26.5.7 グローバルバッファの定義(1:1スタンバイレス型系切り替え機能限定)
正規BES下のRDエリアが使用するグローバルバッファを定義するとき,pdbufferオペランドに-cオプションを指定してください。-cオプションを指定すると,代替中に代替部が使用するグローバルバッファを確保できます。
なお,pdbufferオペランドの-c及び-oオプションの両方を省略した場合は,代替BESユニットを開始できません。
- 〈この項の構成〉
(1) データ用グローバルバッファ(-rオプションのグローバルバッファ)の場合
代替中のデータ用グローバルバッファの割り当て方式を説明します。次に示すシステム構成を例にします。
●システム構成例1
pdbuffer -a gbuf01 -r RDAREA01,RDAREA02 -n 1000 -c pdbuffer -a gbuf02 -r RDAREA03,RDAREA04 -n 1000
- 〔説明〕
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正規BESと代替BESで同じ名称のグローバルバッファを使用していない構成です。
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-cオプションを指定すると代替BES下にもgbuf01が確保されます。代替中はこのグローバルバッファを使用します。ただし,正常時にはこのグローバルバッファは使用されません。
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代替BESユニットでグローバルバッファが使用する共用メモリを見積もるときにgbuf01の分を加算する必要があります。
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代替中もバッファヒット率が低下しません。
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●システム構成例2
pdbuffer -a gbuf01 -r RDAREA01,RDAREA02,RDAREA03,RDAREA04 -n 1000 -c
- 〔説明〕
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正規BESと代替BESで同じ名称のグローバルバッファを使用している構成です。
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-cオプションを指定すると代替中は代替BESのgbuf01を使用します。
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代替中はバッファヒット率が低下することがあります。
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代替BES下のgbuf01のバッファサイズは,正規BES及び代替BES下のRDエリアの最大ページ長になります。
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- -cオプションを省略した場合
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-cオプションを省略すると,代替中は-oオプションのグローバルバッファを使用します。
(2) インデクス用グローバルバッファ(-iオプションのグローバルバッファ)の場合
代替中のインデクス用グローバルバッファの割り当て方式を説明します。次に示すシステム構成を例にします。
●システム構成例
pdbuffer -a gbuf01 -i USER01.INDX01 -n 1000 -c
- 〔説明〕
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非横分割インデクスINDX01が使用するグローバルバッファに-cオプションを指定すると,代替BES下にもgbuf01が確保されます。代替中はこのグローバルバッファを使用します。ただし,正常時にはこのグローバルバッファは使用されません。
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代替BESユニットでグローバルバッファが使用する共用メモリを見積もるときにgbuf01の分を加算する必要があります。
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●システム構成例
pdbuffer -a gbuf02 -i USER01.INDX02 -n 1000 -c
- 〔説明〕
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横分割インデクスINDX02が使用するグローバルバッファに-cオプションを指定すると,代替BES下にgbuf02と同じグローバルバッファgbuf02が確保されます。代替中はこのグローバルバッファを使用するため,BES2下のINDX02とアクセス競合は発生しません。ただし,正常時にはこのグローバルバッファは使用されません。
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代替BESユニットでグローバルバッファが使用する共用メモリを見積もるときにgbuf02の分を2倍する必要があります。
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- -cオプションを省略した場合
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-cオプションを省略すると,代替中は次に示す優先順位でグローバルバッファを使用します。
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インデクス格納RDエリアにグローバルバッファを割り当てていて,そのグローバルバッファに-cオプションを指定している場合は,(1)で説明した方式に従います。
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-oオプションのグローバルバッファを使用します。
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(3) LOB用グローバルバッファ(-bオプションのグローバルバッファ)の場合
代替中のLOB用グローバルバッファの割り当て方式はデータ用グローバルバッファと同じです。ただし,-cオプションを省略した場合は,グローバルバッファを使用しないで直接RDエリアに対して読み込み及び書き込みをします。
(4) -oオプションのグローバルバッファの場合
代替BES下の-oオプションのグローバルバッファを代替中は正規BES下のRDエリアも使用します。グローバルバッファのバッファサイズは正規BES及び代替BES下のRDエリアの最大ページ長になります。
(5) グローバルバッファの設計方針
基本的には,正規BES下のRDエリア,インデクス,及びLOB用RDエリアが使用するグローバルバッファに-cオプションを指定してください。
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-cオプションを指定すると,代替中に使用するグローバルバッファを代替BES下に作成します。このため,代替BESユニットでグローバルバッファが使用する共用メモリがその分だけ余計に必要になります。共用メモリに余裕がない場合は-cオプションを指定しないでください。
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代替BES下のグローバルバッファを正規BES下のRDエリアにも使用させる場合,そのグローバルバッファのバッファサイズは正規BES及び代替BES下のRDエリアの最大ページ長になります。したがって,RDエリアのページ長も考慮して-cオプションを指定してください。