Hitachi

ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム運用ガイド(Windows(R)用)


26.22.2 対処方法

Hitachi HA Toolkit Extensionによるスローダウン検知への対処方法を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) 共用メモリ管理方式の変更

共用メモリ管理方式としてpageの使用を推奨します。pageの場合,メモリマップトファイルをOSのページングファイル上に作成するため,NTFSキャッシュフラッシュによる影響を受けにくくなくなます。

共用メモリ管理方式については,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」の「仮想メモリの確認」を参照してください。

(2) メモリマップトファイルの移動と右クリックの抑止

共用メモリ管理方式としてregularの使用を継続する必要がある場合は,メモリマップトファイルが格納されたディレクトリ(%PDUXPLDIR%\spool\shm)を,HiRDB運用ディレクトリと別のドライブに移動させて,そのドライブを右クリックしない運用をしてください。

参考
  • HiRDB運用ディレクトリと別のドライブに移動させると,HiRDB運用ディレクトリがあるドライブの,フラッシュする必要があるキャッシュが減少するため,キャッシュフラッシュが発生した場合の沈み込み時間を短縮できます。

  • HiRDB運用ディレクトリと別のドライブに移動させても,HiRDB運用ディレクトリがあるドライブに大容量のファイルがあり,このファイルが大量にキャッシュされている状態でHiRDB運用ディレクトリがあるドライブを右クリックした場合,同様の現象が発生します。したがって,ドライブの右クリックは極力しないようにしてください。

  • キャッシュのフラッシュタイミングと,次の操作によるHiRDBのサーバプロセス生成処理が重なった場合,その生成処理がキャッシュのフラッシュ完了まで遅延します。この場合,Hitachi HA Toolkit Extensionでのスローダウン検知は発生しません。

    ・新規UAPの接続

    ・HiRDBのコマンド及びユティリティの実行

メモリマップトファイルが格納されたディレクトリの移動は,次の手順で行います。

  1. HiRDBを正常終了します。

  2. HiRDBのサービス,及びHiRDBのクラスタサービスを停止します。

  3. %PDUXPLDIR%\spool\shmディレクトリ下のファイルを削除します。

  4. [スタートメニュー]-[プログラム]-[管理ツール]-[コンピュータの管理]-[ディスクの管理]を選択します。

  5. [ローカルディスク(例:Hドライブに移動させる場合はH:)]-[ドライブ文字とパスの変更]-[追加]を選択し,[参照]からディレクトリ(%PDUXPLDIR%\spool\shm)を指定します。

  6. Windowsのエクスプローラで次の点を確認してください。

    • %PDUXPLDIR%\spool\shmのアイコンは,ディレクトリからドライブに変更されます。以降,移動させたドライブ直下がメモリマップトファイルが格納されるディレクトリとなり,HiRDBのサービス及びHiRDBを開始すると,メモリマップトファイルが作成されます。

なお,HiRDBのサービス開始時には,メモリマップトファイルが格納されるディレクトリ直下のファイルをクリアします(ディレクトリはクリアしません)。そのため,移動させたドライブ直下にはファイルを置かないようにしてください。

(3) ユティリティで使用するファイルの格納場所の見直し

ユティリティ実行時に使用するファイルが大容量で,HiRDB運用ディレクトリがあるドライブ上にあると,スローダウンが発生する可能性があります。HiRDB運用ディレクトリがあるドライブに,pdloadやpdrorgなどで使用する大容量のファイルがある場合,HiRDB運用ディレクトリと別のドライブへ移動するようにしてください。