oo...o pp...p qqq% rr...r ss...s ttt.t% uuuu...1,2 : : : : : : : SVID : nn...n ...1 TABLE-NAME TABLE-KIND RATE-T L-CNT T-CNT W-RATE Q-LEN...1 oo...o pp...p qqq% rr...r ss...s ttt.t% uuuu...1,2 : : : : : : :
[説明]
HOSTNAMEに表示されるホスト上に存在するユニットごとに表示されます。HiRDBサーバがないユニットは,HOSTNAMEだけ表示されます。HiRDBサーバがないユニットとは,システムマネジャだけを配置したユニット又は影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用しているユニットで,バックエンドサーバが稼働していないユニットが該当します。
1はサーバごとに,2は排他制御用プールパーティションごとに表示されます。
2で表示する各項目は,1文字以上の半角空白を空けて表示します。
- aa...a:
-
ホスト名(32文字以内)
- bbccdd:
-
pdlsコマンドを実行した時刻(時分秒)
- nn...n:
-
サーバ名(8文字以内)
- oo...o:
-
HiRDBが独自に生成した,排他制御用プールパーティション名称(16文字以内)
- pp...p:
-
テーブル種別(8文字以内)
RESOURCE:排他資源を管理する排他資源管理テーブル
- qqq:
-
排他資源使用率の最高値(小数点以下は切り捨て)
- rr...r:
-
排他要求回数(符号なし整数16けた以内)
- ss...s:
-
排他制御用プールパーティションのスレッド間ロック要求回数(符号なし整数16けた以内)
- ttt.t:
-
排他制御用プールパーティションのスレッド間ロック要求回数のうち,スレッド間ロック待ちが発生した回数の割合(小数点2位以下は切り捨て)
- uuuu:
-
排他制御用プールパーティションのスレッド間ロック待ち数の平均値
システムの稼働に関する統計情報の排他制御用プールパーティションのスレッド間ロック待ち数を排他制御用プールパーティションごとに集計した値(小数点以下は切り捨て)。