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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム運用ガイド(Windows(R)用)


26.19.2 RDエリアの入出力エラー(パス障害)が発生した場合に系を切り替える方法

ここでは,RDエリアの入出力エラー(パス障害)が発生した場合に系を切り替える方法について説明します。なお,ここでいう入出力エラーとは,HiRDBがファイルを操作したときにHiRDBが判別できない理由でファイル操作に失敗したエラーを意味し,HiRDBファイルシステムに対するアクセス要求から返されるエラーコードに-1544が出力されるエラーのことです。

〈この項の構成〉

(1) 系を切り替えるための準備作業

(a) pd_db_io_error_actionオペランドを指定します

pd_db_io_error_actionオペランドにunitdownを指定すると,RDエリアの入出力エラーが発生したときにHiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット)が異常終了するため,系を切り替えられます。入出力エラーの要因がパス障害の場合は,系の切り替え後に入出力処理ができるようになるため,業務をそのまま続行できます。なお,ここでいうパス障害とは,HiRDBとファイル間の通信経路が何かの要因で切断されているため,ファイルをアクセスできない状態を意味しています。

pd_db_io_error_actionオペランドにunitdownを指定する場合は,「RDエリアの入出力エラー(パス障害)が発生したときの対処方法」を参照してください。

(b) pd_mode_confオペランドの指定値を確認します

HiRDBが異常終了した場合に系を切り替えるため,pd_mode_conf = MANUAL2を指定します。HiRDBが異常終了した場合に系を切り替えないとき(異常終了した系でHiRDBを再開始するとき)は,pd_mode_conf = MANUAL1を指定します。

(c) Hitachi HA Toolkit Extensionのswitchtypeオペランドを指定します(サーバモード限定)

Hitachi HA Toolkit Extensionのswitchtypeオペランドにswitchを指定します。switchを指定すると,HiRDBが異常終了した場合に系を切り替えます。

(d) 系の切り替え時期を監視します(モニタモード限定)

モニタモードの場合はHiRDBが異常終了しても,自動的に系を切り替えられません。ユーザの運用(系切り替え用のシェルの実行など)で系を切り替えます。系切り替えの運用例を次に示します。

  • HiRDBが異常終了したとき,KFPS01821-Eメッセージがイベントログに出力されます。JP1又は監視シェルなどを使用してこのメッセージを監視し,メッセージが出力されたときに系を切り替えます。HiRDB/パラレルサーバの場合,システムマネジャがあるサーバマシンのイベントログか,又は異常終了したユニットがあるサーバマシンのイベントログのどちらかにこのメッセージが出力されます。

  • UAPを定期的に実行して,データベースにアクセスできるかどうかを確認してください。UAPがデータベースにアクセスできない場合に系を切り替えます。

(2) 運用方法

入出力エラーが発生してHiRDBが異常終了した場合は系を切り替えて処理を続行してください。そして,出力されたメッセージを調査して対策してください。対策後,必要に応じて再度系を切り替えるか,又はHiRDBを一度終了して再度開始してください。なお,系の切り替え後も入出力エラーが発生するとRDエリアは障害閉塞します。この場合,データベース回復ユティリティ(pdrstrコマンド)でRDエリアを回復してください。