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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム運用ガイド(Windows(R)用)


26.10.1 DataKeeperジョブ,及びDataKeeperボリュームリソースの作成

〈この項の構成〉

(1) 1:1系切り替え,相互系切り替え構成の場合

現用系と予備系で,同一の情報が参照できる必要があります。DataKeeperのデータレプリケーション機能によって,対象のボリューム間で同期を取ります。

DataKeeperでレプリケーションする場合,DataKeeperボリュームリソースを作成する必要があります。現用系ユニットごとにDataKeeperジョブを作成し,同期が必要なボリューム間のミラーをDataKeeperジョブに作成することで,DataKeeperボリュームリソースを作成できます。DataKeeperジョブ作成時に設定する項目を次の表に示します。

表26‒32 DataKeeperジョブに設定する項目(1:1系切り替え,相互系切り替え構成の場合)

項番

項目

入力・選択する内容

1

ジョブ名/ジョブの説明

任意の内容を入力

2

ソースボリュームの設定

サーバ

現用系のホスト名を選択

3

IPアドレス

現用系のレプリケーションで使用するIPアドレスを選択

4

ボリューム

現用系のレプリケーション対象ボリュームを選択

5

ターゲットボリュームの設定

サーバ

予備系のホスト名を選択

6

IPアドレス

予備系のレプリケーションで使用するIPアドレスを選択

7

ボリューム

予備系のレプリケーション対象ボリュームを選択

8

圧縮度

任意

9

レプリケーション方式

HiRDB/シングルサーバ及び1ユニット構成のHiRDB/パラレルサーバ:

同期又は非同期

複数ユニット構成のHiRDB/パラレルサーバ:

同期

10

最大帯域

任意

注※

非同期を選択する場合は,一つのDataKeeperボリューム上にレプリケーション対象のユニット内のHiRDBファイルをすべて配置してください。なお,非同期を選択すると,更新された情報が系切り替えによって欠落することがあります。

DataKeeperジョブ作成後,MSFCにDataKeeperボリュームリソースを自動登録するかどうかの確認ダイアログが表示されます。[はい]をクリックしてDataKeeperボリュームリソースをMSFCに登録してください。

(2) マルチスタンバイ構成,影響分散スタンバイレス型系切り替え構成の場合

現用系(又はホストBES)とすべての予備系(又はゲストBES)で,同一の情報が参照できる必要があります。DataKeeperのデータレプリケーション機能によって,対象となるすべてのボリューム間で同期を取ります。

DataKeeperでレプリケーションする場合,DataKeeperボリュームリソースを作成する必要があります。現用系のユニット(又はホストBES)ごとにDataKeeperジョブを作成し,対象のユニット(又はホストBES)で同期する必要があるボリューム間のすべてのミラーをDataKeeperジョブに作成することで,DataKeeperボリュームリソースを作成できます。

DataKeeperボリュームリソースの作成手順を次に示します。

〈手順〉
  1. 現用系のユニット(又はホストBES)に対してDataKeeperジョブを一つ作成し,DataKeeperジョブに現用系のユニット(又はホストBES)から予備系のユニット(又はゲストBES)へのミラーを登録して,DataKeeperボリュームリソースを作成します。

  2. 手順1.で作成したDataKeeperジョブに,残りのミラーを登録します。

DataKeeperボリュームリソースの作成例を次の図で示します。ここではボリューム1からボリューム3で同期を取るDataKeeperボリュームリソースを作成します。

図26‒46 影響分散スタンバイレス構成でのDataKeeperボリュームリソースの例(hostAのホストBESに対して,hostBとhostCにゲストBESを配置)

[図データ]

DataKeeperジョブ作成時に設定する項目を次の表に示します。ここで現用系(又はホストBES)から予備系(又はゲストBES)のミラーを一つ作成します。例ではホストBESとhostBのゲストBESの間のミラー1を作成します。

表26‒33 DataKeeperジョブに設定する項目(マルチスタンバイ構成,影響分散スタンバイレス型系切り替え構成の場合)

項番

項目

入力・選択する内容

図の例での入力・選択する内容

1

ジョブ名/ジョブの説明

任意の内容を入力

ボリューム1

2

ソースボリュームの設定

サーバ

現用系又はホストBESのホスト名を選択

hostA

3

IPアドレス

現用系又はホストBESのレプリケーションで使用するIPアドレスを選択

192.71.107.13/24

4

ボリューム

現用系又はホストBESのレプリケーション対象ボリュームを選択

X

5

ターゲットボリュームの設定

サーバ

予備系又はゲストBESのホスト名を選択

hostB

6

IPアドレス

予備系又はゲストBESのレプリケーションで使用するIPアドレスを選択

192.71.107.14/24

7

ボリューム

予備系又はゲストBESのレプリケーション対象ボリュームを選択

X

8

圧縮度

任意

None

9

レプリケーション方式

HiRDB/シングルサーバ及び1ユニット構成のHiRDB/パラレルサーバ:

同期又は非同期

複数ユニット構成のHiRDB/パラレルサーバ:

同期

同期

10

最大帯域

任意

0(無制限)

注※

非同期を選択する場合は,一つのDataKeeperボリューム上にレプリケーション対象のユニット内のHiRDBファイルをすべて配置してください。なお,非同期を選択すると,更新された情報が系切り替えによって欠落することがあります。

DataKeeperジョブ作成後,MSFCにDataKeeperボリュームリソースを自動登録するかどうかの確認ダイアログが表示されます。[はい]をクリックしてDataKeeperボリュームリソースをMSFCに登録してください。

予備系(又はゲストBES)が複数の場合,DataKeeperジョブ作成時に作成しなかった現用系(又はホストBES)から予備系(又はゲストBES)へのミラーを,DataKeeperジョブに追加します。例ではホストBESとhostCのゲストBESの間のミラー2を次の表に示す指定で作成しています。

表26‒34 DataKeeperジョブにミラーを追加作成するときに設定する項目

項番

項目

図中の例での入力・選択する内容

1

ソースボリュームの設定

サーバ

hostA

2

IPアドレス

192.71.107.13/24

3

ボリューム

X

4

ターゲットボリュームの設定

サーバ

hostC

5

IPアドレス

192.71.107.15/24

6

ボリューム

X

7

圧縮度

None

8

レプリケーション方式

同期

9

最大帯域

0(無制限)

注※

1から9の各項目は,表「DataKeeperジョブに設定する項目(マルチスタンバイ構成,影響分散スタンバイレス型系切り替え構成の場合)」の項番2から10に対応しています。

ミラーを追加すると,予備系(又はゲストBES)のボリューム間のミラーを設定するための追加情報ダイアログが表示されます。予備系(又はゲストBES)のボリューム間のすべてのミラーを追加します。追加情報ダイアログに設定する項目を以下に示します。例ではhostBのゲストBESとhostCのゲストBESの間のミラー3を作成します。

表26‒35 追加情報に設定する項目

項番

項目

入力・選択する内容

図中の例での入力・選択する内容

1

IPアドレス

レプリケーションで使用するIPアドレスを選択

192.71.107.14/24

192.71.107.15/24

2

ミラータイプ

HiRDB/シングルサーバ及び1ユニット構成のHiRDB/パラレルサーバ:

同期又は非同期

複数ユニット構成のHiRDB/パラレルサーバ:

同期

同期

注※

非同期を選択する場合は,一つのDataKeeperボリューム上にレプリケーション対象のユニット内のHiRDBファイルをすべて配置してください。なお,非同期を選択すると,更新された情報が系切り替えによって欠落することがあります。

予備系(又はゲストBES)が三つ以上の場合,現用系(又はホストBES)からすべての予備系(又はゲストBES)へのミラー及びすべての予備系(又はゲストBES)間のミラーをDataKeeperジョブに追加してください。