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ノンストップデータベース HiRDB Version 10 システム運用ガイド(Windows(R)用)


26.8.2 servers定義ファイル

〈この項の構成〉

(1) nameオペランド

スタンバイ型系切り替え機能の場合はHiRDB運用ディレクトリ名を絶対パス名で指定します。HiRDB/パラレルサーバの場合は該当するユニットのHiRDB運用ディレクトリ名を絶対パス名で指定します。

1:1スタンバイレス型系切り替え機能の場合は,HiRDB識別子(pd_system_idオペランドの指定値)と正規BESユニットのユニット識別子(pd_unit_idオペランドの指定値)を「/」で組み合わせて指定します。HiRDB識別子がDB01で,正規BESユニットのユニット識別子がUNT1の場合は次のように指定します。

 DB01/UNT1

影響分散スタンバイレス型系切り替えの場合は,HiRDB識別子とサーバ名を「/」で組み合わせて指定します。HiRDB識別子がDB01で,サーバ名がBES1の場合は次のように指定します。

 DB01/BES1

(2) switchtypeオペランド

このオペランドにはサーバ障害を検出したときの処理を指定します。

switch:

HiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット)が異常終了すると系を切り替えて切り替え先の系でHiRDBを再開始します。

1:1スタンバイレス型系切り替え機能の場合,代替BESユニットに作成する代替部用のservers定義ファイルにはswitchを指定することをお勧めします。switchを指定すると,代替中に代替BESユニットで障害が発生した場合,代替部から正規BESユニットに系が切り替わるため,再開始後の代替BESユニットの負荷を減らせます。

影響分散スタンバイレス型系切り替え機能の場合,ゲストBES用のservers定義ファイルにはswitchを指定することをお勧めします。switchを指定すると,ゲストBESが稼働中のユニットで障害が発生した場合,ゲストBESがほかのユニットに切り替わるため,再開始後の負荷を分散できます。

restart:

障害が発生した系でHiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット)を再開始します。障害が発生した系でHiRDBを再開始できないときに,系を切り替えて切り替え先の系でHiRDBを再開始します(KFPS00715-Eメッセージが出力された時点で系を切り替えます)。

1:1スタンバイレス型系切り替え機能の場合,代替BESユニットに作成する代替部用のservers定義ファイルにはrestartを指定しないことをお勧めします。restartを指定すると,代替中に代替BESユニットで障害が発生した場合,ユニットの再開始後も代替BESユニットで正規BESユニットの代替処理を継続するため,再開始後の代替BESユニットの負荷が減りません。

影響分散スタンバイレス型系切り替え機能の場合,ゲストBES用のservers定義ファイルにはrestartを指定しないことをお勧めします。restartを指定指定すると,ゲストBESの稼働中のユニットで障害が発生した場合,ユニットの再開始後にゲストBESが処理を継続するため,再開始後の負荷を分散できません。

manual:

HiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット)を再開始できなくても自動的に系を切り替えません。

ポイント

1:1スタンバイレス型系切り替え機能で相互代替構成の場合,代替BESユニットと代替部のswitchtypeオペランドには同じ値を指定してください。

影響分散スタンバイレス型系切り替え機能の場合,HAグループ内の全サーバのswitchtypeオペランドには同じ値を指定してください。

(3) actcommandオペランド

HiRDB開始用のバッチファイル名を" "で囲んで指定します。このオペランドを指定すると,クラスタソフトウェアでサーバのオンライン操作をしたときに,ここで指定したバッチファイルが実行されてHiRDBが開始します。このオペランドを省略する場合は,pdstartコマンドでHiRDBを開始してください。標準セットアップを指定してHiRDBをインストールした場合のHiRDB開始用のバッチファイルの例を次に示します。

(例)
net start HiRDBClusterService
if “%ERRORLEVEL%”==”0” goto end
call インストールディレクトリ\SAMPLE\SAMPLECONF\HiRDBCMD.BAT
cd /D %PDDIR%
call %PDDIR%\CONF\pdshastr.bat

1:1スタンバイレス型系切り替え機能の場合,待機系(代替部)でactcommandオペランドを指定する必要があるときは,開始用のバッチファイルにpdstart -q -cコマンドを指定してください。

影響分散スタンバイレス型系切り替え機能の場合,actcommandオペランドは指定できません。

(4) termcommandオペランド

HiRDB終了用のバッチファイル名を" "で囲んで指定します。このオペランドを指定すると,クラスタソフトウェアでサーバのオフライン操作をしたときに,ここで指定したバッチファイルが実行されてHiRDBが終了します。このオペランドを省略する場合は,pdstopコマンドでHiRDBを終了してください。標準セットアップを指定してHiRDBをインストールした場合のHiRDB終了用のバッチファイルの例を次に示します。

(例)
call インストールディレクトリ\SAMPLE\SAMPLECONF\HiRDBCMD.BAT
call %PDDIR%\CONF\pdshaend.bat
start net stop HiRDBClusterService
注※
  • HiRDBの終了処理時間を短縮するためにHiRDBを強制終了しています。その後,停止処理を行うHiRDBClusterServiceサービスも同じファイルを実行するため,コマンドエラーメッセージが出力されることがあります。

  • HiRDBクライアントの接続状態とpdstopコマンドのオプションによっては,pdstopコマンドがクライアントの接続解除を待ち合わせます。このため,HiRDBの終了処理に時間が掛かったり,HiRDBを終了できなかったりすることがあります。したがって,HiRDB終了用のバッチファイルに指定するpdstopコマンドのオプションに注意してください。

1:1スタンバイレス型系切り替え機能の場合,代替部のtermcommandオペランドに指定する終了用のバッチファイルにはpdstop -z -cコマンドを指定してください。

影響分散スタンバイレス型系切り替え機能の場合,HAグループ内の全サーバのtermcommandオペランドに指定する終了用のバッチファイルにはpdstop -z -sコマンドを指定してください。