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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム運用ガイド(Windows(R)用)


26.17.5 高速系切り替え機能使用時の注意事項

〈この項の構成〉

(1) 待機系HiRDB(ユニット)を再度開始する必要がある操作

次の表に示す操作内容を実施したあと,実行系HiRDB(ユニット)の再起動を実施したかどうかで,待機系HiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合は待機系ユニット)を一度終了してから再度開始する必要があります。待機系HiRDBを再度開始しないと,系切り替えが発生したときに待機系HiRDBが異常終了します。

表26‒87 待機系HiRDB(ユニット)を再度開始する必要がある操作

分類

条件

待機系HiRDB(ユニット)を再度開始する必要の有無

操作内容

実行系HiRDB(ユニット)の再起動の有無

SQLの実行

定義系SQLの実行

なし

あり

HiRDBシステム構築後最初の抽象データ型の定義(CREATE TYPE文の実行)

なし

あり

運用コマンド又はユティリティの実行

データベース構成変更ユティリティ(pdmod)の実行

監査人の登録

なし

あり

RDエリアの属性変更

なし

あり

監査証跡表の作成

なし

あり

上記以外の操作

なし

※1

あり

※1

HiRDBシステム構築後最初のpdplgrgstコマンドの実行(CREATE TYPE文の実行)

なし

あり

システム

共通定義の変更

次のどれかの定義の変更

  • グローバルバッファの定義(pdbuffer)

  • RDエリアの最大数(pd_max_rdarea_no)

  • RDエリアを構成するHiRDBファイルの

    最大数(pd_max_file_no)

  • 表予約数の最低保証値

    (pd_assurance_table_no)

  • インデクス予約数の最低保証値

    (pd_assurance_index_no)

なし

あり

(凡例)

○:待機系HiRDB(ユニット)を再度開始する必要があります。

−:待機系HiRDB(ユニット)を再度開始する必要はありません。

注※1

HiRDB/パラレルサーバの場合で,DSを配置しているユニットに高速系切り替え機能を適用している場合,その待機系ユニットの再起動も実施する必要があります。実施していない場合,そのユニットで系切り替えが発生すると異常終了します。

待機系HiRDBが異常終了した場合は,待機系HiRDBをpdstartコマンド(HiRDB/パラレルサーバの場合はpdstart -u又はpdstart -qコマンド)で開始してください。

(2) RDエリアのオープン契機について

高速系切り替え機能の対象になる待機系ユニットは,待機状態のときにRDエリアをオープンしていません。また,系の切り替え時間を最小限に抑えるため,系切り替えの発生時に全面回復で必要なRDエリアだけをオープンして,そのほかのRDエリアはオープンしません。したがって,RDエリアのオープン契機は次のようになります。

RDエリアのオープン契機については,「RDエリアのオープン契機を変更する方法(RDエリアの属性変更)」を参照してください。

(3) OLTP製品と連携している場合

次に示す条件をすべて満たす場合は注意が必要です。

この場合,OLTP製品が未決着トランザクションの回復処理をすると,X/Openに従ったAPIがエラーリターンしてトランザクションが回復されないことがあります。この現象が発生する場合は,HiRDBクライアントのバージョンを06-02-/B以降にバージョンアップしてください。業務を停止させたくないなどの理由でHiRDBクライアントのバージョンアップがすぐにできない場合は,現用系HiRDB(ユニット)を待機系から実行系に系を切り替えてください。ただし,これは一時的な対応策です。HiRDBクライアントのバージョンアップで対応してください。